2019年03月24日
産後うつ病・PMDDとは
産後うつ病とは、現在の日本国内では一般的に「出産後1年以内に発症するうつ病」を指し、産後ママの発病率は10〜17%と言われています。
主な症状としては産後に気分の落ち込みや興味・喜びを感じにくくなるといった抑うつ感、疲労が溜まる、睡眠障害、不安・罪悪感等があり、重症化すると「この場から消えたい」「死にたい」と思ってしまうほど(希死念慮)、精神的に追い詰められてしまいます。
早い人では妊娠中や出産直後から抑うつ的な症状が出始め、産後3ヵ月頃に最も発症する人が多く、出産直後〜産後7ヵ月頃までは「産後うつ病のハイリスク期間」と考えられています。
産後うつ病に関しては最近TVドラマや様々なメディアで取り上げられたり、母子手帳と一緒に自治体からパンフレットが配られたりして、世間の認知度や関心が高まっていると感じます。
一方、月経前不快気分障害(Premenstrual Dysphoric Disorder:PMDD)についてはまだあまりご存じない方も多いのではないでしょうか。
PMDDとは、月経の始まる直前の週に著しい抑うつ感や不安・情緒不安定、激しい怒りといった症状が現れるけれど月経が終わる頃には落ち着いてくる、いわば「月経周期に伴って症状が重くなったり軽くなったりするうつ病」で、発病率は月経のある女性の3〜8%と言われています。
月経のある女性であれば月経前症候群(Premenstrual Syndrome:PMS)ならご存知の方も多いと思いますが、月経前にお腹が痛くなったり多少イライラしてしまったりといったPMSの症状レベルでなく、他のうつ病と同じように「死にたい」と思ってしまうくらい辛い症状が毎月毎月繰り返されるのがPMDDの怖さだなと思います。
産後うつ病とPMDDに共通するのは、どちらも女性ホルモンバランスの急激な変動や、ストレ スとなりうる様々なライフイベント(出産・育児等含む)が発病に大きく関連する、という点です。
私の場合は、産後7ヵ月頃の月経が再開する直前に最初の抑うつ症状が現れ、以後月経周期と連動して周期的に抑うつ症状が現れていたので、産後うつ病なのかPMDDなのかなかなか判断がつきませんでした。
複数の精神科や婦人科を受診した後、やっと正式に「産後うつ病」と精神科医に診断されたのは産後1年3ヵ月頃のことです。
産後うつ病の症状が酷かった頃、私はずっとこの本の元になったブログ記事を熟読して勇気づけられていました。
私とは発症や治療の経過が異なるけれど、とてもリアルな産後うつ病の体験記としてぜひ多くの方に読んでいただきたい1冊です。
【参考文献】
ミィの脱産後うつブログ(https://datsu-sangoutsu.com/)
若松美貴代, 中村雅之, 春日井基文, 肝付洋, & 小林裕明. (2018). 妊娠期からの周産期メンタルヘルス支援と今後の課題. 鹿児島大学医学部保健学科紀要, 28(1), 21-30.
岡野禎治. (2009). 産後うつ病と育児支援. 精神経誌, 111, 432-439.
大坪天平. (2017). 精神科からみた PMS/PMDD の病態と治療. 女性心身医学, 22(3), 258-265.
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