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2024年03月25日

まだハラ

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このブログでは


本屋の店長になったらどれほどの重荷を背負う羽目になるか


書き散らしている訳ですが


その原因のひとつとして


本の注文のしんどさが挙げられます


そして、注文の殺到する朝5時と8時の話も書きました


今回は、なぜ8時なのかを詳しく書いていきます



結論から申し上げます


本屋の業界には問屋が幅を利かせていて


問屋のWEB注文サイトが使えるようになる時間が8時だからなのです



日本の本屋において


問屋はさまざまありますが


特に大手の問屋が


日本出版販売株式会社とトーハン


上記の2社となります


そして、最大手と言われる日本出版販売のWEB注文サイトが8時に開店


全国の本屋の店員さんはここぞとばかりに


あらかじめ確保したい商品を注文していく訳です


人気商品ともなると


注文を入れた途端に在庫が無くなることもザラ


つまり、注文したつもりが注文出来ていないなんて割とあります



業界2番手のトーハンの場合


注文のゴールデンタイムが何時なのかは分かりませんが


少なくとも日本出版販売が最も本屋に使われているはずなので


8時0分1秒という瞬間が本屋のアドレナリンMAXな1秒という訳です


むしろ


1秒を望んでやまない一面も否めませんが



本当は棚にある1冊1冊が順当に売れてくれるのなら


わざわざ8時にPCに向き合わなくてよいのですが


日本のどこを探しても


棚だけ回転すれば良い(売れれば良い)という恵まれた本屋はないでしょう


あるとすれば


店員さんが天性のセンスの持ち主で


選書がお客さんにベストマッチしている


ごくごく一部のお店でしょう






ここまでが本屋の基本的な注文スタイルで


営業中はお客さんとのやりとりで発生する注文が別にあります



ここからがタイトル回収




本屋は


注文を受けてから店に本が到着するまで


かなり日数を要するのがネックです


注文を受けるということは


店に本がなく


そういう本はだいたい、《大人気でなかなか入ってこない本》もしくは《置いている本屋が少ない、マイナーな本》のどちらかに分類されます


後者の場合、出版社に注文をしてから1週間弱で本屋に届くのが通例ですが


前者の場合はそうもいきません



出版社は、本を本屋に送る手続きを「出庫」または「取次搬入」と呼びますが


通常なら「取次搬入日は○月○日となります」と教えてくれるのですが


アマゾンにも在庫がないような人気商品の場合、全国の本屋からの注文に対応し、受注順にとりまとめ、かつ最大出庫出来る数を一律調整しているので


結果、1週間以上も待たされたあげく10人のお客さんから受けた注文のうち2、3冊しか出庫して貰えないとかよくあります



本屋側からすれば


店に置く分も確保したい


けれど全く叶わない


次にある一定数の本屋はこう考えます




「店に置く分を、お客さんの注文分として送ってもらってしまえ」と




出版社は各本屋ごとの自社出版物の売上データを把握しているので


業界に長くいる、もしくは勘の鋭い方だと


お客さんからの注文が本当か嘘かすぐに判ります


それでも、お客さんからの注文だと本屋側が言い張れば反論もせず


「あくまでお客さんからの注文分ですね」と割り切ってしまう訳です


結果、嘘をついてまで仕入れた本が売れなくなり、人気が下火になった頃に出版社へ返品


無駄な作業を淡々とこなす本屋


これが本屋の実態なのです



「この前頼んだ本、まだ入らないの?」←まだなのハラスメント略してまだハラ


「そんなに待つと思わなかった。やっぱり注文キャンセルで」←キャンセルハラスメント略してキャンハラ


タイトル回収まで長かった……


ともかく


そんな問い合わせを受けるのは日常茶飯事


もしも仕事に誠実でありたいのなら


悪いことはいいません


本屋の店長になるのはおやめなさい









posted by 宮野 at 21:05 | Comment(0) | TrackBack(0) | 本屋

2024年03月23日

こうして利益は消えてゆく

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本屋という仕事を選ぼうと考えている方々へ


今からでも遅くはない


おやめなさい


「いや、パートアルバイトで十分です」


多くは望まないのならむしろ喜ばしいことこの上ない


本屋を経営する側の視点からするとありがたいのですが


\本屋を運営しカリスマ書店員と呼ばれたい!/


野望に満ちた気持ちで本屋になるのは絶対おすすめしません


なぜなら本屋は薄利中の薄利な小売業であるうえに


万引き犯のはびこるスラム地帯だからです





顔認証システム:LYKAON(リカオン)のWEBサイトによると


本屋の万引きによる年間被害総額は、判明しているだけでも


200億


PRTIMASのWEBサイトによると、本屋の年間売上高は2022年度が8157億円。つまり、売上の2.5%が万引きの被害で消えているというのが事実


上記の200億という額はあくまで判明している額にすぎません



本来、定期的に棚卸を行い、物理上の在庫数と管理システム上の在庫数(本屋によくある検索機で表示される在庫数)をすり合わせ、正規の在庫数に調整する作業を行う訳ですが


実際、定期的に棚卸を出来ている本屋は全国の本屋の半数にも満たないでしょう


なぜなら棚卸は二の次三の次の業務だからです



本来あるはずのものがないという事実が表面化していないのは当たり前なため


潜在的万引き額は予想の斜め上をいっているはずです


結果、万引きによる被害割合は売上の2.5%を軽く超えています


仮に2.5%が正規の万引き額だとします


万引きで最も狙われるコミックを例にすると
一冊500円のコミックが6冊(6冊というのは経済産業省の万引き被害状況調査結果より引用)盗まれたとして
被害額が3000円
本屋の粗利は約23%なので
被害額を相殺するには
500×0.23=115 →3000/115=26.08


つまり


最低でも500円のコミックを26冊売らないと被害を相殺できない訳です



しかも万引きが起きた際には調査、警察への通報、現場検証による人件費が発生するため


実際には更に本を売る必要があります



世の中、コンビニにも人気のコミックが置いてあり、ネット書店は送料無料


他の本屋には同じコミックが置いてあります


5冊売るには、まずは来店理由がないと売れないので


売るためには他の本屋との差別化が求められる訳ですが


アイデアひとつではどうにもならないため、徹底した人気商品の確保が求められ


結果、朝5時と8時の注文ラッシュに見舞われる日々


しかもライバル多数につき狙いの本を確保できないなんてザラ


本当に報われない戦いを繰り返しているのですね


全国の本屋の皆様


毎日お疲れ様ですm(__)m






万引きなんてこの世からなくなってしまえ!




毎晩星に祈りを捧げるばかり




余談ですが


万引きされるのはスポーツ漫画が多いという傾向が強く


本屋によっては、人気のスポーツ漫画をレジカウンターから見渡せる位置に置いていたり


見本パッケージだけ置いてレジにて本と交換するシステムのところもありますね


一時的に人気が出て入手しずらいコミックが万引きされていると


転売目的で盗んだのだろうと予測できますが


スポーツ漫画は、単に読みたくて盗んだのだろうと予測されます


君たち


そんなに読みたいのならレジに来てひとこと「これちょっと中身見たいんですけど(あわよくば最後まで)」


と窺いを立てればよかろうに


下らないジョークを最後にきょうも消えてゆく








posted by 宮野 at 17:05 | Comment(0) | TrackBack(0) | 本屋

2024年03月20日

本屋という激務、その実情B

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本ブログは早くも3回目になります。


本屋の裏側を限界まで語るつもりですが


おそらく限界はありません。


今回の暴露ネタは


返品


についてです。


日本は書籍の発行点数が世界的にみても多い国なのですが


その数はここ数年が年間68000から69000点ほどです
(出版指標年表2022より引用)


土日は基本、新刊刊行がありませんので


年間の平日合計261日で換算すると


1日あたり260点もの新刊が刊行されています。



本屋の規模には大小があり


すべての新刊がすべての本屋に入る訳ではないので


実際に入る数は必然的に260点より遥かに少ないです。


それでも、新刊を売り場に陳列する業務が本屋側の重荷となっている事実は否めません。


何故なら、大半の新刊はやがて返品される定めにあるからです。



実は書籍の返品率は35%超で推移しており、高止まりしている返品率の改善が出版業界の課題であることは間違いありません
(出版科学研究所ONLINEより引用)


もちろんすべての本屋にあてはまる数字ではありません。


仕入れが極めて適正であり、返品がほとんど出ないようなお店も中にはあります。


しかし


大半の本屋は文学賞を受賞した実績のあるベストセラー作家の新刊を売ることに夢中にならざるを得ませんし


「仕掛け」といって


ひとつの作品を50冊100冊200冊と大量に仕入れ


テーブルにこれでもかと積み上げて


売る勝負を仕掛けるものの


あまり売れずに最悪仕入れた分の大半を返品するという無駄を裏では積み上げています。


「また売れなかった。でも次はこれを仕掛けてみよう」という本屋ならではのマインドが、悪い方向に傾いてしまうと歯止めは効きません。


結果、無駄を繰り返している内に本屋は仕入れを渋るようになります。


ところが仕入れを渋られると困るところがあるのです。


それが出版社



PR TIMESのWEBサイト調べによると、書籍の購入の内、紙で購入する人が全体の53.4%にあたり、電子書籍で購入する人は全体の30.3%にあたるというデータが算出されています。


つまり、出版社としては本屋に本を売ってもらわないことには売上が伸びない。というより最低限の売上すら
確保できないという訳です。


出版社も何としてでも本を売りたいので、本屋へPRに出向き、更に全国の本屋へ仕掛け推奨のFAXを送りまくる訳です。


謳い文句は様々です


\大重版出来!/
\発売即重版決定/
\報奨金キャンペーン中!/
\TVで紹介されます/


大半は上記の傾向です


本当に良い本は昔から売れ続けていますし、仕掛けに頼らなくても売れるのですが


世の中の新刊の大半は昔からある物語の焼き増し、古来の教えの言い換えに過ぎませんので


いかに宣伝が本屋側に刺さるか。本屋側からすれば、いかに今の人々に受けそうか


双方の利害が一致もしくは本屋側の妥協で仕入れが決まり、結果読み捨てられる本がテーブルやワゴンに山積みされ、成功すればそれなりに売れ、失敗すれば返品祭りとなる訳です。



最近はSNS発信の紹介でバズり、結果仕入れても仕入れても売り切れる本があったりしますが、ごく一部の現象に過ぎず、やはり返品が止まることは決してありません。


更に言うと


基本、返品は普通に可能なのですが


返品をする際に許可が必要な出版社も数多く存在します。


本屋の優先作業は新刊の品出し、売れて自動的に補充された本の品出し、レジ業務、陳列が大半を占めており、返品許可申請作業は二の次が当たり前。


本屋のバックヤードを見たら、返品許可申請中の本や、買切り本の積み上がった光景に「うわぁ…」と声が出てしまう事でしょう。


本屋は見えないところに仕事を積み上げています。


全国の本屋の皆様


毎日お疲れ様ですm(__)m




ブログ訪問に感謝m(__)m





posted by 宮野 at 19:47 | Comment(0) | TrackBack(0) | 本屋

2024年03月19日

本屋という激務、その実情A

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今回も本屋の裏側の暴露話です。


前回、朝5時と8時が


《新刊書店の注文時間》という話を書きました。


なぜその時間なのかというと


本屋がメインで使うWEB注文サイトに本の在庫が上がる時間だから


これに尽きます。


つまり、朝5時と8時に全国の熱意に満ちた本屋さんが一斉にPCやスマホの画面に目を血走らせる構図が業界では構築されているのです。


すべては売れる本をたくさん仕入れてたくさん売るために。



基本的に、本は単価が高いものです。しかし、単価が高くても相当な数を売らないと儲けは出ません。


山陽新聞digitalの記事(2023年4月掲載)によると、書籍の本体価格の平均単価は1268円。仮に同価格の本が月に10冊売れたとしても、売上額は12680円。粗利は×23%で2916円。時給1000円の従業員が3時間働くと無くなる金額です。しかし粗利はそのまま人件費に充てられる訳もなく、光熱費等諸費用を差し引いた分から充てられるため、実際はもっともっと売る必要があります。



仮に時給1000円で6時間労働の従業員5人
月給25万で月の公休日10日の正社員1人の場合で考えると
1日にかかる人件費が42500円
粗利から人件費に充てられる割合は一般的に50%以下と言われていますから
仮に人件費に充てられる割合を50%とすると

42500×2×4.34=369565

つまり、上記の従業員体制で本屋を営業する場合、日々37万円以上の売上を計上しないといけない訳です。



前回のブログにも書いた通り、コミックの売上額は書籍を上回っており、コミックを売ることが本屋の経営を成り立たせる最低条件ともいえます。


結果、コミックを大量に注文し大量に仕入れて大量に売る体制なくして本屋の経営は成り立たないという訳です。


全国の本屋の皆さん。


本当に日々お疲れ様です。





本ブログに訪問下さり感謝m(__)m



posted by 宮野 at 10:46 | Comment(0) | TrackBack(0) | 本屋

2024年03月17日

本屋という激務、その実情。

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僕はとある地方の最果てでかつて本屋をやってました。


このブログはそもそも、


\今この小説が面白い!/
\うちの店ではこんなイベントやってます!/
\あの人気過ぎてどこの店でも売り切れ中のコミック全巻あります!/


といった類の内容ではありません。


{じゃあ何が言いたいの?


と思うかもしれませんが


このブログで言いたい事は


「本屋で働くことがいかに激務であるか」


これに尽きます。

本屋の規模はナショナルチェーン系の大手から町のちいさな本屋さんまでピンキリですが、大きく分けて二通りに分類されます。それが


・主に新刊をメインに扱う[新刊書店]
・古本をメインに扱う[古書店]


上記の二通りです。このブログでは「新刊書店」にスポットライトを当て、新刊をメインに扱うがゆえの苦悩と実情をありのままに曝け出します。


知られざる本屋の実情をここに、今。






つらい理由@:とにかく給料が安い



本屋の給料は驚くほど安いです。


あくまで平均値ですが、日本人の正社員の平均年収の77%というのが実情。


オリックス銀行のWEBサイトによると、日本人の正社員の平均年収は458万(2022年時点。記事は2024年3月のもの)


それにくらべ本屋の正社員の平均給与は353万。単純に月給に換算すると、その差
なんと9万円。地域にもよりますが、アパートの家賃並みの差という訳です。


つらい理由A:朝の3分が勝敗を決める



結論から言うと、本屋の売り上げの勝敗を決めるのは朝、しかも早朝なのです。


時間帯が5時からの3分間、そして8時。


「一体何を言い出したんだろう…」


そう思いますよね。しかし紛れもない事実であり、一見本の手配に困らなそうな名だたる本屋ですら行っていること、それが早朝注文なのです。


では早朝に何を注文しているのか。


答えは99%コミックです。



今、時代はコミックの人気作品の確保を逃すと売り上げが大きく損失する時代。


公益社団法人全国出版協会・出版科学研究所の算出データ(2022年)によると


市場規模は「コミック6770億円に対し、書籍が6680億円、雑誌が2855億円となり、ついにコミックが書籍を逆転した。市場占有率はコミック41.52%、書籍40.97%、雑誌17.51%となった」とのこと。

本屋に行く人であれば


テレビアニメ化等され人気に火がついたコミックが売り切れている光景に出くわすこともあると思います。


業界では、出版不況の話は普遍のテーマなのですが、コミックに関しては不況もどこ吹く風といった状況。


必然的に、売り切れが続かないよう、本屋はあらかじめ人気が出そうな作品をあらかじめ手配しておき


すぐに売り切れないように準備しているものですが、予想を上回る売り上げが出てしまうのがコミックという市場の常


数千にも渡る全国の本屋からひとつの出版社へ注文が殺到し


結果、せっかく出版社へお願いした注文も保留され


やがてアニメ化作品のブームも下火となり


世間が次のアニメ化作品に注目し始めるころ、ようやく保留分が送品されてくるという流れが当たり前


後には旬を過ぎたアニメ化作品が売場に滞留し、何事もなかったかのように返品に回されるという悪循環の完成という訳です。




コミックが本屋の売り上げの要となっている以上


コミック担当者は何としてでもお目当てのコミックを確保したい。ところが出版社は電話すらまともに取り合ってくれない。


確保に困った本屋さんがたどり着いた答えは


「WEBの注文サイトに上がる在庫を早い段階で確保する」


とあるWEBサイトのみに上がる在庫が更新される朝5時にPCやスマホで注文サイトのコミックの在庫状況をチェック


在庫があれば即注文するというブラック企業も真っ青の早朝注文システムが書店業界内で完全に構築されているのです。


但し全ての本屋さんで行われているのではなく、熱意と努力に満ちた一部の本屋さんに限る話ではありますが。


8時の注文はさほど大変では無いにしろ、5時の注文は大変です。ましてや朝弱い人ならなおさらですよね。

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まとめ



いかがでしたでしょうか。


\本当に本が大好きで、本に囲まれた日々を送りたい!/


上記のような思いの、給料度外視で本屋に働くのが夢という方には響かない話かもしれませんが


本屋で働いて生計を立てるのが目標の方には酷な話ではあります。


\本屋で働くのが大変なのは分かった。だけどどうしても本屋の正社員になりたい!/


と叫ぶ人ならきっと大丈夫です。熱意の深さは人生の財産になるはずですから。



次回も本屋の実情を粛々と語ります。



ブログ訪問に感謝m(__)m
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タグ:新刊 書店 本屋
posted by 宮野 at 20:21 | Comment(0) | TrackBack(0) | 本屋
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