2017年06月20日
大腸CT(CT colonography)は内視鏡の待ち時間を短縮するのに有用だよ!
PubMedから、今日のつぶやき −12−
Behrens C, et al. The benefits of computed tomographic colonography in reducing a long colonoscopy waiting list. Can Assoc Radiol J 2010;61(1):33-40.
昨日の続きです。
Waiting timeを検討した研究が本当にないのか改めて調てみました。
PubMedに掲載されている研究の範囲では、やはりありませんでした!
新規性は十分にありそうですね。
今日の論文はwaiting timeに関する研究を探していた際に見つけたものです。
カナダのバンクーバー島にある病院で研究されたものです。
オレンジ色のきれいな外観の大病院です。
この病院では、内視鏡の待ち時間が2年にもなっているそうです。
大腸CT検査によって、その待ち時間が解消できるかを
ファンドを立ち上げて1年間検討したものです。
2005名に大腸CT検査を実施し、
結果として病変を認めなかった1462名分の大腸内視鏡検査を省略できたとしています。
433名に6ミリ以上の病変を認め、52名で大腸がんを検出しました。
大腸がんを認めた患者さんのなかの数名は、
もともと内視鏡検査が2年待ちになっていたそうです。
大腸CT検査実施例で偶発症は認めませんでした。
結論として、70%の内視鏡件数の減少効果を認め、有意な病変を20%に見つけた。
コストとして$400であった(カナダドルだと思います。現在のレートで3万2千円くらい)。
だから、内視鏡の長い待ち時間を短縮するのに有用だとしています。
昨日話題にしたwaiting timeとは違いますが、
これはこれで面白いですよね。
こうした研究もありです。
つまり、大腸CT検査の導入によって、
内視鏡の負担をどれだけ減らすことができたか検討することは日本でも必要だと思うのです。
本文では、現実的な課題もあげられていました。
この病院は非常に忙しいようで、2つのCT装置の稼働率がもともと高く、
スタッフの負担も少なくないため、
ファンド(運営資金)がないと難しい側面があるとも述べています。
この点は日本でも大学病院などで同様かもしれません。
ですが、日本はCT装置の普及率が高いので、
稼働に余裕がある施設では状況が違うとは思います。
さて、大腸CT検査アカデミー発の研究として、
「大腸CT検査と大腸内視鏡検査の待ち時間の検討の比較」を
真面目に考えてみたいと思います。
スタディデザインを考えてみます。
参加ご希望の方は是非お気軽にお声掛けくださいね!
ご注意)必ずしも論文の内容をすべて網羅している情報ではございません。詳細にご興味の方は原文をご確認ください。つぶやきは正確な情報発信を心がけますが、その内容を保証するものではないことをどうぞご了承ください。
原文
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20004547
★★重大ニュース!!━━━━━━━━━━━━━━━
日本消化器がん検診学会とGAIAの共催で実施した
「大腸CT検査の実態全国調査【臨床研究 GAIA-03】」
が放射線領域の代表的なジャーナル
「European Radiology(2016 Impact Factor: 3.967)」
に掲載されました!!
https://link.springer.com/article/10.1007/s00330-017-4920-y
PubMedにも掲載済みですよ
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28674967
委員の先生方に大変」ご尽力いただきました。
ご協力いただいた施設の医師や技師の皆様にも感謝です!
皆さま、本当にありがとうございました!!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━★★
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大腸CT検査のポイント集
毎日のつぶやきを経て増えていきますね。
<適応>
・閉塞性大腸がんに対して大腸CT検査は有用だが、手技に工夫が必要。
・完全閉塞症例には「PET/CT colonography」。
・内視鏡の検査待ちの日数を減らす役割もあり。
<腸管前処置>
・内視鏡後にガストログラフィン30mLを服用したら約4時間後に大腸CT検査をしよう。
・自動送気装置の使用は穿孔頻度を下げる。
<腸管拡張>
・右側臥位は最適な腸管拡張を得るためのベストポジションである。
・炭酸ガス自動送気装置は良好な腸管拡張を得るのに有用である。
・ブスコパンは腸管拡張の改善に寄与しない。
・自動送気装置の使用は穿孔頻度を下げる。
<読影>
・読影の飛ばしすぎは読影精度を下げるので要注意。
・トレーニングを積めば、都市部の病院でなくとも高い精度の検査が可能。
・検診目的の大腸CT検査は有症状者に対する大腸CT検査よりも、病変をみつけづらく読影には注意が必要。
<診断>
・C-RADSにおけるC1の5-10年の検査間隔は妥当
・大腸CT検査の中間期癌の頻度は非常に低い(0.1%、2/1429)
・便潜血陽性後から内視鏡を受けるまでの期間が10ヶ月以上になると大腸がん全般・進行がんのリスクが高まる。
<受診者の受容性>
・患者さんの苦痛度は炭酸ガス自動送気装置の使用やブスコパンの使用は影響しない。
<偶発症>
・閉塞性大腸がんでは穿孔のリスクが高くなるので注意しましょう。
・術前検査目的の大腸CT検査の穿孔率は0.028%。
・検診目的の大腸CT検査の穿孔率は0.003%。
・精検目的の大腸CT検査の穿孔率は0.014%。
・穿孔率は術前検査目的に比べて検診目的で有意に低い。
・穿孔症例の81%では外科治療が不要。
・自動送気装置の使用は穿孔のリスクを低減する。
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最新の世界の知識を身につけることで、患者さんに還元するのはもちろんですが、きっと新しい研究の芽も生まれると信じています。
皆でパワーアップしていきたいですね!!
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そこで申しわけありませんが、読影トレーニングの個人的な実施は今年一杯までとさせていただきたいと思います。。
トレーニングのレポートの受付と解答送付は今年一杯までとさせていただきます。
何卒、ご理解のほどよろしくお願い致します。
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結論として、70%の内視鏡件数の減少効果を認め、有意な病変を20%に見つけた。
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だから、内視鏡の長い待ち時間を短縮するのに有用だとしています。
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スタッフの負担も少なくないため、
ファンド(運営資金)がないと難しい側面があるとも述べています。
この点は日本でも大学病院などで同様かもしれません。
ですが、日本はCT装置の普及率が高いので、
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さて、大腸CT検査アカデミー発の研究として、
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原文
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