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八幡浜Diving
ダイビングを初めて40余年になります。ダイビングに関することは何でも紹介します。人生において役に立つことも紹介したいと思います。
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2023年04月04日

最良望まぬ 時代精神

 日銀の黒田東彦総裁の10年間は、どんな時代だったのか。
その金融政策の成功/失敗をここで問うつもりはないが、本人の総括、金融の専門家の評価を聞くならば、一つの事が分かる。
大成功とまでは言えないが、非常に悪かったわけでもない、と。
これは、黒田総裁への国民の平均的な意見とも合致する。
この玉虫色の評価の背景にある、時代精神を探って見よう。
2% の物価上昇と言う目標はそれほど大それたものではない。
だがそれを目指してとられた手段、金融緩和は未曾有の規模で、大胆だった。
にも拘らず妥当な目標は実現しなかった。
とすれば、大失敗とされても仕方がない筈だが、そこまで酷評する人は稀だ。
如何してなのか。
一つの事は確実だ。
黒田総裁がピーターパン物語から引いた言葉-----「飛べるか如何か疑った瞬間に永遠に飛べなくなってしまう」-----を使えば、国民は飛べるか如何かを最初から疑っており、その疑いは最後まで消えなかった。
黒田総裁時代は、第2次安倍政権とセットになって、後世には記憶されるだろう。
如何して安倍政権は長く続いたのか。
私の考えでは、その主な原因は、安倍内閣の業績にあったわけではなく、その前の民主党政権にこそある。
2009年に民主党へと政権が交代した時の、国民の熱狂を覚えているだろうか。
あの時日本人は、何か途轍もない変化が起きるかも知れない、と期待した。
が、民主党政権は、そんな大きな事を一つも実現できなかった。
以降日本人は、政治に大きな事を期待するのを止めてしまった。
安倍政権が長命だったのはこの為である。
国民の期待水準が下がっているので、失望もし難いのだ。
安倍政権と一体化していた黒田総裁時代の日本人の精神を要約すると、結局次の様になる。
「私たちは最良の世界を望んでいない。現状が最良ではない事は分かっているが、最悪でもないのだから、これで良いではないか」。
ピーターパンの様に空を飛ぼうとは思わない。
落ちて死んでしまうかも、と言う恐怖があるからだ。
兎も角地面を安全に歩けているのだから、それで良い。
2% の目標を達成できなくても、黒田総裁の金融政策が容認されたのは、この様な精神のお陰である。
だが、この時代精神は、或る事を回避し、抑圧している。
「或る事」とは、現状の幾つもの困難を根本から克服した、真に開放的でユートピア的な世界への想像力である。
本当に現状は最悪ではないのか。
私たちはパンデミックや異常気象を経験してきた。
核戦争への不穏な予感を秘めた戦争も続いている。
こんな時、私たちの足元の大地は安全なのか。
大地は揺れ、大きな穴も開いている。
今必要なのは、真に空を飛ぶ事への想像力だ。
 社会学者  大沢 真幸  1958年長野県生まれ。 京都大教授などを歴任。
 「ナショナリズムの由来」で毎日出版文化賞、「自由という牢獄」で河合隼雄学芸賞。
 「社会学史」「この世界の問い方」など著書多数。
                                       愛媛新聞 文化から
安倍内閣の業績にあったわけではないらしい。
安倍内閣は成功ではないらしい。
現状は最悪で、安全ではない。
今想像力が必要だ。
世界を変えよう、政権を変えよう。
真にそう思う。

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