2013年03月10日
佐川道場での体験
この本に衝撃を受け、いてもたってもいられず、
著者の木村達雄先生にメールを送り、思いのたけをぶつけてみました。
先生は、快く応じてくださり、先生の勤めていらっしゃる
筑波大学の道場を見学させていただくことになりました。
10年前の話です。
仕事の休みを利用して、東京に宿をとり、北海道から飛行機で
向かいました。1月だったので、東京も寒かったです。
長距離バスで筑波大学まで行きました。
先生に簡単なお土産をもって。
そうしたら、なんと!先生が駅まで車で迎えに来てくました。
偉ぶることなく、とても優しい大学の先生という印象です。
そして、先生の大学の研究室(先生は数学の教授です。)に
入り、雑談した後、「英名録」に署名捺印しました。
この「英名録」には、有名なオリンピック選手の名前や、プロ野球選手、
大学の柔道部や有名な空手の団体の代表の名前などもありました。
「さすが東京は違うな!」と思いました。
この「英名録」は、一種の誓約書。
たった一回だけ道場を見学しただけで、大東流を名乗ったり、
「大東流をやっつけてきた」などと言う輩から、佐川先生伝の名誉を守るため
だそうです。
このあたり、大東流は合気道(合気会)と違って、様々な派閥に分かれて
いる現状のシビアさを感じました。
先生にさっそく「合気」の質問をしたところ、
先生は、「合気とは、不思議なものではなく、きちんと科学的に説明できる。」
と言い、そして、机の上にあった一冊の本を取り上げ、
「両手で端を持ってごらん。」
私が両手で本の端を持ち、先生も、もう一辺の端を持ちました。
はたから見ると、卒業証書を受け取っている状態です。
先生が「合気とは、こうゆうことです。」といった瞬間。
私は、本を持ったまま、段々と右にバランスが崩れていき、
こらえきれず、後ろにあったソファーに座ってしまいました。
ソファーがなかったら、床に倒れていました。
「先生、充分不思議です!」
この研究室での体験は、10年たった今でも忘れることが出来ません。
その後、広い大学の構内を車で移動し、道場へ行きました。
打って変わって、道場では練習している方々全員が、入ってくる人に
1回1回挨拶をします。礼儀の厳しさに、緊張感が漂います。
木村先生が入ると、全員が静止して先生に礼をします。
すれ違いざまに会釈というのはありえません。
ビジターの私にも、何度も挨拶いただき、恐れ多い感じがしました。
(先生と一緒に入ってきただけなのに)
私のほうは、練習させていただけるということで、興奮状態でした。
そこで、大失敗!
他流の練習に、黒帯を持ってきてしまいました!
これは道場破りです。タブーです。
いまさら遅いですが、本当に失礼しました。
すぐに、白帯を貸してもらい、練習に参加しました。
まずは、正座で向かい合い、木村先生の両手首をつかみます。
その瞬間、後ろに投げ飛ばされます!
何度も飛ばされるうちに、気づけば、道場の端まできていました。
これは、危ないと思い、後ろに飛ばされる勢いを、少しだけ
自分で調節することは出来ました。が、掴んでいるのに飛ばされる。
もう、不思議でなりません。頭はフル回転。どんな仕組みだろうか?
今度は、道場の有段者の方と、正座で「合気上げ」の練習です。
自分の手も挙がらなければ、相手の腕は、石のように固くて重い!
次に、白帯の学生と練習しましたが、少し腕が動くくらいで、
やっぱりあげることは出来ませんでした。
「少しだけ教えて。」と話しかけましたが、そこは古流。沈黙でした。
有段者の方はこう言っていました。
「あなたが力を入れれば入れるほど、こちらは磐石となる。」
「あなたは、体の前面の筋肉を使っている。それでは無理だ。」
この言葉は、どういう意味か。その日から、自分の課題となりました。
練習のほとんどは、座ったまま、「合気上げ」の練習でした。
先生いわく、「段が上がるにつれて、様々な技を練習する。ボクシングや
武器を持った相手に対してもしっかり、対処法がある。」と。
今すぐにでも、仕事を止めて、入門したい!と思いましたが、
それは無理なので、自分で探求するしかないなと思いました。
道場の人たちは、かなりの練習を重ねています。
そして、道場では常にランキングがあり、技が落ちれば、有段者も落とされる
という、とても厳しいシステムの中、稽古をしています。
とにかく、佐川先生の「合気」を後世に残すこと一点にすべてを注いでいる
といっても過言ではないと思います。
稽古が終わり、帰りも先生に車で送っていただきました。
「筑波に宿を取っていれば、一緒に飲みながら話せるのにね。」と
言っていただきました。
この体験は、合気道の技の追求のみならず、
「道」を守る厳しさ、継続することの大変さ、
道場を主催することの大変さを知ることが出来、
とても勉強になった経験でした。
著者の木村達雄先生にメールを送り、思いのたけをぶつけてみました。
先生は、快く応じてくださり、先生の勤めていらっしゃる
筑波大学の道場を見学させていただくことになりました。
10年前の話です。
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向かいました。1月だったので、東京も寒かったです。
長距離バスで筑波大学まで行きました。
先生に簡単なお土産をもって。
そうしたら、なんと!先生が駅まで車で迎えに来てくました。
偉ぶることなく、とても優しい大学の先生という印象です。
そして、先生の大学の研究室(先生は数学の教授です。)に
入り、雑談した後、「英名録」に署名捺印しました。
この「英名録」には、有名なオリンピック選手の名前や、プロ野球選手、
大学の柔道部や有名な空手の団体の代表の名前などもありました。
「さすが東京は違うな!」と思いました。
この「英名録」は、一種の誓約書。
たった一回だけ道場を見学しただけで、大東流を名乗ったり、
「大東流をやっつけてきた」などと言う輩から、佐川先生伝の名誉を守るため
だそうです。
このあたり、大東流は合気道(合気会)と違って、様々な派閥に分かれて
いる現状のシビアさを感じました。
先生にさっそく「合気」の質問をしたところ、
先生は、「合気とは、不思議なものではなく、きちんと科学的に説明できる。」
と言い、そして、机の上にあった一冊の本を取り上げ、
「両手で端を持ってごらん。」
私が両手で本の端を持ち、先生も、もう一辺の端を持ちました。
はたから見ると、卒業証書を受け取っている状態です。
先生が「合気とは、こうゆうことです。」といった瞬間。
私は、本を持ったまま、段々と右にバランスが崩れていき、
こらえきれず、後ろにあったソファーに座ってしまいました。
ソファーがなかったら、床に倒れていました。
「先生、充分不思議です!」
この研究室での体験は、10年たった今でも忘れることが出来ません。
その後、広い大学の構内を車で移動し、道場へ行きました。
打って変わって、道場では練習している方々全員が、入ってくる人に
1回1回挨拶をします。礼儀の厳しさに、緊張感が漂います。
木村先生が入ると、全員が静止して先生に礼をします。
すれ違いざまに会釈というのはありえません。
ビジターの私にも、何度も挨拶いただき、恐れ多い感じがしました。
(先生と一緒に入ってきただけなのに)
私のほうは、練習させていただけるということで、興奮状態でした。
そこで、大失敗!
他流の練習に、黒帯を持ってきてしまいました!
これは道場破りです。タブーです。
いまさら遅いですが、本当に失礼しました。
すぐに、白帯を貸してもらい、練習に参加しました。
まずは、正座で向かい合い、木村先生の両手首をつかみます。
その瞬間、後ろに投げ飛ばされます!
何度も飛ばされるうちに、気づけば、道場の端まできていました。
これは、危ないと思い、後ろに飛ばされる勢いを、少しだけ
自分で調節することは出来ました。が、掴んでいるのに飛ばされる。
もう、不思議でなりません。頭はフル回転。どんな仕組みだろうか?
今度は、道場の有段者の方と、正座で「合気上げ」の練習です。
自分の手も挙がらなければ、相手の腕は、石のように固くて重い!
次に、白帯の学生と練習しましたが、少し腕が動くくらいで、
やっぱりあげることは出来ませんでした。
「少しだけ教えて。」と話しかけましたが、そこは古流。沈黙でした。
有段者の方はこう言っていました。
「あなたが力を入れれば入れるほど、こちらは磐石となる。」
「あなたは、体の前面の筋肉を使っている。それでは無理だ。」
この言葉は、どういう意味か。その日から、自分の課題となりました。
練習のほとんどは、座ったまま、「合気上げ」の練習でした。
先生いわく、「段が上がるにつれて、様々な技を練習する。ボクシングや
武器を持った相手に対してもしっかり、対処法がある。」と。
今すぐにでも、仕事を止めて、入門したい!と思いましたが、
それは無理なので、自分で探求するしかないなと思いました。
道場の人たちは、かなりの練習を重ねています。
そして、道場では常にランキングがあり、技が落ちれば、有段者も落とされる
という、とても厳しいシステムの中、稽古をしています。
とにかく、佐川先生の「合気」を後世に残すこと一点にすべてを注いでいる
といっても過言ではないと思います。
稽古が終わり、帰りも先生に車で送っていただきました。
「筑波に宿を取っていれば、一緒に飲みながら話せるのにね。」と
言っていただきました。
この体験は、合気道の技の追求のみならず、
「道」を守る厳しさ、継続することの大変さ、
道場を主催することの大変さを知ることが出来、
とても勉強になった経験でした。
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