今日も楽しく笑えてる？　< 肺がんになり10年 >

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　宣誓書朗読が終わると　着席して
　いよいよ　夫への尋問が始まる


　原告側からの質問　被告側からの質問
　そして　裁判長からの質問、という流れだ



　予想通り　夫は真っ向から否定していた



　・・・が　音声データの中で彼女が交際を認めた部分や

　ホテルに宿泊などせず　自宅にいたと言うのであれば
　
　何故　携帯の着信には出られたのに
　
　同時間帯に　私が複数回にわたってかけた
　自宅固定電話に出ることができなかったのか？

　等々　プー先生はメールの文面などよりも

　実際の音声データ中の会話や　発信履歴等の
　第三者が見ても　確実に納得できる証拠について質問してくれた


　他にも　今まで書いてこなかった部分の
　双方の陳述書の内容についての矛盾点や
　新しい証言の疑わしい点など

　思わず「そこそこ！」と　拍手したいほどに
　細かく丁寧に " 突っ込んで " いや　質問してくれた


　
　そして　プー先生からの最後の質問

　「当日夜は　ご自分の車でホテルに行かれましたか？」

　
　夫は額に手を当てたまま　しばらく黙ってしまった

　時間にしてどのくらいだったのか　私もよく覚えていない


　すると　夫が観念したように口を開いた

　「はい　私が一度自宅に帰ってから車で迎えに行きました」


　時間的な矛盾や　
　今更出て来た当夜の飲み会等を突っ込まれて
　本人は　もう諦めたらしい


　けれど　その後も　夫の言い訳は続いた

　・初めからホテルに行くつもりではなかった
　・彼女を自宅まで送るつもりが　途中で休もうという事になった
　・コンビニで　飲み物や軽食を買って車で食べるつもりだった


　最後には　

　ホテルには行ったけれど　何をする訳でもなく
　二人で色々と相談事を話し合って眠っただけだ

　・・・と　まるで芸能人の中途半端な釈明会見のようなセリフ


　この頃になると　私も呆れて口を開いていたかもしれない


　そして　この言葉を聞いていた傍聴席の見知らぬオジ様が　
　少しだけ咳払いをして　席を立って法廷から出て行った


　被告側の弁護士さん達は　見るからに慌てていた！！！


　多分　口裏を合わせて
　「宿泊の事実はもちろん　交際の事実もなかった」
　という事に決着させるつもりだっただろうから







　　　　

　　　　　　　　　　　　　　　

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　裁判官は　颯爽とした若い人だった

　一瞬　わ、若い！　大丈夫かな？とも思った


　けれど　彼は　姿勢良く　品が良く
　そして若いのに威厳があった


　もしかすると　
　相当数の裁判を経験していたのかもしれない


　書記官らしき二人の他に
　もう一人の黒マントの人も入って来た　

　
　その人が　裁判官・書記官・速記官の紹介をした
　
　深呼吸してから　裁判官を見てみると
　俳優の「平山浩行」さんに似ている顔だった


　お！　イケメン！！
　（菅野美穂さんとのチオ◯タドリンクのCMを思い出した）

　こんな時に　そんな事を考える自分に呆れると同時に
　少しばかり　緊張が和らぐのを感じた




　早速　間をおかず証言に入った



　まずは　証人である夫が呼ばれる

　証言台の前で　「人定質問」とやらを受ける

　裁判開始前に　原告・被告・証人ともに
　出頭カードのようなものに　住所・氏名・年齢・職業を
　そして　宣誓書に署名捺印してある


　その内容について　相違ないかどうか聞かれるのだ

　質問といっても　 " これで間違いはありませんか？ " というくらいだ



　そしていよいよ　宣誓をする


　あらかじめ　規定項目を記入してあった宣誓書を
　証言台で読み上げるだけなのだが・・・


　法廷内の関係者（原告・被告・弁護士）も起立して聞く

　内容は　ドラマでもおなじみの通り
　これから話す事に　嘘偽りがありません、という宣誓だ


　夫は　少し声が上ずっているようにも感じたが
　極めて　平常心を心がけている風に　宣誓書を読み上げていた


　宣誓書朗読が終わると　裁判官からの言葉があった

　" 宣誓した通り　虚偽なく証言する事
　 証人の場合　虚偽の証言は　偽証罪に問われる対象になる事 "

　
　この裁判官の言葉に　
　夫の表情が少し悲しげになったような気がした



　それが終わると
　全員　着席して　いよいよ証言が始まった





　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　

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　プー先生に促され　原告側の席に着く

　そして改めて　先生からの注意点を確認


　・決して焦らず　けれどスムーズに答えること

　・誰の質問に対しても　
　　質問者ではなく裁判官に向かって答えること
　　
　・聞かれた事だけに答え　言いたい事があっても
　　質問内容以外のことは答えないこと

　・言葉が詰まりそうになったら無理せず
　　裁判官に一息入れたい旨告げること

　など　事前に注意されていた事を反復した


　らしくない事に　自分でも足の震えがわかり
　心拍数も上がって来ているのが自覚できた



　原告席から右側に見える傍聴席を見ると

　前から２列目に　友人とK氏が
　その　斜め後ろに見知らぬおじさまが一人

　そのまたうしろ　１０列目あたりだろうか
　少し影になった所に夫の姿が見えた

　

　いよいよ被告席側に　狐目の彼女が入廷してきた

　そそくさと座り始めたあちら側の弁護士席には
　事務所の所長先生までもが一緒だった！！


　これには　プー先生も少々面食らっていた

　まるで　" 聞いてないよぉーー " とでも言いたげな表情
　少し　微笑ましく感じてしまった（笑）


　そして　皆　所定の位置についた所で
　再度　傍聴席を見ると

　被告席側の一番前に　
　ごま塩頭の赤い顔のおじさんが座っていた！


　おぉ！！！　これが　狐目の彼女のご主人か！！！

　話に聞いていた通り　気難かしく頑固そう！！！


　最初に内容証明を受け取った時
　夫にかかって来た彼女からの電話の向こうで
　ひたすら怒鳴りまくっていたというご主人！


　まるで " 赤鬼 " さんだ！・・・というのが正直な感想

　気のせいか　少し笑っている
　よほど　奥さんのことを信じているのだろう


　そうこうするうちに　
　書記官と見られる黒マント姿の女性が二人入廷して来た


　そのうちの一人が
　人証である夫を　証人台に呼び寄せた

　気のせいだろうか　夫の足取りは少しフラついていた



　証言をする上での　宣誓の仕方を伝えている

　次に原告である私も呼ばれ　同じような話をされる

　準備されている原稿を読み上げるだけなのだが・・・

　不思議な事に　被告側は呼ばれなかった


　そのあとに　双方の弁護士含め　皆に向かって　
　それぞれの質問順序・所要時間等の説明があった





　さぁ　いよいよ予定時刻の午後１時半！！！

　
　奥の扉が開いて　裁判官が入廷して来た








　　　　

　　　　　　　　　　　　　　　

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　プー先生から　あちら側の陳述書を手渡された


　言われた通り　ページ数が多いだけで
　それほど目新しい事は書いてなかった


　ただ　夫と二人でホテルには行っていないという事を
　職場の人に証明してもらったとの記述！


　共通の上司の証言として　
　
　「二人とも職場の飲み会の後　それぞれタクシーとバスで
　　帰宅したのを確認している」との事

　
　その証言内容が書かれた用紙に　上司のサインと印鑑が・・・



　今さら　本物かどうかも確認できないし

　そんな大事な証言があるのなら
　どうして今まで出さなかったのか？

　分かり易すぎる怪しさに　もう笑うしかない



　それでも　動揺していたんだろう



　開廷前に入ったトイレに　その書類を忘れてきた！！

　さらに　忘れたことにすら気づかず　
　裁判所の職員の方に届けてもらうという失態


　さすがの図々しい私でも　極度の緊張をしていたらしい




　いよいよだ！！！
　
　〇〇地方裁判所　２０４号法廷へ！！！

　友人とK氏が　先に傍聴席へ

　そして　私たちも法廷内に入った


　
　映画やドラマで見る法廷そのものだった

　小法廷ではあるものの　その作りはまるで舞台のよう！！

　想像していたよりも　裁判官までの距離が近い！！

　ため息が出そうになり　思わず深呼吸をする




　そして　傍聴席側を振り返ると



　少し奥まった所に　真っ青な・・・　いや
　


　顔色が消えてしまっているような　
　憔悴しきった夫が　一人ポツンと座っていた！！！






　　　　　　　　

　　　　　　　　　　　　　　　

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　相変わらずの梅雨寒の当地
　朝夕の肌寒さに　体調管理も一苦労だ



　昨日のPET検査

　結論から言えば　異常なし！！！



　大学病院のS先生は　脳外科のK先生からの手紙を見て

　「え？　これからは　脳内もこちらで診てもいいの？
　　
　　K先生　丁寧に診てくれていたのにね（笑）」と



　いやいや　以前S先生も　
　こちらで定期検査で診ていけるから大丈夫！って言ってたし

　私も　３カ所の病院掛け持ちは　そろそろ卒業したく（笑）




　思えば　初めての転移性脳腫瘍の頃から
　K先生には　とてもお世話になっていた


　裁判沙汰の最中の二度目のガンマナイフの時も

　こちらが決して気落ちしないように

　「" 生存率 " なんていう数字に惑わされずに
　　しっかり治療して　先に進みましょう！」と
　励ましてくれた！



　S先生も　K先生の話す口調や物腰を見習っているとか！


　確かに　" 脳外科 " のイメージとは程遠い　穏やかな先生だし
　冷静でいるものの　冷たい印象は皆無だし
　話しているだけで　こちらが癒されているほどだった


　
　今回の大学病院での診察で　改めてK先生からの卒業を実感し
　少し　寂しくなったのも否めない


　
　けれど　これで「癌サバイバー」への着実な一歩を刻めた！！！


　これからも　毎日感謝と笑顔で生きていこう！！！！！




　自宅へ戻ると・・・・

　夫からのプレゼント　「嵐」のベストアルバムが届いていた！！！



　きゃーーーーーー♫　完治しちゃうかも！！！（爆）




　今日はこれから　実家前のアパートに戻る
　ニャンズとも　しばらくお別れ


　明日からまた　仕事　頑張ろう！！！


　普段の生活を送れる事に　日々の感謝を忘れずに！
　毎日　笑顔で！！！






　　
　　　　　　　　　　　　　　　

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　昨日　２時間ドライブして自宅に戻った

　今日は　大学病院で年に一度のPET検査だ！！！

　
　
　転移性脳腫瘍が　2012年4月に見つかってから
　
　MクリニックのK先生の元で　
　施術を受けた二度のガンマナイフについてと
　その前後に関わる医療データを持って！！


　
　K先生からは　これからは脳内も　
　S先生の放射線科で画像診断して頂くように、と
　仰せつかってきたので　併せてその旨もお願いしなければ！
　（もちろん　先生からの書類にも書いてはあるだろうけれど）


　この分だと　ほとんど心配ないと
　K先生には言っていただけたが

　やはり　年に一度でも診ていただいた方が安心だし・・・



　
　今朝は
　昨夜　久しぶりにニャンズと遊んで
　熟睡したので　元気いっぱいだ！！！

　
　明日　いいご報告ができる事を祈りつつ・・・

　では　元気に行ってきまぁーす！！！！！







　　　　　　　　　　　　　　　

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　「お待たせしました！
　　早速　中に入りましょう！！」


　プー先生は　慣れた足取りで先を行く

　私もすぐに後を追う


　振り返ってみたが　狐目の彼女たちももういない

　私が　プー先生が車から降りるのを出迎えている間に
　ご主人とすでに　裁判所の中に入ったらしい


　もうすでに　心臓が爆発しそうな勢い！！！



　すると　正面玄関側から入って来た友人と目が合った

　夫があちら側と接触しているらしい現場を知らせてくれた友人だ

　わざわざ半休をとって　傍聴に来てくれたのだ
　何という心強さ！！！
　

　そして　その後をついてくるように不動産会社のK氏も！

　K氏は　プー先生に一礼して
　「今日は　よろしくお願いしますね」と言ってくれた


　プー先生が　裁判所内での所用があるとかで
　少し待たされた間に　友人とK氏と話をした


　二人とも　異口同音に

　「とにかく　平常心でね！　
　　落ち着いてゆっくり話してね！」と



　プー先生が書類を抱えて　小走りで戻って来た


　所用と言っていたのは・・・・
　ここに至って　あちら側の陳述書が届いたと！！！

　はぁ？

　自分の答弁の練習で頭がいっぱいで
　陳述書が届いていなかったなんて　全く知らなかった


　だが　プー先生の言うところには
　意に介さずとも良い、と

　内容も　今までの繰り返しのようなものばかりだと


　ただ一点　気になる事が・・・


　私が　知り合いから自分が信じている宗教に誘われ
　少しの間　お付き合いしたことがあったことが書かれていた


　これは　直接的には裁判には関係ないと思い
　プー先生にも伝えてはいなかった事だ



　夫は　それを知っていたので
　あちら側と接触した時に　
　少しでも情報をと話して来たんだ、と確信した


　宗教にハマっている事にして・・・

　私が精神的に不安定になり　多くの事を誤解曲解して　
　情緒不安定になっている！とでも言いたいのだろうか？



　それにしても　そんな事まであちら側に話していたなんて


　夫はやはり　あちら側の「人証」なんだな、と
　悲しいやら　情けないやら・・・・



　けれど　入廷前にその事を知ったおかげで
　自分の気持ちも吹っ切れた！！！
　

　そっちがその気なら　こっちもとことんやってやりますよ！！！






　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　

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　いよいよ出廷当日

　一睡もできないまま　朝を迎えた

　
　法廷に入るのは　午後１時半

　プー先生とは　
　１時２０分に裁判所の駐車場で落ち合う事になっている


　寝ていないはずなのに　ちっとも眠くない

　午前中　友人にもリハーサルをお願いしようかと思ったが
　思い直して一人で復習

　これがまた　出来ているのかいないのか
　皆目　手応えがなく　少し不安になって来た


　昨夜から食欲もなく　朝食もコーヒー１杯だけ

　裁判所でお腹がなるのも恥ずかしいかと
　昼前に　小さなおにぎりをやっと一つだけ食べた



　自分の鼓動がそこいら中で響き渡っているのでは？と
　心配になるくらい　ドキドキが止まらないし
　
　頭の中もガンガンしてきた

　こんな状態で　きちんと答弁できるのだろうか？

　全く落ち着かないので　少し早めにアパートを出た



　裁判所の駐車場には　３〜４台の車が停まっていた
　
　見渡しても　夫の車は・・・無い　　
　まだ　着いていないのか・・・


　自分が停めた列の右側　ずっと端の方に
　人が乗ったままの車があった


　いた！！！　助手席に　狐目の彼女が乗っていた

　ん？　　助手席？　　


　よくよく確認してみると　驚いた事に　
　運転席には　彼女のご主人と思しき男性が乗っていた！！


　うわーーーーー　信じられない！！！

　奥さんの不倫裁判に　ご主人が来てる！！！


　いや　待て待て
　ご主人は　この段階になっても奥さんを信じているのか！

　もし　そうだとしたなら　なんと愛情深いご主人なのやら



　まぁ　友人から聞いていた話では
　決してそんなタイプのご主人ではないようだったので
　
　「真実」はどこにあるのかを　見極めに来たのかもしれない


　
　そんなことを考えて　呆れてため息をついていると
　
　やっと　プー先生が到着した





　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　

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　水曜日

　義姉に　陳述の練習の相手をしてもらった


　事実関係をそのまま言うのだから
　それほど構える事はないと思っていたが

　やはり　プー先生の原稿通りにはなかなか行かない


　義姉から　まず " 通して "やってみて、と言われ
　それぞれの質問事項に答えていく


　自分ではなかなかできたのではないか？と
　ホッとしたのだが　姉からは「？」


　「おおよそは出来ているけれど　
　　先生の希望のラインには　達していないかもよ？」


　やはり　日付などの数字の言い澱みがとても気になる、と

　そこは大事なところだから　きちんと堂々と話さないとね！と
　厳しいご指摘を受けた



　「出来事」「その時の感情」「接続詞と句読点の表現」
　「それぞれを話す時の　表情と声の調子」


　これは　劇団のテストか何かだったのか？？？


　義姉は　裁判官・両陣営の弁護士　そして被告の立場で　
　繰り返し繰り返し　どんな印象になるかをチェックしてくれた


　この「ガラスの仮面 の月影先生」ばりのご指導で
　本番では　先生に最上級の褒め言葉をいただける事になるのだ（笑）

　私自身は最後まで「北島マヤ」になりきれなかったが・・・


　
　美味しい手作りランチをご馳走になり
　カフェタイムまで　じっくりと練習させてくれた義姉


　今思い出しても　言い表せないほどの感謝しかない




　まるで　本当に出廷したかのような
　地獄の特訓を終え（笑）

　ヘトヘトになって　アパートに帰宅した



　シャワーも浴び　早めに休まなくては、と
　頭では思うのだが・・・


　目はランランと冴え

　頭の中は　宇宙の星の輪郭まで見えるのではないか？と思うほど
　考える事いちいち　人生初の「明晰な感覚」に覆われ

　「眠る」という行為自体　
　今の自分には全く必要のないもののように思われた





　その夜は　人生で初めて

　ベッドに横になり　一睡もできないままで
　初夏の明るい夜明けを迎えた





　　　　　　　　　　　　　　　

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　出廷するにあたっての　答弁の暗記！！

　日曜日に必死に頭に叩き込んだが
　やはり　なかなか思うようにはいかない

　
　一人で　ブツブツと声に出して言ってみるものの

　果たして　声の調子とか　言葉尻とか
　きちんとプー先生の思惑通りにいっているのか？

　スマホで録音しながら　練習もしてみたが
　今ひとつピンと来ない


　12日　13日は仕事だし・・・・

　まさか　職場でブツブツ練習する訳にもいかず


　そんな感じなので
　日曜日の夜から　ずっと寝つきが悪い

　木曜日が　出廷本番なのだから
　しっかり　気力体力を充実させておかないと、思うのだが



　高校の時に　物理で赤点を取った事を思い出す


　一夜漬けでは出来るはずもない　予想問題に頭を抱え
　範囲内を全て見直す事すらできなかった試験

　あの時のように　後悔と自分の能力の無さに　
　どうにもこうにも　目が冴えて眠れなくなっていた



　今回は　一夜漬けどころか　準備万端のはずなのに
　

　
　法廷に出向く　それも「原告」として


　そして　その法廷内には「被告」はもちろん
　被告側の人証としての夫もいる


　
　答弁をきちんとできるのか？よりも
　
　果たして　その状況の中で　
　自分は　平常心を保って冷静でいられるのか？と


　本番が近づくにつれて　そのことの方が気になり

　法廷内を想像して　イメトレをしようとするも
　もうそれだけで　パニックになりそうだった



　職場で取り乱すことなどできないので
　昼休みに　義姉に連絡を入れた


　「本番前日　定休日なので　

　　裁判での答弁がきちんと頭に入っているか　
　　陳述の練習に　付き合ってほしい」と




　義姉は　公判当日は仕事で行けそうもないので
　そのくらいは　ぜひ手伝わせてほしい、と言ってくれた

　本当に　義兄姉夫婦には　お世話になりっぱなしだ



　とにかく　前日の練習まで　
　少しでも　頭の中に答弁を叩き込んでおかなくては

　また　眠れそうにないな・・・






　　　　　　　　　　　　　　　

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