2018年12月12日
学校英語の勉強法
突然ですが、中学生が学校のテストでつまずくポイントが大きく4つあると考えています。
語句・フレーズ
まずこの段階がクリアできていないと、「文法力」うんぬんのレベルを語ることができません。単語1つ1つ単体で覚えることも必要ではありますが、フレーズまたは文単位で覚えてしまうべきものが結構たくさんあります。
『旧New Horizon2』のUnit 6から少し引っ張ってきます。
・How wonderful!「なんて素晴らしいのでしょう」
・of course「もちろん」
・a few days ago「数日前」
・looked surprised「驚いているようでした」
・all over the world「世界中で」
・What shall we do?「どうしましょうか」
英語を苦手とする生徒の多くは、「意味のまとまり(チャンク)」で覚えていないことが多いように思います。例えば、There is a Christmas tree by the window.という8語から成る英文なら、《There is》《a Christmas tree》《by the window》.という3つのまとまりの組み合わせで考えるように促してあげる必要があります。
「スラッシュ・リーディング」が有効なのは、単語ではなく「意味のまとまり(チャンク)」でつかむ力が上がり、意味理解の速度が上がるからです。これでリスニング力もアップします。リスニング力は、まず「発音」や「耳」の力だと考える方がいるかもしれませんが、「チャンキング」力があってこそだと考えます。「意味のまとまり」がとらえられるようになれば、音読力がアップしてきます。読む力が上がれば、聴解力は自ずと向上するのです。
学校のテストは、<授業内容がちゃんと身についているか選手権>みたいなものですから、英語の場合、@文字やスペリングの正しさA暗記・暗唱の正確さ、に重点が置かれる傾向があります。平均点を目指そうとすれば、まず「語句・フレーズ」の習得に力を注ぐべきです。
文法(穴埋め・並び替え・誤文訂正etc)
主に語順と語形がテストされます。
・There are some presents under the tree.
・Is there anything interesting in it?
規則性の「理解」はもちろん必要ですが、スポーツのように「練習」量がものをいう部分です。たくさんミスし、trial and error「試行錯誤」しながら規則性を刷り込ませるところです。大抵の生徒がこの「練習量」が不足しています。頭で規則を吸収しようとして失敗します。例文を繰り返し書いて覚えたり、同じ問題を何度も解くのが常套手段でしょう。個人的には口頭でのパターン練習を大量に行うのが最も効率的だと考えます。同じ例文を書き続けるのは苦行であり退屈な作業です。「苦行」では長続きしにくい。最悪のケースでは英語が嫌いに、さらには勉強自体が嫌になってしまうかもしれません。変わるところと変わらないところ、語順と語形を意識しながら音読するといいですね。さまざまな語句を入れ替えながら文を口づさむことで、語順と語形が刷り込まれます。
A: Is there anything interesting in the (book / newspaper / magazine / comic book)?
B: Yes, there is. There is an interesting story in it.
問題集はあくまで自分の理解の確認のために使用するべきです。問題はいくらといても力は上がりません。文法力が身についているかどうかをチェックするためのツールにすぎません。問題集は正しい英文が書けたことで自信をつけるために存在するわけで、間違ってばかりだと自信を喪失してやる気があがりません。理想的には、問題集を解くときには90%近く正答できる状態が望ましいと考えます。スポーツと同じで、練習、練習、練習、そして練習試合で腕試し。まあ練習して、本番の試合を迎えるようにするべきです。
英作文(日本語⇒英語)
かつての学校教育ではここがゴールでした。さきほどの「文法(穴埋め・並び替え・誤文訂正etc)」は、ヒントが多めです。穴埋め問題では、一部の語句が書ければ〇です。並び替えではつづりは知らなくても語順だけできれば〇がもらえます。誤文訂正では語形もしくは語順を訂正できれば〇がもらえます。しかし、日本語を英語になおすような英作文では、つづりも語順も語形もすべての力が備わっていないと〇がもらえません。学校のテストの中では相当にレベルが高い。それだけにここができれば、平均点を大きく上回る結果が得られることでしょう。テスト前にどうこうするよりも、英文をつくる練習を日常的にできているとクリアしやすくなります。塾や家庭教師に頼らずに、独力で英作文力をつけるには、学校で学習した文法を使った、自分オリジナルの英文を作って、先生に添削してもらうのがもっともよいでしょう。難しいものは上級者にアドバイスをもらうのが手っ取り早いです。
英作文(意見)
出されたお題に対して自分で考えた英文を作る段階です。現代の入試や英検のライティング問題はまさにこれです。それにあわせて学校のテストでもこのタイプの英作文問題が必ずといっていいほど出題されるようになりました。日本人は自分の意見を持たないといわれますが、確かにそう思います。ただ国民性で片づける問題ではなく、考える訓練をしてきていないと感じます。だからこそ普段からさまざまなことに問題意識をもって考える訓練が必要です。本や新聞を読んで多様な意見や考え方に触れる。さらにはそれを話す適切な相手が必要です。学校で同級生と話すチャンスがあればいいですが、身近な大人の代表としての親と、意見を交わすチャンスがあるといいのかもしれません。そして自分のなかに意見が生まれてくれば、考えることが楽しくなり、異質な意見に対してもオープンになれるのではないでしょうか。さらにそれが英語で意見できるようになれば、学校教育としてはたいへん理想的です。
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