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2023年07月03日
登山で例える「戦略」「戦術」「戦闘」のフレーム
#戦略 #事業 #戦術
事業戦略の基本の前に「戦略」とは何か?「戦術」とどう違うのか?を解説していきます。
そもそも戦略(Strategy:ストラテジー)の語源は、ギリシャ語のStrategos:ストラテゴスといわれるそうです。
本来「将軍」を意味していたとされていますが、16世紀初めに「君主論」を書いた偉い人がイタリア語でこの言葉を使用したのだそうです。
英語では Art of war :アート オブ ウォー となり、日本語では、戦争術、兵術、兵学などとも訳されますが、要するに、戦略は、戦争の方法論、戦い方として議論されてきました。
日本で初めて「戦略論」を論じたのは幕末期の長州藩の兵学者:大村益次郎と言われています。
戦略と戦術
日本では軍事技術を指す用語として、古くから「兵法」が用いられてきました。宮本武蔵のような剣客も「兵法家」と呼称するように、個人の戦術から軍の指揮運用に至るまで、武力を用いた戦闘にかかわる技術を幅広く指す用語です。
これを益次郎は、蘭学者の立場から、個人的な剣や槍の技術を別扱いにしたうえで、兵の指揮運用の中身を「タクチーキ」と「ストラトギー」に分けて考え
「タクチーキのみを知ってストラトギーを知らず、あやまる者は国家を過つ」と語っています。
ストラトギー(Strategy)の重要視し、正しい目的と基本デザインに基づいて、大きな流れをつかみ最終的な勝利をもたらすための技術と定義しました。
つまり、戦略は、中長期的・大局的な目的や目標を取り扱う概念であり、戦術はより小さな短期・個別の場面で目標を取り扱う概念としました。
戦略の定義と5つの原則
こうした流れから、企業における「戦略」とは経営理念を具現化するために、中長期な視点で組織の全体目標を設定し、実現までの基本方針を明確にしたものと考えます。
戦略は、機能分化した組織を統合しながら、変化する顧客ニーズを満たすための行動を最大限に引き出す「組織目標の設定」と「経営資源の分配」と言えます。
そこで、戦略とは?を整理し、5つの原則にまとめます。
原則1:戦略とは、組織に対する中長期的目標設定であり、経営理念を実現するために設定された「言葉」である。
原則2:戦略とは事業、組織運営における「資源配分」の明確化である。
原則3:戦略には組織を束ねる「リーダーシップ」、高度な「洞察力」、先を読む「先見力」が必要となる。
原則4:戦略と戦術は区分され、戦術は戦略を補完していなければならない。
原則5:戦術における目標の未達成は、戦略の失敗を示唆している。また、戦略の失敗は戦術ではカバーできない。
戦略・戦術・戦闘のフレーム
それぞれをわかりやすく「登山」に置き換えると
「戦略」:どの山頂を目指すか?
「戦術」:どのコースを登るか?
「戦闘」:コースをどう登るか?
こんなイメージになります。
事業戦略の基本の前に「戦略」とは何か?「戦術」とどう違うのか?を解説していきます。
そもそも戦略(Strategy:ストラテジー)の語源は、ギリシャ語のStrategos:ストラテゴスといわれるそうです。
本来「将軍」を意味していたとされていますが、16世紀初めに「君主論」を書いた偉い人がイタリア語でこの言葉を使用したのだそうです。
英語では Art of war :アート オブ ウォー となり、日本語では、戦争術、兵術、兵学などとも訳されますが、要するに、戦略は、戦争の方法論、戦い方として議論されてきました。
日本で初めて「戦略論」を論じたのは幕末期の長州藩の兵学者:大村益次郎と言われています。
戦略と戦術
日本では軍事技術を指す用語として、古くから「兵法」が用いられてきました。宮本武蔵のような剣客も「兵法家」と呼称するように、個人の戦術から軍の指揮運用に至るまで、武力を用いた戦闘にかかわる技術を幅広く指す用語です。
これを益次郎は、蘭学者の立場から、個人的な剣や槍の技術を別扱いにしたうえで、兵の指揮運用の中身を「タクチーキ」と「ストラトギー」に分けて考え
「タクチーキのみを知ってストラトギーを知らず、あやまる者は国家を過つ」と語っています。
ストラトギー(Strategy)の重要視し、正しい目的と基本デザインに基づいて、大きな流れをつかみ最終的な勝利をもたらすための技術と定義しました。
つまり、戦略は、中長期的・大局的な目的や目標を取り扱う概念であり、戦術はより小さな短期・個別の場面で目標を取り扱う概念としました。
戦略の定義と5つの原則
こうした流れから、企業における「戦略」とは経営理念を具現化するために、中長期な視点で組織の全体目標を設定し、実現までの基本方針を明確にしたものと考えます。
戦略は、機能分化した組織を統合しながら、変化する顧客ニーズを満たすための行動を最大限に引き出す「組織目標の設定」と「経営資源の分配」と言えます。
そこで、戦略とは?を整理し、5つの原則にまとめます。
原則1:戦略とは、組織に対する中長期的目標設定であり、経営理念を実現するために設定された「言葉」である。
原則2:戦略とは事業、組織運営における「資源配分」の明確化である。
原則3:戦略には組織を束ねる「リーダーシップ」、高度な「洞察力」、先を読む「先見力」が必要となる。
原則4:戦略と戦術は区分され、戦術は戦略を補完していなければならない。
原則5:戦術における目標の未達成は、戦略の失敗を示唆している。また、戦略の失敗は戦術ではカバーできない。
戦略・戦術・戦闘のフレーム
それぞれをわかりやすく「登山」に置き換えると
「戦略」:どの山頂を目指すか?
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2023年06月25日
経営者視点を身に付ける
部門のマネジャーとして部下を持つようになると、その部門の経営者としての力量が必要となってきます。
単なる管理者としてそこにいるだけでなく、私たちはさらに上を目指しながら、今のマネジャーの立場に置き換わる人材を育成していく必要も出てきます。
今回は、事業の「戦略」に関わる内容となりますが、一部門の経営者としての視点を身に付ける為の考え方を書いてみます。
事業経営のための1T4M
「1T4M」とはある経営コンサルティング会社のセミナーで耳にした言葉です。
前段として、日本企業は、世界的にも高い技術力を持っているという認識をされていますが「技術で成功して経営で失敗する」とも言われています。
優れた技術を持っていても事業として成り立たなければ企業は倒産します。経営者は部分ばかりに注目してしまい、全体に目が向かないようではいけないのです。
「木を見て森を見ず」という状態です。
「事業」について広辞苑で調べてみると
@社会的な大きな仕事
A一定の目的と計画に基づいて経営する経済的活動
となります。
「経営」とは
@力を尽くして物事を営むこと工夫を凝らして建物などを造ること
Aあれこれと世話や準備をすること。忙しく奔走すること
➂継続的・計画的に事業を遂行すること。特に、会社・商業など経済的活動を運営すること。また、そのための組織
となります。一般的には、事業と経営を明確に区別して使い分けていないことが多いのですが、「1T4M」という切り口でそれぞれを区別して整理するとわかりやすくなります。
固有技術=Key Technorogy
市場=Market
この二つが「事業」となり、攻略するために検討するのが「事業戦略」
マネジメント=Management
資本・財務=Money
人材=Man
この三つが「経営」のくくりであり「経営戦略」として計画が必要となる部分になります。
スタートアップ、ベンチャーなど成長市場に新規参入が聞かれますが、売上・利益ともに増やすことはできても「経営」が追い付かない、、、、例えば、人材・資金・それらのマネジメントなど、事業に成功しても経営に失敗するという例です。
事業と経営の両軸をバランスよく実践する必要があるわけです。
単なる管理者としてそこにいるだけでなく、私たちはさらに上を目指しながら、今のマネジャーの立場に置き換わる人材を育成していく必要も出てきます。
今回は、事業の「戦略」に関わる内容となりますが、一部門の経営者としての視点を身に付ける為の考え方を書いてみます。
事業経営のための1T4M
「1T4M」とはある経営コンサルティング会社のセミナーで耳にした言葉です。
前段として、日本企業は、世界的にも高い技術力を持っているという認識をされていますが「技術で成功して経営で失敗する」とも言われています。
優れた技術を持っていても事業として成り立たなければ企業は倒産します。経営者は部分ばかりに注目してしまい、全体に目が向かないようではいけないのです。
「木を見て森を見ず」という状態です。
「事業」について広辞苑で調べてみると
@社会的な大きな仕事
A一定の目的と計画に基づいて経営する経済的活動
となります。
「経営」とは
@力を尽くして物事を営むこと工夫を凝らして建物などを造ること
Aあれこれと世話や準備をすること。忙しく奔走すること
➂継続的・計画的に事業を遂行すること。特に、会社・商業など経済的活動を運営すること。また、そのための組織
となります。一般的には、事業と経営を明確に区別して使い分けていないことが多いのですが、「1T4M」という切り口でそれぞれを区別して整理するとわかりやすくなります。
固有技術=Key Technorogy
市場=Market
この二つが「事業」となり、攻略するために検討するのが「事業戦略」
マネジメント=Management
資本・財務=Money
人材=Man
この三つが「経営」のくくりであり「経営戦略」として計画が必要となる部分になります。
スタートアップ、ベンチャーなど成長市場に新規参入が聞かれますが、売上・利益ともに増やすことはできても「経営」が追い付かない、、、、例えば、人材・資金・それらのマネジメントなど、事業に成功しても経営に失敗するという例です。
事業と経営の両軸をバランスよく実践する必要があるわけです。