オオバコ科オオバコ属の多年草で、取り分け野道や山道、農道など、人や家畜、野生動物などが行き交う道の両側に列をなして繁茂し易い。
これは、大葉子の種子に粘性がある為、人間や動物たちの衣服や脚にくっ付き易く、その歩行移動によって運ばれて増殖する性質が強いからだ。
その為、漢名では大葉子の事を「車の轍に沿って群生する」と言う意味で、「車前草」と呼ぶ。
一般的には雑草扱いだが、如何して如何して、この野草は見掛けによらぬ優れた有用植物なのである。
先ず食用としては、柔らかな若葉は和え物、お浸し、炒め物、天婦羅、粥などで味あうと結構美味しく頂ける。
但し、古くなると葉脈(葉の筋)が硬くなる。
薬用では、乾燥させた種子(車前子)を煎じた物は、咳き止めに効能がある。
干した全草(車前草)を茶にして飲むと、利尿や浮腫みの解消になる。
又、腫れ物やお溺に、生の葉を火で炙って患部に貼る民間療法も知られている。
そしてもう一つ、花の付いた茎を絡ませて引っ張り合う、草花相撲の「力士」にもなる。
大海 淳 エッセイスト
愛媛新聞 野草と紡ぐ暮らしから
見た事のある様なない様な草?。
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