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2016年03月04日

ディアボーイズの続きが見てみたい51話  〜下條監督の成長〜

佐藤(すごい一年生だな・・・うち相手に外も中も一発で決めるなんて)


大学チーム、ベンチからサインが出る。
どうやら1年生に好きにプレーさせるな。という合図のようだ。


森山(くそ。僕が止めてやる)


赤穂に必要以上にチェックに行く森山。


ペネトレイトで突っ込む赤穂に並走する森山。


かなりレベルの高いやり取りである事に、両チームの監督は気づき、真剣に見ていた。


ゴール下に切れ込む赤穂に対して、ヘルプディフェンスが来る。


一瞬であるが、武内がフリーになっている。


その瞬間を見逃さない赤穂。


パス。
武内「ナイスパス」


ドカン!!
武内のボースハンドダンクが炸裂。


「おおおおおおお」

「すげ〜〜〜」

「あいつ、一年だってよ。すげ〜パスじゃん」


下條「フフフ、一人の一瞬のひらめきよりも、組織化された戦略、戦術には通用しない。と考えていた私が、見とれるとは・・・これも『アイツ』の影響なのかもしれないな」


ふぅっと息をつく下條監督
「唯一、沢登と対抗できるポイントガード・・・・か。あいつがいたら、天童寺を倒していたかもしれんな。フフフ。まぁ、私も勉強したという事か・・」


あの敗北から、下條監督にも色々な思いがあった。選手達はよくやった。責められるのは自分である。と、指導者として非常に高い意識を持っている彼は、次なる野望を考えていた。


過ちとは思ってはいないが、過去に『アイツ』を自分の構想と違うとの思いで、スタメンから外した事。


そして今、優秀な選手が目の前にいる。勿論成田中央には、武内・岸本といった有力な選手がいる。この大黒柱を使いながら将来のエースを育てあげる。そこには全国制覇するストーリーを思い描ける。


まずは、チームを改革、それは自分の意識も少しは改革する事が必要である。と感じていたのであった。


そして今、下條監督が見ている選手は2年生の選手であった。
「おい、平田。準備しろ」


平田「はい。わかりました」


平田大吾(ひらただいご)。
身長は170センチちょっとと小柄であるが、強気な正確である。強引にシュートに行く姿勢でフォーメーションを崩していた事が原因で、下條バスケには合わず、1年ではベンチには入れなかった。


しかし、下條監督は彼の実力は見抜いていた。ポイントガードとしては岸本よりも上である事を・・・


赤穂が入学した時に、平田とのコンビはすぐに思いついた。ただポイントガードとしての試合作りを、下條の管理バスケで平田へ任せる事に少し抵抗は残っている。


そこで、赤穂とのコンビネーションを磨く方法を考えた。
元々スリーポイントは嫌いであるが、アメリカナイズされたバスケを目指す下條にとっては、ある程度派手なパフォーマンスが嫌いなわけではなかった。
ただ、日本の高校生(レベル)には少し早い、というのが彼の答えでもあった。


しかし、武内という超高校級プレイヤーに、赤穂、平田がいれば、ハイレベルなパフォーマンスが可能と考えたので下條監督の一つの答えでもあった。


そう考えられるのも『アイツ』のおかげかもしれない。


選手から学ばせてもらった下條監督であった。


下條「次、ボールが出たら行くぞ。今日は2番のポジションに入れ。」


平田「はい!」


ピー!! アウトオブバウンズ


下條「今日は練習試合だ。ある程度好きにやって構わん」


平田「はい。「すきに」やらせてもらいます」


下條「ふふふ」


平田大吾、練習試合デビュー



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