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2017年04月03日
英国景気指標「製造業PMI」発表前後のGBPJPY反応分析(2017年4月3日17:30発表結果検証済)
以下、「T.調査」「U.分析」を事前投稿し、「V.結果」「W.検証」を事後投稿しています。ブログの日付は事前投稿日となっています。事後投稿の日時は「V.結果」のタイトル行付近に記載しています。
2017年4月3日17:30に英国景気指標「製造業PMI」が発表されます。今回発表は2017年3月分の集計結果です。
本指標の要点は下表に整理しておきました。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
PMIは、企業購買担当者に直接調査して算出されるため、景気実態を正確に反映した先行指標と言われています。
一般論として、製造業の材料・部品調達は、数か月先の取引先動向や製品需要から仕入れを行うため先行性がある、と考えられます。それよりは先行性が劣るものの、サービス業も販売機会喪失を避けるため、消費者の動向に先んじようと必死です。
但し、景況感の「先行性」については、以前ほど当てにならないようです。昔とは違って、流通経路が可視化・効率化され、企業購買部門の力量が向上し、国内サービス業を介さずに海外と直接取引を行うことができるから、です。サービス業の仕入れに至っては、ほぼ消費動向とリアルタイムで一致しつつあるのです。
指数の解釈は、50%を上回ると景気拡大・50%を下回ると景気後退、です。
指数の意義は、景気転換をGDPよりも先行示唆することと、です。
以下、本議事録について既に公開されている情報を整理します。調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの26回分のデータに基づいています。
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
今回の市場予想は、前回結果より0.4ポイントの改善となっています。
なお、先週発表された3月GFK消費者信頼感調査では対前月同値でマイナスとなっていました。
2月は、小売売上高指数前月比が改善し、失業保険申請件数がマイナスとなったものの、鉱工業生産指数前月比・製造業生産指数前月比が悪化しています。そして、3月の現地報道は、EU離脱交渉の難航を予想させる内容が多かったようです。
3月はブリグジット関連法案が議会承認され、月末に英国はEUに離脱通告を行いました。EU側からは「英国の良いとこ取りは許さない」という発言が行われ、国民投票時に離脱派が訴えていた分担金負担が当面は免除されず、分担金を始め英国が義務を果たさない限りEUは通商協議を始めない、との報道が多く行われました。
MPC政策金利発表時や2016年10-12月期GDP確報値発表時には、成長率は高かったものの、インフレ率がBOE目標に達し(物価上昇)、MPCメンバーから利上げ主張や、今後の消費低迷に繋がる懸念を示す報道も多かったように見受けられます。
市場予想が前回結果よりも0.4ポイント改善というのは甘く、むしろ悪化するのではないでしょうか。
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
直前10-1分足跳幅が10pips以上だったことが16回(母数26回)、20pips以上だったことが7回、もあります。そして直前1分足跳幅も10pips以上に達したことが7回あります。発表前から、かなり動くことが多いのでご注意ください。
ちなみに、発表前に大きく動いたから発表後も大きく動くという関係は見出せていません。
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。
直後11分足は、直後1分足との方向一致率が84%、方向一致時に終値が直後1分足終値より伸びていたことが56%となっています。直後11分足跳幅を狙って、慎重になら追いかけても良いかも知れません。但し、跳幅狙いですから、ポジション保有時間は短くすべきでしょう。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
直前1分足の陰線率が73%となっています。
指標一致性分析は、指標の前回結果・市場予想・発表結果の差を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。
本指標では、今回から事後差異に前回結果を含まず、市場予想と発表結果の差を事後差異としています。
事後差異と直後1分足・直後11分足との方向一致率が100%・88%と極めて高くなっています。
以下のシナリオで臨みます。
以下は2017年4月5日22:15頃に追記しています。
結果は54.2で、市場予想55.0を下回りました。2月も55.6から54.5に下方修正されたものの、発表結果はそれをも下回りました。
今回発表結果は4カ月ぶりの低い水準でした。インフレ圧力が高まっており、消費者向け製品への需要が低迷しているため、という解説記事がありました。
これで、製造業PMIは12月からは3カ月連続で低下しており、今年1-3月期の製造業は減速となるでしょう。
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
取引結果は次の通りでした。
事前調査分析内容を、以下に検証します
発表結果は前回結果を下回り、ほぼ分析通りの結果となりました。
シナリオは次の通りでした。
結果は、直前1分足・直後1分足・直後11分足のいずれも陰線でした。直後11分足終値は、直後1分足終値よりも反応が伸びました。
本ブログを始めて、本指標での取引結果を下表に纏めておきます。
もしこの記事が何か参考になったなら、どれか広告バナーをクリックして提携先に興味をお持ち頂けると幸いです。提携先はいずれも良心的なところを選んだつもりです。安心してください。
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
2017年4月3日17:30に英国景気指標「製造業PMI」が発表されます。今回発表は2017年3月分の集計結果です。
本指標の要点は下表に整理しておきました。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
- 本指標での取引における注意点が3点あります。
まず、英国重要指標全般に言えることですが、指標発表結果への反応が大きいことです。
そして本指標の場合、発表前にも直前10-1分足跳幅が10pips以上だったことが16回(母数26回)、20pips以上だったことが7回、もあります。ちなみに、発表前に大きく動いたから発表後も大きく動くという関係は見出せていません。
最後に、指標一致性分析の結果、本指標には直後1分足・直後11分足と事後差異の方向一致率が100%・88%と極めて高い、という特徴があります。 - 今回発表についてです。
市場予想が前回結果よりも0.4ポイント改善というのは甘く、むしろ悪化するのではないでしょうか。
論拠は、先週発表された3月GFK消費者信頼感調査が対前月同値でマイナスとなっていたこと、2月の鉱工業生産指数前月比・製造業生産指数前月比が悪化していたこと、そして3月の現地報道は、EU離脱交渉の難航を予想させる内容が多く、MPCメンバーから利上げ主張が行われるほどインフレが急速で、今後の消費低迷に繋がる懸念を示す報道が多かったように見受けられるため、です。 - シナリオです。
まず、直前1分足の陰線率が73%となっています。跳幅の過去平均である9pipsを狙います。
次に、上項の定性分析結論に依り、直後1分足は陰線と見込みます。跳幅の過去平均24pipsを狙います。
そして、直後11分足は、直後1分足との方向一致率が84%、方向一致時に終値が直後1分足終値より伸びていたことが56%となっています。直後11分足跳幅を狙って、短時間ならば追いかけても良いと考えています。直後1分足終値と直後11分足跳幅の差は過去平均で19pipsです。発表直後跳幅に次いで2番頂(谷)をつけることが多い発表後4分頃までにポジション解消とします。
ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
T.調査
【1. 指標概要】
PMIは、企業購買担当者に直接調査して算出されるため、景気実態を正確に反映した先行指標と言われています。
一般論として、製造業の材料・部品調達は、数か月先の取引先動向や製品需要から仕入れを行うため先行性がある、と考えられます。それよりは先行性が劣るものの、サービス業も販売機会喪失を避けるため、消費者の動向に先んじようと必死です。
但し、景況感の「先行性」については、以前ほど当てにならないようです。昔とは違って、流通経路が可視化・効率化され、企業購買部門の力量が向上し、国内サービス業を介さずに海外と直接取引を行うことができるから、です。サービス業の仕入れに至っては、ほぼ消費動向とリアルタイムで一致しつつあるのです。
指数の解釈は、50%を上回ると景気拡大・50%を下回ると景気後退、です。
指数の意義は、景気転換をGDPよりも先行示唆することと、です。
【2. 既出情報】
以下、本議事録について既に公開されている情報を整理します。調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの26回分のデータに基づいています。
(2-1. 過去情報)
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
今回の市場予想は、前回結果より0.4ポイントの改善となっています。
なお、先週発表された3月GFK消費者信頼感調査では対前月同値でマイナスとなっていました。
2月は、小売売上高指数前月比が改善し、失業保険申請件数がマイナスとなったものの、鉱工業生産指数前月比・製造業生産指数前月比が悪化しています。そして、3月の現地報道は、EU離脱交渉の難航を予想させる内容が多かったようです。
3月はブリグジット関連法案が議会承認され、月末に英国はEUに離脱通告を行いました。EU側からは「英国の良いとこ取りは許さない」という発言が行われ、国民投票時に離脱派が訴えていた分担金負担が当面は免除されず、分担金を始め英国が義務を果たさない限りEUは通商協議を始めない、との報道が多く行われました。
MPC政策金利発表時や2016年10-12月期GDP確報値発表時には、成長率は高かったものの、インフレ率がBOE目標に達し(物価上昇)、MPCメンバーから利上げ主張や、今後の消費低迷に繋がる懸念を示す報道も多かったように見受けられます。
市場予想が前回結果よりも0.4ポイント改善というのは甘く、むしろ悪化するのではないでしょうか。
(2-2. 過去反応)
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
直前10-1分足跳幅が10pips以上だったことが16回(母数26回)、20pips以上だったことが7回、もあります。そして直前1分足跳幅も10pips以上に達したことが7回あります。発表前から、かなり動くことが多いのでご注意ください。
ちなみに、発表前に大きく動いたから発表後も大きく動くという関係は見出せていません。
U. 分析
【3. 反応性分析】
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。
直後11分足は、直後1分足との方向一致率が84%、方向一致時に終値が直後1分足終値より伸びていたことが56%となっています。直後11分足跳幅を狙って、慎重になら追いかけても良いかも知れません。但し、跳幅狙いですから、ポジション保有時間は短くすべきでしょう。
【4. 反応一致性分析】
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
直前1分足の陰線率が73%となっています。
【5. 指標一致性分析】
指標一致性分析は、指標の前回結果・市場予想・発表結果の差を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。
本指標では、今回から事後差異に前回結果を含まず、市場予想と発表結果の差を事後差異としています。
事後差異と直後1分足・直後11分足との方向一致率が100%・88%と極めて高くなっています。
【6. シナリオ作成】
以下のシナリオで臨みます。
以上
2017年4月3日17:30発表
以下は2017年4月5日22:15頃に追記しています。
V. 結果
【7. 発表結果】
結果は54.2で、市場予想55.0を下回りました。2月も55.6から54.5に下方修正されたものの、発表結果はそれをも下回りました。
今回発表結果は4カ月ぶりの低い水準でした。インフレ圧力が高まっており、消費者向け製品への需要が低迷しているため、という解説記事がありました。
これで、製造業PMIは12月からは3カ月連続で低下しており、今年1-3月期の製造業は減速となるでしょう。
(7-1. 指標結果)
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
(7-2. 取引結果)
取引結果は次の通りでした。
【8. 調査分析検証】
事前調査分析内容を、以下に検証します
- 市場予想が前回結果よりも0.4ポイント改善というのは甘く、むしろ悪化するのではないでしょうか。
論拠は、先週発表された3月GFK消費者信頼感調査が対前月同値でマイナスとなっていたこと、2月の鉱工業生産指数前月比・製造業生産指数前月比が悪化していたこと、そして3月の現地報道は、EU離脱交渉の難航を予想させる内容が多く、MPCメンバーから利上げ主張が行われるほどインフレが急速で、今後の消費低迷に繋がる懸念を示す報道が多かったように見受けられるため、です。
発表結果は前回結果を下回り、ほぼ分析通りの結果となりました。
【9. シナリオ検証】
シナリオは次の通りでした。
- まず、直前1分足の陰線率が73%となっています。跳幅の過去平均である9pipsを狙います。
次に、上項の定性分析結論に依り、直後1分足は陰線と見込みます。跳幅の過去平均24pipsを狙います。
そして、直後11分足は、直後1分足との方向一致率が84%、方向一致時に終値が直後1分足終値より伸びていたことが56%となっています。直後11分足跳幅を狙って、短時間ならば追いかけても良いと考えています。直後1分足終値と直後11分足跳幅の差は過去平均で19pipsです。発表直後跳幅に次いで2番頂(谷)をつけることが多い発表後4分頃までにポジション解消とします。
結果は、直前1分足・直後1分足・直後11分足のいずれも陰線でした。直後11分足終値は、直後1分足終値よりも反応が伸びました。
本ブログを始めて、本指標での取引結果を下表に纏めておきます。
以上
もしこの記事が何か参考になったなら、どれか広告バナーをクリックして提携先に興味をお持ち頂けると幸いです。提携先はいずれも良心的なところを選んだつもりです。安心してください。
ーーー以下は広告ですーーー
ーーー注記ーーー
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上
2017年03月31日
本夕17:30の英GDP取引はご注意を
本日夕方16:45に、トゥスクEU大統領が離脱交渉に向けた指針草案を加盟国に配布し、記者会見を開きます。会見では交渉での優先事項が明らかされる見通しです。
英国離脱交渉自体は、約2か月後に開始と報道されていますが、交渉事の序盤は互いの主張を譲れません。既に、英国側が新たな貿易協定を離脱条件と同時交渉を求める一方、EU側は離脱条件について合意後に通商協議を始める、という互いの見解が報道されています。
本夕の会見では、今後の通商協議開始にこれまでと異なる前提をEU側が加わるか否かがポイントです。もしも前提が加わったり変化したらGBPが動くでしょう。変わらなくても、昨夜19時頃からのGBPUSD・EURGBP・GBPJPYの動きは勢いがあるので、GBP取引は危なそうです。
GBPの場合、動き始めると止まらない傾向があるので、値ごろ感で反転時期を見切っての逆張りはやめておきましょう。
本夕17:30には、英国GDP確報値発表が予定されていますが、GDPの良し悪しなんて関係ないかも知れません。
英国離脱交渉自体は、約2か月後に開始と報道されていますが、交渉事の序盤は互いの主張を譲れません。既に、英国側が新たな貿易協定を離脱条件と同時交渉を求める一方、EU側は離脱条件について合意後に通商協議を始める、という互いの見解が報道されています。
本夕の会見では、今後の通商協議開始にこれまでと異なる前提をEU側が加わるか否かがポイントです。もしも前提が加わったり変化したらGBPが動くでしょう。変わらなくても、昨夜19時頃からのGBPUSD・EURGBP・GBPJPYの動きは勢いがあるので、GBP取引は危なそうです。
GBPの場合、動き始めると止まらない傾向があるので、値ごろ感で反転時期を見切っての逆張りはやめておきましょう。
本夕17:30には、英国GDP確報値発表が予定されていますが、GDPの良し悪しなんて関係ないかも知れません。
以上
2017年03月29日
英国経済指標「四半期GDP確報値」発表前後のGBPJPY反応分析(2017年3月31日17:30発表結果検証済)
以下、「T.調査」「U.分析」を事前投稿し、「V.結果」「W.検証」を事後投稿しています。事後投稿日時は「V.結果」のタイトル行付近に記載しています。
2017年3月31日17:30に英国経済指標「四半期GDP確報値」が発表されます。今回発表は2016年10-12月期分の集計結果です。
本指標の要点は下表に整理しておきました。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
GDP(Gross Domestic Product)は「個人消費支出」「住宅投資」「設備投資」「在庫投資」「政府支出」など広範囲で総合的な国の成長率を表す指標です。
英国GDPは、「速報値(1・4・7・10月)」「改定値(2・5・8・11月)」「確定値(3・6・9・12月)」が順番に発表されます。ざっくり言えば、指標結果に最も素直に反応する直後1分足跳幅の平均は、速報値30pips強・改定値15pips強・確報値15pips強、といったところです。
以下、本議事録について既に公開されている情報を整理します。調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの15回分のデータに基づいています。
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
グラフは、確報値の市場予想と発表結果を示しています。GDP確報値の場合、前回結果は改定値を参考にすべきです。グラフの前回結果との差は、改定値で既に現在のレートに反映されています。
今回市場予想は、改定値に対し前期比が同じで、前年比が0.2低下となっています。本記事巻頭に挙げた表をご参照願います。
IMFが1月に発表した世界経済見通しでは、英国の2016年成長率(2016年10-12月期前年比)が2.0%となっています。これは、今回の市場予想と一致しています。
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。
直後11分足は、直後1分足との方向一致率が80%、方向一致時に終値が直後1分足終値よりも伸びていたことが75%となっています。この数字なら追いかけてポジションを持つべきでしょう。
過去のローソク足を詳細に見てみると、指標発表後に反転するときには1-2分後が多いようです。そして、直後1分足と直後11分足が同方向の場合にも、4-5分後にひとまずヒゲを残して戻ろうとする動きが見受けられます。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
直後1分足と直後11分足の方向一致率については、反応性分析の項で述べました。
他に、各ローソク足間で予兆のような動きはありません。
指標一致性分析は、指標の前回結果・市場予想・発表結果の差を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。
事前差異や事後差異がどうあれ、反応方向との関係は見出せません。
以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。
以下は2017年3月31日21:10頃に追記しています。
英国立統計局が発表したGDP確報値は、前期比0.7%増(改定値まま)・前年比1.9%増(改定値2.0%)でした。
英経済はブリグジット騒ぎの割に低迷しなかったものの、インフレ率の大幅上昇によって今後は個人消費が冷え込む見通しのようです。今回は家計可処分所得が前期比0.4%減で、約3年ぶりの大幅な落ち込みとなっています。貯蓄率も3.3%に低下し、1963年の統計開始以降最も低い水準となっています。企業設備投資にも不安が残り、前期比・前年比ともに0.9%の減少となっていました。
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
取引結果は次の通りでした。
事前調査分析内容を、以下に検証します。事前の調査分析結果は以下の通りです。
結果は、前年比が改定値より0.1ポイント低下し、内容も決して良くなかったようです(インフレ・消費低迷・貯蓄率低下)。初期反応は陰線となったものの、発表後も含めて上下にばたばた動いて方向感が掴みにくい動きだったと思います。
15:00からのGBPJPYの動きを見ていても、今回は発表後に上に動きそうか下に動きそうかがわからなかったと思います。
事前に準備していたシナリオは下記の通りです。
うまく戻りからの再反転を捉えることができました。
発表1分後に一旦反転、4-6分後に戻りで139.45付近、その後は17:50頃に139.15付近まで下降。
1分・4-5分後の傾向は、今回もほぼ踏襲されました。そう知っていたものの、追撃のポジション取得が少し早かった(あと2分待つべきだった)かも知れません。まぁ、実際のチャートを見ていると、「そろそろ」というのを焦ることもあります。
本ブログ開始後の本指標取引は初めてでした。成績表を下表に記録しておきます。
もしこの記事が何か参考になったなら、どれか広告バナーをクリックして提携先に興味をお持ち頂けると幸いです。提携先はいずれも良心的なところを選んだつもりです。安心してください。
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
ーーー事前投稿分ーーー
2017年3月31日17:30に英国経済指標「四半期GDP確報値」が発表されます。今回発表は2016年10-12月期分の集計結果です。
本指標の要点は下表に整理しておきました。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
- ます取引上の注意です。
本指標は、指標一致性分析の結果、市場予想や発表結果が大きかろうが小さかろうが、ほぼ反応方向と関係がありません。こういう指標では、発表前に15:00頃からのGBPJPYのトレンド方向を確認しておくことが大切です。 - 今回のシナリオはひとつです。
直後11分足は、直後1分足との方向一致率が80%、方向一致時に終値が直後1分足終値よりも伸びていたことが75%となっています。この数字なら追いかけてポジションを持つべきでしょう。
過去のローソク足を詳細に見てみると、指標発表後に反転するときには1-2分後が多いようです。そして、直後1分足と直後11分足が同方向の場合にも、4-5分後にひとまずヒゲを残して戻ろうとする動きが見受けられます。気を付けましょう。
ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
T.調査
【1. 指標概要】
GDP(Gross Domestic Product)は「個人消費支出」「住宅投資」「設備投資」「在庫投資」「政府支出」など広範囲で総合的な国の成長率を表す指標です。
英国GDPは、「速報値(1・4・7・10月)」「改定値(2・5・8・11月)」「確定値(3・6・9・12月)」が順番に発表されます。ざっくり言えば、指標結果に最も素直に反応する直後1分足跳幅の平均は、速報値30pips強・改定値15pips強・確報値15pips強、といったところです。
【2. 既出情報】
以下、本議事録について既に公開されている情報を整理します。調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの15回分のデータに基づいています。
(2-1. 過去情報)
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
グラフは、確報値の市場予想と発表結果を示しています。GDP確報値の場合、前回結果は改定値を参考にすべきです。グラフの前回結果との差は、改定値で既に現在のレートに反映されています。
今回市場予想は、改定値に対し前期比が同じで、前年比が0.2低下となっています。本記事巻頭に挙げた表をご参照願います。
IMFが1月に発表した世界経済見通しでは、英国の2016年成長率(2016年10-12月期前年比)が2.0%となっています。これは、今回の市場予想と一致しています。
(2-2. 過去反応)
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
U. 分析
【3. 反応性分析】
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。
直後11分足は、直後1分足との方向一致率が80%、方向一致時に終値が直後1分足終値よりも伸びていたことが75%となっています。この数字なら追いかけてポジションを持つべきでしょう。
過去のローソク足を詳細に見てみると、指標発表後に反転するときには1-2分後が多いようです。そして、直後1分足と直後11分足が同方向の場合にも、4-5分後にひとまずヒゲを残して戻ろうとする動きが見受けられます。
【4. 反応一致性分析】
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
直後1分足と直後11分足の方向一致率については、反応性分析の項で述べました。
他に、各ローソク足間で予兆のような動きはありません。
【5. 指標一致性分析】
指標一致性分析は、指標の前回結果・市場予想・発表結果の差を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。
事前差異や事後差異がどうあれ、反応方向との関係は見出せません。
【6. シナリオ作成】
以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。
以上
2017年3月31日17:30発表
以下は2017年3月31日21:10頃に追記しています。
V. 結果
【7. 発表結果】
英国立統計局が発表したGDP確報値は、前期比0.7%増(改定値まま)・前年比1.9%増(改定値2.0%)でした。
英経済はブリグジット騒ぎの割に低迷しなかったものの、インフレ率の大幅上昇によって今後は個人消費が冷え込む見通しのようです。今回は家計可処分所得が前期比0.4%減で、約3年ぶりの大幅な落ち込みとなっています。貯蓄率も3.3%に低下し、1963年の統計開始以降最も低い水準となっています。企業設備投資にも不安が残り、前期比・前年比ともに0.9%の減少となっていました。
(7-1. 指標結果)
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
(7-2. 取引結果)
取引結果は次の通りでした。
【8. 調査分析検証】
事前調査分析内容を、以下に検証します。事前の調査分析結果は以下の通りです。
- 本指標は、指標一致性分析の結果、市場予想や発表結果が大きかろうが小さかろうが、ほぼ反応方向と関係がありません。こういう指標では、発表前に15:00頃からのGBPJPYのトレンド方向を確認しておくことが大切です。
結果は、前年比が改定値より0.1ポイント低下し、内容も決して良くなかったようです(インフレ・消費低迷・貯蓄率低下)。初期反応は陰線となったものの、発表後も含めて上下にばたばた動いて方向感が掴みにくい動きだったと思います。
15:00からのGBPJPYの動きを見ていても、今回は発表後に上に動きそうか下に動きそうかがわからなかったと思います。
【9. シナリオ検証】
事前に準備していたシナリオは下記の通りです。
- 直後11分足は、直後1分足との方向一致率が80%、方向一致時に終値が直後1分足終値よりも伸びていたことが75%となっています。この数字なら追いかけてポジションを持つべきでしょう。
過去のローソク足を詳細に見てみると、指標発表後に反転するときには1-2分後が多いようです。そして、直後1分足と直後11分足が同方向の場合にも、4-5分後にひとまずヒゲを残して戻ろうとする動きが見受けられます。気を付けましょう。
うまく戻りからの再反転を捉えることができました。
発表1分後に一旦反転、4-6分後に戻りで139.45付近、その後は17:50頃に139.15付近まで下降。
1分・4-5分後の傾向は、今回もほぼ踏襲されました。そう知っていたものの、追撃のポジション取得が少し早かった(あと2分待つべきだった)かも知れません。まぁ、実際のチャートを見ていると、「そろそろ」というのを焦ることもあります。
本ブログ開始後の本指標取引は初めてでした。成績表を下表に記録しておきます。
以上
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本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上
2017年03月26日
4-4. 英国経済指標DB
2017年3月26日、全文更新
英国指標ではGBPJPYで取引を行っています。通貨ペアとしては、国内FXでUSDJPY・AUDJPYに次ぐ取引量があります(実需の取引規模はまだ調べていません)。
【4-4-1. GBPの特徴】
ここ1年ぐらい、GBPの動きはアマチュアの定量分析が通用しない状況です。どちらかと言えば、先行き経済への見通しが誰にもわからないのです。こういう定性分析は、プロのエコノミストさえ外してしまうことが多いぐらいですから、アマチュアが太刀打ちできなくても当然です。
さて、ブリグジット騒ぎ以前は、EUにおいて独国に次ぐ経済好調な印象がありました。スコットランド独立騒動があったものの、一時はGBPJPYが200円近くまで上昇し、当時の解説記事では200円突破を確実視するような内容が多かったという記憶があります(2015年夏頃)。約1年後、2016年6月には国民投票でEU離脱が決まり、10月には安値122円までGBPは売られました。
ところが、2016年6月以降現在までをそれ以前と比べて、GDPはもとより実態指標・物価指標・国際収支・雇用指標のいずれも悪化したとは言えません。一時的に景気指標が悪化し、それが元に戻っても、GBPが売られ続けている訳です。データなんか関係なしに不安感がGBPを売る動きに結び付いているようです。但し、株価(FTSE)だけは、凸凹こそあれ、この期間にも右上がりとなっています。
今後も暫くは、EU離脱通告・同交渉開始(条件開示と双方牽制発言)・スコットランド独立騒動再燃・資源価格低迷(原油価格が70ドルに達しない)と、GBPに悪い印象を与える事態が続きます。でもそろそろ、EU離脱しても英国ならそこそこやっていけそうだ、という見方も出始めて良い時期だと思います。もう少し時間がかかるでしょうけど。
現在、GBPは、取引量こそ4位です(国際決済銀行統計)が、金融商品の取引ではロンドン市場の規模が最も大きいのです。EU離脱によって、この地位が脅かされるという話があります。また、EU離脱後はEU域内との金融取引に、これまで免除されていた許認可を得る必要があるでしょう。金融への不安は、為替に最も影響を与えます。
おそらくこれが、もっともすっきりするGBPの動きへの説明だと思います。
2017年3月に発表された物価指標はBOE目標に達しました。直後に今後は利上げを始め、金融引き締め・利上げに関する解説記事が増えるだろう、と記しましたが、その通りになり始めているようです。ただ、伝統的にBOEは簡単に政策変更しない中銀として有名です。今後はしばらく、資産買入額の縮小がいつから始まるかについて、MPC開催毎にGBPが買われ終了毎に失望売りという状況が続くのではないでしょうか。
でも、EU離脱交渉はこれからです。離脱後の姿が見えないうちに予防措置を講じるというのは、BOEらしくはありませんよね。
【4-4-2. 現状チャート】
下図に、GBPJPYの週足チャートと、GBPJPY・GBPUSD・USDJPYの各週値幅を示します。
チャートの青線は、先週引いた138.5円付近のサポートです。また、新たに1月30日週高値から先週安値にかけて、太い赤線に示す下降トレンドラインが引けました。3月6日週にトレンドラインを上抜けし、新たに引いた細い赤線が示す140.5円付近には、1月23日週頃からのレジスタンスもあります。直近5週が陽線・陰線の繰り返しとなっており、次週は陽線の順番となります。
よって次週は、137円下〜140.5円がチャートの示す変動幅です。直近の変動幅を見る限り、少し大きすぎる見通しで申し訳ありません。
次に、GBPJPY・GBPUSD・GBPJPYの週足pips(値幅)を見比べてみましょう。
先週は、USDが売られ、GBPとJPYが買われています。同じく買われたGBPとJPYとでは、よりJPYが買われたため、GBPJPYは下がりました。
英国経済の何が悪くて日本経済の何が良いのか、を考えても、事実(経済指標)に基づく限り答えに窮してしまいます。
【4-4-3. 現状テクニカル】
SMAは下降トレンドを示しているようです。が、SMA(1日)・SMA(5日)・SMA(21日)は、1月30日週頃から、近接して互いに当たったり離れたりを繰り返しています。こうしたときには、SMAだけでなくテクニカル指標全般にアテにならない、がセオリーです。
SMAがアテにならないときにはRSIもアテになりません。
【4-4-4. 現状ファンダメンタル】
直近の両国10年債金利と株価の動きを示します。それぞれの動きはご自身でご確認ください。
以下、日英の金利差の前週との差を「Δ金利差」と表記します。また、日英の主要株価指標の比の前週との差を「Δ株価比差」と表記します。
通常時の金利と株価の動きは、方向が反対になりがちなことが知られています。通常時には、為替が金利>株価の影響を受けることも知られています。何が原因で何が結果かはよくわかりませんが、これらの関係が成り立たないときは通常時でないことならわかります。自然な動きのときは参考にしても、不自然なときには参考にしない、が基本です。不自然なときには逆に考える、ではありません。理屈が通らない以上、参考にしない、が基本です。
下図は、上から「方向とボラティリティ」「Δ金利差」「Δ株価比差」を表しています。
直近の順序から言えば、次週は陽線の週です。また、ボラティリティは拡大・縮小を繰り返すのが自然ですが、少しずつ毎週の値幅が広がってきているようにも見えます。
金利と株価を見てみましょう。
Δ金利差は、今年に入って11週のうち9週がGBPJPYと同方向、Δ株価比差は11週のうち7週がGBPJPYと逆方向です。全体の傾向は、為替・金利・株価の動きは自然です。
先週は、Δ金利差が僅かにマイナス、Δ株価比差がプラスで、自然な動きに戻りました。先々週までは、珍しく4週間にも亘って(2月20日週〜3月13日週)、Δ株価比差とGBPJPYの方向が一致する不自然な状態でした。
チャート分析の次週値幅予想が台風予想進路のように発散し、テクニカル分析がSMAの縺れでアテにならない状態だったものが、そろそろ自然な状態に戻る時期なのかも知れません。
【4-4-5. 今週以降の注目点】
もう1・2週の観察が必要なものの、為替・金利・株価の動きは久しぶりに正常に戻りました。先週までのFTSE中心のGBPJPYの動きよりは、ずっとわかりやすくなります。
先々週は、MPC(BOE政策金利発表)で、8名の委員のうち1名が利上げを主張し、今後は利上げ主張が増えるのではないか、という解説記事に注目しました。がしかし、その記事をよく読んでみると、その1名はもうすぐ退任予定とのことです。それなのに、なぜか今後は利上げする委員が増えるかも知れないと、その記事では結んでいました(ん?)。
ここで利上げ主張した委員は、「物価が、GBP安だけでなく国内要因によっても顕著に上昇、特にEU離脱決定を受けて不安な景気減速は現実化していない」というものです。つまり、先々週から4-4-1項に記載している通り、データ上の英国経済に現在のGBP水準は、事実を示す事象だけから考えると、ちょっと不自然なのです。
気になる点は、IMFの2017年の主要国成長率見込みです。先進国平均で2%程度が見込まれているなか、英国は2017年が1.5%しか見込まれていません(米欧に劣る)。つまり、今後注目すべき解説論点は、EU離脱による成長率低下への不安をどれだけ払拭できるか、です。間接的にはこれに関係するものの、直近の記事は移民抑制とEU恩恵維持という英国側主張が虫が良すぎる、という記事一色になるでしょう。雰囲気が相場に与える影響を読み解くのは、アマチュアには困難です。
今後は、経済実態を示すデータが失速しない限り、データと雰囲気の綱引きが本格化します。データ通りにゆっくり動き、ニュースでそのトレンドが吹っ飛ぶ、の繰り返しでしょう。GBPのトレンドフォローは、避けた方が無難でしょうね。
【4-4-6. 指標分析一覧】
A. 政策決定指標
A1. 金融政策
2017年1月17日にBOE総裁は「今後数年間の英成長は鈍化する見込み」で「個人消費の進展が政策にとっての鍵になる」と発言しています。また、2017年2月2日に四半期インフレ報告で「インフレ見通しが2017年は2.7%、2018年は2.6%」と示されました。IMFでは、この期間の経済成長を1.5%・1.4%と予想しています。3月16日のMPCでは、昨年7月以来の利上げ主張する委員が現れました。
(1) BOE政策金利(2017年3月16日21:00発表予定、事前分析済)
(2) MPC議事録(上記と同時発表)
(3) 四半期インフレ報告(上記と同時発表)
A3. 景気指標
A31. 産業
PMIは高い水準となっています。がしかし、実態指標が小売好調で鉱工業悪化の兆しが見え始めています。古いジンクスですが、製造業の景況感が悪化し始めると、サービス業もそれを追いかける、という言い伝えがあります。
(1) 製造業PMI(2017年3月1日発表結果検証済)
(2) サービス業PMI(2017年3月3日発表結果検証済)
A4. 物価指標
主要国でCPI・RPI・PPIが一度に発表されるのは英国だけです。CPIやRPIの発表結果が揃って改善/悪化すると、驚くほど大きく反応するので注意が必要です。なお、3月発表(2月集計分)では、BOEのインフレ目標2%に達しています。今後ますますCPIと金利との関係解説記事が増えることでしょう。
(1) 消費者物価指数・小売物価指数・生産者物価指数(2017年3月21日発表結果検証済)
A5. 雇用指標
英国経済指標は、指標発表結果に対して素直な反応をしがちです。がしかし、雇用統計だけは別です。指標発表結果の良し悪しに予想がついても、どちらに反応するかがわからない指標です。発表を跨いでポジションを取っても良い指標ではありません。十分大きな反応が予想され、どちらに転ぶかわからない以上、追いかけてポジションを持つべき指標です。
(1) 失業保険申請件数・失業率(2017年3月15日発表結果検証済)
B. 経済情勢指標
IMF予想によれば、英国の2017年経済成長は1.5%となっています。これはPIGS諸国を抱えるEUの1.6%を下回っており、2018年は英国が1.4%、EUが1.6%と、その差が広がる予想となっています。現状はその差の広がり方が緩やかに見えるので、この差が広がるスピードが速まるような話(懸念であっても)が出れば、GBPは一気に売られるリスクを抱えています。
B1. 経済成長
(1) 四半期GDP速報値
(2) 四半期GDP改定値(2017年2月22日発表結果検証済)
(3) 四半期GDP確定値(2017年3月31日発表結果検証済)
B3. 実態指標
(1) 小売売上高指数(2017年3月23日発表結果検証済)
(2) 鉱工業生産(2017年3月10日発表結果検証済済)
以上
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2017年03月23日
英国実態指標「小売売上高指数」発表前後のGBPJPY反応分析(2017年3月23日18:30発表結果検証済)
2017年3月23日18:30に英国実態指標「小売売上高指数」が発表されます。今回発表は2017年2月分の集計結果です。
本指標の要点は下表に整理しておきました。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
以下、「T.調査」「U.分析」を事前投稿し、「V.結果」「W.検証」を事後投稿しています。事後投稿日時は「V.結果」のタイトル行付近に記載しています。
本指標の調査対象は、自動車販売店を除いた小売業・飲食店など5000社です。小売売上高は英国に限らず天候・季節が影響します。特に1月発表(前年12月分)はクリスマス商戦の影響で毎月の結果よりも大きく変動することが知られています。
英国の個人消費はGDPの約40%を占めるため、GDPの先行指標として本指標には意義があります。
発表元は英国国家統計局、時期は翌月中旬です。
以下、本議事録について既に公開されている情報を整理します。調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの25回分のデータに基づいています。
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
本指標に先行する関連指標には、サービス業PMIが挙げられます。1月・2月のサービス業PMIは、前回結果を下回っています。PMIは12月をピークに下降に移った懸念があります。そして、先日発表された2月分小売物価指数(RPI)は上昇を続けています。つまり、サービス業関係者の見通しが悪化しつつあり、RPIが最近にない勢いで上昇中、ということです。
ところが、今回の市場予想は、前月比・前年比ともに前回結果より改善です。自然に考えれば、今回の発表は市場予想を下回るのではないでしょうか。
但し、市場予想を裏付けることもあります。ロンドン2月の日中最高気温は平年よりも高い日が21日、低い日が7日だったのです。ロンドンの冬は寒い。これが小売売上高に影響する可能性があります。
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。
直後1分足と直後11分足の方向一致率が71%となっています。そして、方向一致時に直後11分足終値が直後1分足終値よりも反応が伸びていた事例は65%です。気を付ければ追いかけてポジションを持っても良い数字です。指標前のトレンドが強くなければ、あまり気にしなくても良いでしょう。本指標は反応が大きな指標です。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
直前1分足の陰線率が82%です。
指標一致性分析は、指標の前回結果・市場予想・発表結果の差を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。
まず、直前10-1分足は、事前差異(今回はプラス)との方向一致率が71%となっています。
また、直前10-1分足は事後差異との方向一致率も75%となっています。そして、事後差異と直後11分足の方向一致率が80%となっています。
以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。
久しぶりの4本足全てでのシナリオです。
以下は2017年3月23日21:00頃に追記しています。
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
結果は前回結果・市場予想を上回りました。反応はいずれも陽線でした。
取引結果は次の通りでした。
事前調査分析は以下の通りでした。
結果は前年比3.7%でした。
がしかし、12-2月の小売売上高自体は1.4%減少して2010年3月以来の大幅な落ち込みです。売上高指数が前回結果を上回った原因は、燃料価格の上昇が影響したと発表されています。
ともあれ、外したことに変わりありません。
以下のシナリオで取引に臨みました。
陽線となりました。
陽線です。
シナリオ2に依り、取引では売ポジションを取りましたが、下ヒゲに救われました。
分析が外れたものの、次回も陰線率は80%程度までしか下がらない見込みです。
分析を外し、負けました。
ここ最近、定性分析を外していますが、以前が当たり過ぎていたのかも知れません。まだまだ研究が必要ですね。
直後1分足と直後11分足の方向は一致したものの、終値では伸びませんでした。
取引自体は利確できたものの、ここ最近の直前10-1分足は指標発表時の反応方向を良く当てているような気がします。暫く注視していきたいと思います。
なお、本ブログ開始以来の本指標取引の成績を下表を示します。
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本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
本指標の要点は下表に整理しておきました。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
- 先に注意です。
指標発表結果に対し最も素直に反応する直後1分足跳幅の過去平均値は29pipsとなっています。そして、その平均値を超えたことは44%です。調査期間中、最も反応が大きかったときには67pipsとなっています。
大きく反応しがちな指標ですから、発表時刻を跨いでポジションを持つ場合には、慎重になった方が良いでしょう。 - 今回の市場予想は、前月比・前年比ともに前回結果より改善です。現状は、サービス業PMIが悪化しつつありRPIが最近にない勢いで上昇中のため、今回の発表は市場予想を下回ると予想します。
指標一致性分析結果では、事後差異(発表結果が市場予想や前回結果より良かったか悪かったか)と、直後1分足・直後11分足の方向一致率が63%・80%です。 - 以下、シナリオです。
まず、直前10-1分足は、事前差異(今回はプラス)との方向一致率が71%となっています。陽線の確率が高い。
直前1分足は過去の陰線率が82%です。 - 直後1分足は、指標発表結果が市場予想を下回ると予想し、指標発表直前に売ポジションを取ってみます。
- 直後1分足と直後11分足の方向一致率が71%となっています。そして、方向一致時に直後11分足終値が直後1分足終値よりも反応が伸びていた事例は65%です。気を付ければ追いかけてポジションを持っても良い数字です。指標前のトレンドが強くなければ、あまり気にしなくても良いでしょう。本指標は反応が大きな指標です。
また、直前10-1分足は事後差異との方向一致率も75%となっています。そして、事後差異と直後11分足の方向一致率が80%となっています。つまり、市場は直前10-1分に直後の動きを見越しており、それが結構当たっているということです。
直前10-1分足や直後1分足が陽線ならば、直後11分足終値がその方向に伸びる信頼度が高い、ということです。但し、直前10-1分足や直後1分足が陰線の場合にも、ポジションをとって直後1分足反応方向を追いかけてみます。
ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
以下、「T.調査」「U.分析」を事前投稿し、「V.結果」「W.検証」を事後投稿しています。事後投稿日時は「V.結果」のタイトル行付近に記載しています。
T.調査
【1. 指標概要】
本指標の調査対象は、自動車販売店を除いた小売業・飲食店など5000社です。小売売上高は英国に限らず天候・季節が影響します。特に1月発表(前年12月分)はクリスマス商戦の影響で毎月の結果よりも大きく変動することが知られています。
英国の個人消費はGDPの約40%を占めるため、GDPの先行指標として本指標には意義があります。
発表元は英国国家統計局、時期は翌月中旬です。
【2. 既出情報】
以下、本議事録について既に公開されている情報を整理します。調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの25回分のデータに基づいています。
(2-1. 過去情報)
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
本指標に先行する関連指標には、サービス業PMIが挙げられます。1月・2月のサービス業PMIは、前回結果を下回っています。PMIは12月をピークに下降に移った懸念があります。そして、先日発表された2月分小売物価指数(RPI)は上昇を続けています。つまり、サービス業関係者の見通しが悪化しつつあり、RPIが最近にない勢いで上昇中、ということです。
ところが、今回の市場予想は、前月比・前年比ともに前回結果より改善です。自然に考えれば、今回の発表は市場予想を下回るのではないでしょうか。
但し、市場予想を裏付けることもあります。ロンドン2月の日中最高気温は平年よりも高い日が21日、低い日が7日だったのです。ロンドンの冬は寒い。これが小売売上高に影響する可能性があります。
(2-2. 過去反応)
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
U. 分析
【3. 反応性分析】
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。
直後1分足と直後11分足の方向一致率が71%となっています。そして、方向一致時に直後11分足終値が直後1分足終値よりも反応が伸びていた事例は65%です。気を付ければ追いかけてポジションを持っても良い数字です。指標前のトレンドが強くなければ、あまり気にしなくても良いでしょう。本指標は反応が大きな指標です。
【4. 反応一致性分析】
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
直前1分足の陰線率が82%です。
【5. 指標一致性分析】
指標一致性分析は、指標の前回結果・市場予想・発表結果の差を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。
まず、直前10-1分足は、事前差異(今回はプラス)との方向一致率が71%となっています。
また、直前10-1分足は事後差異との方向一致率も75%となっています。そして、事後差異と直後11分足の方向一致率が80%となっています。
【6. シナリオ作成】
以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。
- まず、直前10-1分足は、事前差異(今回はプラス)との方向一致率が71%となっています。陽線の確率が高い。
- 直前1分足は過去の陰線率が82%です。
- 直後1分足は、指標発表結果が市場予想を下回ると予想し、指標発表直前に売ポジションを取ってみます。
- 直後1分足と直後11分足の方向一致率が71%となっています。そして、方向一致時に直後11分足終値が直後1分足終値よりも反応が伸びていた事例は65%です。気を付ければ追いかけてポジションを持っても良い数字です。指標前のトレンドが強くなければ、あまり気にしなくても良いでしょう。本指標は反応が大きな指標です。
また、直前10-1分足は事後差異との方向一致率も75%となっています。そして、事後差異と直後11分足の方向一致率が80%となっています。つまり、市場は直前10-1分に直後の動きを見越しており、それが結構当たっているということです。
直前10-1分足や直後1分足が陽線ならば、直後11分足終値がその方向に伸びる信頼度が高い、ということです。但し、直前10-1分足や直後1分足が陰線の場合にも、ポジションをとって直後1分足反応方向を追いかけてみます。
久しぶりの4本足全てでのシナリオです。
2017年3月23日18:30発表
以下は2017年3月23日21:00頃に追記しています。
V. 結果
【7. 発表結果】
(7-1. 指標結果)
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
結果は前回結果・市場予想を上回りました。反応はいずれも陽線でした。
(7-2. 取引結果)
取引結果は次の通りでした。
【8. 調査分析検証】
事前調査分析は以下の通りでした。
- 今回の市場予想は、前月比・前年比ともに前回結果より改善です。現状は、サービス業PMIが悪化しつつありRPIが最近にない勢いで上昇中のため、今回の発表は市場予想を下回ると予想します。
指標一致性分析結果では、事後差異(発表結果が市場予想や前回結果より良かったか悪かったか)と、直後1分足・直後11分足の方向一致率が63%・80%です。
結果は前年比3.7%でした。
がしかし、12-2月の小売売上高自体は1.4%減少して2010年3月以来の大幅な落ち込みです。売上高指数が前回結果を上回った原因は、燃料価格の上昇が影響したと発表されています。
ともあれ、外したことに変わりありません。
【9. シナリオ検証】
以下のシナリオで取引に臨みました。
- まず、直前10-1分足は、事前差異(今回はプラス)との方向一致率が71%となっています。陽線の確率が高い。
陽線となりました。
- 直前1分足は過去の陰線率が82%です。
陽線です。
シナリオ2に依り、取引では売ポジションを取りましたが、下ヒゲに救われました。
分析が外れたものの、次回も陰線率は80%程度までしか下がらない見込みです。
- 直後1分足は、指標発表結果が市場予想を下回ると予想し、指標発表直前に売ポジションを取ってみます。
分析を外し、負けました。
ここ最近、定性分析を外していますが、以前が当たり過ぎていたのかも知れません。まだまだ研究が必要ですね。
- 直後1分足と直後11分足の方向一致率が71%となっています。そして、方向一致時に直後11分足終値が直後1分足終値よりも反応が伸びていた事例は65%です。気を付ければ追いかけてポジションを持っても良い数字です。指標前のトレンドが強くなければ、あまり気にしなくても良いでしょう。本指標は反応が大きな指標です。
また、直前10-1分足は事後差異との方向一致率も75%となっています。そして、事後差異と直後11分足の方向一致率が80%となっています。つまり、市場は直前10-1分に直後の動きを見越しており、それが結構当たっているということです。
直前10-1分足や直後1分足が陽線ならば、直後11分足終値がその方向に伸びる信頼度が高い、ということです。但し、直前10-1分足や直後1分足が陰線の場合にも、ポジションをとって直後1分足反応方向を追いかけてみます。
直後1分足と直後11分足の方向は一致したものの、終値では伸びませんでした。
取引自体は利確できたものの、ここ最近の直前10-1分足は指標発表時の反応方向を良く当てているような気がします。暫く注視していきたいと思います。
なお、本ブログ開始以来の本指標取引の成績を下表を示します。
以上
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ーーー注記ーーー
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上
2017年03月20日
英国物価指標「CPI・RPI・PPI」発表前後のGBPJPY反応分析(2017年3月21日18:30発表結果検証済)
2017年3月21日18:30に英国物価指標「CPI・RPI・PPI」が発表されます。CPIは消費者物価指数、RPIは小売物価指数、PPIは生産者物価指数、のことです。今回発表は2017年2月分の集計結果です。
本指標の要点は下表に整理しておきました。
市場は明らかに前月結果からの改善を予想しています。また、過去平均の反応は30pipsに達しており、大きな反応をする指標だと言えるでしょう。直後1分足跳幅が過去最大のときは69pips(2015年7月分データ、同年8月18日発表)となっています。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
以下、「T.調査」「U.分析」を事前投稿し、「V.結果」「W.検証」を事後投稿しています。事後投稿日時は「V.結果」のタイトル行付近に記載しています。
物価は、生産者→小売→消費者の順に波及すると考えられます。他の主要国ではこれら物価指数が別々に発表されますが、英国は一度に発表しています。
CPIは、消費者の製品・サービス購入価格を指数化した指標で、どの国でも最重視されています。英国は年2%のインフレ目標が設定されています。CPIコアは、CPIから価格変動の激しいエネルギー・食品・タバコ・アルコールを除いた数値を指しています。英国ではタバコ・アルコールの価格変動が大きいのでしょうか。不思議です。
RPIに含まれてCPIに含まれない対象に住宅費があります。RPIではCPIよりも数値が高くなります。RPIコアは、RPIから価格変動の激しいエネルギー・食品・タバコ・アルコールを除いた数値を指しています。英国では年金給付額が法律によってRPI規準で決定されています。
PPIはあまり大きな反応を生じないように見受けられます。
以下、本議事録について既に公開されている情報を整理します。調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの25回分のデータに基づいています。
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。上からCPI・RPI・PPIです。
英国の物価は2015年後半から上昇しています。これは、実態指標の改善に伴う雇用逼迫・賃金上昇という望ましい物価上昇ではありません。EURGBPの上昇・GBPUSDの下降(いずれもGBP安)が原因と考えると、時期的に符合します。お使いのFX会社の月足チャートで見てください。
このように解釈すると、英国物価指標発表時には物価が為替に影響を与えるものの、全期間的には為替が物価(前月比)に影響を与えると捉えた方が良さそうです。そして、今回発表される2月分データのCPI前月比・RPI前月比は対前月大幅改善となっています。ところが、2016年10月以降のEURGBPやGBPUSDは、2016年10月よりも全体的にGBP高の側になっています。
つまり今回、市場予想ほどには物価上昇していないのではないでしょうか。
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
直前10-1分足は陽線率76%となっています。
次に、直前1分足は陰線率82%となっています。
そして、直後1分足は事前差異(今回はプラス)との方向一致率が76%となっています。事後差異との方向一致率も83%あるので、指標が良ければ素直に陽線、悪ければ陰線で反応していたことがわかります。
最後に、直後11分足は直前1分足との方向一致率が67%(3回に2回)あるものの、直後1分足終値よりも直後11分足終値が伸びたことは44%しかありません。よって、初期反応を見てから追いかけてポジションを持つべきではありません。
以下は、分析シートのみ添付しておきます。分析結果については、上記ローソク足検証の項で記載しています。
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
指標一致性分析は、指標の前回結果・市場予想・発表結果の差を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。
以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。
以下は2017年3月22日21:30頃に追記しています。
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
取引結果は次の通りでした。
負けました。
コアがCPI・RPI・PPIとも去年より2%以上上昇です。
BOEはCPIが2%を超えても容認する旨を公表しています。確か、過去には何と5%まで利上げしなかったことさえあります。BOEは簡単に政策変更しないのです。
がしかし、「どうするんだ」という声は、きっとこれから大きくなるのでしょう。
事前調査分析内容を、以下に検証します
指標については、以下のように事前分析していました。
結果は全般に市場予想を上回りました。
為替との時間差か、為替以外の予兆について、研究を続けます。駄文・駄分析を申し訳ありません。
次に、シナリオについてです。事前に用意していたシナリオは次の通りです。
次に定量分析が外れるまで、定性分析と定量分析の結論が異なる場合には、定量分析結論を優先しましょう。
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本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
本指標の要点は下表に整理しておきました。
市場は明らかに前月結果からの改善を予想しています。また、過去平均の反応は30pipsに達しており、大きな反応をする指標だと言えるでしょう。直後1分足跳幅が過去最大のときは69pips(2015年7月分データ、同年8月18日発表)となっています。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
- 指標の定性分析結論は次の通りです。
すなわち、本指標発表時にこそ物価が為替に影響を与えるものの、全期間的には為替が物価(前月比)に影響を与えています。今回発表される2月分データのCPI前月比・RPI前月比は対前月大幅改善となっています。ところが、2016年10月以降のEURGBPやGBPUSDは、2016年10月よりも全体的にGBP高の側になっています。
よって、今回は市場予想ほど全般的に物価上昇していないのではないでしょうか。陰線での初期反応、が結論です。 - 次の反応を予想しています。
まず、直前10-1分足は過去に陽線率76%となっています。これは、市場予想が全般的に改善となっていることと一致しています。
次に、直前1分足は陰線率82%となっています。比較的大きく反応する指標では、このように直前1分足が陰線になることが多いものです。
これらは実際のチャートがよほど極端に動いていない限り、ポジションを取ってみます。 - 今回は指標発表後にはポジションを持ちません。
まず、直後1分足は事前差異(今回はプラス)との方向一致率が76%、という定量分析結果となっています。一方、上述の定性分析では今回は陰線という可能性が高いと結論付けています。ふたつの分析結果が矛盾しており、指標発表を跨ぐことになる直後1分足での取引を諦めます。
次に、直後1分足と直後11分足の方向一致率が67%あります。素直に考えれば、追いかけてポジションを持っても良さそうですが、直後1分足終値よりも直後11分足終値が伸びたことは44%しかありません。ならば、初期反応を待って、初期反応の方向に対し逆張りするのは「逆張り」だから駄目です。
ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
以下、「T.調査」「U.分析」を事前投稿し、「V.結果」「W.検証」を事後投稿しています。事後投稿日時は「V.結果」のタイトル行付近に記載しています。
T.調査
【1. 指標概要】
物価は、生産者→小売→消費者の順に波及すると考えられます。他の主要国ではこれら物価指数が別々に発表されますが、英国は一度に発表しています。
CPIは、消費者の製品・サービス購入価格を指数化した指標で、どの国でも最重視されています。英国は年2%のインフレ目標が設定されています。CPIコアは、CPIから価格変動の激しいエネルギー・食品・タバコ・アルコールを除いた数値を指しています。英国ではタバコ・アルコールの価格変動が大きいのでしょうか。不思議です。
RPIに含まれてCPIに含まれない対象に住宅費があります。RPIではCPIよりも数値が高くなります。RPIコアは、RPIから価格変動の激しいエネルギー・食品・タバコ・アルコールを除いた数値を指しています。英国では年金給付額が法律によってRPI規準で決定されています。
PPIはあまり大きな反応を生じないように見受けられます。
【2. 既出情報】
以下、本議事録について既に公開されている情報を整理します。調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの25回分のデータに基づいています。
(2-1. 過去情報)
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。上からCPI・RPI・PPIです。
英国の物価は2015年後半から上昇しています。これは、実態指標の改善に伴う雇用逼迫・賃金上昇という望ましい物価上昇ではありません。EURGBPの上昇・GBPUSDの下降(いずれもGBP安)が原因と考えると、時期的に符合します。お使いのFX会社の月足チャートで見てください。
このように解釈すると、英国物価指標発表時には物価が為替に影響を与えるものの、全期間的には為替が物価(前月比)に影響を与えると捉えた方が良さそうです。そして、今回発表される2月分データのCPI前月比・RPI前月比は対前月大幅改善となっています。ところが、2016年10月以降のEURGBPやGBPUSDは、2016年10月よりも全体的にGBP高の側になっています。
つまり今回、市場予想ほどには物価上昇していないのではないでしょうか。
(2-2. 過去反応)
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
直前10-1分足は陽線率76%となっています。
次に、直前1分足は陰線率82%となっています。
そして、直後1分足は事前差異(今回はプラス)との方向一致率が76%となっています。事後差異との方向一致率も83%あるので、指標が良ければ素直に陽線、悪ければ陰線で反応していたことがわかります。
最後に、直後11分足は直前1分足との方向一致率が67%(3回に2回)あるものの、直後1分足終値よりも直後11分足終値が伸びたことは44%しかありません。よって、初期反応を見てから追いかけてポジションを持つべきではありません。
U. 分析
以下は、分析シートのみ添付しておきます。分析結果については、上記ローソク足検証の項で記載しています。
【3. 反応性分析】
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。
【4. 反応一致性分析】
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
【5. 指標一致性分析】
指標一致性分析は、指標の前回結果・市場予想・発表結果の差を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。
【6. シナリオ作成】
以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。
2017年3月21日18:30発表
以下は2017年3月22日21:30頃に追記しています。
V. 結果
【7. 発表結果】
(7-1. 指標結果)
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
(7-2. 取引結果)
取引結果は次の通りでした。
負けました。
コアがCPI・RPI・PPIとも去年より2%以上上昇です。
BOEはCPIが2%を超えても容認する旨を公表しています。確か、過去には何と5%まで利上げしなかったことさえあります。BOEは簡単に政策変更しないのです。
がしかし、「どうするんだ」という声は、きっとこれから大きくなるのでしょう。
【8. 調査分析検証】
事前調査分析内容を、以下に検証します
指標については、以下のように事前分析していました。
- 指標の定性分析結論は次の通りです。
すなわち、本指標発表時にこそ物価が為替に影響を与えるものの、全期間的には為替が物価(前月比)に影響を与えています。今回発表される2月分データのCPI前月比・RPI前月比は対前月大幅改善となっています。ところが、2016年10月以降のEURGBPやGBPUSDは、2016年10月よりも全体的にGBP高の側になっています。
よって、今回は市場予想ほど全般的に物価上昇していないのではないでしょうか。陰線での初期反応、が結論です。
結果は全般に市場予想を上回りました。
為替との時間差か、為替以外の予兆について、研究を続けます。駄文・駄分析を申し訳ありません。
次に、シナリオについてです。事前に用意していたシナリオは次の通りです。
- 次の反応を予想しています。
まず、直前10-1分足は過去に陽線率76%となっています。これは、市場予想が全般的に改善となっていることと一致しています。
次に、直前1分足は陰線率82%となっています。比較的大きく反応する指標では、このように直前1分足が陰線になることが多いものです。
これらは実際のチャートがよほど極端に動いていない限り、ポジションを取ってみます。 - 今回は指標発表後にはポジションを持ちません。
まず、直後1分足は事前差異(今回はプラス)との方向一致率が76%、という定量分析結果となっています。一方、上述の定性分析では今回は陰線という可能性が高いと結論付けています。ふたつの分析結果が矛盾しており、指標発表を跨ぐことになる直後1分足での取引を諦めます。
次に、直後1分足と直後11分足の方向一致率が67%あります。素直に考えれば、追いかけてポジションを持っても良さそうですが、直後1分足終値よりも直後11分足終値が伸びたことは44%しかありません。ならば、初期反応を待って、初期反応の方向に対し逆張りするのは「逆張り」だから駄目です。
次に定量分析が外れるまで、定性分析と定量分析の結論が異なる場合には、定量分析結論を優先しましょう。
【9. シナリオ検証】
以上
もしこの記事が何か参考になったなら、どれか広告バナーをクリックして提携先に興味をお持ち頂けると幸いです。提携先はいずれも良心的なところを選んだつもりです。安心してください。
ーーー以下は広告ですーーー
ーーー注記ーーー
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上
2017年03月19日
4-4. 英国経済指標DB(3月19日更新)
英国指標ではGBPJPYで取引を行っています。通貨ペアとしては、国内FXでUSDJPY・AUDJPYに次ぐ取引量があります(実需の取引規模はまだ調べていません)。
下記要点、直近の大きな流れは金利よりもFTSEの動きが参考になります。
ここ1年ぐらい、GBPの動きはアマチュアの定量分析が通用しない状況です。どちらかと言えば、先行き経済への見通しが問題なのです。こういう定性分析は、プロのエコノミストさえ外してしまうことが多いのです。
ブリグジット騒ぎ以前は、EUにおいて独国に次ぐ経済好調な印象がありました。スコットランド独立騒動があったものの、一時はGBPJPYが200円近くまで上昇し、当時の解説記事では200円突破を確実視するような内容が多かったという記憶があります(2015年夏頃)。約1年後、2016年6月には国民投票でEU離脱が決まり、10月には安値122円までGBPは売られました。
ところが、2016年6月以降現在までをそれ以前と比べて、GDPはもとより実態指標・物価指標・国際収支・雇用指標のいずれも悪化したとは言えません。一時的に景気指標が悪化し、それが元に戻っても、GBPが売られ続けている訳です。データなんか関係なしに不安感がGBPを売る動きに結び付いているのでしょう。株価(FTSE)が凸凹こそあれ、この期間に右上がりとなっている点を見ても、とてもGBPの動きをアマチュアが合理的に解釈できません(こじつけることはできても、それでは納得できません)。
今後も暫くは、EU離脱通告・同交渉開始(条件開示と双方牽制発言)・スコットランド独立騒動再燃・資源価格低迷(原油価格が70ドルに達しない)と、GBPに悪い印象を与える事態が続きます。でもそろそろ、EU離脱しても英国ならそこそこやっていけそうだ、という見方も出始めて良い時期だと思います。もう少し時間がかかるでしょうけど。
現在、GBPの取引こそ4位ですが、金融商品の取引ではロンドン市場の規模が最も大きいのです。EU離脱によって、この地位が脅かされるという話があります。また、EU離脱後はEU域内との金融取引に、これまで免除されていた許認可を得る必要があるでしょう。金融への不安は、為替に最も影響を与えます。
おそらくこれが、もっともすっきりするGBPの動きへの説明だと思います。
直近の週足チャートを示します。
直近4週は陽線・陰線が交互に出現しています。順番で言えば次は陰線です。下には138.5付近に強いレジスタンスがあると見込まれます。
また最近は、ボラティリティが低下していることがわかります。このボラティリティ低下の理由を探るため、GBPJPY・GBPUSD・GBPJPYの週足pipsを見比べてみましょう。
青がGBPJPY、黄がGBPUSD、赤がUSDJPYです。
どうやら、動きが小さくなっているのはGBPJPYに限った話ではないようです。
ちなみに、この期間(11週)の方向一致回数は、GBPJPYとGBPUSDが8回、GBPJPYとUSDJPYが9回、GBPUSDとGBPJPYが6回、です。どの通貨がどの通貨を動かしているとも言えません。
まずはSMAから見ていきます。先週から来週にかけてSMA(1日)・SMA(5日)がSMA(21日)を上抜けしそうです。通常ならば、これは上昇トレンド転換のシグナルと見なされますが、1月30日週頃から、3つのSMAが近接して互いに当たったり離れたりを繰り返しています。こうしたときには、SMAだけでなくテクニカル指標全般にアテにならない、がセオリーです。
次に、ボラティリティとRSIを見てみましょう。下図において、始値基準週足の値幅がボラティリティを表し、棒グラフのRSIは14日で見ています。
現在はボラティリティが小さい時期となっています。RSI(14日)は、すこしずつ上昇しており、現在約50%となっています。がしかし、SMAがアテにならないときにはRSIもアテになりません。
金利と株価を見てみましょう。
まず金利差です。下図は、始値基準週足と、金利差の前週との差(以下、Δ金利差と略記)を棒グラフで表しています。
2月中旬頃までは、Δ金利差と週足方向が一致していました。これは自然な動きです。がしかし、その後は現在までΔ金利差と週足方向の不一致が目立ちます。
自然な動きのときは参考にしても、不自然なときには参考にしない、が基本です。不自然なときには逆に考える、ではありません。理屈が通らない以上、参考にしない、が基本です。
次に株価です。下図は、始値基準週足と、日英株価比の前週との差(以下、Δ株価比差と略記)を棒グラフで表しています。
先のΔ金利差よりは、今年になってΔ株価比差との方がGBPJPYの動きと一致しています。つまり、今は現地報道や通信社の解説記事で参考にすべきことはFTSEの動きに関して、です。
事前に、こうした傾向を知っておかないと、普通はFTSEの動向なんて知りませんよね。わざわざ、そんなことを検索もしないだろうし。
米FOMC絡みを除くと、直近の現地報道における関心事はEU離脱通告法案の行方でした。先週までに法案は可決され王室裁可も得られたので、次はいつEUに離脱通告するかです。報道では3月末と予想する解説が多いようです。
前日にFOMC利上げが発表され、先週行われたMPC(BOE政策金利発表)では市場予想が現状維持で結果もその通りだったので、あまり注目されていません。数少ない報道では、8名の委員のうち1名が利上げを主張し、今後は利上げ主張が増えるのではないか、という解説記事がありました。がしかし、よく読んでみると、その1名はもうすぐ退任予定とのことです。それなのに、なぜか今後は利上げする委員が増えるかも知れないと、その記事では結んでいました(ん?)。
ここで利上げ主張した委員は、「物価が、GBP安だけでなく国内要因によっても顕著に上昇、特にEU離脱決定を受けて不安な景気減速は現実化していない」というものです。つまり、先週来4-4-1に記載している通り、データ上の英国経済に現在のGBP水準は、事実を示す事象だけから考えると、ちょっと不自然なのです。
気になる点は、IMFの2017年の主要国成長率見込みです。先進国平均で2%程度が見込まれているなか、英国は2017年が1.5%しか見込まれていません(米欧に劣る)。つまり、今後注目すべき解説論点は、EU離脱による成長率低下への不安をどれだけ払拭できるか、です。間接的にはこれに関係するものの、直近の記事は移民抑制とEU恩恵維持という英国側主張が虫が良すぎる、という記事一色になるでしょうから、読み解くのが大変そうです。
A. 政策決定指標
A1. 金融政策
2017年1月17日にBOE総裁は「今後数年間の英成長は鈍化する見込み」で「個人消費の進展が政策にとっての鍵になる」と発言しています。また、2017年2月2日に四半期インフレ報告で「インフレ見通しが2017年は2.7%、2018年は2.6%」と示されました。IMFでは、この期間の経済成長を1.5%・1.4%と予想しています。3月16日のMPCでは、昨年7月以来の利上げ主張する委員が現れました。
(1) BOE政策金利(2017年3月16日21:00発表予定、事前分析済)
(2) MPC議事録(上記と同時発表)
(3) 四半期インフレ報告(上記と同時発表)
A3. 景気指標
A31. 産業
(1) 製造業PMI(2017年3月1日発表結果検証済)
(2) サービス業PMI(2017年3月3日発表結果検証済)
A4. 物価指標
主要国でCPI・RPI・PPIが一度に発表されるのは英国だけです。CPIやRPIの発表結果が揃って改善/悪化すると、驚くほど大きく反応するので注意が必要です。なお、3月発表(2月集計分)では、BOEのインフレ目標2%に達しています。今後ますますCPIと金利との関係解説記事が増えることでしょう。
(1) 消費者物価指数・小売物価指数・生産者物価指数(2017年3月21日発表結果検証済)
A5. 雇用指標
英国経済指標は、指標発表結果に対して素直な反応をしがちです。がしかし、雇用統計だけは別です。指標発表結果の良し悪しに予想がついても、どちらに反応するかがわからない指標です。発表を跨いでポジションを取っても良い指標ではありません。十分大きな反応が予想され、どちらに転ぶかわからない以上、追いかけてポジションを持つべき指標です。
(1) 失業保険申請件数・失業率(2017年3月15日発表結果検証済)
B. 経済情勢指標
IMF予想によれば、英国の2017年経済成長は1.5%となっています。これはPIGS諸国を抱えるEUの1.6%を下回っており、2018年は英国が1.4%、EUが1.6%と、その差が広がる予想となっています。現状はその差の広がり方が緩やかに見えるので、この差が広がるスピードが速まるような話(懸念であっても)が出れば、GBPは一気に売られるリスクを抱えています。
B1. 経済成長
(1) 四半期GDP速報値
(2) 四半期GDP改定値(2017年2月22日発表結果検証済)
(3) 四半期GDP確定値
B3. 実態指標
(1) 小売売上高指数(2017年3月23日発表結果検証済)
(2) 鉱工業生産(2017年3月10日発表結果検証済済)
下記要点、直近の大きな流れは金利よりもFTSEの動きが参考になります。
【4-4-1. GBPの特徴】
ここ1年ぐらい、GBPの動きはアマチュアの定量分析が通用しない状況です。どちらかと言えば、先行き経済への見通しが問題なのです。こういう定性分析は、プロのエコノミストさえ外してしまうことが多いのです。
ブリグジット騒ぎ以前は、EUにおいて独国に次ぐ経済好調な印象がありました。スコットランド独立騒動があったものの、一時はGBPJPYが200円近くまで上昇し、当時の解説記事では200円突破を確実視するような内容が多かったという記憶があります(2015年夏頃)。約1年後、2016年6月には国民投票でEU離脱が決まり、10月には安値122円までGBPは売られました。
ところが、2016年6月以降現在までをそれ以前と比べて、GDPはもとより実態指標・物価指標・国際収支・雇用指標のいずれも悪化したとは言えません。一時的に景気指標が悪化し、それが元に戻っても、GBPが売られ続けている訳です。データなんか関係なしに不安感がGBPを売る動きに結び付いているのでしょう。株価(FTSE)が凸凹こそあれ、この期間に右上がりとなっている点を見ても、とてもGBPの動きをアマチュアが合理的に解釈できません(こじつけることはできても、それでは納得できません)。
今後も暫くは、EU離脱通告・同交渉開始(条件開示と双方牽制発言)・スコットランド独立騒動再燃・資源価格低迷(原油価格が70ドルに達しない)と、GBPに悪い印象を与える事態が続きます。でもそろそろ、EU離脱しても英国ならそこそこやっていけそうだ、という見方も出始めて良い時期だと思います。もう少し時間がかかるでしょうけど。
現在、GBPの取引こそ4位ですが、金融商品の取引ではロンドン市場の規模が最も大きいのです。EU離脱によって、この地位が脅かされるという話があります。また、EU離脱後はEU域内との金融取引に、これまで免除されていた許認可を得る必要があるでしょう。金融への不安は、為替に最も影響を与えます。
おそらくこれが、もっともすっきりするGBPの動きへの説明だと思います。
【4-4-2. 現状チャート】
直近の週足チャートを示します。
直近4週は陽線・陰線が交互に出現しています。順番で言えば次は陰線です。下には138.5付近に強いレジスタンスがあると見込まれます。
また最近は、ボラティリティが低下していることがわかります。このボラティリティ低下の理由を探るため、GBPJPY・GBPUSD・GBPJPYの週足pipsを見比べてみましょう。
青がGBPJPY、黄がGBPUSD、赤がUSDJPYです。
どうやら、動きが小さくなっているのはGBPJPYに限った話ではないようです。
ちなみに、この期間(11週)の方向一致回数は、GBPJPYとGBPUSDが8回、GBPJPYとUSDJPYが9回、GBPUSDとGBPJPYが6回、です。どの通貨がどの通貨を動かしているとも言えません。
【4-4-3. 現状テクニカル】
まずはSMAから見ていきます。先週から来週にかけてSMA(1日)・SMA(5日)がSMA(21日)を上抜けしそうです。通常ならば、これは上昇トレンド転換のシグナルと見なされますが、1月30日週頃から、3つのSMAが近接して互いに当たったり離れたりを繰り返しています。こうしたときには、SMAだけでなくテクニカル指標全般にアテにならない、がセオリーです。
次に、ボラティリティとRSIを見てみましょう。下図において、始値基準週足の値幅がボラティリティを表し、棒グラフのRSIは14日で見ています。
現在はボラティリティが小さい時期となっています。RSI(14日)は、すこしずつ上昇しており、現在約50%となっています。がしかし、SMAがアテにならないときにはRSIもアテになりません。
【4-4-4. 現状ファンダメンタル】
金利と株価を見てみましょう。
まず金利差です。下図は、始値基準週足と、金利差の前週との差(以下、Δ金利差と略記)を棒グラフで表しています。
2月中旬頃までは、Δ金利差と週足方向が一致していました。これは自然な動きです。がしかし、その後は現在までΔ金利差と週足方向の不一致が目立ちます。
自然な動きのときは参考にしても、不自然なときには参考にしない、が基本です。不自然なときには逆に考える、ではありません。理屈が通らない以上、参考にしない、が基本です。
次に株価です。下図は、始値基準週足と、日英株価比の前週との差(以下、Δ株価比差と略記)を棒グラフで表しています。
先のΔ金利差よりは、今年になってΔ株価比差との方がGBPJPYの動きと一致しています。つまり、今は現地報道や通信社の解説記事で参考にすべきことはFTSEの動きに関して、です。
事前に、こうした傾向を知っておかないと、普通はFTSEの動向なんて知りませんよね。わざわざ、そんなことを検索もしないだろうし。
【4-4-5. 今週以降の注目点】
米FOMC絡みを除くと、直近の現地報道における関心事はEU離脱通告法案の行方でした。先週までに法案は可決され王室裁可も得られたので、次はいつEUに離脱通告するかです。報道では3月末と予想する解説が多いようです。
前日にFOMC利上げが発表され、先週行われたMPC(BOE政策金利発表)では市場予想が現状維持で結果もその通りだったので、あまり注目されていません。数少ない報道では、8名の委員のうち1名が利上げを主張し、今後は利上げ主張が増えるのではないか、という解説記事がありました。がしかし、よく読んでみると、その1名はもうすぐ退任予定とのことです。それなのに、なぜか今後は利上げする委員が増えるかも知れないと、その記事では結んでいました(ん?)。
ここで利上げ主張した委員は、「物価が、GBP安だけでなく国内要因によっても顕著に上昇、特にEU離脱決定を受けて不安な景気減速は現実化していない」というものです。つまり、先週来4-4-1に記載している通り、データ上の英国経済に現在のGBP水準は、事実を示す事象だけから考えると、ちょっと不自然なのです。
気になる点は、IMFの2017年の主要国成長率見込みです。先進国平均で2%程度が見込まれているなか、英国は2017年が1.5%しか見込まれていません(米欧に劣る)。つまり、今後注目すべき解説論点は、EU離脱による成長率低下への不安をどれだけ払拭できるか、です。間接的にはこれに関係するものの、直近の記事は移民抑制とEU恩恵維持という英国側主張が虫が良すぎる、という記事一色になるでしょうから、読み解くのが大変そうです。
【4-4-6. 指標分析一覧】
A. 政策決定指標
A1. 金融政策
2017年1月17日にBOE総裁は「今後数年間の英成長は鈍化する見込み」で「個人消費の進展が政策にとっての鍵になる」と発言しています。また、2017年2月2日に四半期インフレ報告で「インフレ見通しが2017年は2.7%、2018年は2.6%」と示されました。IMFでは、この期間の経済成長を1.5%・1.4%と予想しています。3月16日のMPCでは、昨年7月以来の利上げ主張する委員が現れました。
(1) BOE政策金利(2017年3月16日21:00発表予定、事前分析済)
(2) MPC議事録(上記と同時発表)
(3) 四半期インフレ報告(上記と同時発表)
A3. 景気指標
A31. 産業
(1) 製造業PMI(2017年3月1日発表結果検証済)
(2) サービス業PMI(2017年3月3日発表結果検証済)
A4. 物価指標
主要国でCPI・RPI・PPIが一度に発表されるのは英国だけです。CPIやRPIの発表結果が揃って改善/悪化すると、驚くほど大きく反応するので注意が必要です。なお、3月発表(2月集計分)では、BOEのインフレ目標2%に達しています。今後ますますCPIと金利との関係解説記事が増えることでしょう。
(1) 消費者物価指数・小売物価指数・生産者物価指数(2017年3月21日発表結果検証済)
A5. 雇用指標
英国経済指標は、指標発表結果に対して素直な反応をしがちです。がしかし、雇用統計だけは別です。指標発表結果の良し悪しに予想がついても、どちらに反応するかがわからない指標です。発表を跨いでポジションを取っても良い指標ではありません。十分大きな反応が予想され、どちらに転ぶかわからない以上、追いかけてポジションを持つべき指標です。
(1) 失業保険申請件数・失業率(2017年3月15日発表結果検証済)
B. 経済情勢指標
IMF予想によれば、英国の2017年経済成長は1.5%となっています。これはPIGS諸国を抱えるEUの1.6%を下回っており、2018年は英国が1.4%、EUが1.6%と、その差が広がる予想となっています。現状はその差の広がり方が緩やかに見えるので、この差が広がるスピードが速まるような話(懸念であっても)が出れば、GBPは一気に売られるリスクを抱えています。
B1. 経済成長
(1) 四半期GDP速報値
(2) 四半期GDP改定値(2017年2月22日発表結果検証済)
(3) 四半期GDP確定値
B3. 実態指標
(1) 小売売上高指数(2017年3月23日発表結果検証済)
(2) 鉱工業生産(2017年3月10日発表結果検証済済)
以上
2017年03月15日
2017年3月16日21:00発表予定ー英国金融政策「BOE政策金利」発表前後のGBPJPY反応分析(結果速報)
結果を速報します。細かな分析は週末までにやっておきます。
昨夜のFOMCでの損失は取り返せたようです。
シナリオ1は、直前10-1分足が陰線となったため、取引を中止しました。
シナリオ2は、直後11分足終値までポジションを持てば、あと30pips程度稼げたようです。がしかし、これは結果論です。
ともあれ、これで昨夜のFOMCでの負け分を取り返し、今週もプラスで終えられそうです。
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2017年3月16日21:00に英国金融政策「BOE政策金利」が発表されます。
本指標の要点を下表に整理しておきます。
本発表時には、FOMCなんかよりもずっと大きく動きます。調査期間内の過去最高は「市場予想に反して現状維持」のとき286pipsです。あっという間に跳ねて、おそらく近くの逆指値損切注文は、かなりスリップしてしまったことでしょう(あるいは、逆指値注文が通らなかったでしょう)。
もしGBPのポジションを持って本発表を迎える場合、余裕資金を十分に持っておくべきです。「市場予想に反して金利改定」という事例は直近にありませんが、その場合どんなことになるか。「確実な予想」なんて、確実にありません。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
以下、「T.調査」「U.分析」を事前投稿し、「V.結果」「W.検証」を事後投稿しています。事後投稿日時は「V.結果」のタイトル行付近に記載しています。
英国の政策金利は、英中銀(BOE=the Governor and Company of the Bank of England)の金融政策委員会(MPC=Monetary Policy Committee)に決定権限があります。同委員会は、総裁1人・副総裁2人・行内委員2人・外部委員2人の合計9人で構成されています。
MPCの決定には特徴があります。
まず、9人の意見が強く反映されるため、他の主要国(日米欧)と違って市場予想がアテにならないと言われています。また、直近の金利改定は2016年7月に0.5%から0.25%に下げられました。その前は2009年3月でした。このように、BOEはあまり頻繁に金利改定をしない、というイメージがあります。
がしかし、金利改定が頻繁に実施されないにも関わらず、本発表前後のGBPは大きく反応します。
過去のデータを見ると、利下げ予想が外れた2016年7月を除く前回まで過去23回の直後1分足跳幅だけでも、平均値は30pipsを超えています(2016年7月のデータも含めた平均値は43pips)。
ちなみに、利下げ予想が外れた2016年7月の直後1分足跳幅は286pipsにも達していました(利下げ予想が外れたときの方が、実際に利下げされたときよりも反応が大きかった)。
MPCは原則毎月第1水・木曜日の2日間開催され、2日目の正午に政策金利が発表されます。その2週間後に議事録を公表し、2月・5月・8月・11月に四半期インフレ報告書を発表しています。
あと、今回の発表に関係ないと思いますが、今週、BOE副総裁が辞任の報道がありました。この辞任が今回発表に何か影響するのか否かはわかりません。
以下、本議事録について既に公開されている情報を整理します。調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの24回分のデータに基づいています。
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
BOEは頻繁に金利改定を行いません。この期間以前の金利改定は2009年3月でした。もし次に改定するなら、EU離脱前後に経済指標が極端に一方向に向かう事態になった場合でしょう。今はまだ考えられません。
なお、前回利下げの2016年8月は、2016年6月がEU離脱国民投票があって、GBPがボロボロに落下し、景気指標(景況感)もボロボロに下がったときです。現在、GBPUSDはかなり落下していますが、景気指標(例えばPMI)はかなり高い水準です。
ちなみに、PMIは景気見通しの良し悪しだけでなく、企業在庫や注残や受注を見ている景気指標であって、景況感指標ではありません。
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
直前10-1分足や直前1分足の動きが大きいのでご注意ください。
こういう動きが大きく、明らかにプロフェッショナルが多く参加しているときには、利確できるときにさっさと利確しておいた方が良いでしょう。続けざまに読みを当てたり、次の展開を予想することを、プロとは決して競わないことです。
便乗できそうな癖を探す、何度も便乗しようとしない、駄目ならすぐ逃げる、がアマチュアの基本です。
なお、損切の目安はいつもより大きく25〜30pipsとしておきます。
直近の高値・安値を参考にするのではありません。それはトレンドフォロー手法で取引する場合のやり方です。指標発表前後だけ取引する場合、指標発表時の過去の反応の大きさだけから損切も利確も決めるのです。利益は勝率で確保しましょう。 詳しくは、「FXは上達するのか」をご覧ください。
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。
発表後の反応方向を確認してからポジションを取っても、その方向に反応が伸びるか否かは50%しかありません。もし追いかけてポジションを取るなら、発表直後でなく一旦戻りを待ってから慎重に行うべきです。例えば、直後1分足終値がつく頃にポジションを取り、直後11分足跳幅を狙って解消すると良いでしょう。そして、直後11分足終値までの跳幅を狙ってポジションを解消しないと、2回に1回は損切となってしまうので、欲張らずに利確することが大事です。
過去2回は、直後1分足終値がつく頃にポジションを取ると、損切となったはずです。それ以前は6回続けて発表後4-5分で直後11分足跳幅が最大ないし2番山(谷)となっています。
直後1分足終値でポジションを取り、発表後4-5分で利確すれば、過去8回の勝率75%です。欲張らず、1分・4-5分・75%、お忘れなく。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
直前1分足の陰線率、直前10-1分足と直前1分足の方向一致率、直後1分足と直後11分足の方向一致率、が70%以上もしくは30%以下となっています。
指標一致性分析は、指標の前回結果・市場予想・発表結果の差を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。
英国に限らず、中銀政策金利発表時には市場予想で金利改定時となっているとき以外、指標一致性分析は役に立ちません。
巻頭に言葉で書いた通りです。表を作るのが面倒だったので。
もしこの記事が何か参考になったなら、どれか広告バナーをクリックして提携先に興味をお持ち頂けると幸いです。提携先はいずれも良心的なところを選んだつもりです。安心してください。
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
昨夜のFOMCでの損失は取り返せたようです。
シナリオ1は、直前10-1分足が陰線となったため、取引を中止しました。
シナリオ2は、直後11分足終値までポジションを持てば、あと30pips程度稼げたようです。がしかし、これは結果論です。
ともあれ、これで昨夜のFOMCでの負け分を取り返し、今週もプラスで終えられそうです。
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2017年3月16日21:00に英国金融政策「BOE政策金利」が発表されます。
本指標の要点を下表に整理しておきます。
本発表時には、FOMCなんかよりもずっと大きく動きます。調査期間内の過去最高は「市場予想に反して現状維持」のとき286pipsです。あっという間に跳ねて、おそらく近くの逆指値損切注文は、かなりスリップしてしまったことでしょう(あるいは、逆指値注文が通らなかったでしょう)。
もしGBPのポジションを持って本発表を迎える場合、余裕資金を十分に持っておくべきです。「市場予想に反して金利改定」という事例は直近にありませんが、その場合どんなことになるか。「確実な予想」なんて、確実にありません。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
- まず注意です。
今回の市場予想は現状維持となっています。がしかし、2015年8月・2016年4月も「市場予想通り現状維持」でした。これらの月は、それぞれ直前1分足跳幅が48pips(陰線側)・29pips(陰線側)も跳ねています。そして、発表直後(現状維持)はそれぞれ62pips(陰線側)・48pips(陽線側)に跳ねています。
発表直前にどかんと動くことがあり、しかもそれが発表後の反応方向と必ずしも一致しません。このことを知っておかないと、ものすごく慌ててしまうこともあり得るのでご注意まで(知っていても慌てますけど)。
直前はポジションを持たない、少なくとも直前1分ぐらいは買ポジションを持たない、という選択はアリです。 - 危ないのであまりお薦めできませんが、直前1分足の陰線率が83%と、かなり高いようです。そして、直前1分足が陰線となる確率は、直前10-1分足が逆に陽線のときに更に高くなります(両者の方向一致率8%)。
両者の方向一致率が8%(不一致率が92%)なので、直前10-1分足が陰線の場合には直前1分足を陽線と見込むべきですが、過去に直前1分足が陽線となったことはたったの17%です。二つの別々の分析結果が矛盾することになるので、もし直前10-1分足が陰線の場合、直前1分足での取引は諦めましょう。 - 発表後の反応方向を確認してからポジションを取っても、その方向に反応が伸びる確率が50%しかありません。もし追いかけてポジションを取るなら、発表直後でなく一旦戻りを待ってから慎重に行うべきです。
例えば、直後1分足終値がつく頃にポジションを取り、直後11分足跳幅を狙って解消すると良いでしょう。但し、直後1分足が上ヒゲを持たないようなら、ポジションを持つのは諦めましょう。
過去2回は、直後1分足終値がつく頃にポジションを取ると、損切となったはずです。がしかし、それ以前は6回続けて発表後4-5分で直後11分足跳幅が最大ないし2番頂(谷)となっています。直後1分足終値でポジションを取り、発表後4-5分で利確すれば利確できたはずです。このやり方なら過去8回の勝率75%です。
ちょっと狙いが当たっても欲張らず、勝率を稼ぎやすい方法をお忘れなく(あくまで過去の結果に基づくやり方ですが!)。
ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
以下、「T.調査」「U.分析」を事前投稿し、「V.結果」「W.検証」を事後投稿しています。事後投稿日時は「V.結果」のタイトル行付近に記載しています。
T.調査
【1. 指標概要】
英国の政策金利は、英中銀(BOE=the Governor and Company of the Bank of England)の金融政策委員会(MPC=Monetary Policy Committee)に決定権限があります。同委員会は、総裁1人・副総裁2人・行内委員2人・外部委員2人の合計9人で構成されています。
MPCの決定には特徴があります。
まず、9人の意見が強く反映されるため、他の主要国(日米欧)と違って市場予想がアテにならないと言われています。また、直近の金利改定は2016年7月に0.5%から0.25%に下げられました。その前は2009年3月でした。このように、BOEはあまり頻繁に金利改定をしない、というイメージがあります。
がしかし、金利改定が頻繁に実施されないにも関わらず、本発表前後のGBPは大きく反応します。
過去のデータを見ると、利下げ予想が外れた2016年7月を除く前回まで過去23回の直後1分足跳幅だけでも、平均値は30pipsを超えています(2016年7月のデータも含めた平均値は43pips)。
ちなみに、利下げ予想が外れた2016年7月の直後1分足跳幅は286pipsにも達していました(利下げ予想が外れたときの方が、実際に利下げされたときよりも反応が大きかった)。
MPCは原則毎月第1水・木曜日の2日間開催され、2日目の正午に政策金利が発表されます。その2週間後に議事録を公表し、2月・5月・8月・11月に四半期インフレ報告書を発表しています。
あと、今回の発表に関係ないと思いますが、今週、BOE副総裁が辞任の報道がありました。この辞任が今回発表に何か影響するのか否かはわかりません。
【2. 既出情報】
以下、本議事録について既に公開されている情報を整理します。調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの24回分のデータに基づいています。
(2-1. 過去情報)
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
BOEは頻繁に金利改定を行いません。この期間以前の金利改定は2009年3月でした。もし次に改定するなら、EU離脱前後に経済指標が極端に一方向に向かう事態になった場合でしょう。今はまだ考えられません。
なお、前回利下げの2016年8月は、2016年6月がEU離脱国民投票があって、GBPがボロボロに落下し、景気指標(景況感)もボロボロに下がったときです。現在、GBPUSDはかなり落下していますが、景気指標(例えばPMI)はかなり高い水準です。
ちなみに、PMIは景気見通しの良し悪しだけでなく、企業在庫や注残や受注を見ている景気指標であって、景況感指標ではありません。
(2-2. 過去反応)
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
直前10-1分足や直前1分足の動きが大きいのでご注意ください。
こういう動きが大きく、明らかにプロフェッショナルが多く参加しているときには、利確できるときにさっさと利確しておいた方が良いでしょう。続けざまに読みを当てたり、次の展開を予想することを、プロとは決して競わないことです。
便乗できそうな癖を探す、何度も便乗しようとしない、駄目ならすぐ逃げる、がアマチュアの基本です。
なお、損切の目安はいつもより大きく25〜30pipsとしておきます。
直近の高値・安値を参考にするのではありません。それはトレンドフォロー手法で取引する場合のやり方です。指標発表前後だけ取引する場合、指標発表時の過去の反応の大きさだけから損切も利確も決めるのです。利益は勝率で確保しましょう。 詳しくは、「FXは上達するのか」をご覧ください。
U. 分析
【3. 反応性分析】
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。
発表後の反応方向を確認してからポジションを取っても、その方向に反応が伸びるか否かは50%しかありません。もし追いかけてポジションを取るなら、発表直後でなく一旦戻りを待ってから慎重に行うべきです。例えば、直後1分足終値がつく頃にポジションを取り、直後11分足跳幅を狙って解消すると良いでしょう。そして、直後11分足終値までの跳幅を狙ってポジションを解消しないと、2回に1回は損切となってしまうので、欲張らずに利確することが大事です。
過去2回は、直後1分足終値がつく頃にポジションを取ると、損切となったはずです。それ以前は6回続けて発表後4-5分で直後11分足跳幅が最大ないし2番山(谷)となっています。
直後1分足終値でポジションを取り、発表後4-5分で利確すれば、過去8回の勝率75%です。欲張らず、1分・4-5分・75%、お忘れなく。
【4. 反応一致性分析】
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
直前1分足の陰線率、直前10-1分足と直前1分足の方向一致率、直後1分足と直後11分足の方向一致率、が70%以上もしくは30%以下となっています。
【5. 指標一致性分析】
指標一致性分析は、指標の前回結果・市場予想・発表結果の差を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。
英国に限らず、中銀政策金利発表時には市場予想で金利改定時となっているとき以外、指標一致性分析は役に立ちません。
【6. シナリオ作成】
巻頭に言葉で書いた通りです。表を作るのが面倒だったので。
もしこの記事が何か参考になったなら、どれか広告バナーをクリックして提携先に興味をお持ち頂けると幸いです。提携先はいずれも良心的なところを選んだつもりです。安心してください。
ーーー以下は広告ですーーー
ーーー注記ーーー
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上
英国雇用指標「失業保険申請件数・失業率」発表前後のGBPJPY反応分析(2017年3月15日発表結果検証済)
2017年3月15日18:30に英国雇用指標「失業保険申請件数・失業率」が発表されます。今回発表は2017年2月分の集計結果です。
珍しく市場予想が前日(3月14日夜)時点で公表されていません。当日夜はFOMC政策金利発表のため、それどころではないのでしょう。がしかし、過去の傾向から言えば、FOMCで利上げ決定時の半分ぐらいは、英雇用統計はpipsが動く指標です。
参考までに本指標の要点を下表に整理しておきます。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
以下、「T.調査」「U.分析」を事前投稿し、「V.結果」「W.検証」を事後投稿しています。事後投稿日時は「V.結果」のタイトル行付近に記載しています。
日本を除く主要国では、雇用統計発表直後の反応が他の指標発表時よりも大きくなる傾向があります。これは、雇用統計がその国の景気を最もよく表している、と考えられているからです。
どの国でも失業率は「失業者÷労働力人口×100」と定義され、失業者は「働く意思があるのに失職中の人」とされています。がしかし、働く意思があるのに失職中の人をカウントすることは難しいのです。年金受給者・生活保護者・収監者を除いたり、細かな定義を見ると算出の難しさがわかります。
そのため、失業保険申請件数や雇用者数を集計して、失業率の算定がおかしな数字となっていないことをチェックしている訳です。ちなみに、英国では失業保険申請件数を失業率と同時に集計・発表しています。
なお、英国では日本よりもかなり早くから派遣雇用者が多いという特徴がありました。また、終身雇用という制度がない、という雇用環境も我々と異なります。そうした社会的背景を知らないと、雇用統計はよくわからないものです(知っていても、我々には想像するしかない部分が多いのですが)。
少し古い記事ですが、DIAMOND onlineの特別レポート記事で「日本で報じられない“派遣労働”大国イギリスの実情と教訓〜英ヘイズ・スペシャリスト・リクルートメント社の幹部に聞く」というのがありました。日英の雇用環境の違いがとてもわかりやすくまとまったインタビュー記事だと思います。宜しければご参考までに。
以前はかなり大きな反応をする指標でしたが、最近はなぜかあまり反応しません。とはいえ、直後1分足跳幅が20pips程度、直後11分足跳幅は40pipsも反応するので、日欧の雇用指標に比べると大きく反応します。
指標発表を跨いでポジションを持たずに、指標発表への反応方向を見てからポジションを取っても、同じ方向に反応が伸び続ける傾向があります。
以下、本議事録について既に公開されている情報を整理します。調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの25回分のデータに基づいています。
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
素直にグラフを見る限り、英国雇用状況は最近になって急速に改善しているように見えます。がしかし、現地報道や直近の解説記事を見る限り、どうも様子が異なるようです。
直近のEU離脱交渉開始を睨んで、現地企業では新規採用を手控え始めているという報道解説記事が目につきます。欧米では、そうした報道が増えると、求職活動を手控える人が増えるという話を読んだことがあります。更に、英国ではもともと派遣・契約(両者雇用形態の英国での違いは知りません)社員ばかりで、正社員というのは少ないのです。正社員であっても終身雇用という常識はないようです。
社員の新規採用を止め、次に派遣・契約社員の延長雇用を打ち切る、という順は日本と変わりません。いま、現地では、多くの企業が新規採用を手控え始めた、という報道が出はじめた段階です。
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。
最近は、以前に比べて反応が小さくなっています。それでも発表直後は20pips以上跳ねるので、指標発表を挟んでポジションを持つ場合にはご注意ください。
直後1分足と直後11分足の方向一致率が75%あり、しかも方向一致時に反応が伸びた事例が72%と高くなっています。方向一致率と方向伸長事例率がともに70%を超える指標は、ほとんどありません。その点が本指標の特徴と言えるでしょう。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
取引に使える確度には達していないものの、過去の傾向から言えば陽線率が高かったようです。がしかし、今後しばらくはEU離脱交渉のため新規雇用を手控える企業が増える、と予想されます。数値にはまだ表れていないものの、変化を注視していきたいと思います。
指標一致性分析は、指標の前回結果・市場予想・発表結果の差を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。
雇用指標では、失業保険申請件数や失業率が増えることは悪い状況です。例えば、「失業率が増える」と「陰線に反応」するのが素直です。よって、他の指標とは異なり、本来ならば不一致率が高いときが正常です。
現状は、ポジションが取れる70%以上・30%以下がありません。
以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。
今は無理に取引する環境ではありません。あまり過去の傾向通りに反応するとも言えない時期です。
以下は2017年3月16日12:00頃に追記しています。
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
珍しく主要FX会社HPで市場予想が事前にないままの発表でした。なぜ市場予想がなかったのか、行われていなかったのか、行われていたけど何かの理由で今回は示されなかったのか、を週末に調べてみます。
取引結果は次の通りでした。
シナリオ1はギリギリまで粘った結果、約定に1・2秒を要して、記録を見るとちょうど発表時刻に約定となっていました。危ういところでした(遅れていたら10pips稼げたのですが、そういうのは同じだけ逆に動くリスクもあるので駄目です)。
シナリオ2はあと20秒我慢すれば20pips程度稼げました。が、これも結果論で勝てればOKです。
最も大きく勝てるのは、指標発表直前にポジションを取り、発表後の跳幅で利確するやり方です。
がしかし、そのようなやり方では、指標発表結果を当てるための根拠、発表結果によってどちらに反応するのかという根拠、反応がどれだけ伸びるかという根拠、がないと、なかなか勝てません。
それに比べてずっと簡単な方法が、発表前後の値動きの癖を記録しておくこと、です。例えば、多くの指標発表直前1分足は陰線になります。いくつかの指標発表では、発表直後の反応方向に、直後1分足終値がつく頃にポジションを取ると、直後11分足終値がつくまでに利確のチャンスがあります。
そういう場面がいつあるのか、を調べておけば、FXで負けるリスクは小さくできます。
事前調査分析内容を、以下に検証します
まず、指標について、です。事前の調査・分析結果は次の通りでした。
今回の結果は、失業率が前回と同じ、新規失業保険申請件数もマイナスでした。数値だけを見る限りでは良い結果です(失業保険の申請が減るのですから)。がしかし、反応は陰線でした。
調査・分析通りの内容です。
こうした指標では、よほどの確信がない限り、指標発表を挟んでポジションを持つことができませんよね。英国経済指標は素直な反応をする傾向があるものの、雇用統計だけは指標結果と反応結果の説明がうまくできません。もちろん、こじつければ何だって説明できるものですが、それでは1回々々の取引前に過去の解釈がアテにできなくなってしまいます。
それよりも「指標発表結果と反応方向との関係が説明できない指標」とわかっていた方が、取引には便利です。発表を跨いだポジションさえ取らなければ良いのですから。
次に、シナリオについてです。
直前1分足は陰線、直後1分足値幅が10pipsで直後11分足の跳幅が46pips・終値が39pipsでした。過去の傾向通りの反応をしました。
結局のところ、指標発表結果を当てた成績、反応方向を当てた成績は、損益を見るのが一番です。但し、実際のポジションを取っての成績だけがアテになります。自分のお金でポジションを取る気がない調査・分析は、50%しか当たりません。あるいは、適用期間が曖昧な中長期の展望となります。中長期の展望も、自分でポジションを持っていないと、50%しか当たりません。
50%を55%に置き換えて読んでもらっても構わないのですが、古いニュース記事を読めばそのことは良くわかります。対象と期限が明確な経済分析で、2/3(67%)を当てられるエコノミストは、驚くほど少数しかいないのです。
本指標での本ブログ開始後の成績です。大した額ではありませんが、勝てば楽しいのです。
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本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
珍しく市場予想が前日(3月14日夜)時点で公表されていません。当日夜はFOMC政策金利発表のため、それどころではないのでしょう。がしかし、過去の傾向から言えば、FOMCで利上げ決定時の半分ぐらいは、英雇用統計はpipsが動く指標です。
参考までに本指標の要点を下表に整理しておきます。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
- 前々回は失業保険申請件数が、前回は失業保険申請件数と失業率がともに市場予想よりも大幅に改善されました。がしかし、前々回は僅かな陽線、前回は大きく陰線で反応しました。大幅改善なのに陰線、です。
本指標の発表を挟んでポジションを持つ場合には注意が必要です。実際、指標一致性分析では、取引に有意な差を見いだせていません。「指標が良ければ陽線」といった相関が強くも弱くもなく、データからは事前に読めない指標です。 - がしかし、本指標への反応の仕方には特徴があります。
直後1分足と直後11分足の方向一致率が75%あり、しかも方向一致時に反応が伸びた事例が72%と高くなっています。方向一致率と同一方向伸長事例率がともに70%を超える指標は少ないのです。反応方向を確認してから追いかけてポジションを持ちやすい指標です。
直後1分足終値でポジションを取得し、直後11分足跳幅で解消した場合でも、過去のデータ平均値からは21pipsが狙えます(反応性分析)。
但し、現在の市場環境で過去と同じルールで求めた確率を適用することが適切か否かはわかりません。 - 反応一致性分析では、直前1分足の陰線率が71%と、高い傾向を示しています。また、直前1分足は直前10-1分足と逆方向に終値がついたことが71%となっています。
ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
以下、「T.調査」「U.分析」を事前投稿し、「V.結果」「W.検証」を事後投稿しています。事後投稿日時は「V.結果」のタイトル行付近に記載しています。
T.調査
【1. 指標概要】
日本を除く主要国では、雇用統計発表直後の反応が他の指標発表時よりも大きくなる傾向があります。これは、雇用統計がその国の景気を最もよく表している、と考えられているからです。
どの国でも失業率は「失業者÷労働力人口×100」と定義され、失業者は「働く意思があるのに失職中の人」とされています。がしかし、働く意思があるのに失職中の人をカウントすることは難しいのです。年金受給者・生活保護者・収監者を除いたり、細かな定義を見ると算出の難しさがわかります。
そのため、失業保険申請件数や雇用者数を集計して、失業率の算定がおかしな数字となっていないことをチェックしている訳です。ちなみに、英国では失業保険申請件数を失業率と同時に集計・発表しています。
なお、英国では日本よりもかなり早くから派遣雇用者が多いという特徴がありました。また、終身雇用という制度がない、という雇用環境も我々と異なります。そうした社会的背景を知らないと、雇用統計はよくわからないものです(知っていても、我々には想像するしかない部分が多いのですが)。
少し古い記事ですが、DIAMOND onlineの特別レポート記事で「日本で報じられない“派遣労働”大国イギリスの実情と教訓〜英ヘイズ・スペシャリスト・リクルートメント社の幹部に聞く」というのがありました。日英の雇用環境の違いがとてもわかりやすくまとまったインタビュー記事だと思います。宜しければご参考までに。
以前はかなり大きな反応をする指標でしたが、最近はなぜかあまり反応しません。とはいえ、直後1分足跳幅が20pips程度、直後11分足跳幅は40pipsも反応するので、日欧の雇用指標に比べると大きく反応します。
指標発表を跨いでポジションを持たずに、指標発表への反応方向を見てからポジションを取っても、同じ方向に反応が伸び続ける傾向があります。
【2. 既出情報】
以下、本議事録について既に公開されている情報を整理します。調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの25回分のデータに基づいています。
(2-1. 過去情報)
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
素直にグラフを見る限り、英国雇用状況は最近になって急速に改善しているように見えます。がしかし、現地報道や直近の解説記事を見る限り、どうも様子が異なるようです。
直近のEU離脱交渉開始を睨んで、現地企業では新規採用を手控え始めているという報道解説記事が目につきます。欧米では、そうした報道が増えると、求職活動を手控える人が増えるという話を読んだことがあります。更に、英国ではもともと派遣・契約(両者雇用形態の英国での違いは知りません)社員ばかりで、正社員というのは少ないのです。正社員であっても終身雇用という常識はないようです。
社員の新規採用を止め、次に派遣・契約社員の延長雇用を打ち切る、という順は日本と変わりません。いま、現地では、多くの企業が新規採用を手控え始めた、という報道が出はじめた段階です。
(2-2. 過去反応)
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
U. 分析
【3. 反応性分析】
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。
最近は、以前に比べて反応が小さくなっています。それでも発表直後は20pips以上跳ねるので、指標発表を挟んでポジションを持つ場合にはご注意ください。
直後1分足と直後11分足の方向一致率が75%あり、しかも方向一致時に反応が伸びた事例が72%と高くなっています。方向一致率と方向伸長事例率がともに70%を超える指標は、ほとんどありません。その点が本指標の特徴と言えるでしょう。
【4. 反応一致性分析】
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
取引に使える確度には達していないものの、過去の傾向から言えば陽線率が高かったようです。がしかし、今後しばらくはEU離脱交渉のため新規雇用を手控える企業が増える、と予想されます。数値にはまだ表れていないものの、変化を注視していきたいと思います。
【5. 指標一致性分析】
指標一致性分析は、指標の前回結果・市場予想・発表結果の差を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。
雇用指標では、失業保険申請件数や失業率が増えることは悪い状況です。例えば、「失業率が増える」と「陰線に反応」するのが素直です。よって、他の指標とは異なり、本来ならば不一致率が高いときが正常です。
現状は、ポジションが取れる70%以上・30%以下がありません。
【6. シナリオ作成】
以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。
今は無理に取引する環境ではありません。あまり過去の傾向通りに反応するとも言えない時期です。
2017年3月15日18:30発表
以下は2017年3月16日12:00頃に追記しています。
V. 結果
【7. 発表結果】
(7-1. 指標結果)
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
珍しく主要FX会社HPで市場予想が事前にないままの発表でした。なぜ市場予想がなかったのか、行われていなかったのか、行われていたけど何かの理由で今回は示されなかったのか、を週末に調べてみます。
(7-2. 取引結果)
取引結果は次の通りでした。
シナリオ1はギリギリまで粘った結果、約定に1・2秒を要して、記録を見るとちょうど発表時刻に約定となっていました。危ういところでした(遅れていたら10pips稼げたのですが、そういうのは同じだけ逆に動くリスクもあるので駄目です)。
シナリオ2はあと20秒我慢すれば20pips程度稼げました。が、これも結果論で勝てればOKです。
最も大きく勝てるのは、指標発表直前にポジションを取り、発表後の跳幅で利確するやり方です。
がしかし、そのようなやり方では、指標発表結果を当てるための根拠、発表結果によってどちらに反応するのかという根拠、反応がどれだけ伸びるかという根拠、がないと、なかなか勝てません。
それに比べてずっと簡単な方法が、発表前後の値動きの癖を記録しておくこと、です。例えば、多くの指標発表直前1分足は陰線になります。いくつかの指標発表では、発表直後の反応方向に、直後1分足終値がつく頃にポジションを取ると、直後11分足終値がつくまでに利確のチャンスがあります。
そういう場面がいつあるのか、を調べておけば、FXで負けるリスクは小さくできます。
【8. 調査分析検証】
事前調査分析内容を、以下に検証します
まず、指標について、です。事前の調査・分析結果は次の通りでした。
- 前々回は失業保険申請件数が、前回は失業保険申請件数と失業率がともに市場予想よりも大幅に改善されました。がしかし、前々回は僅かな陽線、前回は大きく陰線で反応しました。大幅改善なのに陰線、です。
本指標の発表を挟んでポジションを持つ場合には注意が必要です。実際、指標一致性分析では、取引に有意な差を見いだせていません。「指標が良ければ陽線」といった相関が強くも弱くもなく、データからは事前に読めない指標です。
今回の結果は、失業率が前回と同じ、新規失業保険申請件数もマイナスでした。数値だけを見る限りでは良い結果です(失業保険の申請が減るのですから)。がしかし、反応は陰線でした。
調査・分析通りの内容です。
こうした指標では、よほどの確信がない限り、指標発表を挟んでポジションを持つことができませんよね。英国経済指標は素直な反応をする傾向があるものの、雇用統計だけは指標結果と反応結果の説明がうまくできません。もちろん、こじつければ何だって説明できるものですが、それでは1回々々の取引前に過去の解釈がアテにできなくなってしまいます。
それよりも「指標発表結果と反応方向との関係が説明できない指標」とわかっていた方が、取引には便利です。発表を跨いだポジションさえ取らなければ良いのですから。
次に、シナリオについてです。
- がしかし、本指標への反応の仕方には特徴があります。
直後1分足と直後11分足の方向一致率が75%あり、しかも方向一致時に反応が伸びた事例が72%と高くなっています。方向一致率と同一方向伸長事例率がともに70%を超える指標は少ないのです。反応方向を確認してから追いかけてポジションを持ちやすい指標です。
直後1分足終値でポジションを取得し、直後11分足跳幅で解消した場合でも、過去のデータ平均値からは21pipsが狙えます(反応性分析)。
但し、現在の市場環境で過去と同じルールで求めた確率を適用することが適切か否かはわかりません。 - 反応一致性分析では、直前1分足の陰線率が71%と、高い傾向を示しています。また、直前1分足は直前10-1分足と逆方向に終値がついたことが71%となっています。
直前1分足は陰線、直後1分足値幅が10pipsで直後11分足の跳幅が46pips・終値が39pipsでした。過去の傾向通りの反応をしました。
【9. シナリオ検証】
結局のところ、指標発表結果を当てた成績、反応方向を当てた成績は、損益を見るのが一番です。但し、実際のポジションを取っての成績だけがアテになります。自分のお金でポジションを取る気がない調査・分析は、50%しか当たりません。あるいは、適用期間が曖昧な中長期の展望となります。中長期の展望も、自分でポジションを持っていないと、50%しか当たりません。
50%を55%に置き換えて読んでもらっても構わないのですが、古いニュース記事を読めばそのことは良くわかります。対象と期限が明確な経済分析で、2/3(67%)を当てられるエコノミストは、驚くほど少数しかいないのです。
本指標での本ブログ開始後の成績です。大した額ではありませんが、勝てば楽しいのです。
以上
もしこの記事が何か参考になったなら、どれか広告バナーをクリックして提携先に興味をお持ち頂けると幸いです。提携先はいずれも良心的なところを選んだつもりです。安心してください。
ーーー以下は広告ですーーー
ーーー注記ーーー
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上
2017年03月12日
4-4. 英国経済指標DB(3月12日更新)
【4-4-1. GBPの特徴】
ここ1-2年のGBPの動きは、少なくともアマチュアの定量的な経済分析が通用しない状況です。
つまり、ブリグジット騒ぎ以前は、EUにおいて独国に次ぐ経済好調な印象がありました。スコットランド独立騒動があったものの、一時はGBPJPYが200円近くまで上昇し、当時の解説記事では200円突破を確実視するような内容が多かったという記憶があります(2015年夏頃)。約1年後、2016年6月には国民投票でEU離脱が決まり、10月には安値122円までGBPは売られました。
ところが、2016年6月以降現在までをそれ以前と比べて、GDPはもとより実態指標・物価指標・景気指標・国際収支・雇用指標のいずれも悪化したとは言えません。ただただGBPが売られ続けた訳です。データなんか関係なしに不安感がGBPを売る動きに結び付いているのでしょうか。
では、経済指標が経済の実態を色々な面から表しているとするなら、雰囲気を表しやすい指標は株価です。ところが、英FTSEも凸凹はあるものの、やはり右上がりとなっています。とても、GBPの動きをアマチュアには解釈できません。
今後も暫くは、EU離脱交渉開始・スコットランド独立騒動再燃・資源価格低迷(原油50ドル前後で70ドルに達しない)と、GBPに悪い印象を与える事態が続きます。今後は経済指標が悪化し始めるかも知れないし、今後も過去1年間のように経済指標や株価に関係ないGBP売りが続くのかも知れません。
でもそろそろ、EU離脱しても英国ならそこそこやっていけそうだ、という見方も出始めて良い時期だと思います。
直近の現地報道における関心事は、EU離脱通告法案の行方です。既に大筋は上下院で可決されているものの、「EUとの交渉における重要事は内閣(首相)でなく議会が決定する」という追加条項案が下院で付け加えられたため、揉めているのです。揉めているから、どっちの結論にもその後の対EU交渉で悪い想定の報道が目立っています(当会所感)。
でもまあ、そりゃそうでしょう。そんなミョウチクリンな条件が加えられても対外交渉できるのは、権限と責任が曖昧なままでも何となく安心感をもって勤められる日本のサラリーマンだけです。
全く関係ない話で恐縮ですが、この曖昧な安心感は、こっちにとっては強みです。何しろ相手方の交渉者の恐怖心・焦燥感が、大事な交渉になればなるほどこっちの比ではないことが伝わってきます。そういう実務上の経験から言えば、日本人が交渉下手なんて通説は、本当にそうした交渉事を任せてもらえない人の想像話でしょう。交渉担当者の余裕の有無が結果に結び付きやすいのは当然のことなのです。FXも同じですよ。
ともあれ、この法案修正の是非が13-14日に下院再審議となっています。この再審議の結果次第で、対EU交渉を悲観してGBPが動く可能性があります。
【4-4-2. 現状チャート】
上記の通り、に加え、FOMC終了まで分析中止です。
【4-4-3. 現状テクニカル】
これも、現在は細かなテクニカルが役立つ情勢とも思えないので、数字を挙げるだけです。
【4-4-4. 現状ファンダメンタル】
同じです。
【4-4-5. 今週経済指標】
3月15日(水)18:30に英雇用統計、3月16日(木)21:00にBOE政策金利が発表されます。
いずれも過去の傾向から言って、大きな反応が想定されます。
【4-4-6. 指標分析一覧】
A. 政策決定指標
A1. 金融政策
2017年1月17日にBOE総裁は「今後数年間の英成長は鈍化する見込み」で「個人消費の進展が政策にとっての鍵になる」と発言しています。また、2017年2月2日に四半期インフレ報告で「インフレ見通しが2017年は2.7%、2018年は2.6%」と示されました。
(1) BOE政策金利(2017年3月16日21:00発表予定、事前分析済)
(2) MPC議事録(上記と同時発表)
(3) 四半期インフレ報告(上記と同時発表)
A3. 景気指標
A31. 産業
(1) 製造業PMI(2017年3月1日発表結果検証済)
(2) サービス業PMI(2017年3月3日発表結果検証済)
A4. 物価指標
主要国でCPI・RPI・PPIが一度に発表されるのは英国だけです。CPIやRPIの発表結果が揃って改善/悪化すると、驚くほど大きく反応するので注意が必要です。
(1) 消費者物価指数・小売物価指数・生産者物価指数(2017年2月14日発表結果分析済)
A5. 雇用指標
英国経済指標は、指標発表結果に対して素直な反応をしがちです。がしかし、雇用統計だけは別です。指標発表結果の良し悪しに予想がついても、どちらに反応するかがわからない指標です。発表を跨いでポジションを取っても良い指標ではありません。
(1) 失業保険申請件数・失業率(2017年3月15日発表結果検証済)
B. 経済情勢指標
B1. 経済成長
(1) 四半期GDP速報値
(2) 四半期GDP改定値(2017年2月22日発表結果検証済)
(3) 四半期GDP確定値
B3. 実態指標
B31. 消費
(1) 小売売上高指数(2017年2月17日発表結果検証済)
B32. 製造
(1) 鉱工業生産(2017年3月10日発表結果検証済済)
以上