2017年04月20日
英国実態指標「小売売上高指数」発表前後のGBPJPY反応分析(2017年4月21日17:30発表結果検証済)
以下、「T.調査」「U.分析」を事前投稿し、「V.結果」「W.検証」を事後投稿しています。ブログの日付は事前投稿日となっています。指標発表後に事後投稿し、その日時は「V.結果」のタイトル行付近に記載しています。
2017年4月21日17:30に英国実態指標「小売売上高指数」が発表されます。今回発表は2017年3月分の集計結果です。
本指標の要点は下表に整理しておきました。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
公開情報や既出情報に基づく調査を行っています。
本指標の調査対象は、自動車販売店を除いた小売業・飲食店など5000社です。小売売上高は英国に限らず天候・季節が影響します。特に1月発表(前年12月分)はクリスマス商戦の影響で毎月の結果よりも大きく変動することが知られています。
英国の個人消費はGDPの約40%を占めるため、GDPの先行指標として本指標には意義があります。
発表元は英国国家統計局、時期は翌月中旬です。
以下の調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの26回分のデータに基づいています。
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
今回の市場予想は、前年比+3.8%(前回+3.7%)、前月比△0.5%(前回+1.4%)、となっています。
関連指標を見てみましょう。
BRC小売売上高3月分データが4月11日に発表されています。結果は前年比が△1.0%で、この数字は昨年8月(△0.9%)以来の落ち込みで、直近の悪い数字△0.6%(1月)も下回っていました。
ところで、本指標でBRC結果の大きな落ち込みのあった月を調べてみると、昨年は8月分データ、今年は1月分データです。つまり、小売売上高指数前年比の大きな落ち込みは、BRCとより時期が一致しています。もし時期的なズレがあったとしても、BRC前年比は1-3月分データは3か月連続でマイナスとなっています。
よって、本指標前年比の今回の市場予想+3.7%という数字は高すぎる、と思います。
次に、前月比を見てみましょう。ここ最近は3月にあったイースター休暇が今年は4月に後ズレしています。その結果、BRCの3月既存店売上は2015年夏以来の大きな落ち込みだった、と発表されています。
今回本指標の前月比は△0.5%(前回+1.4%)と、小さくはない落ち込みが予想されています。ただ、△0.5%という数字が、本指標算出方法では大きい低下か小さい低下かが考察すべき点です。参考にすべき直近のデータを見ると、昨年6月分データが△0.9%、12月分データが△1.9%です。つまり、今回の市場予想△0.5%という数字は、本指標前月比の数字として大きな低下量ではありません。
よって、本指標前月比の今回の市場予想△0.5%という数字は高すぎる、と思います。
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
他の指標と違って、直前10-1分足が大きく動いています。過去の平均跳幅が22pipsと、そんじょそこらの発表直後反応よりも大きくなっています。直前1分足のヒゲも大きいものが目立っています。早めにポジションを取りがちな方は、この指標に関しては止めておいた方が良いでしょう。後述する反応一致性分析では、直前10-1分足や直前1分足の方向と、直後1分足や直後11分足の方向には、決め手になるような強い相関がありません。
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。
直後1分足と直後11分足の方向一致率が72%となっています。そして、方向一致時に直後11分足終値が直後1分足終値よりも反応が伸びていた事例は67%です。気を付ければ追いかけてポジションを持っても良い数字です。指標発表前のトレンドが強すぎないか気を付けておきましょう。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
直前1分足の陰線率が78%です。
指標一致性分析は、指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、発表結果と市場予想の差(事後差異)を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。
まず、直前10-1分足は、事前差異(今回はマイナス)との方向一致率が72%となっています。
また、直前10-1分足は事後差異との方向一致率も72%となっています。そして、事後差異と直後11分足の方向一致率が80%となっています。発表結果に対しては素直に反応する傾向が強いようです。
シナリオは、巻頭箇条書きのシナリオの項をご参照願います。
以下は2017年4月21日20:55頃に追記しています。
同時発表された四半期小売売上高指数は前期比△1.4%で、2010年以来7年ぶりの大幅なマイナスだったそうです。原因は、物価上昇に伴い家計支出が失速しているため、との分析がありました。この小売売上高指数低下によって、第1四半期の経済成長率は0.1ポイント押し下げられる、とのことです。
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
指標発表結果は、前月比が△1.8%(市場予想△0.5%)、前年比が+1.7%(市場予想+3.3%)でした。
直後1分足・直後11分足ともに陰線で、反応は伸びました。
取引結果は次の通りでした。
事前調査分析内容を、以下に検証します
問題ありません。
事前準備していたシナリオは次の通りです。
直前1分足は分析を外し、その結果、損切となりました。確率上の問題ですから、問題ありません。
下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。
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本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
2017年4月21日17:30に英国実態指標「小売売上高指数」が発表されます。今回発表は2017年3月分の集計結果です。
本指標の要点は下表に整理しておきました。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
- まず、本指標で取引する上での注意点です。
(1) 上表からわかるように、反応が大きな指標です。他の指標と違って指標発表前の直前10-1分足ですら、過去の平均跳幅が22pipsで、この数字はそんじょそこらの指標発表直後の反応よりも大きいのです。直前1分足の大きなヒゲも目立ち、発表直後の反応は過去46%が30pipsを超えています。
早めにポジションを取りがちな方は、この指標に関しては止めておいた方が良いでしょう。後述する反応一致性分析では、直前10-1分足や直前1分足の方向と、直後1分足や直後11分足の方向には、決め手になるほど強い相関がないからです。
(2) 本指標は、指標一致性分析の結果、直後1分足・直後11分足が事後差異と方向一致率72%・80%と高いという特徴があります。市場予想に対する発表結果の大小が、反応に素直に現れがちな指標です。
(3) 現在の市場環境は、仏大統領選第1回投票を週末に控えたリスク回避の動きと、先々週からのリスク継続でそろそろ感が強まっている動き(良い材料には過敏に反応する)も散見され始めています。英国では、一昨日に英首相の選挙前倒し発表があり、昨日の報道では与党優勢との分析を伝える報道も増えています。複雑な動きとなる可能性もある市場環境ですから、その点はご注意ください。 - 指標については次の通りです。
今回の市場予想は、前年比+3.8%(前回+3.7%)、前月比△0.5%(前回+1.4%)、となっています。この市場予想は、前年比・前月比ともにやや高めで、結果はこれを下回ると分析しています。
根拠は、4月11日に発表されたBRC小売売上高との対比です。 - シナリオは次の通りです。
(1) 直前10-1分足は、指標一致性分析の結果、事前差異(今回はマイナス)との方向一致率が72%となっています。陰線です。
(2) 直前1分足は、反応一致性分析の結果、陰線率が78%です。
(3) 直後1分足は、上記指標定性分析結論により、市場予想を下回るため陰線、と予想しています。
(4) 直後11分足は、反応性分析の結果、直後1分足との方向一致率が72%となっています。そして、方向一致時に直後11分足終値が直後1分足終値よりも反応が伸びていた事例は67%です。気を付ければ追いかけてポジションを持っても良い数字です。指標発表前のトレンドが逆側に強すぎないかだけ、事前に気を付けておきましょう。
T.調査
公開情報や既出情報に基づく調査を行っています。
【1. 指標概要】
本指標の調査対象は、自動車販売店を除いた小売業・飲食店など5000社です。小売売上高は英国に限らず天候・季節が影響します。特に1月発表(前年12月分)はクリスマス商戦の影響で毎月の結果よりも大きく変動することが知られています。
英国の個人消費はGDPの約40%を占めるため、GDPの先行指標として本指標には意義があります。
発表元は英国国家統計局、時期は翌月中旬です。
【2. 既出情報】
以下の調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの26回分のデータに基づいています。
(2-1. 過去情報)
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
今回の市場予想は、前年比+3.8%(前回+3.7%)、前月比△0.5%(前回+1.4%)、となっています。
関連指標を見てみましょう。
BRC小売売上高3月分データが4月11日に発表されています。結果は前年比が△1.0%で、この数字は昨年8月(△0.9%)以来の落ち込みで、直近の悪い数字△0.6%(1月)も下回っていました。
ところで、本指標でBRC結果の大きな落ち込みのあった月を調べてみると、昨年は8月分データ、今年は1月分データです。つまり、小売売上高指数前年比の大きな落ち込みは、BRCとより時期が一致しています。もし時期的なズレがあったとしても、BRC前年比は1-3月分データは3か月連続でマイナスとなっています。
よって、本指標前年比の今回の市場予想+3.7%という数字は高すぎる、と思います。
次に、前月比を見てみましょう。ここ最近は3月にあったイースター休暇が今年は4月に後ズレしています。その結果、BRCの3月既存店売上は2015年夏以来の大きな落ち込みだった、と発表されています。
今回本指標の前月比は△0.5%(前回+1.4%)と、小さくはない落ち込みが予想されています。ただ、△0.5%という数字が、本指標算出方法では大きい低下か小さい低下かが考察すべき点です。参考にすべき直近のデータを見ると、昨年6月分データが△0.9%、12月分データが△1.9%です。つまり、今回の市場予想△0.5%という数字は、本指標前月比の数字として大きな低下量ではありません。
よって、本指標前月比の今回の市場予想△0.5%という数字は高すぎる、と思います。
(2-2. 過去反応)
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
他の指標と違って、直前10-1分足が大きく動いています。過去の平均跳幅が22pipsと、そんじょそこらの発表直後反応よりも大きくなっています。直前1分足のヒゲも大きいものが目立っています。早めにポジションを取りがちな方は、この指標に関しては止めておいた方が良いでしょう。後述する反応一致性分析では、直前10-1分足や直前1分足の方向と、直後1分足や直後11分足の方向には、決め手になるような強い相関がありません。
U. 分析
【3. 反応性分析】
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。
直後1分足と直後11分足の方向一致率が72%となっています。そして、方向一致時に直後11分足終値が直後1分足終値よりも反応が伸びていた事例は67%です。気を付ければ追いかけてポジションを持っても良い数字です。指標発表前のトレンドが強すぎないか気を付けておきましょう。
【4. 反応一致性分析】
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
直前1分足の陰線率が78%です。
【5. 指標一致性分析】
指標一致性分析は、指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、発表結果と市場予想の差(事後差異)を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。
まず、直前10-1分足は、事前差異(今回はマイナス)との方向一致率が72%となっています。
また、直前10-1分足は事後差異との方向一致率も72%となっています。そして、事後差異と直後11分足の方向一致率が80%となっています。発表結果に対しては素直に反応する傾向が強いようです。
【6. シナリオ作成】
シナリオは、巻頭箇条書きのシナリオの項をご参照願います。
2017年4月21日17:30発表
以下は2017年4月21日20:55頃に追記しています。
V. 結果
【7. 発表結果】
同時発表された四半期小売売上高指数は前期比△1.4%で、2010年以来7年ぶりの大幅なマイナスだったそうです。原因は、物価上昇に伴い家計支出が失速しているため、との分析がありました。この小売売上高指数低下によって、第1四半期の経済成長率は0.1ポイント押し下げられる、とのことです。
(7-1. 指標結果)
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
指標発表結果は、前月比が△1.8%(市場予想△0.5%)、前年比が+1.7%(市場予想+3.3%)でした。
直後1分足・直後11分足ともに陰線で、反応は伸びました。
(7-2. 取引結果)
取引結果は次の通りでした。
【8. 調査分析検証】
事前調査分析内容を、以下に検証します
- 今回の市場予想は、前年比+3.8%(前回+3.7%)、前月比△0.5%(前回+1.4%)、となっています。この市場予想は、前年比・前月比ともにやや高めで、結果はこれを下回ると分析しています。
根拠は、4月11日に発表されたBRC小売売上高との対比です。
問題ありません。
【9. シナリオ検証】
事前準備していたシナリオは次の通りです。
- (1) 直前10-1分足は、指標一致性分析の結果、事前差異(今回はマイナス)との方向一致率が72%となっています。陰線です。
(2) 直前1分足は、反応一致性分析の結果、陰線率が78%です。
(3) 直後1分足は、上記指標定性分析結論により、市場予想を下回るため陰線、と予想しています。
(4) 直後11分足は、反応性分析の結果、直後1分足との方向一致率が72%となっています。そして、方向一致時に直後11分足終値が直後1分足終値よりも反応が伸びていた事例は67%です。気を付ければ追いかけてポジションを持っても良い数字です。指標発表前のトレンドが逆側に強すぎないかだけ、事前に気を付けておきましょう。
直前1分足は分析を外し、その結果、損切となりました。確率上の問題ですから、問題ありません。
下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。
以上
もしこの記事が何か参考になったなら、どれか広告バナーをクリックして提携先に興味をお持ち頂けると幸いです。提携先はいずれも良心的なところを選んだつもりです。安心してください。
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ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
ーーー注記ーーー
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上
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