2019年03月23日
発がん性に関する科学者と一般人の認識の差
(「緑の安全推進協会 農薬の安全性Q&A」より。がんの原因として考えている要因について、一般主婦と英国国立がん研究所のがんの疫学研究者に各々アンケートを取った結果。)
学生時代の講義で印象に残っている話題の一つに、「がんの疫学研究者と一般の主婦の考え方の間にはかなり認識の違いがある」、というものがありました。
参考文献にも示す通り、日本人のがんの主な原因は「喫煙・過度な飲酒・塩分摂りすぎ・肥満・野菜不足」等のごくありふれた生活習慣による部分が大きいです。
しかし一般の主婦の方々は、例えば農薬や食品添加物のような「人工的なもの、普段馴染みの薄いもの」を過剰に怖がる傾向にあるような気がします。
これは、個人的には研究者側が正しい情報を積極的に発信していない事が主な原因だと思っています。
以前の日本毒性学会の講演で中央労働災害防止協会の福島先生がおっしゃっていたのですが、
化学物質の毒性は過大評価も過小評価もせずに「正しく怖がる」
ことがとても大切だと思います。
産業界は毒性の過小評価に気をつけるべきですが、一般の方々は先入観にとらわれずに身の回りの毒性を適切に理解できているかどうか、気をつけてもらえたら良いのではないでしょうか。
【参考文献】
公益社団法人 緑の安全推進協会 農薬の安全性Q&A(http://www.midori-kyokai.com/yorozu/qa.html)
石原淳子, & 津金昌一郎. (2017). 成人期 (2) 食・栄養とがん予防: 日本のエビデンスの現状と解決に向けた方向性. 保健医療科学, 66(6), 590-602.
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