キスの味

今朝はお空が灰色の雲で覆われている。
午後から雨だとか･･･
西日本では猛暑に近い天気が多いらしいが、関東地方はジメジメした天気が多いよねぇ。

昨夜も一昨日に続いて、飲み会だった。
重なる時は重なるものだなぁと思いながら、皆で、楽しくお酒を頂いた。

だが、翌朝はすっきりしない。
普段よりお酒の飲む量やピッチがあがるから、肝臓に負担をかける。
睡眠時間も少なくなる。
今回は2日連続なので、お酒はほどほどにして、ひたすらウーロン茶を頂いた。
時折、ウーロン茶がウーロンハイになっていることもあったりで。

そんなことで、今朝は腕時計をするのを忘れてきてしまった。
玄関先にあったのは確認した、が、
忘れ物を取りに部屋に戻っている間に忘れてしまった。

自転車で5分ぐらいこいだ所で、
今何時ごろかなと思って、
見た時にはじめてしていないのに気づいた。

その腕時計は、父の形見だ。
職場までの約１５分の間、ずっと父のことを思い出しながら、自転車をこいできた。

川で遊んだことや、肩車をしてくれたことや、
凧揚げや竹馬で遊んでくれたり、
玄関先の靴がそろえていないことで怒られたり、
箸の持ち方が悪く、何回も怒られたり、
お前は加減を知らないから、何でも無茶苦茶やると言われたり、
学校出ても、何の常識も知らないと言われたり、
サスペンスのドラマを見ていると、殺人物は見るんじゃないと言われたり、
お前の料理は、お母さんより美味しいと言われたり、
女にしておくのは、もったいないなとか。

人間の記憶なんて、あやふやだから、
この記憶もずいぶん、自分の都合の良いふうに
塗り替えられているに違いない。

自宅で住んでいるときは、お店から父のいる仕事場を通って、
部屋に入ったものだった。
だから毎日、どんな時も父がいた。

父は、いつも「おかえり」と優しく言ってくれた。
そして、何かあるたびに、自分の考えを言ってくれた、押し付けることもなく。

何だか、今日一日は、ずっと父のことばかり思ってしまいそうだなぁ。

父の形見の腕時計に哀愁のキス。