2017年04月03日
英国景気指標「製造業PMI」発表前後のGBPJPY反応分析(2017年4月3日17:30発表結果検証済)
以下、「T.調査」「U.分析」を事前投稿し、「V.結果」「W.検証」を事後投稿しています。ブログの日付は事前投稿日となっています。事後投稿の日時は「V.結果」のタイトル行付近に記載しています。
2017年4月3日17:30に英国景気指標「製造業PMI」が発表されます。今回発表は2017年3月分の集計結果です。
本指標の要点は下表に整理しておきました。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
PMIは、企業購買担当者に直接調査して算出されるため、景気実態を正確に反映した先行指標と言われています。
一般論として、製造業の材料・部品調達は、数か月先の取引先動向や製品需要から仕入れを行うため先行性がある、と考えられます。それよりは先行性が劣るものの、サービス業も販売機会喪失を避けるため、消費者の動向に先んじようと必死です。
但し、景況感の「先行性」については、以前ほど当てにならないようです。昔とは違って、流通経路が可視化・効率化され、企業購買部門の力量が向上し、国内サービス業を介さずに海外と直接取引を行うことができるから、です。サービス業の仕入れに至っては、ほぼ消費動向とリアルタイムで一致しつつあるのです。
指数の解釈は、50%を上回ると景気拡大・50%を下回ると景気後退、です。
指数の意義は、景気転換をGDPよりも先行示唆することと、です。
以下、本議事録について既に公開されている情報を整理します。調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの26回分のデータに基づいています。
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
今回の市場予想は、前回結果より0.4ポイントの改善となっています。
なお、先週発表された3月GFK消費者信頼感調査では対前月同値でマイナスとなっていました。
2月は、小売売上高指数前月比が改善し、失業保険申請件数がマイナスとなったものの、鉱工業生産指数前月比・製造業生産指数前月比が悪化しています。そして、3月の現地報道は、EU離脱交渉の難航を予想させる内容が多かったようです。
3月はブリグジット関連法案が議会承認され、月末に英国はEUに離脱通告を行いました。EU側からは「英国の良いとこ取りは許さない」という発言が行われ、国民投票時に離脱派が訴えていた分担金負担が当面は免除されず、分担金を始め英国が義務を果たさない限りEUは通商協議を始めない、との報道が多く行われました。
MPC政策金利発表時や2016年10-12月期GDP確報値発表時には、成長率は高かったものの、インフレ率がBOE目標に達し(物価上昇)、MPCメンバーから利上げ主張や、今後の消費低迷に繋がる懸念を示す報道も多かったように見受けられます。
市場予想が前回結果よりも0.4ポイント改善というのは甘く、むしろ悪化するのではないでしょうか。
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
直前10-1分足跳幅が10pips以上だったことが16回(母数26回)、20pips以上だったことが7回、もあります。そして直前1分足跳幅も10pips以上に達したことが7回あります。発表前から、かなり動くことが多いのでご注意ください。
ちなみに、発表前に大きく動いたから発表後も大きく動くという関係は見出せていません。
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。
直後11分足は、直後1分足との方向一致率が84%、方向一致時に終値が直後1分足終値より伸びていたことが56%となっています。直後11分足跳幅を狙って、慎重になら追いかけても良いかも知れません。但し、跳幅狙いですから、ポジション保有時間は短くすべきでしょう。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
直前1分足の陰線率が73%となっています。
指標一致性分析は、指標の前回結果・市場予想・発表結果の差を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。
本指標では、今回から事後差異に前回結果を含まず、市場予想と発表結果の差を事後差異としています。
事後差異と直後1分足・直後11分足との方向一致率が100%・88%と極めて高くなっています。
以下のシナリオで臨みます。
以下は2017年4月5日22:15頃に追記しています。
結果は54.2で、市場予想55.0を下回りました。2月も55.6から54.5に下方修正されたものの、発表結果はそれをも下回りました。
今回発表結果は4カ月ぶりの低い水準でした。インフレ圧力が高まっており、消費者向け製品への需要が低迷しているため、という解説記事がありました。
これで、製造業PMIは12月からは3カ月連続で低下しており、今年1-3月期の製造業は減速となるでしょう。
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
取引結果は次の通りでした。
事前調査分析内容を、以下に検証します
発表結果は前回結果を下回り、ほぼ分析通りの結果となりました。
シナリオは次の通りでした。
結果は、直前1分足・直後1分足・直後11分足のいずれも陰線でした。直後11分足終値は、直後1分足終値よりも反応が伸びました。
本ブログを始めて、本指標での取引結果を下表に纏めておきます。
もしこの記事が何か参考になったなら、どれか広告バナーをクリックして提携先に興味をお持ち頂けると幸いです。提携先はいずれも良心的なところを選んだつもりです。安心してください。
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
2017年4月3日17:30に英国景気指標「製造業PMI」が発表されます。今回発表は2017年3月分の集計結果です。
本指標の要点は下表に整理しておきました。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
- 本指標での取引における注意点が3点あります。
まず、英国重要指標全般に言えることですが、指標発表結果への反応が大きいことです。
そして本指標の場合、発表前にも直前10-1分足跳幅が10pips以上だったことが16回(母数26回)、20pips以上だったことが7回、もあります。ちなみに、発表前に大きく動いたから発表後も大きく動くという関係は見出せていません。
最後に、指標一致性分析の結果、本指標には直後1分足・直後11分足と事後差異の方向一致率が100%・88%と極めて高い、という特徴があります。 - 今回発表についてです。
市場予想が前回結果よりも0.4ポイント改善というのは甘く、むしろ悪化するのではないでしょうか。
論拠は、先週発表された3月GFK消費者信頼感調査が対前月同値でマイナスとなっていたこと、2月の鉱工業生産指数前月比・製造業生産指数前月比が悪化していたこと、そして3月の現地報道は、EU離脱交渉の難航を予想させる内容が多く、MPCメンバーから利上げ主張が行われるほどインフレが急速で、今後の消費低迷に繋がる懸念を示す報道が多かったように見受けられるため、です。 - シナリオです。
まず、直前1分足の陰線率が73%となっています。跳幅の過去平均である9pipsを狙います。
次に、上項の定性分析結論に依り、直後1分足は陰線と見込みます。跳幅の過去平均24pipsを狙います。
そして、直後11分足は、直後1分足との方向一致率が84%、方向一致時に終値が直後1分足終値より伸びていたことが56%となっています。直後11分足跳幅を狙って、短時間ならば追いかけても良いと考えています。直後1分足終値と直後11分足跳幅の差は過去平均で19pipsです。発表直後跳幅に次いで2番頂(谷)をつけることが多い発表後4分頃までにポジション解消とします。
ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
T.調査
【1. 指標概要】
PMIは、企業購買担当者に直接調査して算出されるため、景気実態を正確に反映した先行指標と言われています。
一般論として、製造業の材料・部品調達は、数か月先の取引先動向や製品需要から仕入れを行うため先行性がある、と考えられます。それよりは先行性が劣るものの、サービス業も販売機会喪失を避けるため、消費者の動向に先んじようと必死です。
但し、景況感の「先行性」については、以前ほど当てにならないようです。昔とは違って、流通経路が可視化・効率化され、企業購買部門の力量が向上し、国内サービス業を介さずに海外と直接取引を行うことができるから、です。サービス業の仕入れに至っては、ほぼ消費動向とリアルタイムで一致しつつあるのです。
指数の解釈は、50%を上回ると景気拡大・50%を下回ると景気後退、です。
指数の意義は、景気転換をGDPよりも先行示唆することと、です。
【2. 既出情報】
以下、本議事録について既に公開されている情報を整理します。調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの26回分のデータに基づいています。
(2-1. 過去情報)
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
今回の市場予想は、前回結果より0.4ポイントの改善となっています。
なお、先週発表された3月GFK消費者信頼感調査では対前月同値でマイナスとなっていました。
2月は、小売売上高指数前月比が改善し、失業保険申請件数がマイナスとなったものの、鉱工業生産指数前月比・製造業生産指数前月比が悪化しています。そして、3月の現地報道は、EU離脱交渉の難航を予想させる内容が多かったようです。
3月はブリグジット関連法案が議会承認され、月末に英国はEUに離脱通告を行いました。EU側からは「英国の良いとこ取りは許さない」という発言が行われ、国民投票時に離脱派が訴えていた分担金負担が当面は免除されず、分担金を始め英国が義務を果たさない限りEUは通商協議を始めない、との報道が多く行われました。
MPC政策金利発表時や2016年10-12月期GDP確報値発表時には、成長率は高かったものの、インフレ率がBOE目標に達し(物価上昇)、MPCメンバーから利上げ主張や、今後の消費低迷に繋がる懸念を示す報道も多かったように見受けられます。
市場予想が前回結果よりも0.4ポイント改善というのは甘く、むしろ悪化するのではないでしょうか。
(2-2. 過去反応)
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
直前10-1分足跳幅が10pips以上だったことが16回(母数26回)、20pips以上だったことが7回、もあります。そして直前1分足跳幅も10pips以上に達したことが7回あります。発表前から、かなり動くことが多いのでご注意ください。
ちなみに、発表前に大きく動いたから発表後も大きく動くという関係は見出せていません。
U. 分析
【3. 反応性分析】
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。
直後11分足は、直後1分足との方向一致率が84%、方向一致時に終値が直後1分足終値より伸びていたことが56%となっています。直後11分足跳幅を狙って、慎重になら追いかけても良いかも知れません。但し、跳幅狙いですから、ポジション保有時間は短くすべきでしょう。
【4. 反応一致性分析】
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
直前1分足の陰線率が73%となっています。
【5. 指標一致性分析】
指標一致性分析は、指標の前回結果・市場予想・発表結果の差を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。
本指標では、今回から事後差異に前回結果を含まず、市場予想と発表結果の差を事後差異としています。
事後差異と直後1分足・直後11分足との方向一致率が100%・88%と極めて高くなっています。
【6. シナリオ作成】
以下のシナリオで臨みます。
以上
2017年4月3日17:30発表
以下は2017年4月5日22:15頃に追記しています。
V. 結果
【7. 発表結果】
結果は54.2で、市場予想55.0を下回りました。2月も55.6から54.5に下方修正されたものの、発表結果はそれをも下回りました。
今回発表結果は4カ月ぶりの低い水準でした。インフレ圧力が高まっており、消費者向け製品への需要が低迷しているため、という解説記事がありました。
これで、製造業PMIは12月からは3カ月連続で低下しており、今年1-3月期の製造業は減速となるでしょう。
(7-1. 指標結果)
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
(7-2. 取引結果)
取引結果は次の通りでした。
【8. 調査分析検証】
事前調査分析内容を、以下に検証します
- 市場予想が前回結果よりも0.4ポイント改善というのは甘く、むしろ悪化するのではないでしょうか。
論拠は、先週発表された3月GFK消費者信頼感調査が対前月同値でマイナスとなっていたこと、2月の鉱工業生産指数前月比・製造業生産指数前月比が悪化していたこと、そして3月の現地報道は、EU離脱交渉の難航を予想させる内容が多く、MPCメンバーから利上げ主張が行われるほどインフレが急速で、今後の消費低迷に繋がる懸念を示す報道が多かったように見受けられるため、です。
発表結果は前回結果を下回り、ほぼ分析通りの結果となりました。
【9. シナリオ検証】
シナリオは次の通りでした。
- まず、直前1分足の陰線率が73%となっています。跳幅の過去平均である9pipsを狙います。
次に、上項の定性分析結論に依り、直後1分足は陰線と見込みます。跳幅の過去平均24pipsを狙います。
そして、直後11分足は、直後1分足との方向一致率が84%、方向一致時に終値が直後1分足終値より伸びていたことが56%となっています。直後11分足跳幅を狙って、短時間ならば追いかけても良いと考えています。直後1分足終値と直後11分足跳幅の差は過去平均で19pipsです。発表直後跳幅に次いで2番頂(谷)をつけることが多い発表後4分頃までにポジション解消とします。
結果は、直前1分足・直後1分足・直後11分足のいずれも陰線でした。直後11分足終値は、直後1分足終値よりも反応が伸びました。
本ブログを始めて、本指標での取引結果を下表に纏めておきます。
以上
もしこの記事が何か参考になったなら、どれか広告バナーをクリックして提携先に興味をお持ち頂けると幸いです。提携先はいずれも良心的なところを選んだつもりです。安心してください。
ーーー以下は広告ですーーー
ーーー注記ーーー
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/6123395
この記事へのトラックバック