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2017年05月07日
4-4. 英国経済指標DB(2017年5月版、5月7日改訂)
英国の経済指標発表前後の取引はGBPJPYで行っています。
さて、2017年度のトレンド判断は、
がポイントと捉えています。
4月は、メイ首相による総選挙実施発表によってGBPは値を上げました。総選挙の大義名分は「ハードブリグジットに向けた挙国一致」的な解説が多く見受けられます。離脱交渉に向けて総選挙を行う決定をしたことは、首相・与党・ハードブリグジット派の勢いに自信があるからでしょう。
3月末時点では、2016年6月国民投票後に英国から引き揚げられていたファンド資金が半分以上戻ったことが報道されていました。そして、銀行株と輸出企業の比重が大きいFTSE100は、GBP安を好感して最高値を更新しました。
がしかし、ハードブリグジット交渉を争点に掲げた6月総選挙実施発表が4月に発表されると、FTSEは値を下げました。これは与野党を問わず、ハードブリグジット派がソフトブリグジット派を駆逐するための選挙と見られているため、です。経済的にはソフトな方が良いですから。このまま、株価が再び下がり始めないか注視しておく必要があります。
下図に前週との日英株価比差を示します。
5月8日には仏大統領選の結果が判明するため、選挙向けの英国への過激な要求が現実的なものに変化していくと見込まれます。5月4日には、欧州委員会のバルニエ首席交渉官が「11月までに費用負担問題を解決し、金額については白地小切手を求めている訳でなく、英国が確約した支払いを遂行することを求めている」旨、発言しています。この発言は、これまでのEU側の強硬な発言とは少しニュアンスが異なるように思えます。
この後、EURは仏大統領選結果判明でイベント一段落、GBPは5月中旬までEURに連られて下げても、下旬には6月8日選挙に向けて強気となるでしょう。そして、6月15日FOMCでの利上げに向けてまた下落でしょうか。上下に激しく動くか、どちらにも動けないかは、見てみないとわかりません。
BOEは、そうそう簡単に政策変更しないという話があります。もちろん、これは過去の実績で、BOE総裁もMPC委員も実際には入れ替わっているのだから、こんな話を当てにはできません。
英国離脱交渉における負担金の問題なんて、今後しばらく支払った上で漸減的に支払額を縮小していけば良いので、大した問題とも思えません。もともと、英国側はEUを離脱しても貿易特権を維持したいのだから、何らかの負担は覚悟しているでしょう。
但し、5月仏大統領選本選・6月英総選挙・8-10月独選挙ですから、一連の選挙が終わるまでは、互いに相手に甘い顔ができないこともわかります。
よって、独選挙までの間、GBPとEURは、GBP安材料・EUR安材料を双方ひとつ抱えることができます。通貨安はインフレ率上昇と貿易収支(成長)に貢献するので、経済にとって悪い話じゃありません(生活にとってではありません)。
そして、英国は利上げ・欧州は緩和縮小を公言さえすれば何もしなくても、過度な物価高に適度なブレーキをかけることもできます。その金融政策転換の予告宣伝のタイミングは、英国選挙と独国選挙の間が狙い目ですよね。英国の雇用状況が良いため、銀行と輸出企業に悪影響がなければ、選挙前に金融引き締め側の話が出てくるかも知れません。
ともあれ、英離脱交渉は協議内容だけの一喜一憂でGBPやEURが動き、実質的進展がないのでしょう。秋までは金融中心の期間、その後にやっと政治交渉の期間が来るのでしょう。
2017年1月17日にBOE総裁は「今後数年間の英成長は鈍化する見込み」で「個人消費の進展が政策にとっての鍵になる」と発言しています。また、2017年2月2日に四半期インフレ報告で「インフレ見通しが2017年は2.7%、2018年は2.6%」と示されました。IMFでは、この期間の経済成長を1.5%・1.4%と予想しています。3月16日のMPCでは、昨年7月以来の利上げ主張する委員が現れました。
(1) BOE政策金利・MPC議事録・四半期インフレ報告(2017年5月11日発表結果検証済)
製造業の景況感が悪化し始めると、サービス業もそれを追いかける、という言い伝えがあります。近年、この法則に当てはまらない事例が多々見受けられます。
4月分製造業PMIは57.3(市場予想54.0、前月結果54.2)となり、3年ぶりの高水準でした。内訳は、新規受注指数が2014年1月以来の高水準で、輸出受注指数も7カ月ぶりの高水準となっており、GBP安が原因と思われます。
4月分サービス業PMIは55.8(市場予想54.5、前回結果55.0)で、4か月ぶりの高水準でした。
(1) 製造業PMI(2017年5月2日発表結果検証済)
(2) サービス業PMI(2017年6月5日発表結果検証済)
主要国でCPI・RPI・PPIが一度に発表されるのは英国だけです。CPIやRPIの発表結果が揃って改善/悪化すると、驚くほど大きく反応するので注意が必要です。なお、4月11日発表(3月集計分)では、CPI前年比が2.3%、CPIコア前年比が1.9%です。3月発表(2月集計分)では、BOEのインフレ目標2%に達していました。
今後ますますCPIと利上げとの関係解説記事が増えることでしょう。
また、英国は法律で年金支給額がRPI上昇率によって決まります。RPI上昇とCPI上昇は近い関係のため、インフレ問題は、報道記事の通りに受け取るのは難しいところがあります。
アンケートで物価高について問われれば、必ずネガティブな主張が目立ちます。そして、その主張は部分的に低所得者層の声を代弁しています。でも収入が増える限り、インフレがそれ以上だという苦言が一部にあっても、あまり真に受ける必要がありません(圧倒的インフレの場合は別ですが、英国もEU側もそれほどではありません)。
それなのに、選挙前はインフレ抑止政策や低所得者層保護政策が話題に挙がりやすいため、解釈が難しくなるのです。
なお、5月発表(4月分データを発表)には注意が必要です。英国では公共料金が4月に引き上げられます。
(1) 消費者物価指数・小売物価指数・生産者物価指数(2017年5月16日発表結果検証済)
英国経済指標は、指標発表結果に対して素直な反応をしがちです。がしかし、雇用統計だけは別に見えます。多くの経済指標発表カレンダーには、失業保険受給者数と失業率しか示されていませんが、反応は平均所得(賃金)の増減で方向が決まりがちです。
3月発表値を見る限り、平均賃金の伸びはCPIに対して悪化しているとは言えません。がしかし、物価上昇に伴う消費支出低迷から成長鈍化に繋がると、実質賃金はマイナス転換の可能性があります。現在、英国はインフレ率が急上昇しており、失業保険受給件数や失業率よりも実質賃金への注目度が高まるハズです。
(1) 失業保険申請件数・失業率(2017年5月17日17:30発表予定、事前分析済)
IMF予想によれば、英国の2017年経済成長は1.5%となっています。これはPIGS諸国を抱えるEUの1.6%を下回っており、2018年は英国が1.4%、EUが1.6%と、その差が広がる予想となっています。現状はその差の広がり方が緩やかに見えるので、この差が広がるスピードが速まるような話(懸念であっても)が出れば、GBPは一気に売られるリスクを抱えています。
EU離脱国民投票後、一時は成長がマイナスになるという解説記事さえあったものの、2016年はかなり好調でした。それだけに2017年は成長鈍化と見込まれています。さすがにマイナスという解説はなくなりましたが。
4月28日発表された1-3月期GDP速報値は、前年比+2.1%(市場予想+2.2%、前回結果+1.9%)、前期比+0.3%(市場予想+0.4%、前回結果+0.7%)でした。
内訳は、消費に結びつきやすいサービス部門が前期比+0.3%と、2015年1-3月期以来の低い伸び率です。鉱工業生産も前期比+0.3%で、建設が+0.2%です。
この結果について、一様にGBP安に伴うインフレ加速による消費低迷が原因、と報道解説記事では指摘されています。
(1) 四半期GDP速報値(2017年4月28日発表結果検証済)
(2) 四半期GDP改定値(2017年5月25日発表結果検証済)
(3) 四半期GDP確定値(2017年3月31日発表結果検証済)
4月発表結果(2月分データ)は、小売が好調だったものの、生産がかなり悪化しました。実態指標は景況感を示すPMIよりも遅れて反応するという解釈が基本ですが、4月発表では製造業・サービス業ともにPMIの3月分データと方向が一致しました。実態指標の方が景気指標よりも先行しています。
5月18日に発表された4月小売売上高指数前月比+2.3%となり、前回結果△1.4%・市場予想+1.0%を上回りました。前年比は+4.0%で、前回結果+2.0%・市場予想+2.1%を上回りました。
製造は輸出次第(GBPレート次第)、小売は国内景気と物価次第、という基本が大切です。
(1) 小売売上高指数(2017年4月21日発表結果検証済)
(2) 鉱工業生産(2017年6月9日17:30発表結果検証済)
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さて、2017年度のトレンド判断は、
- 6月8日総選挙でメイ首相の立場がどれぐらい強まるか
- BOEが物価高にいつどの程度の対策を講じるか
- ブリグジット交渉進展内容(1月英最高裁判断・3月英国離脱通告・4月EU側交渉方針開示・時期不詳の第1回交渉)
がポイントと捉えています。
4月は、メイ首相による総選挙実施発表によってGBPは値を上げました。総選挙の大義名分は「ハードブリグジットに向けた挙国一致」的な解説が多く見受けられます。離脱交渉に向けて総選挙を行う決定をしたことは、首相・与党・ハードブリグジット派の勢いに自信があるからでしょう。
3月末時点では、2016年6月国民投票後に英国から引き揚げられていたファンド資金が半分以上戻ったことが報道されていました。そして、銀行株と輸出企業の比重が大きいFTSE100は、GBP安を好感して最高値を更新しました。
がしかし、ハードブリグジット交渉を争点に掲げた6月総選挙実施発表が4月に発表されると、FTSEは値を下げました。これは与野党を問わず、ハードブリグジット派がソフトブリグジット派を駆逐するための選挙と見られているため、です。経済的にはソフトな方が良いですから。このまま、株価が再び下がり始めないか注視しておく必要があります。
下図に前週との日英株価比差を示します。
5月8日には仏大統領選の結果が判明するため、選挙向けの英国への過激な要求が現実的なものに変化していくと見込まれます。5月4日には、欧州委員会のバルニエ首席交渉官が「11月までに費用負担問題を解決し、金額については白地小切手を求めている訳でなく、英国が確約した支払いを遂行することを求めている」旨、発言しています。この発言は、これまでのEU側の強硬な発言とは少しニュアンスが異なるように思えます。
この後、EURは仏大統領選結果判明でイベント一段落、GBPは5月中旬までEURに連られて下げても、下旬には6月8日選挙に向けて強気となるでしょう。そして、6月15日FOMCでの利上げに向けてまた下落でしょうか。上下に激しく動くか、どちらにも動けないかは、見てみないとわかりません。
【4-4-1. 政策決定指標】
BOEは、そうそう簡単に政策変更しないという話があります。もちろん、これは過去の実績で、BOE総裁もMPC委員も実際には入れ替わっているのだから、こんな話を当てにはできません。
英国離脱交渉における負担金の問題なんて、今後しばらく支払った上で漸減的に支払額を縮小していけば良いので、大した問題とも思えません。もともと、英国側はEUを離脱しても貿易特権を維持したいのだから、何らかの負担は覚悟しているでしょう。
但し、5月仏大統領選本選・6月英総選挙・8-10月独選挙ですから、一連の選挙が終わるまでは、互いに相手に甘い顔ができないこともわかります。
よって、独選挙までの間、GBPとEURは、GBP安材料・EUR安材料を双方ひとつ抱えることができます。通貨安はインフレ率上昇と貿易収支(成長)に貢献するので、経済にとって悪い話じゃありません(生活にとってではありません)。
そして、英国は利上げ・欧州は緩和縮小を公言さえすれば何もしなくても、過度な物価高に適度なブレーキをかけることもできます。その金融政策転換の予告宣伝のタイミングは、英国選挙と独国選挙の間が狙い目ですよね。英国の雇用状況が良いため、銀行と輸出企業に悪影響がなければ、選挙前に金融引き締め側の話が出てくるかも知れません。
ともあれ、英離脱交渉は協議内容だけの一喜一憂でGBPやEURが動き、実質的進展がないのでしょう。秋までは金融中心の期間、その後にやっと政治交渉の期間が来るのでしょう。
金融政策
2017年1月17日にBOE総裁は「今後数年間の英成長は鈍化する見込み」で「個人消費の進展が政策にとっての鍵になる」と発言しています。また、2017年2月2日に四半期インフレ報告で「インフレ見通しが2017年は2.7%、2018年は2.6%」と示されました。IMFでは、この期間の経済成長を1.5%・1.4%と予想しています。3月16日のMPCでは、昨年7月以来の利上げ主張する委員が現れました。
(1) BOE政策金利・MPC議事録・四半期インフレ報告(2017年5月11日発表結果検証済)
景気指標
製造業の景況感が悪化し始めると、サービス業もそれを追いかける、という言い伝えがあります。近年、この法則に当てはまらない事例が多々見受けられます。
4月分製造業PMIは57.3(市場予想54.0、前月結果54.2)となり、3年ぶりの高水準でした。内訳は、新規受注指数が2014年1月以来の高水準で、輸出受注指数も7カ月ぶりの高水準となっており、GBP安が原因と思われます。
4月分サービス業PMIは55.8(市場予想54.5、前回結果55.0)で、4か月ぶりの高水準でした。
(1) 製造業PMI(2017年5月2日発表結果検証済)
(2) サービス業PMI(2017年6月5日発表結果検証済)
物価指標
主要国でCPI・RPI・PPIが一度に発表されるのは英国だけです。CPIやRPIの発表結果が揃って改善/悪化すると、驚くほど大きく反応するので注意が必要です。なお、4月11日発表(3月集計分)では、CPI前年比が2.3%、CPIコア前年比が1.9%です。3月発表(2月集計分)では、BOEのインフレ目標2%に達していました。
今後ますますCPIと利上げとの関係解説記事が増えることでしょう。
また、英国は法律で年金支給額がRPI上昇率によって決まります。RPI上昇とCPI上昇は近い関係のため、インフレ問題は、報道記事の通りに受け取るのは難しいところがあります。
アンケートで物価高について問われれば、必ずネガティブな主張が目立ちます。そして、その主張は部分的に低所得者層の声を代弁しています。でも収入が増える限り、インフレがそれ以上だという苦言が一部にあっても、あまり真に受ける必要がありません(圧倒的インフレの場合は別ですが、英国もEU側もそれほどではありません)。
それなのに、選挙前はインフレ抑止政策や低所得者層保護政策が話題に挙がりやすいため、解釈が難しくなるのです。
なお、5月発表(4月分データを発表)には注意が必要です。英国では公共料金が4月に引き上げられます。
(1) 消費者物価指数・小売物価指数・生産者物価指数(2017年5月16日発表結果検証済)
雇用指標
英国経済指標は、指標発表結果に対して素直な反応をしがちです。がしかし、雇用統計だけは別に見えます。多くの経済指標発表カレンダーには、失業保険受給者数と失業率しか示されていませんが、反応は平均所得(賃金)の増減で方向が決まりがちです。
3月発表値を見る限り、平均賃金の伸びはCPIに対して悪化しているとは言えません。がしかし、物価上昇に伴う消費支出低迷から成長鈍化に繋がると、実質賃金はマイナス転換の可能性があります。現在、英国はインフレ率が急上昇しており、失業保険受給件数や失業率よりも実質賃金への注目度が高まるハズです。
(1) 失業保険申請件数・失業率(2017年5月17日17:30発表予定、事前分析済)
【4-4-2. 経済情勢指標】
IMF予想によれば、英国の2017年経済成長は1.5%となっています。これはPIGS諸国を抱えるEUの1.6%を下回っており、2018年は英国が1.4%、EUが1.6%と、その差が広がる予想となっています。現状はその差の広がり方が緩やかに見えるので、この差が広がるスピードが速まるような話(懸念であっても)が出れば、GBPは一気に売られるリスクを抱えています。
経済成長
EU離脱国民投票後、一時は成長がマイナスになるという解説記事さえあったものの、2016年はかなり好調でした。それだけに2017年は成長鈍化と見込まれています。さすがにマイナスという解説はなくなりましたが。
4月28日発表された1-3月期GDP速報値は、前年比+2.1%(市場予想+2.2%、前回結果+1.9%)、前期比+0.3%(市場予想+0.4%、前回結果+0.7%)でした。
内訳は、消費に結びつきやすいサービス部門が前期比+0.3%と、2015年1-3月期以来の低い伸び率です。鉱工業生産も前期比+0.3%で、建設が+0.2%です。
この結果について、一様にGBP安に伴うインフレ加速による消費低迷が原因、と報道解説記事では指摘されています。
(1) 四半期GDP速報値(2017年4月28日発表結果検証済)
(2) 四半期GDP改定値(2017年5月25日発表結果検証済)
(3) 四半期GDP確定値(2017年3月31日発表結果検証済)
実態指標
4月発表結果(2月分データ)は、小売が好調だったものの、生産がかなり悪化しました。実態指標は景況感を示すPMIよりも遅れて反応するという解釈が基本ですが、4月発表では製造業・サービス業ともにPMIの3月分データと方向が一致しました。実態指標の方が景気指標よりも先行しています。
5月18日に発表された4月小売売上高指数前月比+2.3%となり、前回結果△1.4%・市場予想+1.0%を上回りました。前年比は+4.0%で、前回結果+2.0%・市場予想+2.1%を上回りました。
製造は輸出次第(GBPレート次第)、小売は国内景気と物価次第、という基本が大切です。
(1) 小売売上高指数(2017年4月21日発表結果検証済)
(2) 鉱工業生産(2017年6月9日17:30発表結果検証済)
以上
もしこの記事が何か参考になったなら、どれか広告バナーをクリックして提携先に興味をお持ち頂けると幸いです。提携先はいずれも良心的なところを選んだつもりです。万が一、購入・登録・合意もしていないのにクリックしただけで勧誘メールが毎日来るようなったなら、こちら(※9-1-4)までご一報をお願いします。
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2017年05月04日
英国景気指標「サービス業PMI」発表前後のGBPJPY反応分析(2017年5月4日17:30発表結果検証済)
以下、「T.調査・分析」を事前投稿し、「U.結果・検証」を事後投稿しています。ブログの日付は事前投稿日となっています。指標発表後に事後投稿し、その日時は「U.結果・検証」のタイトル行付近に記載しています。
2017年5月4日17:30に英国景気指標「サービス業PMI」が発表されます。今回発表は2017年4月分の集計結果です。
本指標の要点は下表に整理しておきました。
公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。
PMIは、企業購買担当者に直接調査して算出されるため、景気実態を正確に反映した先行指標と言われています。
一般論として、製造業の材料・部品調達は、数か月先の取引先動向や製品需要から仕入れを行うため先行性がある、と考えられます。それよりは先行性が劣るものの、サービス業も販売機会喪失を避けるため、消費者の動向に先んじようと必死です。
但し、製造業景況感のサービス業景況感に対する「先行性」については、以前ほど当てにならないようです。昔とは違って、流通経路が可視化・効率化され、企業購買部門の力量が向上し、国内サービス業を介さずに海外と直接取引を行うことができるから、です。サービス業の仕入れに至っては、ほぼ消費動向とリアルタイムで一致しつつある時代を迎えつつあります。
指数の解釈は、50%を上回ると景気拡大・50%を下回ると景気後退、です。
指数の意義は、景気転換をGDPよりも先行示唆することと、です。
英国重要指標全般に言えることですが、指標発表結果への反応(値動き)が素直で大きいという特徴があります。がしかし、FX会社などの経済指標ランク分では、他国の景気指標と同程度かそれ以下の重要度・注目度に位置づけられることが多いように見受けられます。そのためポジションを持つ場合には注意が必要です。調査対象期間中に最も大きく反応したときは110pipsにも達しています。
英国経済指標へのGBPJPYの反応は、他国の経済指標への反応よりワンランク上なのです。
以下の調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの27回分のデータに基づいています。
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
今回の市場予想は54.5、前回結果55.0を0.5ポイント下回っています。ちなみに、前回は市場予想を大きく上回り、その結果、直後11分足跳幅が70pipsにも達しました。
4月製造業PMIの結果は57.3(市場予想54.0、前月結果54.2)で、3年ぶりの高水準でした。内訳は、新規受注指数が2014年1月以来の高水準で、輸出受注指数も7カ月ぶりの高水準となっており、GBP安が原因との解説記事がありました。4月は建設業PMIも前回結果・市場予想を上回っています。
GBP安が原因ならば、サービス業PMIも好調な可能性があります。
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は「反応性分析」をご参照願います。
直後11分足は、直後1分足との方向一致率が88%で、方向一致時に終値が直後1分足終値を超えて伸びていたことが68%です。ほぼ安心して追撃ポジションが取れそうな数字です。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は
「反応一致性分析」をご参照願います。
直前1分足の陰線率は75%となっています。
指標一致性分析は、指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、発表結果と市場予想の差(事後差異)を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。詳細は「指標一致性分析」
をご参照願います。
事後差異は、直後1分足・直後11分足との方向一致率が、それぞれ76%・78%となっています。市場予想より発表結果が大きいか小さいかで、ほぼ素直に反応するようです。
以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。
(1) 直前1分足は、反応一致性分析の結果、陰線率が75%です。
(2) 直後1分足は、指標定性分析結論に依り、陽線と見込みます。
(3) 直後11分足は、反応性分析の結果、直後1分足との方向一致率が88%で、方向一致時に終値が直後1分足終値を超えて伸びていたことが68%です。追撃します。
以下は2017年5月5日に追記しています。
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
取引できませんでした。
事前準備していたシナリオは次の通りです。
(1) 直前1分足は、反応一致性分析の結果、陰線率が75%です。
(2) 直後1分足は、指標定性分析結論に依り、陽線と見込みます。
(3) 直後11分足は、反応性分析の結果、直後1分足との方向一致率が88%で、方向一致時に終値が直後1分足終値を超えて伸びていたことが68%です。追撃します。
取引はできなかったものの、的中しており残念です。
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本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
2017年5月4日17:30に英国景気指標「サービス業PMI」が発表されます。今回発表は2017年4月分の集計結果です。
本指標の要点は下表に整理しておきました。
T.調査・分析
公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。
【1. 指標概要】
PMIは、企業購買担当者に直接調査して算出されるため、景気実態を正確に反映した先行指標と言われています。
一般論として、製造業の材料・部品調達は、数か月先の取引先動向や製品需要から仕入れを行うため先行性がある、と考えられます。それよりは先行性が劣るものの、サービス業も販売機会喪失を避けるため、消費者の動向に先んじようと必死です。
但し、製造業景況感のサービス業景況感に対する「先行性」については、以前ほど当てにならないようです。昔とは違って、流通経路が可視化・効率化され、企業購買部門の力量が向上し、国内サービス業を介さずに海外と直接取引を行うことができるから、です。サービス業の仕入れに至っては、ほぼ消費動向とリアルタイムで一致しつつある時代を迎えつつあります。
指数の解釈は、50%を上回ると景気拡大・50%を下回ると景気後退、です。
指数の意義は、景気転換をGDPよりも先行示唆することと、です。
英国重要指標全般に言えることですが、指標発表結果への反応(値動き)が素直で大きいという特徴があります。がしかし、FX会社などの経済指標ランク分では、他国の景気指標と同程度かそれ以下の重要度・注目度に位置づけられることが多いように見受けられます。そのためポジションを持つ場合には注意が必要です。調査対象期間中に最も大きく反応したときは110pipsにも達しています。
英国経済指標へのGBPJPYの反応は、他国の経済指標への反応よりワンランク上なのです。
【2. 既出情報】
以下の調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの27回分のデータに基づいています。
(2-1. 過去情報)
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
今回の市場予想は54.5、前回結果55.0を0.5ポイント下回っています。ちなみに、前回は市場予想を大きく上回り、その結果、直後11分足跳幅が70pipsにも達しました。
4月製造業PMIの結果は57.3(市場予想54.0、前月結果54.2)で、3年ぶりの高水準でした。内訳は、新規受注指数が2014年1月以来の高水準で、輸出受注指数も7カ月ぶりの高水準となっており、GBP安が原因との解説記事がありました。4月は建設業PMIも前回結果・市場予想を上回っています。
GBP安が原因ならば、サービス業PMIも好調な可能性があります。
(2-2. 過去反応)
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
【3. 定型分析】
(3-1. 反応性分析)
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は「反応性分析」をご参照願います。
直後11分足は、直後1分足との方向一致率が88%で、方向一致時に終値が直後1分足終値を超えて伸びていたことが68%です。ほぼ安心して追撃ポジションが取れそうな数字です。
(3-2. 反応一致性分析)
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は
「反応一致性分析」をご参照願います。
直前1分足の陰線率は75%となっています。
(3-3. 指標一致性分析)
指標一致性分析は、指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、発表結果と市場予想の差(事後差異)を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。詳細は「指標一致性分析」
をご参照願います。
事後差異は、直後1分足・直後11分足との方向一致率が、それぞれ76%・78%となっています。市場予想より発表結果が大きいか小さいかで、ほぼ素直に反応するようです。
【6. シナリオ作成】
以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。
(1) 直前1分足は、反応一致性分析の結果、陰線率が75%です。
(2) 直後1分足は、指標定性分析結論に依り、陽線と見込みます。
(3) 直後11分足は、反応性分析の結果、直後1分足との方向一致率が88%で、方向一致時に終値が直後1分足終値を超えて伸びていたことが68%です。追撃します。
以上
2017年5月4日発表
以下は2017年5月5日に追記しています。
U. 結果・検証
【5. 発表結果】
(5-1. 指標結果)
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
(5-2. 取引結果)
取引できませんでした。
【6. 分析検証】
事前準備していたシナリオは次の通りです。
(1) 直前1分足は、反応一致性分析の結果、陰線率が75%です。
(2) 直後1分足は、指標定性分析結論に依り、陽線と見込みます。
(3) 直後11分足は、反応性分析の結果、直後1分足との方向一致率が88%で、方向一致時に終値が直後1分足終値を超えて伸びていたことが68%です。追撃します。
取引はできなかったものの、的中しており残念です。
以上
もしこの記事が何か参考になったなら、どれか広告バナーをクリックして提携先に興味をお持ち頂けると幸いです。提携先はいずれも良心的なところを選んだつもりです。安心してください。
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ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
ーーー注記ーーー
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上
2017年05月02日
英国景気指標「製造業PMI」発表前後のGBPJPY反応分析(2017年5月2日17:30発表結果検証済)
以下、「T.調査・分析」を事前投稿し、「U.結果・検証」を事後投稿しています。ブログの日付は事前投稿日となっています。指標発表後に事後投稿し、その日時は「U.結果・検証」のタイトル行付近に記載しています。
2017年5月2日17:30に英国景気指標「製造業PMI」が発表されます。今回発表は2017年4月分の集計結果です。
本指標の要点は下表に整理しておきました。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。
PMIは、企業購買担当者に直接調査して算出されるため、景気実態を正確に反映した先行指標と言われています。
一般論として、製造業の材料・部品調達は、数か月先の取引先動向や製品需要から仕入れを行うため先行性がある、と考えられます。それよりは先行性が劣るものの、サービス業も販売機会喪失を避けるため、消費者の動向に先んじようと必死です。
但し、景況感の「先行性」については、以前ほど当てにならないようです。昔とは違って、流通経路が可視化・効率化され、企業購買部門の力量が向上し、国内サービス業を介さずに海外と直接取引を行うことができるから、です。サービス業の仕入れに至っては、ほぼ消費動向とリアルタイムで一致しつつあるのです。
指数の解釈は、50%を上回ると景気拡大・50%を下回ると景気後退、です。
指数の意義は、景気転換をGDPよりも先行示唆することと、です。
以下の調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの27回分のデータに基づいています。
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
今回の市場予想は54.0で、前回結果54.2を下回っています。
先週発表された1-3月期GDP速報値の結果を見る限り、市場予想の低下は小さすぎるように思えます。がしかし、GDPの内訳を見てみると、鉱工業生産分野は前期比+0.3%で、10-12月期の+0.4%からそれほど悪化していません。実際、2月20日-3月13日にBCCが行った調査では、製造業の第1四半期の輸出が約2年ぶりの大幅な伸びとなっていました。
つまり、今回の市場予想が前回結果より0.2ポイント悪化となっている理由は実態でなく、「この先、良くなりそうか・悪くなりそうか」の部分でしかありません。良い訳がない。
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
「
直前10-1分足跳幅が10pips以上だったことが16回(母数27回)、20pips以上だったことが7回、もあります。そして直前1分足跳幅も10pips以上に達したことが7回あります。発表前から、かなり動くことが多いのでご注意ください。
ちなみに、発表前に大きく動いたから発表後も大きく動くという関係は見出せていません。
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。
直後11分足は、直後1分足との方向一致率が85%で、方向一致時に終値が直後1分足終値を超えて伸びていたことが58%です。追撃ポジションを取るなら慎重にタイミングを見計らいましょう。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
直前1分足は陰線率が74%です。
指標一致性分析は、指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、発表結果と市場予想の差(事後差異)を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。
直後11分足は、事前差異との方向一致率が28%です。
事後差異は直後1分足・直後11分足との方向一致率がそれぞれ100%・88%です。発表結果が市場予想より大きいか小さいかで素直に反応します。
巻頭箇条書きのシナリオの項をご参照願います。
以下は2017年5月3日18:00頃に追記しています。
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
結果は57.3(市場予想54.0、前月結果54.2)で、3年ぶりの高水準でした。
内訳は、新規受注指数が2014年1月以来の高水準で、輸出受注指数も7カ月ぶりの高水準となっており、GBP安が原因との解説記事がありました。
直前10-1分足は陽線となっており、市場では予めこの結果を正しく予見していた可能性があります(直前1分足は、もともと多くの指標で陰線に振れることが多いため参考になりません)。
指標発表結果を受けて、直後1分足は素直に陽線で反応したものの、直後11分足は反応を伸ばしていません。発表から3-4分後に戻り、5-6分後に再び伸長、9-10分後にまた戻しとバタバタ動き、指標発表後11-12分後には発表時点の値まであと10pipsというところまで戻しました。
取引結果は次の通りでした。
指標を跨いだ取引で損切となったため、挽回のためシナリオ外取引を行いました。結果的には、このシナリオ外取引のポジションを長く持てばほぼ損切分を挽回できたようですが、そのためには18:00過ぎまでポジションを持たないといけなかったことがわかっています。それではポジション保有時間が長すぎます。
残念ながら、この取引は指標分析を外したため、負けは仕方ありません。
事前調査分析内容を、以下に検証します
結果は57.3で、3年ぶりの高水準でしたので、完全に分析を間違っていたことになります。
分析を間違った原因は、先週発表された1-3月期GDP速報値で、鉱工業生産分野は前期比+0.3%で、10-12月期の+0.4%からそれほど悪化していなかった点を重視しなかったため、です。また、BCCによる製造業の第1四半期の輸出が約2年ぶりの大幅な伸びという調査結果も軽視してしまいました。
事前準備していたシナリオは次の通りです。
(1) 直前1分足は、反応一致性分析の結果、陰線率が74%です。
(2) 直後1分足は、上記指標定性分析結論により、陰線です。
(3) 直後11分足は、直後1分足との方向一致率が85%で、方向一致時に終値が直後1分足終値を超えて伸びていたことが58%です。追撃ポジションを取るなら慎重にタイミングを見計らいましょう。
結果が負けとなったのは分析を間違ったからで、シナリオに問題があった訳ではありません。
下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。
もしこの記事が何か参考になったなら、どれか広告バナーをクリックして提携先に興味をお持ち頂けると幸いです。提携先はいずれも良心的なところを選んだつもりです。安心してください。
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
2017年5月2日17:30に英国景気指標「製造業PMI」が発表されます。今回発表は2017年4月分の集計結果です。
本指標の要点は下表に整理しておきました。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
- 本指標での取引における注意点が3点あります。
(1) まず、英国重要指標全般に言えることですが、指標発表結果への反応が大きいことです。
(2) そして、直前10-1分足跳幅が10pips以上だったことが16回(母数27回)、20pips以上だったことが7回、もあります。そして直前1分足跳幅も10pips以上に達したことが7回あります。発表前から、かなり動くことが多いのでご注意ください。ちなみに、発表前に大きく動いたから発表後も大きく動くという関係は見出せていません。
(3) 最後に、指標一致性分析の結果、事後差異は直後1分足・直後11分足との方向一致率がそれぞれ100%・88%です。発表結果が市場予想より大きいか小さいかで素直に反応します。 - 指標については次の通りです。
市場予想は54.0で、前回結果54.2よりも僅かしか悪化していません。これまで判明している実態数値からは、この説明が付きません。PMIの景況感部分の悪化がそれ以上と見込み、市場予想を下回ると考えます。
参考となるのが、前日5月1日に発表された米国製造業PMIです。米国でも実態がそれほど悪化した訳でもないのに、景況感悪化が先行しています。 - シナリオは次の通りです。
(1) 直前1分足は、反応一致性分析の結果、陰線率が74%です。
(2) 直後1分足は、上記指標定性分析結論により、陰線です。
(3) 直後11分足は、直後1分足との方向一致率が85%で、方向一致時に終値が直後1分足終値を超えて伸びていたことが58%です。追撃ポジションを取るなら慎重にタイミングを見計らいましょう。
T.調査・分析
公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。
【1. 指標概要】
PMIは、企業購買担当者に直接調査して算出されるため、景気実態を正確に反映した先行指標と言われています。
一般論として、製造業の材料・部品調達は、数か月先の取引先動向や製品需要から仕入れを行うため先行性がある、と考えられます。それよりは先行性が劣るものの、サービス業も販売機会喪失を避けるため、消費者の動向に先んじようと必死です。
但し、景況感の「先行性」については、以前ほど当てにならないようです。昔とは違って、流通経路が可視化・効率化され、企業購買部門の力量が向上し、国内サービス業を介さずに海外と直接取引を行うことができるから、です。サービス業の仕入れに至っては、ほぼ消費動向とリアルタイムで一致しつつあるのです。
指数の解釈は、50%を上回ると景気拡大・50%を下回ると景気後退、です。
指数の意義は、景気転換をGDPよりも先行示唆することと、です。
【2. 既出情報】
以下の調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの27回分のデータに基づいています。
(2-1. 過去情報)
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
今回の市場予想は54.0で、前回結果54.2を下回っています。
先週発表された1-3月期GDP速報値の結果を見る限り、市場予想の低下は小さすぎるように思えます。がしかし、GDPの内訳を見てみると、鉱工業生産分野は前期比+0.3%で、10-12月期の+0.4%からそれほど悪化していません。実際、2月20日-3月13日にBCCが行った調査では、製造業の第1四半期の輸出が約2年ぶりの大幅な伸びとなっていました。
つまり、今回の市場予想が前回結果より0.2ポイント悪化となっている理由は実態でなく、「この先、良くなりそうか・悪くなりそうか」の部分でしかありません。良い訳がない。
(2-2. 過去反応)
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
「
直前10-1分足跳幅が10pips以上だったことが16回(母数27回)、20pips以上だったことが7回、もあります。そして直前1分足跳幅も10pips以上に達したことが7回あります。発表前から、かなり動くことが多いのでご注意ください。
ちなみに、発表前に大きく動いたから発表後も大きく動くという関係は見出せていません。
【3. 反応性分析】
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。
直後11分足は、直後1分足との方向一致率が85%で、方向一致時に終値が直後1分足終値を超えて伸びていたことが58%です。追撃ポジションを取るなら慎重にタイミングを見計らいましょう。
【4. 反応一致性分析】
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
直前1分足は陰線率が74%です。
【5. 指標一致性分析】
指標一致性分析は、指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、発表結果と市場予想の差(事後差異)を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。
直後11分足は、事前差異との方向一致率が28%です。
事後差異は直後1分足・直後11分足との方向一致率がそれぞれ100%・88%です。発表結果が市場予想より大きいか小さいかで素直に反応します。
【6. シナリオ作成】
巻頭箇条書きのシナリオの項をご参照願います。
以上
2017年5月2日17:30発表
以下は2017年5月3日18:00頃に追記しています。
U. 結果・検証
【7. 発表結果】
(7-1. 指標結果)
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
結果は57.3(市場予想54.0、前月結果54.2)で、3年ぶりの高水準でした。
内訳は、新規受注指数が2014年1月以来の高水準で、輸出受注指数も7カ月ぶりの高水準となっており、GBP安が原因との解説記事がありました。
直前10-1分足は陽線となっており、市場では予めこの結果を正しく予見していた可能性があります(直前1分足は、もともと多くの指標で陰線に振れることが多いため参考になりません)。
指標発表結果を受けて、直後1分足は素直に陽線で反応したものの、直後11分足は反応を伸ばしていません。発表から3-4分後に戻り、5-6分後に再び伸長、9-10分後にまた戻しとバタバタ動き、指標発表後11-12分後には発表時点の値まであと10pipsというところまで戻しました。
(7-2. 取引結果)
取引結果は次の通りでした。
指標を跨いだ取引で損切となったため、挽回のためシナリオ外取引を行いました。結果的には、このシナリオ外取引のポジションを長く持てばほぼ損切分を挽回できたようですが、そのためには18:00過ぎまでポジションを持たないといけなかったことがわかっています。それではポジション保有時間が長すぎます。
残念ながら、この取引は指標分析を外したため、負けは仕方ありません。
【8. 調査分析検証】
事前調査分析内容を、以下に検証します
- 市場予想は54.0で、前回結果54.2よりも僅かしか悪化していません。これまで判明している実態数値からは、この説明が付きません。PMIの景況感部分の悪化がそれ以上と見込み、市場予想を下回ると考えます。
参考となるのが、前日5月1日に発表された米国製造業PMIです。米国でも実態がそれほど悪化した訳でもないのに、景況感悪化が先行しています。
結果は57.3で、3年ぶりの高水準でしたので、完全に分析を間違っていたことになります。
分析を間違った原因は、先週発表された1-3月期GDP速報値で、鉱工業生産分野は前期比+0.3%で、10-12月期の+0.4%からそれほど悪化していなかった点を重視しなかったため、です。また、BCCによる製造業の第1四半期の輸出が約2年ぶりの大幅な伸びという調査結果も軽視してしまいました。
【9. シナリオ検証】
事前準備していたシナリオは次の通りです。
(2) 直後1分足は、上記指標定性分析結論により、陰線です。
(3) 直後11分足は、直後1分足との方向一致率が85%で、方向一致時に終値が直後1分足終値を超えて伸びていたことが58%です。追撃ポジションを取るなら慎重にタイミングを見計らいましょう。
結果が負けとなったのは分析を間違ったからで、シナリオに問題があった訳ではありません。
下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。
以上
もしこの記事が何か参考になったなら、どれか広告バナーをクリックして提携先に興味をお持ち頂けると幸いです。提携先はいずれも良心的なところを選んだつもりです。安心してください。
ーーー以下は広告ですーーー
ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
ーーー注記ーーー
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上
2017年04月27日
英国経済指標「四半期GDP速報値」発表前後のGBPJPY反応分析(2017年4月28日17:30発表結果検証済)
以下、「T.調査」「U.分析」を事前投稿し、「V.結果」「W.検証」を事後投稿しています。ブログの日付は事前投稿日となっています。指標発表後に事後投稿し、その日時は「V.結果」のタイトル行付近に記載しています。
2017年4月28日17:30に英国経済指標「四半期GDP速報値」が発表されます。今回発表は2017年1-3月期分の集計結果です。
本指標の要点は下表に整理しておきました。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
公開情報や既出情報に基づく調査を行っています。
GDPは国内経済活動を総合的に表すので、その国の経済状況が良くなっているのか悪くなっているのかが一目瞭然です。どの国についてもそうですが、政策金利改定に次いで大きな反応が起きるのがGDP発表です。
英国四半期GDPは「速報値」「改定値」「確報値」と3回発表されます。最も反応が大きいのが速報値ですから、ポジションを持つつもりの方はご注意ください。
但し、最近の傾向は少し異なるようです。以下のデータを用いた調査・分析結果をご覧ください。
GDP速報値は、英国国家統計局が 1月・4月・7月・10月の下旬に前四半期分を発表しています。
以下の調査分析範囲は、2013年4-6月期分以降前回までの15回分のデータに基づいています。
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
今回の市場予想は、前年比が+2.2%(前期確報値+1.9%、差異+0.3%)、前期比が+0.4%(前期確報値+0.7%、差異△0.3%)、となっています。
さて、IMFが4月18日に2017年の世界経済見通しを発表しており、英国は1月の1.5%から2.0%に引き上げています。引上げ理由は、EU離脱による悪影響が顕在化するのに(1月発表時に想定していたよりも)時間がかかるため、です。今回の前年比市場予想は、このIMF想定を超えています。
4月11日に、BRC(英小売協会)は、1-3月期の小売売上高が前年比+0.1%増だったことを発表しています。また4月13日に、BCC(英商工会議所)は、製造業の1-3月期の輸出が約2年ぶりの大幅な伸びとなったことを発表しています。サービス部門でも回復がみられ、売上高の伸びは昨年6月以降で最大となっていたそうです。
つまり、前年比が前期確報値を上回りそうなことは、消費(小売)と貿易から裏付けられている訳です。がしかし、GDPの最大要因である1-3月消費(小売)が僅かに+0.1%というのに、市場予想の+2.2%(前確報値+1.9%)はやや高すぎます。
よって、この期間の前年比+0.3%という市場予想は高すぎます。
次に、英シンクタンクNISERは、4月13日に、1-3月期成長率が0.5%との見通しを示しています。NISERは、前四半期の+0.7%よりも今四半期の見通しを引き下げた理由として、1・2月の小売売上高が悪かった点を挙げています。それならば、3月の小売売上高指数はその1・2月よりも悪かったのだから、NISERが示した+0.5%は更に下方修正して理解しないといけません。
例えば、小売売上高指数をみれば、12月を1として、1-3月の各単月の前月比を積算すると、△0.7%となります。この△0.7%は、GDPの40%を占める消費と直結していると仮定すると、△0.28%となります。がしかし、この期間は鉱工業生産指数や製造業生産指数も低下しています。
よって、前期比が前確報値に対し△0.3%という数字は甘く、もっと低下する可能性が高いと考えられます。
今回は、前年比・前期比ともに市場予想を下回る、と予想します。
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
指標発表前にも動きが荒いので注意が必要です。
直前10-1分足には上下にヒゲが目立ちます。ヒゲや値幅が10pips以上だったことが、過去15回のうち8回もあります。直前1分足も、他の指標と違って10pips以上にヒゲや値幅が達したことが7回もあります。
過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。
直後11分足は、直後1分足との方向一致率が93%です。そして、方向一致時に直後11分足値幅が直後1分足値幅よりも大きかったことが69%です。指標発表直後に高値掴みさえ気を付ければ、追撃ポジションが取れますね。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
直前1分足の陰線率が79%、直後1分足の陽線率が71%です。
指標一致性分析は、指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、発表結果と市場予想の差(事後差異)を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。
事前差異と各ローソク足との間に強い相関(期待的中率70%以上)は見られません。
直前1分足の事後差異との方向一致率が29%(不一致率71%)で、事後差異は直後1分足との方向一致率が75%です。つまり、直前1分足が陰線ならば、発表結果が市場予想を上回って直後1分足が陽線で反応しがちだったし、直前1分足が陽線ならば、発表結果が市場予想を下回って直後1分足が陰線で反応しがちだった、ということです。
巻頭箇条書きのシナリオの項をご参照ください。
以下は2017年4月28日20:00頃に追記しています。
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
取引結果は次の通りでした。
事前調査分析内容を、以下に検証します
分析通り、前年比・前期比ともに市場予想を下回りました。
事前準備していたシナリオは次の通りです。
直後1分足は、前年比・前期比ともに市場予想を下回ったにも関わらず、最初、陽線で反応しました。そういうときには損切も仕方ありません。その後、陰線に転じて、更にそれから最終的に陽線へと転じました。市場予想を下回ったものの悪い数字ではないときのパターンでした。
下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。
もしこの記事が何か参考になったなら、どれか広告バナーをクリックして提携先に興味をお持ち頂けると幸いです。提携先はいずれも良心的なところを選んだつもりです。安心してください。
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
2017年4月28日17:30に英国経済指標「四半期GDP速報値」が発表されます。今回発表は2017年1-3月期分の集計結果です。
本指標の要点は下表に整理しておきました。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
- まず、本指標で取引する上での注意点です。
(1) 指標発表前にも動きが荒いので注意が必要です。直前10-1分足には上下にヒゲが目立ちます。ヒゲや値幅が10pips以上だったことが、過去15回のうち8回もあります。直前1分足も、他の指標と違って10pips以上にヒゲや値幅が達したことが7回もあります。
(2) そして、事前差異(市場予想ー前確報値結果)と各ローソク足との間に強い相関(期待的中率70%以上)は見られません。本指標の市場予想は過去データを見る限り、反応方向を考察する上ではアテになりません。
(3) 下記シナリオ(2)項の直後1分足は陰線と予想しています。がしかし、過去の指標一致性分析の結果は、陽線の可能性を示唆しています。すなわち、直前1分足の事後差異との方向一致率が29%(不一致率71%)で、事後差異は直後1分足との方向一致率が75%です。そして、反応一致性分析では、直前1分足の陰線率が高く、直後1分足の陽線率が高くなっています。今回の直後1分足での取引は、過去の定量分析結果よりも、現状の定性分析結果を優先しているので、ここで異論がある読者は、直後1分足を陽線と見立てた方が良いでしょう。 - 指標については次の通りです。
今回の市場予想は、前年比が+2.2%(前期確報値+1.9%、差異+0.3%)、前期比が+0.4%(前期確報値+0.7%、差異△0.3%)、となっています。
そして今回は、前年比・前期比ともに市場予想を下回ると予想しています。根拠は、GDPで最も大きな比率を占める1-3月の個人消費(小売売上高で代用算出)が、市場予想を裏付けるほどには良くないためです。 - シナリオは次の通りです。
(1) 直前1分足は、反応一致性分析の結果、陰線率が79%です。
(2) 直後1分足は、上記の指標定性分析結論に依り、陰線と見込みます。
(3) 直後11分足は、反応性分析の結果、直後1分足との方向一致率が93%です。そして、方向一致時に直後11分足値幅が直後1分足値幅よりも大きかったことが69%です。指標発表直後に高値(安値)掴みさえ気を付ければ、追撃ポジションが取れますね。
T.調査
公開情報や既出情報に基づく調査を行っています。
【1. 指標概要】
GDPは国内経済活動を総合的に表すので、その国の経済状況が良くなっているのか悪くなっているのかが一目瞭然です。どの国についてもそうですが、政策金利改定に次いで大きな反応が起きるのがGDP発表です。
英国四半期GDPは「速報値」「改定値」「確報値」と3回発表されます。最も反応が大きいのが速報値ですから、ポジションを持つつもりの方はご注意ください。
但し、最近の傾向は少し異なるようです。以下のデータを用いた調査・分析結果をご覧ください。
GDP速報値は、英国国家統計局が 1月・4月・7月・10月の下旬に前四半期分を発表しています。
【2. 既出情報】
以下の調査分析範囲は、2013年4-6月期分以降前回までの15回分のデータに基づいています。
(2-1. 過去情報)
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
今回の市場予想は、前年比が+2.2%(前期確報値+1.9%、差異+0.3%)、前期比が+0.4%(前期確報値+0.7%、差異△0.3%)、となっています。
さて、IMFが4月18日に2017年の世界経済見通しを発表しており、英国は1月の1.5%から2.0%に引き上げています。引上げ理由は、EU離脱による悪影響が顕在化するのに(1月発表時に想定していたよりも)時間がかかるため、です。今回の前年比市場予想は、このIMF想定を超えています。
4月11日に、BRC(英小売協会)は、1-3月期の小売売上高が前年比+0.1%増だったことを発表しています。また4月13日に、BCC(英商工会議所)は、製造業の1-3月期の輸出が約2年ぶりの大幅な伸びとなったことを発表しています。サービス部門でも回復がみられ、売上高の伸びは昨年6月以降で最大となっていたそうです。
つまり、前年比が前期確報値を上回りそうなことは、消費(小売)と貿易から裏付けられている訳です。がしかし、GDPの最大要因である1-3月消費(小売)が僅かに+0.1%というのに、市場予想の+2.2%(前確報値+1.9%)はやや高すぎます。
よって、この期間の前年比+0.3%という市場予想は高すぎます。
次に、英シンクタンクNISERは、4月13日に、1-3月期成長率が0.5%との見通しを示しています。NISERは、前四半期の+0.7%よりも今四半期の見通しを引き下げた理由として、1・2月の小売売上高が悪かった点を挙げています。それならば、3月の小売売上高指数はその1・2月よりも悪かったのだから、NISERが示した+0.5%は更に下方修正して理解しないといけません。
例えば、小売売上高指数をみれば、12月を1として、1-3月の各単月の前月比を積算すると、△0.7%となります。この△0.7%は、GDPの40%を占める消費と直結していると仮定すると、△0.28%となります。がしかし、この期間は鉱工業生産指数や製造業生産指数も低下しています。
よって、前期比が前確報値に対し△0.3%という数字は甘く、もっと低下する可能性が高いと考えられます。
今回は、前年比・前期比ともに市場予想を下回る、と予想します。
(2-2. 過去反応)
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
指標発表前にも動きが荒いので注意が必要です。
直前10-1分足には上下にヒゲが目立ちます。ヒゲや値幅が10pips以上だったことが、過去15回のうち8回もあります。直前1分足も、他の指標と違って10pips以上にヒゲや値幅が達したことが7回もあります。
U. 分析
過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。
【3. 反応性分析】
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。
直後11分足は、直後1分足との方向一致率が93%です。そして、方向一致時に直後11分足値幅が直後1分足値幅よりも大きかったことが69%です。指標発表直後に高値掴みさえ気を付ければ、追撃ポジションが取れますね。
【4. 反応一致性分析】
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
直前1分足の陰線率が79%、直後1分足の陽線率が71%です。
【5. 指標一致性分析】
指標一致性分析は、指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、発表結果と市場予想の差(事後差異)を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。
事前差異と各ローソク足との間に強い相関(期待的中率70%以上)は見られません。
直前1分足の事後差異との方向一致率が29%(不一致率71%)で、事後差異は直後1分足との方向一致率が75%です。つまり、直前1分足が陰線ならば、発表結果が市場予想を上回って直後1分足が陽線で反応しがちだったし、直前1分足が陽線ならば、発表結果が市場予想を下回って直後1分足が陰線で反応しがちだった、ということです。
【6. シナリオ作成】
巻頭箇条書きのシナリオの項をご参照ください。
以上
2017年4月28日17:30発表
以下は2017年4月28日20:00頃に追記しています。
V. 結果
【7. 発表結果】
(7-1. 指標結果)
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
(7-2. 取引結果)
取引結果は次の通りでした。
【8. 調査分析検証】
事前調査分析内容を、以下に検証します
- 今回の市場予想は、前年比が+2.2%(前期確報値+1.9%、差異+0.3%)、前期比が+0.4%(前期確報値+0.7%、差異△0.3%)、となっています。
そして今回は、前年比・前期比ともに市場予想を下回ると予想しています。根拠は、GDPで最も大きな比率を占める1-3月の個人消費(小売売上高で代用算出)が、市場予想を裏付けるほどには良くないためです。
分析通り、前年比・前期比ともに市場予想を下回りました。
【9. シナリオ検証】
事前準備していたシナリオは次の通りです。
- (1) 直前1分足は、反応一致性分析の結果、陰線率が79%です。
(2) 直後1分足は、上記の指標定性分析結論に依り、陰線と見込みます。
(3) 直後11分足は、反応性分析の結果、直後1分足との方向一致率が93%です。そして、方向一致時に直後11分足値幅が直後1分足値幅よりも大きかったことが69%です。指標発表直後に高値(安値)掴みさえ気を付ければ、追撃ポジションが取れますね。
直後1分足は、前年比・前期比ともに市場予想を下回ったにも関わらず、最初、陽線で反応しました。そういうときには損切も仕方ありません。その後、陰線に転じて、更にそれから最終的に陽線へと転じました。市場予想を下回ったものの悪い数字ではないときのパターンでした。
下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。
以上
もしこの記事が何か参考になったなら、どれか広告バナーをクリックして提携先に興味をお持ち頂けると幸いです。提携先はいずれも良心的なところを選んだつもりです。安心してください。
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ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
ーーー注記ーーー
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上
2017年04月20日
英国実態指標「小売売上高指数」発表前後のGBPJPY反応分析(2017年4月21日17:30発表結果検証済)
以下、「T.調査」「U.分析」を事前投稿し、「V.結果」「W.検証」を事後投稿しています。ブログの日付は事前投稿日となっています。指標発表後に事後投稿し、その日時は「V.結果」のタイトル行付近に記載しています。
2017年4月21日17:30に英国実態指標「小売売上高指数」が発表されます。今回発表は2017年3月分の集計結果です。
本指標の要点は下表に整理しておきました。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
公開情報や既出情報に基づく調査を行っています。
本指標の調査対象は、自動車販売店を除いた小売業・飲食店など5000社です。小売売上高は英国に限らず天候・季節が影響します。特に1月発表(前年12月分)はクリスマス商戦の影響で毎月の結果よりも大きく変動することが知られています。
英国の個人消費はGDPの約40%を占めるため、GDPの先行指標として本指標には意義があります。
発表元は英国国家統計局、時期は翌月中旬です。
以下の調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの26回分のデータに基づいています。
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
今回の市場予想は、前年比+3.8%(前回+3.7%)、前月比△0.5%(前回+1.4%)、となっています。
関連指標を見てみましょう。
BRC小売売上高3月分データが4月11日に発表されています。結果は前年比が△1.0%で、この数字は昨年8月(△0.9%)以来の落ち込みで、直近の悪い数字△0.6%(1月)も下回っていました。
ところで、本指標でBRC結果の大きな落ち込みのあった月を調べてみると、昨年は8月分データ、今年は1月分データです。つまり、小売売上高指数前年比の大きな落ち込みは、BRCとより時期が一致しています。もし時期的なズレがあったとしても、BRC前年比は1-3月分データは3か月連続でマイナスとなっています。
よって、本指標前年比の今回の市場予想+3.7%という数字は高すぎる、と思います。
次に、前月比を見てみましょう。ここ最近は3月にあったイースター休暇が今年は4月に後ズレしています。その結果、BRCの3月既存店売上は2015年夏以来の大きな落ち込みだった、と発表されています。
今回本指標の前月比は△0.5%(前回+1.4%)と、小さくはない落ち込みが予想されています。ただ、△0.5%という数字が、本指標算出方法では大きい低下か小さい低下かが考察すべき点です。参考にすべき直近のデータを見ると、昨年6月分データが△0.9%、12月分データが△1.9%です。つまり、今回の市場予想△0.5%という数字は、本指標前月比の数字として大きな低下量ではありません。
よって、本指標前月比の今回の市場予想△0.5%という数字は高すぎる、と思います。
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
他の指標と違って、直前10-1分足が大きく動いています。過去の平均跳幅が22pipsと、そんじょそこらの発表直後反応よりも大きくなっています。直前1分足のヒゲも大きいものが目立っています。早めにポジションを取りがちな方は、この指標に関しては止めておいた方が良いでしょう。後述する反応一致性分析では、直前10-1分足や直前1分足の方向と、直後1分足や直後11分足の方向には、決め手になるような強い相関がありません。
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。
直後1分足と直後11分足の方向一致率が72%となっています。そして、方向一致時に直後11分足終値が直後1分足終値よりも反応が伸びていた事例は67%です。気を付ければ追いかけてポジションを持っても良い数字です。指標発表前のトレンドが強すぎないか気を付けておきましょう。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
直前1分足の陰線率が78%です。
指標一致性分析は、指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、発表結果と市場予想の差(事後差異)を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。
まず、直前10-1分足は、事前差異(今回はマイナス)との方向一致率が72%となっています。
また、直前10-1分足は事後差異との方向一致率も72%となっています。そして、事後差異と直後11分足の方向一致率が80%となっています。発表結果に対しては素直に反応する傾向が強いようです。
シナリオは、巻頭箇条書きのシナリオの項をご参照願います。
以下は2017年4月21日20:55頃に追記しています。
同時発表された四半期小売売上高指数は前期比△1.4%で、2010年以来7年ぶりの大幅なマイナスだったそうです。原因は、物価上昇に伴い家計支出が失速しているため、との分析がありました。この小売売上高指数低下によって、第1四半期の経済成長率は0.1ポイント押し下げられる、とのことです。
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
指標発表結果は、前月比が△1.8%(市場予想△0.5%)、前年比が+1.7%(市場予想+3.3%)でした。
直後1分足・直後11分足ともに陰線で、反応は伸びました。
取引結果は次の通りでした。
事前調査分析内容を、以下に検証します
問題ありません。
事前準備していたシナリオは次の通りです。
直前1分足は分析を外し、その結果、損切となりました。確率上の問題ですから、問題ありません。
下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。
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本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
2017年4月21日17:30に英国実態指標「小売売上高指数」が発表されます。今回発表は2017年3月分の集計結果です。
本指標の要点は下表に整理しておきました。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
- まず、本指標で取引する上での注意点です。
(1) 上表からわかるように、反応が大きな指標です。他の指標と違って指標発表前の直前10-1分足ですら、過去の平均跳幅が22pipsで、この数字はそんじょそこらの指標発表直後の反応よりも大きいのです。直前1分足の大きなヒゲも目立ち、発表直後の反応は過去46%が30pipsを超えています。
早めにポジションを取りがちな方は、この指標に関しては止めておいた方が良いでしょう。後述する反応一致性分析では、直前10-1分足や直前1分足の方向と、直後1分足や直後11分足の方向には、決め手になるほど強い相関がないからです。
(2) 本指標は、指標一致性分析の結果、直後1分足・直後11分足が事後差異と方向一致率72%・80%と高いという特徴があります。市場予想に対する発表結果の大小が、反応に素直に現れがちな指標です。
(3) 現在の市場環境は、仏大統領選第1回投票を週末に控えたリスク回避の動きと、先々週からのリスク継続でそろそろ感が強まっている動き(良い材料には過敏に反応する)も散見され始めています。英国では、一昨日に英首相の選挙前倒し発表があり、昨日の報道では与党優勢との分析を伝える報道も増えています。複雑な動きとなる可能性もある市場環境ですから、その点はご注意ください。 - 指標については次の通りです。
今回の市場予想は、前年比+3.8%(前回+3.7%)、前月比△0.5%(前回+1.4%)、となっています。この市場予想は、前年比・前月比ともにやや高めで、結果はこれを下回ると分析しています。
根拠は、4月11日に発表されたBRC小売売上高との対比です。 - シナリオは次の通りです。
(1) 直前10-1分足は、指標一致性分析の結果、事前差異(今回はマイナス)との方向一致率が72%となっています。陰線です。
(2) 直前1分足は、反応一致性分析の結果、陰線率が78%です。
(3) 直後1分足は、上記指標定性分析結論により、市場予想を下回るため陰線、と予想しています。
(4) 直後11分足は、反応性分析の結果、直後1分足との方向一致率が72%となっています。そして、方向一致時に直後11分足終値が直後1分足終値よりも反応が伸びていた事例は67%です。気を付ければ追いかけてポジションを持っても良い数字です。指標発表前のトレンドが逆側に強すぎないかだけ、事前に気を付けておきましょう。
T.調査
公開情報や既出情報に基づく調査を行っています。
【1. 指標概要】
本指標の調査対象は、自動車販売店を除いた小売業・飲食店など5000社です。小売売上高は英国に限らず天候・季節が影響します。特に1月発表(前年12月分)はクリスマス商戦の影響で毎月の結果よりも大きく変動することが知られています。
英国の個人消費はGDPの約40%を占めるため、GDPの先行指標として本指標には意義があります。
発表元は英国国家統計局、時期は翌月中旬です。
【2. 既出情報】
以下の調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの26回分のデータに基づいています。
(2-1. 過去情報)
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
今回の市場予想は、前年比+3.8%(前回+3.7%)、前月比△0.5%(前回+1.4%)、となっています。
関連指標を見てみましょう。
BRC小売売上高3月分データが4月11日に発表されています。結果は前年比が△1.0%で、この数字は昨年8月(△0.9%)以来の落ち込みで、直近の悪い数字△0.6%(1月)も下回っていました。
ところで、本指標でBRC結果の大きな落ち込みのあった月を調べてみると、昨年は8月分データ、今年は1月分データです。つまり、小売売上高指数前年比の大きな落ち込みは、BRCとより時期が一致しています。もし時期的なズレがあったとしても、BRC前年比は1-3月分データは3か月連続でマイナスとなっています。
よって、本指標前年比の今回の市場予想+3.7%という数字は高すぎる、と思います。
次に、前月比を見てみましょう。ここ最近は3月にあったイースター休暇が今年は4月に後ズレしています。その結果、BRCの3月既存店売上は2015年夏以来の大きな落ち込みだった、と発表されています。
今回本指標の前月比は△0.5%(前回+1.4%)と、小さくはない落ち込みが予想されています。ただ、△0.5%という数字が、本指標算出方法では大きい低下か小さい低下かが考察すべき点です。参考にすべき直近のデータを見ると、昨年6月分データが△0.9%、12月分データが△1.9%です。つまり、今回の市場予想△0.5%という数字は、本指標前月比の数字として大きな低下量ではありません。
よって、本指標前月比の今回の市場予想△0.5%という数字は高すぎる、と思います。
(2-2. 過去反応)
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
他の指標と違って、直前10-1分足が大きく動いています。過去の平均跳幅が22pipsと、そんじょそこらの発表直後反応よりも大きくなっています。直前1分足のヒゲも大きいものが目立っています。早めにポジションを取りがちな方は、この指標に関しては止めておいた方が良いでしょう。後述する反応一致性分析では、直前10-1分足や直前1分足の方向と、直後1分足や直後11分足の方向には、決め手になるような強い相関がありません。
U. 分析
【3. 反応性分析】
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。
直後1分足と直後11分足の方向一致率が72%となっています。そして、方向一致時に直後11分足終値が直後1分足終値よりも反応が伸びていた事例は67%です。気を付ければ追いかけてポジションを持っても良い数字です。指標発表前のトレンドが強すぎないか気を付けておきましょう。
【4. 反応一致性分析】
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
直前1分足の陰線率が78%です。
【5. 指標一致性分析】
指標一致性分析は、指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、発表結果と市場予想の差(事後差異)を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。
まず、直前10-1分足は、事前差異(今回はマイナス)との方向一致率が72%となっています。
また、直前10-1分足は事後差異との方向一致率も72%となっています。そして、事後差異と直後11分足の方向一致率が80%となっています。発表結果に対しては素直に反応する傾向が強いようです。
【6. シナリオ作成】
シナリオは、巻頭箇条書きのシナリオの項をご参照願います。
2017年4月21日17:30発表
以下は2017年4月21日20:55頃に追記しています。
V. 結果
【7. 発表結果】
同時発表された四半期小売売上高指数は前期比△1.4%で、2010年以来7年ぶりの大幅なマイナスだったそうです。原因は、物価上昇に伴い家計支出が失速しているため、との分析がありました。この小売売上高指数低下によって、第1四半期の経済成長率は0.1ポイント押し下げられる、とのことです。
(7-1. 指標結果)
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
指標発表結果は、前月比が△1.8%(市場予想△0.5%)、前年比が+1.7%(市場予想+3.3%)でした。
直後1分足・直後11分足ともに陰線で、反応は伸びました。
(7-2. 取引結果)
取引結果は次の通りでした。
【8. 調査分析検証】
事前調査分析内容を、以下に検証します
- 今回の市場予想は、前年比+3.8%(前回+3.7%)、前月比△0.5%(前回+1.4%)、となっています。この市場予想は、前年比・前月比ともにやや高めで、結果はこれを下回ると分析しています。
根拠は、4月11日に発表されたBRC小売売上高との対比です。
問題ありません。
【9. シナリオ検証】
事前準備していたシナリオは次の通りです。
- (1) 直前10-1分足は、指標一致性分析の結果、事前差異(今回はマイナス)との方向一致率が72%となっています。陰線です。
(2) 直前1分足は、反応一致性分析の結果、陰線率が78%です。
(3) 直後1分足は、上記指標定性分析結論により、市場予想を下回るため陰線、と予想しています。
(4) 直後11分足は、反応性分析の結果、直後1分足との方向一致率が72%となっています。そして、方向一致時に直後11分足終値が直後1分足終値よりも反応が伸びていた事例は67%です。気を付ければ追いかけてポジションを持っても良い数字です。指標発表前のトレンドが逆側に強すぎないかだけ、事前に気を付けておきましょう。
直前1分足は分析を外し、その結果、損切となりました。確率上の問題ですから、問題ありません。
下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。
以上
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本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
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本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上
2017年04月11日
英国雇用指標「失業保険申請件数・失業率」発表前後のGBPJPY反応分析(2017年4月12日17:30発表結果検証済)
以下、「T.調査」「U.分析」を事前投稿し、「V.結果」「W.検証」を事後投稿しています。ブログの日付は事前投稿日となっています。事後投稿の日時は「V.結果」のタイトル行付近に記載しています。
2017年4月12日17:30に英国雇用指標「失業保険申請件数・失業率」が発表されます。今回発表は2017年3月分の集計結果です。
同時刻、何のイベントでか不明ですが、英中銀総裁発言が予定されているとの情報があります。それがどう影響するのかはわかりません。
本指標の要点は下表に整理しておきました。
先月発表から、なぜか市場予想がなくなっています。市場予想がなくなったのは、FX会社1社だけではないようです。追って理由は調べておきます。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
何気なく取引するよりも、こうしたことを頭に入れておいた方が、指標発表前後の取引では圧倒的に有利です。
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
以下、「T.調査」「U.分析」を事前投稿し、「V.結果」「W.検証」を事後投稿しています。事後投稿日時は「V.結果」のタイトル行付近に記載しています。
日本を除く主要国では、雇用統計発表直後の反応が他の指標発表時よりも大きくなる傾向があります。これは、雇用統計がその国の景気を最もよく表している、と考えられているからです。
どの国でも失業率は「失業者÷労働力人口×100」と定義され、失業者は「働く意思があるのに失職中の人」とされています。がしかし、働く意思があるのに失職中の人をカウントすることは難しいのです。年金受給者・生活保護者・収監者を除いたり、細かな定義を見ると算出の難しさがわかります。
そのため、失業保険申請件数や雇用者数を集計して、失業率の算定がおかしな数字となっていないことをチェックしている訳です。ちなみに、英国では失業保険申請件数を失業率と同時に集計・発表しています。
なお、英国では日本よりもかなり早くから派遣雇用者が多いという特徴がありました。また、終身雇用という制度がない、という雇用環境も我々と異なります。そうした社会的背景を知らないと、英国雇用統計はよくわからないものです(知っていても、我々には想像するしかない部分が多いのですが)。
少し古い記事ですが、DIAMOND onlineの特別レポート記事で「日本で報じられない“派遣労働”大国イギリスの実情と教訓〜英ヘイズ・スペシャリスト・リクルートメント社の幹部に聞く」というのがありました。日英の雇用環境の違いがとてもわかりやすくまとまったインタビュー記事だと思います。宜しければご参考までに。
以前はかなり大きな反応をする指標でしたが、最近はなぜかあまり反応しません。とはいえ、直後1分足跳幅が20pips程度、直後11分足跳幅は40pipsも反応するので、日欧の雇用指標に比べると大きく反応します。
指標発表を跨いでポジションを持たずに、指標発表への反応方向を見てからポジションを取っても、同じ方向に反応が伸び続ける傾向があります。
以下、本議事録について既に公開されている情報を整理します。調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの26回分のデータに基づいています。
下に過去の市場予想と発表結果を示します。上図が失業保険申請件数、下図が失業率です。
市場予想がないため、先に指標分析の意義から考えおきたいと思います。
後記、指標一致性分析では、指標発表結果が良くても悪くても、直後1分足・直後11分足との方向一致率が60%そこそこしかありません。
では、発表数値について考察します。
製造業に関してはPMIが3か月連続で低下しています。鉱工業生産指数は3月分が未発表ながら、やはり2月まで3か月連続で低下し、今年に入ってからはマイナスとなっています。雇用を増やす時期ではないでしょう。
サービス業に関しては3月PMIがやや持ち直しています。そして、小売売上高指数は3月分が未発表ながら、2月分までが2か月連続改善しています。最新3月分の小売データとしては、4月11日08:01にBRC小売売上高が発表されていました。BRCに依れば、小売売上高前月比は今年に入って3か月連続マイナスです。PMIと小売売上高指数が改善でBRCが悪化と、良し悪し混在となっています。
ただ、英国の春の大型連休は今週14日から17日です(イースター休暇)。大型連休の前にはどの国でも消費が抑えられます。よって、3月は小売が良いとも思えず、BRC発表結果の通りサービス業も悪化と推察されます。
今回は市場予想が出ていないので、それと比較することができないものの、発表結果が良くなる兆候よりも悪くなる兆候の方が多いようです。
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
直前10分足・直前1分足には、長いヒゲが目立ちます。直後1分足・直後11分足は、2016年以降がそれ以前に比べて反応が小さくなっています。
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。
直後11分足は、直後1分足との方向一致率が76%で、方向一致時に終値が直後1分足終値を超えて伸びていたことが74%です。これなら指標発表後の反応方向を確認してから、追いかけてポジションを持っても安心できます。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
直前1分足の陰線率が72%となっています。
指標一致性分析は、指標の前回結果・市場予想・発表結果の差を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。
指標発表結果が良くても悪くても、直後1分足・直後11分足との方向一致率が60%そこそこです。
以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。
以下は2017年4月12日21:00頃に追記しています。
結果は、失業保険申請件数が2.55万人で前回結果(△1.13万人)より悪化、失業率が2.2%で前回結果(2.1%)より悪化、です。この結果で陽線での反応でした。
このような結果に対し、このような反応ではどうしようもありませんね。ロイター速報では、失業保険申請件数が2011年7月以来の大幅な伸びを記録した、とのことです。
但し、ヒントはあります。下記7-1項をご覧ください。
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
上図4本足チャートをご覧ください。
英雇用統計は、なぜか先月から国内FX会社の市場予想がなくなっています。がしかし、物価とPMIを見て、あとはEU離脱交渉に向けた交渉難航を想像すれば、雇用統計が良い結果になる公算は低いはずです。
にも関わらず、4本足チャートを見る限り、指標発表前からすごい勢いでGBPが買われています。特に、直前1分足跳幅は、少なくとも2015年1月以降で最大となっていました。
この異常な動きは、特に17:00頃から急激になったように見えました。
なぜか。
国内FX会社の多くが事前案内している新規失業保険申請件数や失業率など、今や英米欧で重視されていない可能性があります。
また、今回の動きが経済指標なんて関係ないほど、強い上昇トレンドを生むものだった可能性があります。
先ほど見てみると、少なくともロイターの市場予想は賃金とILO方式失業率で行われており、さすがです(怠惰で顧客を軽んじている会社ではない)。来月以降は、米英の雇用統計は、国内FX会社でなくロイターかブルームバーグを見て載せることにします。できれば、伝統のあって市場の信頼が高い海外FX会社にもっと日本進出してもらいたいものです。
がしかし、国内FX参加者の視点がずれていたのであれ、それは主でなく従の動きです。
英雇用統計は通常ならかなり関心の高い経済指標です。その発表で、失業保険申請件数や失業率が悪化しそうだったのに、このGBP買いはおかしな動きです。GBPJPYだけの動きだけでなく、GBPUSDでもEURGBPもGBPが買われています。
いずれも転機は14:00過ぎ頃から起きていたようです。昨夜は米金利低下・ダウ下落を受けてUSDが売られました。14時・15時頃に始まる市場(インド、中東、東欧)では、昨夜0時頃からのこの動きには追従できなかった可能性があります。よって、これらの市場ではUSDの買ポジションを持っていたら、USDの損切で始まります(JPYに対しては、国内で昨夜からのJPY買がもっと多く利確されるので、USDJPYはUSD高になります)。
次に、15時頃には欧州が朝になり、16時頃には英国が朝を迎え、同様の動きと便乗買いが行われます。
本当のことはわかりませんが、昨夜のUSD売り(米国債、米株売り)は23時か0時から本格化したので、一応これで辻褄があいます。損切・利確が主だったから(新規ポジション構築が目的でなかったから)、英国が動き始める17時頃から加速し、18時頃にはウソのようにGBP買の勢いがなくなった、と考えれば良いでしょう。
今日の英雇用統計の時間は、経済指標どころじゃなかったのでしょう。
取引結果は次の通りでした。
指標発表前のGBPの動きは、シナリオが想定しているような状況ではなかったように思えます。ときおり下げようとしても、すぐそれ以上にGBPが買われていました。
といっても、英雇用統計です。事前想定と逆に反応したので、まず事実確認にひと手間かかりました。最初、時給が改善との速報を見ても、失業保険申請件数と失業率が前回より悪化していたので、反応方向が信じられませんでした。
順張り方向がGBP買と納得して追撃ポジションを持ったタイミングが悪く、何度か損切を迷いました。ぎりぎりの利確となりましたが、これを成績表に含めてよいか迷います。
今回は、指標の動きを読んでポジションを取るというような取引でなかったと思います。
事前調査分析内容は割愛します。
意味がない。
事前準備していたシナリオへの検証も割愛します。
これも今日は意味がない。
もしこの記事が何か参考になったなら、どれか広告バナーをクリックして提携先に興味をお持ち頂けると幸いです。提携先はいずれも良心的なところを選んだつもりです。安心してください。
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
2017年4月12日17:30に英国雇用指標「失業保険申請件数・失業率」が発表されます。今回発表は2017年3月分の集計結果です。
同時刻、何のイベントでか不明ですが、英中銀総裁発言が予定されているとの情報があります。それがどう影響するのかはわかりません。
本指標の要点は下表に整理しておきました。
先月発表から、なぜか市場予想がなくなっています。市場予想がなくなったのは、FX会社1社だけではないようです。追って理由は調べておきます。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
- まず、本指標発表前後に取引を行う場合の注意点です。
(1) 指標発表と同時刻に、上記のように英中銀総裁発言が予定されているようです。気を付けておきましょう。
(2) 直前10分足・直前1分足には、長いヒゲが目立ちます。直後1分足・直後11分足は、2016年以降がそれ以前に比べて反応が小さくなっています。
(3) 下記シナリオの項で述べるように、本指標は追撃しやすい指標です。無理をして、発表を跨いでポジションを取って余計な危険を冒す必要はありません。 - 次に指標についてです。
主要FX会社HPで、市場予想が公表されていないため、発表結果の良し悪しの基準がありません。但し、直近の景気指標・実態指標の動きを見ると、良否混在でやや雇用情勢の悪化を示唆する情報の方が多いようです。
無理に指標発表を跨いでポジションを取る必要はありませんが、あえて言うなら今回は売りでしょう。 - シナリオは次の通りです。
(1) 直前1分足は、反応一致性分析の結果、陰線率が72%となっています。但し、ローソク足検証では、過去に長いヒゲが発生して戻していることも多いようなので、欲張らずに利確した方が良いでしょう。
(2) 直後1分足は、上記指標定性分析結論に依り、陰線となる可能性の方が高いと考えています。がしかし、不安も大きく、無理をしてポジションを取るつもりはありません。4月11日に発表される物価指標発表時の各社解説記事を確認して、どうするかを決めます。
(3)直後11分足は、直後1分足との方向一致率が76%で、方向一致時に終値が直後1分足終値を超えて伸びていたことが74%です。これなら指標発表後の反応方向を確認してから、追いかけてポジションを持っても安心できます。
何気なく取引するよりも、こうしたことを頭に入れておいた方が、指標発表前後の取引では圧倒的に有利です。
ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
以下、「T.調査」「U.分析」を事前投稿し、「V.結果」「W.検証」を事後投稿しています。事後投稿日時は「V.結果」のタイトル行付近に記載しています。
T.調査
【1. 指標概要】
日本を除く主要国では、雇用統計発表直後の反応が他の指標発表時よりも大きくなる傾向があります。これは、雇用統計がその国の景気を最もよく表している、と考えられているからです。
どの国でも失業率は「失業者÷労働力人口×100」と定義され、失業者は「働く意思があるのに失職中の人」とされています。がしかし、働く意思があるのに失職中の人をカウントすることは難しいのです。年金受給者・生活保護者・収監者を除いたり、細かな定義を見ると算出の難しさがわかります。
そのため、失業保険申請件数や雇用者数を集計して、失業率の算定がおかしな数字となっていないことをチェックしている訳です。ちなみに、英国では失業保険申請件数を失業率と同時に集計・発表しています。
なお、英国では日本よりもかなり早くから派遣雇用者が多いという特徴がありました。また、終身雇用という制度がない、という雇用環境も我々と異なります。そうした社会的背景を知らないと、英国雇用統計はよくわからないものです(知っていても、我々には想像するしかない部分が多いのですが)。
少し古い記事ですが、DIAMOND onlineの特別レポート記事で「日本で報じられない“派遣労働”大国イギリスの実情と教訓〜英ヘイズ・スペシャリスト・リクルートメント社の幹部に聞く」というのがありました。日英の雇用環境の違いがとてもわかりやすくまとまったインタビュー記事だと思います。宜しければご参考までに。
以前はかなり大きな反応をする指標でしたが、最近はなぜかあまり反応しません。とはいえ、直後1分足跳幅が20pips程度、直後11分足跳幅は40pipsも反応するので、日欧の雇用指標に比べると大きく反応します。
指標発表を跨いでポジションを持たずに、指標発表への反応方向を見てからポジションを取っても、同じ方向に反応が伸び続ける傾向があります。
【2. 既出情報】
以下、本議事録について既に公開されている情報を整理します。調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの26回分のデータに基づいています。
(2-1. 過去情報)
下に過去の市場予想と発表結果を示します。上図が失業保険申請件数、下図が失業率です。
市場予想がないため、先に指標分析の意義から考えおきたいと思います。
後記、指標一致性分析では、指標発表結果が良くても悪くても、直後1分足・直後11分足との方向一致率が60%そこそこしかありません。
では、発表数値について考察します。
製造業に関してはPMIが3か月連続で低下しています。鉱工業生産指数は3月分が未発表ながら、やはり2月まで3か月連続で低下し、今年に入ってからはマイナスとなっています。雇用を増やす時期ではないでしょう。
サービス業に関しては3月PMIがやや持ち直しています。そして、小売売上高指数は3月分が未発表ながら、2月分までが2か月連続改善しています。最新3月分の小売データとしては、4月11日08:01にBRC小売売上高が発表されていました。BRCに依れば、小売売上高前月比は今年に入って3か月連続マイナスです。PMIと小売売上高指数が改善でBRCが悪化と、良し悪し混在となっています。
ただ、英国の春の大型連休は今週14日から17日です(イースター休暇)。大型連休の前にはどの国でも消費が抑えられます。よって、3月は小売が良いとも思えず、BRC発表結果の通りサービス業も悪化と推察されます。
今回は市場予想が出ていないので、それと比較することができないものの、発表結果が良くなる兆候よりも悪くなる兆候の方が多いようです。
(2-2. 過去反応)
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
直前10分足・直前1分足には、長いヒゲが目立ちます。直後1分足・直後11分足は、2016年以降がそれ以前に比べて反応が小さくなっています。
U. 分析
【3. 反応性分析】
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。
直後11分足は、直後1分足との方向一致率が76%で、方向一致時に終値が直後1分足終値を超えて伸びていたことが74%です。これなら指標発表後の反応方向を確認してから、追いかけてポジションを持っても安心できます。
【4. 反応一致性分析】
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
直前1分足の陰線率が72%となっています。
【5. 指標一致性分析】
指標一致性分析は、指標の前回結果・市場予想・発表結果の差を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。
指標発表結果が良くても悪くても、直後1分足・直後11分足との方向一致率が60%そこそこです。
【6. シナリオ作成】
以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。
- (1) 直前1分足は、反応一致性分析の結果、陰線率が72%となっています。但し、ローソク足検証では、過去に長いヒゲが発生して戻していることも多いようなので、欲張らずに利確した方が良いでしょう。
(2) 直後1分足は、上記指標定性分析結論に依り、陰線となる可能性の方が高いと考えています。がしかし、不安も大きく、無理をしてポジションを取るつもりはありません。4月11日に発表される物価指標発表時の各社解説記事を確認して、どうするかを決めます。
(3)直後11分足は、直後1分足との方向一致率が76%で、方向一致時に終値が直後1分足終値を超えて伸びていたことが74%です。これなら指標発表後の反応方向を確認してから、追いかけてポジションを持っても安心できます。
以上
2017年4月12日17:30発表
以下は2017年4月12日21:00頃に追記しています。
V. 結果
【7. 発表結果】
結果は、失業保険申請件数が2.55万人で前回結果(△1.13万人)より悪化、失業率が2.2%で前回結果(2.1%)より悪化、です。この結果で陽線での反応でした。
このような結果に対し、このような反応ではどうしようもありませんね。ロイター速報では、失業保険申請件数が2011年7月以来の大幅な伸びを記録した、とのことです。
但し、ヒントはあります。下記7-1項をご覧ください。
(7-1. 指標結果)
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
上図4本足チャートをご覧ください。
英雇用統計は、なぜか先月から国内FX会社の市場予想がなくなっています。がしかし、物価とPMIを見て、あとはEU離脱交渉に向けた交渉難航を想像すれば、雇用統計が良い結果になる公算は低いはずです。
にも関わらず、4本足チャートを見る限り、指標発表前からすごい勢いでGBPが買われています。特に、直前1分足跳幅は、少なくとも2015年1月以降で最大となっていました。
この異常な動きは、特に17:00頃から急激になったように見えました。
なぜか。
国内FX会社の多くが事前案内している新規失業保険申請件数や失業率など、今や英米欧で重視されていない可能性があります。
また、今回の動きが経済指標なんて関係ないほど、強い上昇トレンドを生むものだった可能性があります。
先ほど見てみると、少なくともロイターの市場予想は賃金とILO方式失業率で行われており、さすがです(怠惰で顧客を軽んじている会社ではない)。来月以降は、米英の雇用統計は、国内FX会社でなくロイターかブルームバーグを見て載せることにします。できれば、伝統のあって市場の信頼が高い海外FX会社にもっと日本進出してもらいたいものです。
がしかし、国内FX参加者の視点がずれていたのであれ、それは主でなく従の動きです。
英雇用統計は通常ならかなり関心の高い経済指標です。その発表で、失業保険申請件数や失業率が悪化しそうだったのに、このGBP買いはおかしな動きです。GBPJPYだけの動きだけでなく、GBPUSDでもEURGBPもGBPが買われています。
いずれも転機は14:00過ぎ頃から起きていたようです。昨夜は米金利低下・ダウ下落を受けてUSDが売られました。14時・15時頃に始まる市場(インド、中東、東欧)では、昨夜0時頃からのこの動きには追従できなかった可能性があります。よって、これらの市場ではUSDの買ポジションを持っていたら、USDの損切で始まります(JPYに対しては、国内で昨夜からのJPY買がもっと多く利確されるので、USDJPYはUSD高になります)。
次に、15時頃には欧州が朝になり、16時頃には英国が朝を迎え、同様の動きと便乗買いが行われます。
本当のことはわかりませんが、昨夜のUSD売り(米国債、米株売り)は23時か0時から本格化したので、一応これで辻褄があいます。損切・利確が主だったから(新規ポジション構築が目的でなかったから)、英国が動き始める17時頃から加速し、18時頃にはウソのようにGBP買の勢いがなくなった、と考えれば良いでしょう。
今日の英雇用統計の時間は、経済指標どころじゃなかったのでしょう。
(7-2. 取引結果)
取引結果は次の通りでした。
指標発表前のGBPの動きは、シナリオが想定しているような状況ではなかったように思えます。ときおり下げようとしても、すぐそれ以上にGBPが買われていました。
といっても、英雇用統計です。事前想定と逆に反応したので、まず事実確認にひと手間かかりました。最初、時給が改善との速報を見ても、失業保険申請件数と失業率が前回より悪化していたので、反応方向が信じられませんでした。
順張り方向がGBP買と納得して追撃ポジションを持ったタイミングが悪く、何度か損切を迷いました。ぎりぎりの利確となりましたが、これを成績表に含めてよいか迷います。
今回は、指標の動きを読んでポジションを取るというような取引でなかったと思います。
【8. 調査分析検証】
事前調査分析内容は割愛します。
意味がない。
【9. シナリオ検証】
事前準備していたシナリオへの検証も割愛します。
これも今日は意味がない。
以上
もしこの記事が何か参考になったなら、どれか広告バナーをクリックして提携先に興味をお持ち頂けると幸いです。提携先はいずれも良心的なところを選んだつもりです。安心してください。
ーーー以下は広告ですーーー
ーーー注記ーーー
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上
2017年04月10日
英国物価指標「CPI・RPI・PPI」発表前後のGBPJPY反応分析(2017年4月11日17:30発表結果検証済)
以下、「T.調査」「U.分析」を事前投稿し、「V.結果」「W.検証」を事後投稿しています。ブログの日付は事前投稿日となっています。事後投稿の日時は「V.結果」のタイトル行付近に記載しています。
この段落、11日09:00頃に加筆しました。
今朝08:01に発表された3月分BRC小売売上高調査前年比の結果は△1.0%でした。これは、前回結果(△0.4%)・市場予想(△0.3%)を下回っています。よって、下記修正せず、そのままとします。
2017年4月11日17:30に英国物価指標「CPI・RPI・PPI」が発表されます。CPIは消費者物価指数、RPIは小売物価指数、PPIは生産者物価指数、のことです。今回発表は2017年3月分の集計結果です。
同日朝08:01に実態指標「BRC小売売上高調査」が発表されます。3月物価動向を考察するため、結果を見ておきましょう。また、本指標発表から30分後の18:00には、独欧ZEW・独鉱工業生産が発表されます。これら指標が次に発表される影響は過去の経験から無視しても差し支えありません。
本指標の要点は下表に整理しておきました。
市場は明らかに前月結果から低下を予想しています。また、過去平均の反応は31pipsに達しており、大きな反応をする指標だと言えるでしょう。過去92%は15pips以上の反応となっています。直後1分足跳幅が過去最大のときは69pips(2015年7月分データ、同年8月18日発表)でした。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
以下、「T.調査」「U.分析」を事前投稿し、「V.結果」「W.検証」を事後投稿しています。事後投稿日時は「V.結果」のタイトル行付近に記載しています。
物価は、生産者→小売→消費者の順に波及すると考えられます。他の主要国ではこれら物価指数が別々に発表されますが、英国は一度に発表しています。
CPIは、消費者の製品・サービス購入価格を指数化した指標で、どの国でも最重視されています。英国は年2%のインフレ目標が設定されています。CPIコアは、CPIから価格変動の激しいエネルギー・食品・タバコ・アルコールを除いた数値を指しています。英国ではタバコ・アルコールの価格変動が大きいのでしょうか。不思議です。
RPIに含まれてCPIに含まれない対象に住宅費があります。RPIではCPIよりも数値が高くなります。RPIコアは、RPIから価格変動の激しいエネルギー・食品・タバコ・アルコールを除いた数値を指しています。英国では年金給付額が法律によってRPI規準で決定されています。
PPIはあまり大きな反応を生じないように見受けられます。
以下、本議事録について既に公開されている情報を整理します。調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの26回分のデータに基づいています。
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
上から、CPI・RPI・PPIの順です。CPIとRPIは黒線がコア前年比で、他が前年比・前月比です。PPIはコア前年比のみ示しています。過去の傾向を見る限り、CPI>RPI>PPIのコア前年比の順、そしてCPIとRPIは前年比>前月比の順に反応に寄与します。
もうご存知だと思いますが、グラフで市場予想だけの変化は取引に何ら関係ありません。市場予想はそれぞれ前月結果と見比べて意味を持ちます。
先述の通り、今回の市場予想はPPIコアを除いて、前回結果よりも同値か低下をしています。今回の事前差異はマイナスと覚えておきましょう。
関連指標を見てみます。
まず、3月分景気指標を2月分と比べると、製造業・建設業PMIが低下、サービス業PMIが上昇です。GFK消費者信頼感調査はマイナスで横這いです。
次に、実態指標は住宅関連以外がまだ3月分が公表されておらず、2月分を1月分と比べてみましょう。鉱工業生産指数・製造業生産指数は前月比マイナスとなっています。但し、小売売上高指数はプラスに改善となっています。3月分住宅関連指標は総じて価格上昇が鈍化しています(ライトムーブ住宅価格前月比・ネーションワイド住宅価格前月比)。
関連指標は、小売売上高指数を除き、全て前月よりも同値か低下となっています。
その小売売上高指数について、もっと詳しく見てみましょう。FX会社HP等で過去の推移を表示できる人は、ご自身で確認を願います。
2月が前月比プラスとなっていたものの、その水準は翌3月の悪化を予感させる位置にあります。小売売上高指数前月比は、プラスとマイナスを周期的に繰り返す傾向があります。3月はマイナスのタイミングに当たります。
過去の結果を見てみましょう。2013年以降2016年までの過去4回の3月データは、4回とも前月よりも低くなっています(4回のうち3回がマイナス、2014年のみがプラスで前月よりも低下)。
今回は、市場予想も前回結果よりも低くなっていますが、結果は更に下がるのではないでしょうか。
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
直前10-1分足には陽線、直前1分足には陰線が目立ちます。但し、直前1分足は最近、以前よりも陰線率が下がっているように見受けられます。後記する反応一致性分析で、数字を確認しておきましょう。
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。
直後11分足は、直後1分足との方向一致率が68%、方向一致時に終値が直後1分足終値を超えて伸びていたことが47%しかありません。指標発表後の反応方向を確認しても、とても追いかけてポジションを取って良い数字ではありません。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
直前10-1分足は陽線率が73%、直前1分足は陰線率が78%となっています。
指標一致性分析は、指標の前回結果・市場予想・発表結果の差を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。
直後1分足は、事前差異との方向一致率が82%となっています。
また、事後差異との方向一致率も80%となっているものの、直後11分足と事後差異との方向一致率は54%しかありません。このことは初期反応こそ発表結果に対して素直なものの、発表後11分後にはどちらに反応するかがわからない、ということです。
以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。
以下は2017年4月11日21:20頃に追記しています。
結果はCPIコア前年比が市場予想通り、RPIコア前年比が市場予想を0.1%下回り、PPIコア前年比が市場予想を上回りました。
CPI前年比については、今後3%への上昇を見込む解説が多く見受けられます。今後上昇の論拠は、4月に電力料金値上げが予定されていることと、ポンド安が挙げられていました。
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
取引結果は次の通りでした。
事前調査分析内容を、以下に検証します
結果は、消費者物価指数(CPI)コア前年比が市場予想通りで、小売物価指標(RPI)コア前年比が市場予想を下回りました。
反応は分析通り陰線でしたが、これはCPIコア前年比が前月結果を下回る市場予想だったため、と考えられます。また次に重視すべきRPIコア前年比は市場予想を下回り、この結果も直後1分足を陰線にした原因と考えられます。
当初、指標発表後の動きでわからなかったことは、指標発表後2本目の1分足形成途中で大きく反転し始めた点です。巻頭箇条書きの注意点で、反応が一方向に伸び難い指標であることは承知していたものの、2本目か3本目の1分足から急激に陽線側へと転じた点が不可解でした。急すぎる点が不可解でした。
この動きは、英国債金利が本指標発表と前後して急上昇していたようです。金利急騰の理由は、今回のCPI前年比が市場予想通りに低下しなかった(しそうもなかった)ことで、来月以降近々にCPI前年比の3%到達が確実視されたようです。CPI前年比(コアではありません)の3%突破は、利上げに繋がると見る向きが多かったのでしょう。
事前準備していたシナリオは次の通りです。
シナリオ1はポジション取得を諦めました。
もともと直前10-1分足では、無理にポジションを取るつもりがなかった上に、ポジション取得を迷っていた17:20頃は、ちょうど1分足チャート上で小レジスタンスに当たっていました。結果的には陽線となったようですが、危ない橋を渡る必要はないので、判断良しとします。
シナリオ2は分析を外しました。但し、これは確率上のことゆえ仕方ありません。
シナリオ3は分析通りでした。今回は巻頭箇条書きの注意点に記載の通り、反応方向を見てから追撃ポジションを取るつもりがありませんでした。その結果、つい通常よりも長く、ポジションを持ちました。結果的には最も良い時点で利確できました(もし最大利確できても、せいぜいあと1pipsぐらい)。こういうことも、たまにあります。
下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。
もしこの記事が何か参考になったなら、どれか広告バナーをクリックして提携先に興味をお持ち頂けると幸いです。提携先はいずれも良心的なところを選んだつもりです。安心してください。
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
この段落、11日09:00頃に加筆しました。
今朝08:01に発表された3月分BRC小売売上高調査前年比の結果は△1.0%でした。これは、前回結果(△0.4%)・市場予想(△0.3%)を下回っています。よって、下記修正せず、そのままとします。
ーーー以下、10日12:00頃の投稿分ですーーー
2017年4月11日17:30に英国物価指標「CPI・RPI・PPI」が発表されます。CPIは消費者物価指数、RPIは小売物価指数、PPIは生産者物価指数、のことです。今回発表は2017年3月分の集計結果です。
同日朝08:01に実態指標「BRC小売売上高調査」が発表されます。3月物価動向を考察するため、結果を見ておきましょう。また、本指標発表から30分後の18:00には、独欧ZEW・独鉱工業生産が発表されます。これら指標が次に発表される影響は過去の経験から無視しても差し支えありません。
本指標の要点は下表に整理しておきました。
市場は明らかに前月結果から低下を予想しています。また、過去平均の反応は31pipsに達しており、大きな反応をする指標だと言えるでしょう。過去92%は15pips以上の反応となっています。直後1分足跳幅が過去最大のときは69pips(2015年7月分データ、同年8月18日発表)でした。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
- まず、本指標取引にあたっての注意点です。
反応性分析の結果、直後11分足は、直後1分足との方向一致率が68%で、方向一致時に終値が直後1分足終値を超えて伸びていたことが47%しかありません。
このことは、指標一致性分析の結果が、直後1分足と事後差異との方向一致率も80%もあるものの、直後11分足と事後差異との方向一致率は54%しかないことで裏付けられています。初期反応こそ発表結果に対して素直なものの、発表後11分後にはどちらに反応するかがわからない、ということです。
本指標は、過去の傾向から言えば、追撃ポジションを取っても良い指標ではありません。 - 次に、指標発表についてです。
今回は市場予想を下回る、と予想しています。
論拠は、小売売上高を除く他の景気指標・実態指標が3月分が全て低下、乃至は低下を示唆しています。そして、小売売上高も3月は過去4年全て前月より悪化し、先月発表された2月分データが3月悪化を示唆する位置にあります。
よって、今回は市場予想が前回結果よりも低くなっているものの、更に発表結果が市場予想を下回るのではないでしょうか。 - シナリオは次の通りです。
(1) 反応一致性分析の結果、直前10-1分足は陽線率が73%です。がしかし、今回の事前差異(前回結果ー市場予想)がマイナスとなっています。事前差異がマイナスなときには、直前10-1分足は陰線になることが他の指標では多いので、注意しておきましょう。ポジション取得は止めても構いません。
(2) 反応一致性分析の結果、直前1分足は陰線率が78%となっています。
(3) 指標定性分析結論に依り、今回は市場予想を下回ると予想しています。そして、指標一致性分析の結果、直後1分足は事前差異との方向一致率が82%もあります。直後1分足は陰線と予想します。
ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
以下、「T.調査」「U.分析」を事前投稿し、「V.結果」「W.検証」を事後投稿しています。事後投稿日時は「V.結果」のタイトル行付近に記載しています。
T.調査
【1. 指標概要】
物価は、生産者→小売→消費者の順に波及すると考えられます。他の主要国ではこれら物価指数が別々に発表されますが、英国は一度に発表しています。
CPIは、消費者の製品・サービス購入価格を指数化した指標で、どの国でも最重視されています。英国は年2%のインフレ目標が設定されています。CPIコアは、CPIから価格変動の激しいエネルギー・食品・タバコ・アルコールを除いた数値を指しています。英国ではタバコ・アルコールの価格変動が大きいのでしょうか。不思議です。
RPIに含まれてCPIに含まれない対象に住宅費があります。RPIではCPIよりも数値が高くなります。RPIコアは、RPIから価格変動の激しいエネルギー・食品・タバコ・アルコールを除いた数値を指しています。英国では年金給付額が法律によってRPI規準で決定されています。
PPIはあまり大きな反応を生じないように見受けられます。
【2. 既出情報】
以下、本議事録について既に公開されている情報を整理します。調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの26回分のデータに基づいています。
(2-1. 過去情報)
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
上から、CPI・RPI・PPIの順です。CPIとRPIは黒線がコア前年比で、他が前年比・前月比です。PPIはコア前年比のみ示しています。過去の傾向を見る限り、CPI>RPI>PPIのコア前年比の順、そしてCPIとRPIは前年比>前月比の順に反応に寄与します。
もうご存知だと思いますが、グラフで市場予想だけの変化は取引に何ら関係ありません。市場予想はそれぞれ前月結果と見比べて意味を持ちます。
先述の通り、今回の市場予想はPPIコアを除いて、前回結果よりも同値か低下をしています。今回の事前差異はマイナスと覚えておきましょう。
関連指標を見てみます。
まず、3月分景気指標を2月分と比べると、製造業・建設業PMIが低下、サービス業PMIが上昇です。GFK消費者信頼感調査はマイナスで横這いです。
次に、実態指標は住宅関連以外がまだ3月分が公表されておらず、2月分を1月分と比べてみましょう。鉱工業生産指数・製造業生産指数は前月比マイナスとなっています。但し、小売売上高指数はプラスに改善となっています。3月分住宅関連指標は総じて価格上昇が鈍化しています(ライトムーブ住宅価格前月比・ネーションワイド住宅価格前月比)。
関連指標は、小売売上高指数を除き、全て前月よりも同値か低下となっています。
その小売売上高指数について、もっと詳しく見てみましょう。FX会社HP等で過去の推移を表示できる人は、ご自身で確認を願います。
2月が前月比プラスとなっていたものの、その水準は翌3月の悪化を予感させる位置にあります。小売売上高指数前月比は、プラスとマイナスを周期的に繰り返す傾向があります。3月はマイナスのタイミングに当たります。
過去の結果を見てみましょう。2013年以降2016年までの過去4回の3月データは、4回とも前月よりも低くなっています(4回のうち3回がマイナス、2014年のみがプラスで前月よりも低下)。
今回は、市場予想も前回結果よりも低くなっていますが、結果は更に下がるのではないでしょうか。
(2-2. 過去反応)
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
直前10-1分足には陽線、直前1分足には陰線が目立ちます。但し、直前1分足は最近、以前よりも陰線率が下がっているように見受けられます。後記する反応一致性分析で、数字を確認しておきましょう。
U. 分析
【3. 反応性分析】
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。
直後11分足は、直後1分足との方向一致率が68%、方向一致時に終値が直後1分足終値を超えて伸びていたことが47%しかありません。指標発表後の反応方向を確認しても、とても追いかけてポジションを取って良い数字ではありません。
【4. 反応一致性分析】
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
直前10-1分足は陽線率が73%、直前1分足は陰線率が78%となっています。
【5. 指標一致性分析】
指標一致性分析は、指標の前回結果・市場予想・発表結果の差を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。
直後1分足は、事前差異との方向一致率が82%となっています。
また、事後差異との方向一致率も80%となっているものの、直後11分足と事後差異との方向一致率は54%しかありません。このことは初期反応こそ発表結果に対して素直なものの、発表後11分後にはどちらに反応するかがわからない、ということです。
【6. シナリオ作成】
以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。
- (1) 反応一致性分析の結果、直前10-1分足は陽線率が73%です。がしかし、今回の事前差異(前回結果ー市場予想)がマイナスとなっています。事前差異がマイナスなときには、直前10-1分足は陰線になることが他の指標では多いので、注意しておきましょう。ポジション取得は止めても構いません。
(2) 反応一致性分析の結果、直前1分足は陰線率が78%となっています。
(3) 指標定性分析結論に依り、今回は市場予想を下回ると予想しています。そして、指標一致性分析の結果、直後1分足は事前差異との方向一致率が82%もあります。直後1分足は陰線と予想します。
以上
2017年4月11日17:30発表
以下は2017年4月11日21:20頃に追記しています。
V. 結果
【7. 発表結果】
結果はCPIコア前年比が市場予想通り、RPIコア前年比が市場予想を0.1%下回り、PPIコア前年比が市場予想を上回りました。
CPI前年比については、今後3%への上昇を見込む解説が多く見受けられます。今後上昇の論拠は、4月に電力料金値上げが予定されていることと、ポンド安が挙げられていました。
(7-1. 指標結果)
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
(7-2. 取引結果)
取引結果は次の通りでした。
【8. 調査分析検証】
事前調査分析内容を、以下に検証します
- 今回は市場予想を下回る、と予想しています。
論拠は、小売売上高を除く他の景気指標・実態指標が3月分が全て低下、乃至は低下を示唆しています。そして、小売売上高も3月は過去4年全て前月より悪化し、先月発表された2月分データが3月悪化を示唆する位置にあります。
よって、今回は市場予想が前回結果よりも低くなっているものの、更に発表結果が市場予想を下回るのではないでしょうか。
結果は、消費者物価指数(CPI)コア前年比が市場予想通りで、小売物価指標(RPI)コア前年比が市場予想を下回りました。
反応は分析通り陰線でしたが、これはCPIコア前年比が前月結果を下回る市場予想だったため、と考えられます。また次に重視すべきRPIコア前年比は市場予想を下回り、この結果も直後1分足を陰線にした原因と考えられます。
当初、指標発表後の動きでわからなかったことは、指標発表後2本目の1分足形成途中で大きく反転し始めた点です。巻頭箇条書きの注意点で、反応が一方向に伸び難い指標であることは承知していたものの、2本目か3本目の1分足から急激に陽線側へと転じた点が不可解でした。急すぎる点が不可解でした。
この動きは、英国債金利が本指標発表と前後して急上昇していたようです。金利急騰の理由は、今回のCPI前年比が市場予想通りに低下しなかった(しそうもなかった)ことで、来月以降近々にCPI前年比の3%到達が確実視されたようです。CPI前年比(コアではありません)の3%突破は、利上げに繋がると見る向きが多かったのでしょう。
【9. シナリオ検証】
事前準備していたシナリオは次の通りです。
- (1) 反応一致性分析の結果、直前10-1分足は陽線率が73%です。がしかし、今回の事前差異(前回結果ー市場予想)がマイナスとなっています。事前差異がマイナスなときには、直前10-1分足は陰線になることが他の指標では多いので、注意しておきましょう。ポジション取得は止めても構いません。
(2) 反応一致性分析の結果、直前1分足は陰線率が78%となっています。
(3) 指標定性分析結論に依り、今回は市場予想を下回ると予想しています。そして、指標一致性分析の結果、直後1分足は事前差異との方向一致率が82%もあります。直後1分足は陰線と予想します。
シナリオ1はポジション取得を諦めました。
もともと直前10-1分足では、無理にポジションを取るつもりがなかった上に、ポジション取得を迷っていた17:20頃は、ちょうど1分足チャート上で小レジスタンスに当たっていました。結果的には陽線となったようですが、危ない橋を渡る必要はないので、判断良しとします。
シナリオ2は分析を外しました。但し、これは確率上のことゆえ仕方ありません。
シナリオ3は分析通りでした。今回は巻頭箇条書きの注意点に記載の通り、反応方向を見てから追撃ポジションを取るつもりがありませんでした。その結果、つい通常よりも長く、ポジションを持ちました。結果的には最も良い時点で利確できました(もし最大利確できても、せいぜいあと1pipsぐらい)。こういうことも、たまにあります。
下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。
以上
もしこの記事が何か参考になったなら、どれか広告バナーをクリックして提携先に興味をお持ち頂けると幸いです。提携先はいずれも良心的なところを選んだつもりです。安心してください。
ーーー以下は広告ですーーー
ーーー注記ーーー
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上
2017年04月08日
4-4. 英国経済指標DB(2017年4月版、4月8日一部更新)
英国の経済指標発表前後の取引はGBPJPYで行っています。
4月第2週は、11日17:30に物価指標、12日17:30に雇用指標が発表されます。いずれも30pips以上跳ねることも多いので、注意が必要です。
2017年1月17日にBOE総裁は「今後数年間の英成長は鈍化する見込み」で「個人消費の進展が政策にとっての鍵になる」と発言しています。また、2017年2月2日に四半期インフレ報告で「インフレ見通しが2017年は2.7%、2018年は2.6%」と示されました。IMFでは、この期間の経済成長を1.5%・1.4%と予想しています。3月16日のMPCでは、昨年7月以来の利上げ主張する委員が現れました。
(1) BOE政策金利・MPC議事録・四半期インフレ報告(2017年3月16日21:00発表予定、事前分析済)
製造業の景況感が悪化し始めると、サービス業もそれを追いかける、という言い伝えがあります。近年、この法則に当てはまらない事例が多々見受けられます。4月発表(3月分データ)では、製造業が低下、サービス業が改善となっていました。特に、サービス業は何と70pipsもの反応をしています。
(1) 製造業PMI(2017年4月3日発表結果検証済)
(2) サービス業PMI(2017年4月5日発表結果検証済)
主要国でCPI・RPI・PPIが一度に発表されるのは英国だけです。CPIやRPIの発表結果が揃って改善/悪化すると、驚くほど大きく反応するので注意が必要です。なお、3月発表(2月集計分)では、BOEのインフレ目標2%に達しています。今後ますますCPIと金利との関係解説記事が増えることでしょう。
(1) 消費者物価指数・小売物価指数・生産者物価指数(2017年4月11日発表結果検証済)
英国経済指標は、指標発表結果に対して素直な反応をしがちです。がしかし、雇用統計だけは別です。指標発表結果の良し悪しこそ予想できたとしても、それでどちらに反応するかがわからない指標です。発表を跨いでポジションを取っても良い指標ではありません。十分大きな反応が予想され、どちらに転ぶかわからない以上、追いかけてポジションを持つべき指標です。
(1) 失業保険申請件数・失業率(2017年4月12日発表結果検証済)
IMF予想によれば、英国の2017年経済成長は1.5%となっています。これはPIGS諸国を抱えるEUの1.6%を下回っており、2018年は英国が1.4%、EUが1.6%と、その差が広がる予想となっています。現状はその差の広がり方が緩やかに見えるので、この差が広がるスピードが速まるような話(懸念であっても)が出れば、GBPは一気に売られるリスクを抱えています。
EU離脱国民投票後、一時は成長がマイナスになるという解説記事さえあったものの、2016年はかなり好調でした。それだけに2017年は成長鈍化と見込まれています。さすがにマイナスという解説はなくなりましたが。
(1) 四半期GDP速報値(2017年4月28日発表結果検証済)
(2) 四半期GDP改定値(2017年2月22日発表結果検証済)
(3) 四半期GDP確定値(2017年3月31日発表結果検証済)
4月発表結果(2月分データ)は、小売が好調だったものの、生産がかなり悪化しました。景況感を示すPMIよりも遅れて反応するという解釈が基本ですが、4月発表では製造業・サービス業ともにPMIの3月分データと方向が一致しました。実態指標の方が景気指標よりも先行するのは異常です。
(1) 小売売上高指数(2017年4月21日発表結果検証済)
(2) 鉱工業生産(2017年4月7日発表結果検証済)
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4月第2週は、11日17:30に物価指標、12日17:30に雇用指標が発表されます。いずれも30pips以上跳ねることも多いので、注意が必要です。
【4-4-1. 政策決定指標】
金融政策
2017年1月17日にBOE総裁は「今後数年間の英成長は鈍化する見込み」で「個人消費の進展が政策にとっての鍵になる」と発言しています。また、2017年2月2日に四半期インフレ報告で「インフレ見通しが2017年は2.7%、2018年は2.6%」と示されました。IMFでは、この期間の経済成長を1.5%・1.4%と予想しています。3月16日のMPCでは、昨年7月以来の利上げ主張する委員が現れました。
(1) BOE政策金利・MPC議事録・四半期インフレ報告(2017年3月16日21:00発表予定、事前分析済)
景気指標
製造業の景況感が悪化し始めると、サービス業もそれを追いかける、という言い伝えがあります。近年、この法則に当てはまらない事例が多々見受けられます。4月発表(3月分データ)では、製造業が低下、サービス業が改善となっていました。特に、サービス業は何と70pipsもの反応をしています。
(1) 製造業PMI(2017年4月3日発表結果検証済)
(2) サービス業PMI(2017年4月5日発表結果検証済)
物価指標
主要国でCPI・RPI・PPIが一度に発表されるのは英国だけです。CPIやRPIの発表結果が揃って改善/悪化すると、驚くほど大きく反応するので注意が必要です。なお、3月発表(2月集計分)では、BOEのインフレ目標2%に達しています。今後ますますCPIと金利との関係解説記事が増えることでしょう。
(1) 消費者物価指数・小売物価指数・生産者物価指数(2017年4月11日発表結果検証済)
雇用指標
英国経済指標は、指標発表結果に対して素直な反応をしがちです。がしかし、雇用統計だけは別です。指標発表結果の良し悪しこそ予想できたとしても、それでどちらに反応するかがわからない指標です。発表を跨いでポジションを取っても良い指標ではありません。十分大きな反応が予想され、どちらに転ぶかわからない以上、追いかけてポジションを持つべき指標です。
(1) 失業保険申請件数・失業率(2017年4月12日発表結果検証済)
【4-4-2. 経済情勢指標】
IMF予想によれば、英国の2017年経済成長は1.5%となっています。これはPIGS諸国を抱えるEUの1.6%を下回っており、2018年は英国が1.4%、EUが1.6%と、その差が広がる予想となっています。現状はその差の広がり方が緩やかに見えるので、この差が広がるスピードが速まるような話(懸念であっても)が出れば、GBPは一気に売られるリスクを抱えています。
経済成長
EU離脱国民投票後、一時は成長がマイナスになるという解説記事さえあったものの、2016年はかなり好調でした。それだけに2017年は成長鈍化と見込まれています。さすがにマイナスという解説はなくなりましたが。
(1) 四半期GDP速報値(2017年4月28日発表結果検証済)
(2) 四半期GDP改定値(2017年2月22日発表結果検証済)
(3) 四半期GDP確定値(2017年3月31日発表結果検証済)
実態指標
4月発表結果(2月分データ)は、小売が好調だったものの、生産がかなり悪化しました。景況感を示すPMIよりも遅れて反応するという解釈が基本ですが、4月発表では製造業・サービス業ともにPMIの3月分データと方向が一致しました。実態指標の方が景気指標よりも先行するのは異常です。
(1) 小売売上高指数(2017年4月21日発表結果検証済)
(2) 鉱工業生産(2017年4月7日発表結果検証済)
以上
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2017年04月06日
英国実態指標「鉱工業生産」発表前後のGBPJPY反応分析(2017年4月7日17:30発表結果検証済)
以下、「T.調査」「U.分析」を事前投稿し、「V.結果」「W.検証」を事後投稿しています。ブログの日付は事前投稿日となっています。事後投稿の日時は「V.結果」のタイトル行付近に記載しています。
2017年4月7日17:30に英国実態指標「鉱工業生産」が発表されます。今回発表は2017年2月分の集計結果です。
同時に英国国際収支「貿易収支」も発表されます。過去の経験から言えば無視しても差し支えありませんが、EUとの関係から今後は影響が大きくなるかも知れません。とりあえず今回はまだ、「鉱工業生産」のみの分析でシナリオを用意しています。
本指標の要点は下表に整理しておきました。
発表結果に対し最も素直に反応する直後1分足跳幅の平均値は23pipsとなっています。平均値である23pipsを超えたことが44%です。反応が大きいほとんどの指標は、たまに極めて大きく反応して平均値を引き上げていることが殆どです。そのため、本指標のように半数近くが平均値を超える指標は珍しいと言えます。
なお、調査期間において最も反応が大きかったときは50pipsでした。
以上のことから、本指標は安定して大きく反応する、と言えるでしょう。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
英国実態指標「鉱工業生産」は、鉱工業と製造業の企業生産高を指数化した経済指標です。英国国家統計局が毎月中旬に前月比・前年比を発表し、反応は前月比>前年比となる傾向があります。他の先進国の鉱工業生産関連指標よりも反応が大きい、という特徴があります。
本指標の意義は、鉱工業生産がGDPの構成要素となっているため、その先行指標と言われています。がしかし、英国GDPに占める鉱工業部門の割合は20%程度しかありません。ですから、本指標がGDPの先行指標として役立つかは少し疑問があります。
以下、本議事録について既に公開されている情報を整理します。調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの25回分のデータに基づいています。
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
市場予想は、前月比+0.2%(前回△0.4%)・前年比+3.7%(前回+3.2%)となっています。過去の傾向を見ると、前年比よりも前月比で大きく反応しがちです。
前月比ですから、グラフは上下に大きく動きます。11月が大きくプラスだっただけに、前々月12月・前月1月と続けて大きく落ち込んだように見えます。がしかし、実際は前月より12月が+1.1%改善しており、1月は△0.4%落ち込んだだけです。
他の指標で見てみましょう。
製造業PMIは、11月が前の2か月より低下し、12月は大きく増加、1月が12月から横這いで、2月は低下、3月が更に低下しています。大きくプラスになった月が、景況感は12月で、鉱工業生産が11月です。
変ですね。ふつう、景気指標の方が実態指標よりも先行する、と言われているのに。変であっても、直近の特徴に従うべき、と考えます。つまり、2月の鉱工業生産は3月の製造業PMIとの相関が強い、と。
3月製造業PMIは、2月よりも低下しています。
もし、これで正しければ、次の仮説が成り立ちます。
PMIが景況感と言いながらも、企業の購買担当役員から在庫・受注・納品等が前月より「良い」「同じ」「悪い」の回答形式で集めたデータに基づきます。「感」と言っても、消費者の景況感とは違って、数字に基づく回答です。2月の業績は3月月初に纏まり、PMIのアンケートは3月中旬に行われます。3月下旬は、マークイット社のアナリストがアンケートを集計したり、他の指標を分析して、4月上旬のPMI発表に間に合わせているのでしょう。
3月製造業PMIの結果は54.2で、市場予想55.0を下回りました。2月も55.6から54.5に下方修正されたものの、発表結果はそれをも下回りました。
今回発表結果は4カ月ぶりの低い水準で、その理由はインフレ圧力の高まりとともに、消費者向け製品への需要が低迷しているため、という解説記事がありました。
よって、今回は市場予想を下回る、と予想します。重ねて、前月1月の鉱工業生産前月比が下がったのは、前月に比べてたった0.4ポイントだけです。関連指標を見る限り、2月はもっと悪くなっても不思議じゃありません。
但し、上記は前月比についての話です。前年比がどうなるかはわかりません。
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
いずれも陽線・陰線への極端な偏りは無いようです。そして、ヒゲが目立ったり目立たなかったりもしていません。
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。
直後11分足は、直後1分足との方向一致率が72%で、方向一致時に終値が直後1分足終値を超えて伸びていたことが72%です。これなら発表後に反応方向を見てから追撃できますね。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
直前1分足は、直前10-1分足との方向一致率が28%(不一致率が72%)となっています。
指標一致性分析は、指標の前回結果・市場予想・発表結果の差を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。
直前10-1分足は、事前差異との方向一致率が29%となっています。そして、直前1分足は、事前差異との方向一致率が75%です。先述の通り、反応一致性分析でも、直前10-1分足と直前1分足の方向一致率が28%(不一致率が72%)となっており、矛盾はありません。今回の事前差異はプラスなので、直前10-1分足が陰線、直前1分足が陽線、ということになります。
以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。
以下は2017年4月8日11:30頃に追記しています。
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
ロイターに依れば「このデータがEU離脱を準備によって経済成長が鈍化している可能性を示す内容」である旨、解説しています。
取引結果は次の通りでした。
事前調査分析内容を、以下に検証します
結果は前月比・前年比ともに前回結果・市場予想よりも悪化で、反応は陰線でした。
事前準備していたシナリオは次の通りです。
直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足のいずれも陰線でした。直後11分足は、直後1分足終値よりも一時的に反応を伸ばしたものの、反応を縮小して終わりました。
下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。
もしこの記事が何か参考になったなら、どれか広告バナーをクリックして提携先に興味をお持ち頂けると幸いです。提携先はいずれも良心的なところを選んだつもりです。安心してください。
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
2017年4月7日17:30に英国実態指標「鉱工業生産」が発表されます。今回発表は2017年2月分の集計結果です。
同時に英国国際収支「貿易収支」も発表されます。過去の経験から言えば無視しても差し支えありませんが、EUとの関係から今後は影響が大きくなるかも知れません。とりあえず今回はまだ、「鉱工業生産」のみの分析でシナリオを用意しています。
本指標の要点は下表に整理しておきました。
発表結果に対し最も素直に反応する直後1分足跳幅の平均値は23pipsとなっています。平均値である23pipsを超えたことが44%です。反応が大きいほとんどの指標は、たまに極めて大きく反応して平均値を引き上げていることが殆どです。そのため、本指標のように半数近くが平均値を超える指標は珍しいと言えます。
なお、調査期間において最も反応が大きかったときは50pipsでした。
以上のことから、本指標は安定して大きく反応する、と言えるでしょう。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
- 注意点は、安定して大きく反応しがちな指標だということです。
- 指標については、前年比はわかりませんが、前月比が市場予想よりも悪化する、と予想しています。
論拠は、製造業PMIが3か月連続で悪化し続けていることと、鉱工業生産前月比の前回結果(1月分△0.4%)が数字が良かった直近(11月分が前月比+2.1%、12月分が前月比+1.0%)に対して、まだ悪化程度が小さすぎるから、です。 - シナリオは次の通りです。
(1) 直前10-1分足は、指標一致性分析の結果、事前差異との方向一致率が29%となっています。陰線です。
(2) 直前1分足は、指標一致性分析の結果、事前差異との方向一致率が75%です。陽線です。 但し、反応一致性分析では、直前10-1分足と直前1分足の方向一致率が28%(不一致率が72%)となっています。直前10-1分足が陽線の場合、取引を見合わせます。
(3) 直後1分足は、上記指標定性分析結論に依り、陰線と見込みます。
(4) 直後11分足は、直後1分足との方向一致率が72%で、方向一致時に終値が直後1分足終値を超えて伸びていたことが72%です。これなら発表後に反応方向を見てから追撃できますね。
ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
T.調査
【1. 指標概要】
英国実態指標「鉱工業生産」は、鉱工業と製造業の企業生産高を指数化した経済指標です。英国国家統計局が毎月中旬に前月比・前年比を発表し、反応は前月比>前年比となる傾向があります。他の先進国の鉱工業生産関連指標よりも反応が大きい、という特徴があります。
本指標の意義は、鉱工業生産がGDPの構成要素となっているため、その先行指標と言われています。がしかし、英国GDPに占める鉱工業部門の割合は20%程度しかありません。ですから、本指標がGDPの先行指標として役立つかは少し疑問があります。
【2. 既出情報】
以下、本議事録について既に公開されている情報を整理します。調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの25回分のデータに基づいています。
(2-1. 過去情報)
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
市場予想は、前月比+0.2%(前回△0.4%)・前年比+3.7%(前回+3.2%)となっています。過去の傾向を見ると、前年比よりも前月比で大きく反応しがちです。
前月比ですから、グラフは上下に大きく動きます。11月が大きくプラスだっただけに、前々月12月・前月1月と続けて大きく落ち込んだように見えます。がしかし、実際は前月より12月が+1.1%改善しており、1月は△0.4%落ち込んだだけです。
他の指標で見てみましょう。
製造業PMIは、11月が前の2か月より低下し、12月は大きく増加、1月が12月から横這いで、2月は低下、3月が更に低下しています。大きくプラスになった月が、景況感は12月で、鉱工業生産が11月です。
変ですね。ふつう、景気指標の方が実態指標よりも先行する、と言われているのに。変であっても、直近の特徴に従うべき、と考えます。つまり、2月の鉱工業生産は3月の製造業PMIとの相関が強い、と。
3月製造業PMIは、2月よりも低下しています。
もし、これで正しければ、次の仮説が成り立ちます。
PMIが景況感と言いながらも、企業の購買担当役員から在庫・受注・納品等が前月より「良い」「同じ」「悪い」の回答形式で集めたデータに基づきます。「感」と言っても、消費者の景況感とは違って、数字に基づく回答です。2月の業績は3月月初に纏まり、PMIのアンケートは3月中旬に行われます。3月下旬は、マークイット社のアナリストがアンケートを集計したり、他の指標を分析して、4月上旬のPMI発表に間に合わせているのでしょう。
3月製造業PMIの結果は54.2で、市場予想55.0を下回りました。2月も55.6から54.5に下方修正されたものの、発表結果はそれをも下回りました。
今回発表結果は4カ月ぶりの低い水準で、その理由はインフレ圧力の高まりとともに、消費者向け製品への需要が低迷しているため、という解説記事がありました。
よって、今回は市場予想を下回る、と予想します。重ねて、前月1月の鉱工業生産前月比が下がったのは、前月に比べてたった0.4ポイントだけです。関連指標を見る限り、2月はもっと悪くなっても不思議じゃありません。
但し、上記は前月比についての話です。前年比がどうなるかはわかりません。
(2-2. 過去反応)
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
いずれも陽線・陰線への極端な偏りは無いようです。そして、ヒゲが目立ったり目立たなかったりもしていません。
U. 分析
【3. 反応性分析】
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。
直後11分足は、直後1分足との方向一致率が72%で、方向一致時に終値が直後1分足終値を超えて伸びていたことが72%です。これなら発表後に反応方向を見てから追撃できますね。
【4. 反応一致性分析】
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
直前1分足は、直前10-1分足との方向一致率が28%(不一致率が72%)となっています。
【5. 指標一致性分析】
指標一致性分析は、指標の前回結果・市場予想・発表結果の差を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。
直前10-1分足は、事前差異との方向一致率が29%となっています。そして、直前1分足は、事前差異との方向一致率が75%です。先述の通り、反応一致性分析でも、直前10-1分足と直前1分足の方向一致率が28%(不一致率が72%)となっており、矛盾はありません。今回の事前差異はプラスなので、直前10-1分足が陰線、直前1分足が陽線、ということになります。
【6. シナリオ作成】
以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。
2017年4月7日17:30発表
以下は2017年4月8日11:30頃に追記しています。
V. 結果
【7. 発表結果】
(7-1. 指標結果)
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
ロイターに依れば「このデータがEU離脱を準備によって経済成長が鈍化している可能性を示す内容」である旨、解説しています。
(7-2. 取引結果)
取引結果は次の通りでした。
【8. 調査分析検証】
事前調査分析内容を、以下に検証します
- 指標については、前年比はわかりませんが、前月比が市場予想よりも悪化する、と予想しています。
論拠は、製造業PMIが3か月連続で悪化し続けていることと、鉱工業生産前月比の前回結果(1月分△0.4%)が数字が良かった直近(11月分が前月比+2.1%、12月分が前月比+1.0%)に対して、まだ悪化程度が小さすぎるから、です。
結果は前月比・前年比ともに前回結果・市場予想よりも悪化で、反応は陰線でした。
【9. シナリオ検証】
事前準備していたシナリオは次の通りです。
- (1) 直前10-1分足は、指標一致性分析の結果、事前差異との方向一致率が29%となっています。陰線です。
(2) 直前1分足は、指標一致性分析の結果、事前差異との方向一致率が75%です。陽線です。 但し、反応一致性分析では、直前10-1分足と直前1分足の方向一致率が28%(不一致率が72%)となっています。直前10-1分足が陽線の場合、取引を見合わせます。
(3) 直後1分足は、上記指標定性分析結論に依り、陰線と見込みます。
(4) 直後11分足は、直後1分足との方向一致率が72%で、方向一致時に終値が直後1分足終値を超えて伸びていたことが72%です。これなら発表後に反応方向を見てから追撃できますね。
直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足のいずれも陰線でした。直後11分足は、直後1分足終値よりも一時的に反応を伸ばしたものの、反応を縮小して終わりました。
下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。
以上
もしこの記事が何か参考になったなら、どれか広告バナーをクリックして提携先に興味をお持ち頂けると幸いです。提携先はいずれも良心的なところを選んだつもりです。安心してください。
ーーー以下は広告ですーーー
ーーー注記ーーー
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上
2017年04月04日
英国景気指標「サービス業PMI」発表前後のGBPJPY反応分析(2017年4月5日17:30発表結果検証済)
以下、「T.調査」「U.分析」を事前投稿し、「V.結果」「W.検証」を事後投稿しています。ブログの日付は事前投稿日となっています。事後投稿の日時は「V.結果」のタイトル行付近に記載しています。
2017年4月5日17:30に英国景気指標「サービス業PMI」が発表されます。今回発表は2017年3月分の集計結果です。
本指標発表30分前に欧州サービス業PMIが発表されますが、欧州PMIは確報値です。結果がどうあれ、本指標発表前後には影響がなくなっているでしょう。
本指標の要点は下表に整理しておきました。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
以下、「T.調査」「U.分析」を事前投稿し、「V.結果」「W.検証」を事後投稿しています。事後投稿日時は「V.結果」のタイトル行付近に記載しています。
PMIは、企業購買担当者に直接調査して算出されるため、景気実態を正確に反映した先行指標と言われています。
一般論として、製造業の材料・部品調達は、数か月先の取引先動向や製品需要から仕入れを行うため先行性がある、と考えられます。それよりは先行性が劣るものの、サービス業も販売機会喪失を避けるため、消費者の動向に先んじようと必死です。
但し、製造業景況感のサービス業景況感に対する「先行性」については、以前ほど当てにならないようです。昔とは違って、流通経路が可視化・効率化され、企業購買部門の力量が向上し、国内サービス業を介さずに海外と直接取引を行うことができるから、です。サービス業の仕入れに至っては、ほぼ消費動向とリアルタイムで一致しつつある時代を迎えつつあります。
指数の解釈は、50%を上回ると景気拡大・50%を下回ると景気後退、です。
指数の意義は、景気転換をGDPよりも先行示唆することと、です。
英国重要指標全般に言えることですが、指標発表結果への反応(値動き)が素直で大きいという特徴があります。がしかし、FX会社などの経済指標ランク分では、他国の景気指標と同程度かそれ以下の重要度・注目度に位置づけられることが多いように見受けられます。そのためポジションを持つ場合には注意が必要です。調査対象期間中に最も大きく反応したときは110pipsにも達しています。
英国経済指標へのGBPJPYの反応は、他国の経済指標への反応よりワンランク上なのです。
以下、本議事録について既に公開されている情報を整理します。調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの26回分のデータに基づいています。
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
市場予想は53.4で、前回結果53.3よりも0.1ポイントの改善となっています。今回はもっと下がるのではないでしょうか。
グラフをご覧ください。
2016年7月分(EU離脱国民投票翌月)を底に、2016年12月まで上昇が続きました。そして、2017年になると、1・2月と続けて低下しています。
多数の専門家は、上昇時にはそろそろ下がると警告し、下降時にはそんなに心配いらないと言うものです。だから、上昇時も下降時も市場予想が指標実体を追い越すことはあまりありません。英国に限らず、報道等の影響を受けやすい景気指標はトレンドを持ちがちで、専門家ですら市場予想が実体よりも遅行すると見なせます。こういう仕組みのトレンドですから、一方向への動きが続くのも人の噂と同じ75日が平均的な目安になります。2・3か月同じ傾向が続いてちょい戻し、が基本です。
という訳で、そろそろ下降トレンドに移行して75日ぐらいですから、専門家の市場予想は前回結果よりちょい上を示している、とも言えます。
今回の市場予想53.4とは、EU離脱国民投票前後の不安感があった水準の上の方です。折しも、3月には英国がEUに離脱通告を行い、EU側が加盟国に交渉方針を配布しました。離脱投票前の2016年4月、離脱国民投票があった6月の水準が52付近です。
当時の報道解説は、英国離脱の可能性を指摘しつつも最終的にはEU残留派が勝つだろう、という論調がほとんどでした。でも不安でした。現状は、交渉は難航するだろうが、最終的には離脱後も有期限でEU分担金を支払えば、英欧の政治的・経済的結びつきが壊れるとは誰も予想していないでしょう。でも不安です。
この水準が52付近なのではないでしょうか。
数値で見てみましょう。
先日4月3日に発表された製造業PMIは、市場予想を下回る結果となり、これで3か月続けて前月を下回りました。3月31日に発表されたGFK消費者信頼感調査は、2016年3月以降ずっとマイナス状態です。長期に亘って消費者心理がマイナスな原因は、ブリグジット問題への懸念と、2015年後半からじりじり上昇し始めていた物価高、と推定されます。実態指標の小売や製造は、この間も一時期を除き、ほぼ右上がりの好調で、2016年のGDPは1.9%と高い水準だったのですから。
手元に指標を調べられるツールがあるなら、小売売上高をご覧ください。まだ2月分までしか発表されていませんが、過去の水準に照らして2月前月比は3月の鈍化を予感させる位置にあります。
よって、今回の市場予想は甘く、52付近まで低下するのではないでしょうか。
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
直前1分足には陰線とヒゲが目立ちます。
発表直前に5pipsも瞬間的に動くと慌てるものです。がしかし、本指標ではヒゲの向きと発表後の反応方向には関係が見出せません。慌ててここで追撃ポジションを取ったりしないように、予めそのことは理解していおきましょう。
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。
直後11分足は、直後1分足との方向一致率が88%で、反応伸長確率(直後11分足終値が直後1分足終値よりも、同じ反応方向で伸びている確率)が71%となっています。方向一致率と反応伸長確率がともに70%を超える指標は少なく、本指標は反応方向確認後に追撃ポジションを取りやすい指標と言えます。
直後1分足跳幅と値幅の過去平均値を頭に入れて指標発表に臨み、高値掴みを避けるように気を付けてください。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
直前1分足は陰線率が74%となっています。
指標一致性分析は、指標の前回結果・市場予想・発表結果の差を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。
事後差異と直後1分足・直後11分足の方向一致率が75%・77%となっています。指標発表結果と、前回結果や市場予想との大小関係通りに素直に反応しています。
巻頭箇条書きのシナリオの項をご覧ください。
以下は2017年4月6日17:30頃に追記しています。
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
分析は外れ、指標結果は市場予想を上回りました。
反応を見る限り、前回結果よりも高い市場予想だったことは、プロもおかしいと考えていたからでしょうか。市場予想を上回ったからと言って、なかなか70pipsは反応しないものです。
反応は2015年5月に次ぐ、直後1分足跳幅(70pips)でした。発表直後にどんと陽線に跳ねると3-10秒後に数pips戻して、またどんどんと跳ね上がっていきました。ピーク70pipsは発表後5本目の1分足です。
取引結果は次の通りでした。
追撃開始時点では、これほど伸びるとは思いませんでした。でも、おかげで助かりました。
事前調査分析内容を、以下に検証します。
完全に外しました。
いくつか反省点があります。
ひとつは、指標の発表結果と市場予想の関係から、今回は下がると考えたことです。これは値頃感で反転を期待してポジションを持つのと変わらない行為でした。
もうひとつは、その値頃感です。52付近まで下がると予想した論拠が間違っていたということです。
そして、参考にした製造業PMI・GFK消費者信頼感調査・小売売上高と、サービス業PMIとの関係性にきっと解釈の間違いがあったと思われます。
来月はこの反省を踏まえます。
事前に準備したシナリオを以下に示します。
今回は、分析を誤ったのであって、シナリオには問題ありません。
本ブログ開始以降の本指標での成績を下表に纏めておきます。
もしこの記事が何か参考になったなら、どれか広告バナーをクリックして提携先に興味をお持ち頂けると幸いです。提携先はいずれも良心的なところを選んだつもりです。安心してください。
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
2017年4月5日17:30に英国景気指標「サービス業PMI」が発表されます。今回発表は2017年3月分の集計結果です。
本指標発表30分前に欧州サービス業PMIが発表されますが、欧州PMIは確報値です。結果がどうあれ、本指標発表前後には影響がなくなっているでしょう。
本指標の要点は下表に整理しておきました。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
- まず先に、予め知っておいた方が良い注意点です。
直前1分足には陰線とヒゲが目立ちます。発表直前に5pipsも瞬間的に動くと慌てるものです。がしかし、本指標ではヒゲの向きと発表後の反応方向には関係が見出せません。慌ててここで追撃ポジションを取ったりしないように、予めそのことは理解しておきましょう。
そして、指標一致性分析の結果、事後差異と直後1分足・直後11分足の方向一致率が75%・77%となっています。本指標は、発表結果が良ければ陽線、悪ければ陰線で反応し、発表結果が悪かったのに陽線で反応するようなアマチュア泣かせなことは、4回に1回しか起きていません。 - 次に本指標についてです。
今回は市場予想を下回り、52程度まで下がるのではないでしょうか。52という水準は、昨年6月前後のEU離脱国民投票前後で、先行き不安感が高まった頃の水準です。 - シナリオは次の通りです。
(1)直前1分足は、反応一致性分析の結果、陰線率が74%となっています。
(2)直後1分足も、上記指標分析結論に依り、陰線と見込みます。
(3)直後11分足は、直後1分足との方向一致率が88%で、反応伸長確率(直後11分足終値が直後1分足終値よりも、同じ反応方向で伸びている確率)が71%となっています。方向一致率と反応伸長確率がともに70%を超える指標は少なく、本指標は反応方向確認後に追撃ポジションを取りやすい指標と言えます。直後1分足跳幅と値幅の過去平均値を頭に入れて指標発表に臨み、追撃で高値掴み(安値掴み?)をするのは避けるように気を付けてください。
ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
以下、「T.調査」「U.分析」を事前投稿し、「V.結果」「W.検証」を事後投稿しています。事後投稿日時は「V.結果」のタイトル行付近に記載しています。
T.調査
【1. 指標概要】
PMIは、企業購買担当者に直接調査して算出されるため、景気実態を正確に反映した先行指標と言われています。
一般論として、製造業の材料・部品調達は、数か月先の取引先動向や製品需要から仕入れを行うため先行性がある、と考えられます。それよりは先行性が劣るものの、サービス業も販売機会喪失を避けるため、消費者の動向に先んじようと必死です。
但し、製造業景況感のサービス業景況感に対する「先行性」については、以前ほど当てにならないようです。昔とは違って、流通経路が可視化・効率化され、企業購買部門の力量が向上し、国内サービス業を介さずに海外と直接取引を行うことができるから、です。サービス業の仕入れに至っては、ほぼ消費動向とリアルタイムで一致しつつある時代を迎えつつあります。
指数の解釈は、50%を上回ると景気拡大・50%を下回ると景気後退、です。
指数の意義は、景気転換をGDPよりも先行示唆することと、です。
英国重要指標全般に言えることですが、指標発表結果への反応(値動き)が素直で大きいという特徴があります。がしかし、FX会社などの経済指標ランク分では、他国の景気指標と同程度かそれ以下の重要度・注目度に位置づけられることが多いように見受けられます。そのためポジションを持つ場合には注意が必要です。調査対象期間中に最も大きく反応したときは110pipsにも達しています。
英国経済指標へのGBPJPYの反応は、他国の経済指標への反応よりワンランク上なのです。
【2. 既出情報】
以下、本議事録について既に公開されている情報を整理します。調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの26回分のデータに基づいています。
(2-1. 過去情報)
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
市場予想は53.4で、前回結果53.3よりも0.1ポイントの改善となっています。今回はもっと下がるのではないでしょうか。
グラフをご覧ください。
2016年7月分(EU離脱国民投票翌月)を底に、2016年12月まで上昇が続きました。そして、2017年になると、1・2月と続けて低下しています。
多数の専門家は、上昇時にはそろそろ下がると警告し、下降時にはそんなに心配いらないと言うものです。だから、上昇時も下降時も市場予想が指標実体を追い越すことはあまりありません。英国に限らず、報道等の影響を受けやすい景気指標はトレンドを持ちがちで、専門家ですら市場予想が実体よりも遅行すると見なせます。こういう仕組みのトレンドですから、一方向への動きが続くのも人の噂と同じ75日が平均的な目安になります。2・3か月同じ傾向が続いてちょい戻し、が基本です。
という訳で、そろそろ下降トレンドに移行して75日ぐらいですから、専門家の市場予想は前回結果よりちょい上を示している、とも言えます。
今回の市場予想53.4とは、EU離脱国民投票前後の不安感があった水準の上の方です。折しも、3月には英国がEUに離脱通告を行い、EU側が加盟国に交渉方針を配布しました。離脱投票前の2016年4月、離脱国民投票があった6月の水準が52付近です。
当時の報道解説は、英国離脱の可能性を指摘しつつも最終的にはEU残留派が勝つだろう、という論調がほとんどでした。でも不安でした。現状は、交渉は難航するだろうが、最終的には離脱後も有期限でEU分担金を支払えば、英欧の政治的・経済的結びつきが壊れるとは誰も予想していないでしょう。でも不安です。
この水準が52付近なのではないでしょうか。
数値で見てみましょう。
先日4月3日に発表された製造業PMIは、市場予想を下回る結果となり、これで3か月続けて前月を下回りました。3月31日に発表されたGFK消費者信頼感調査は、2016年3月以降ずっとマイナス状態です。長期に亘って消費者心理がマイナスな原因は、ブリグジット問題への懸念と、2015年後半からじりじり上昇し始めていた物価高、と推定されます。実態指標の小売や製造は、この間も一時期を除き、ほぼ右上がりの好調で、2016年のGDPは1.9%と高い水準だったのですから。
手元に指標を調べられるツールがあるなら、小売売上高をご覧ください。まだ2月分までしか発表されていませんが、過去の水準に照らして2月前月比は3月の鈍化を予感させる位置にあります。
よって、今回の市場予想は甘く、52付近まで低下するのではないでしょうか。
(2-2. 過去反応)
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
直前1分足には陰線とヒゲが目立ちます。
発表直前に5pipsも瞬間的に動くと慌てるものです。がしかし、本指標ではヒゲの向きと発表後の反応方向には関係が見出せません。慌ててここで追撃ポジションを取ったりしないように、予めそのことは理解していおきましょう。
U. 分析
【3. 反応性分析】
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。
直後11分足は、直後1分足との方向一致率が88%で、反応伸長確率(直後11分足終値が直後1分足終値よりも、同じ反応方向で伸びている確率)が71%となっています。方向一致率と反応伸長確率がともに70%を超える指標は少なく、本指標は反応方向確認後に追撃ポジションを取りやすい指標と言えます。
直後1分足跳幅と値幅の過去平均値を頭に入れて指標発表に臨み、高値掴みを避けるように気を付けてください。
【4. 反応一致性分析】
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
直前1分足は陰線率が74%となっています。
【5. 指標一致性分析】
指標一致性分析は、指標の前回結果・市場予想・発表結果の差を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。
事後差異と直後1分足・直後11分足の方向一致率が75%・77%となっています。指標発表結果と、前回結果や市場予想との大小関係通りに素直に反応しています。
【6. シナリオ作成】
巻頭箇条書きのシナリオの項をご覧ください。
以上
2017年4月5日17:30発表
以下は2017年4月6日17:30頃に追記しています。
V. 結果
【7. 発表結果】
(7-1. 指標結果)
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
分析は外れ、指標結果は市場予想を上回りました。
反応を見る限り、前回結果よりも高い市場予想だったことは、プロもおかしいと考えていたからでしょうか。市場予想を上回ったからと言って、なかなか70pipsは反応しないものです。
反応は2015年5月に次ぐ、直後1分足跳幅(70pips)でした。発表直後にどんと陽線に跳ねると3-10秒後に数pips戻して、またどんどんと跳ね上がっていきました。ピーク70pipsは発表後5本目の1分足です。
(7-2. 取引結果)
取引結果は次の通りでした。
追撃開始時点では、これほど伸びるとは思いませんでした。でも、おかげで助かりました。
【8. 調査分析検証】
事前調査分析内容を、以下に検証します。
- 今回は市場予想を下回り、52程度まで下がるのではないでしょうか。52という水準は、昨年6月前後のEU離脱国民投票前後で、先行き不安感が高まった頃の水準です。
完全に外しました。
いくつか反省点があります。
ひとつは、指標の発表結果と市場予想の関係から、今回は下がると考えたことです。これは値頃感で反転を期待してポジションを持つのと変わらない行為でした。
もうひとつは、その値頃感です。52付近まで下がると予想した論拠が間違っていたということです。
そして、参考にした製造業PMI・GFK消費者信頼感調査・小売売上高と、サービス業PMIとの関係性にきっと解釈の間違いがあったと思われます。
来月はこの反省を踏まえます。
【9. シナリオ検証】
事前に準備したシナリオを以下に示します。
- シナリオは次の通りです。
(1)直前1分足は、反応一致性分析の結果、陰線率が74%となっています。
(2)直後1分足も、上記指標分析結論に依り、陰線と見込みます。
(3)直後11分足は、直後1分足との方向一致率が88%で、反応伸長確率(直後11分足終値が直後1分足終値よりも、同じ反応方向で伸びている確率)が71%となっています。方向一致率と反応伸長確率がともに70%を超える指標は少なく、本指標は反応方向確認後に追撃ポジションを取りやすい指標と言えます。直後1分足跳幅と値幅の過去平均値を頭に入れて指標発表に臨み、追撃で高値掴み(安値掴み?)をするのは避けるように気を付けてください。
今回は、分析を誤ったのであって、シナリオには問題ありません。
本ブログ開始以降の本指標での成績を下表に纏めておきます。
以上
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ーーー注記ーーー
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上