2017年04月10日
英国物価指標「CPI・RPI・PPI」発表前後のGBPJPY反応分析(2017年4月11日17:30発表結果検証済)
以下、「T.調査」「U.分析」を事前投稿し、「V.結果」「W.検証」を事後投稿しています。ブログの日付は事前投稿日となっています。事後投稿の日時は「V.結果」のタイトル行付近に記載しています。
この段落、11日09:00頃に加筆しました。
今朝08:01に発表された3月分BRC小売売上高調査前年比の結果は△1.0%でした。これは、前回結果(△0.4%)・市場予想(△0.3%)を下回っています。よって、下記修正せず、そのままとします。
2017年4月11日17:30に英国物価指標「CPI・RPI・PPI」が発表されます。CPIは消費者物価指数、RPIは小売物価指数、PPIは生産者物価指数、のことです。今回発表は2017年3月分の集計結果です。
同日朝08:01に実態指標「BRC小売売上高調査」が発表されます。3月物価動向を考察するため、結果を見ておきましょう。また、本指標発表から30分後の18:00には、独欧ZEW・独鉱工業生産が発表されます。これら指標が次に発表される影響は過去の経験から無視しても差し支えありません。
本指標の要点は下表に整理しておきました。
市場は明らかに前月結果から低下を予想しています。また、過去平均の反応は31pipsに達しており、大きな反応をする指標だと言えるでしょう。過去92%は15pips以上の反応となっています。直後1分足跳幅が過去最大のときは69pips(2015年7月分データ、同年8月18日発表)でした。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
以下、「T.調査」「U.分析」を事前投稿し、「V.結果」「W.検証」を事後投稿しています。事後投稿日時は「V.結果」のタイトル行付近に記載しています。
物価は、生産者→小売→消費者の順に波及すると考えられます。他の主要国ではこれら物価指数が別々に発表されますが、英国は一度に発表しています。
CPIは、消費者の製品・サービス購入価格を指数化した指標で、どの国でも最重視されています。英国は年2%のインフレ目標が設定されています。CPIコアは、CPIから価格変動の激しいエネルギー・食品・タバコ・アルコールを除いた数値を指しています。英国ではタバコ・アルコールの価格変動が大きいのでしょうか。不思議です。
RPIに含まれてCPIに含まれない対象に住宅費があります。RPIではCPIよりも数値が高くなります。RPIコアは、RPIから価格変動の激しいエネルギー・食品・タバコ・アルコールを除いた数値を指しています。英国では年金給付額が法律によってRPI規準で決定されています。
PPIはあまり大きな反応を生じないように見受けられます。
以下、本議事録について既に公開されている情報を整理します。調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの26回分のデータに基づいています。
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
上から、CPI・RPI・PPIの順です。CPIとRPIは黒線がコア前年比で、他が前年比・前月比です。PPIはコア前年比のみ示しています。過去の傾向を見る限り、CPI>RPI>PPIのコア前年比の順、そしてCPIとRPIは前年比>前月比の順に反応に寄与します。
もうご存知だと思いますが、グラフで市場予想だけの変化は取引に何ら関係ありません。市場予想はそれぞれ前月結果と見比べて意味を持ちます。
先述の通り、今回の市場予想はPPIコアを除いて、前回結果よりも同値か低下をしています。今回の事前差異はマイナスと覚えておきましょう。
関連指標を見てみます。
まず、3月分景気指標を2月分と比べると、製造業・建設業PMIが低下、サービス業PMIが上昇です。GFK消費者信頼感調査はマイナスで横這いです。
次に、実態指標は住宅関連以外がまだ3月分が公表されておらず、2月分を1月分と比べてみましょう。鉱工業生産指数・製造業生産指数は前月比マイナスとなっています。但し、小売売上高指数はプラスに改善となっています。3月分住宅関連指標は総じて価格上昇が鈍化しています(ライトムーブ住宅価格前月比・ネーションワイド住宅価格前月比)。
関連指標は、小売売上高指数を除き、全て前月よりも同値か低下となっています。
その小売売上高指数について、もっと詳しく見てみましょう。FX会社HP等で過去の推移を表示できる人は、ご自身で確認を願います。
2月が前月比プラスとなっていたものの、その水準は翌3月の悪化を予感させる位置にあります。小売売上高指数前月比は、プラスとマイナスを周期的に繰り返す傾向があります。3月はマイナスのタイミングに当たります。
過去の結果を見てみましょう。2013年以降2016年までの過去4回の3月データは、4回とも前月よりも低くなっています(4回のうち3回がマイナス、2014年のみがプラスで前月よりも低下)。
今回は、市場予想も前回結果よりも低くなっていますが、結果は更に下がるのではないでしょうか。
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
直前10-1分足には陽線、直前1分足には陰線が目立ちます。但し、直前1分足は最近、以前よりも陰線率が下がっているように見受けられます。後記する反応一致性分析で、数字を確認しておきましょう。
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。
直後11分足は、直後1分足との方向一致率が68%、方向一致時に終値が直後1分足終値を超えて伸びていたことが47%しかありません。指標発表後の反応方向を確認しても、とても追いかけてポジションを取って良い数字ではありません。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
直前10-1分足は陽線率が73%、直前1分足は陰線率が78%となっています。
指標一致性分析は、指標の前回結果・市場予想・発表結果の差を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。
直後1分足は、事前差異との方向一致率が82%となっています。
また、事後差異との方向一致率も80%となっているものの、直後11分足と事後差異との方向一致率は54%しかありません。このことは初期反応こそ発表結果に対して素直なものの、発表後11分後にはどちらに反応するかがわからない、ということです。
以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。
以下は2017年4月11日21:20頃に追記しています。
結果はCPIコア前年比が市場予想通り、RPIコア前年比が市場予想を0.1%下回り、PPIコア前年比が市場予想を上回りました。
CPI前年比については、今後3%への上昇を見込む解説が多く見受けられます。今後上昇の論拠は、4月に電力料金値上げが予定されていることと、ポンド安が挙げられていました。
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
取引結果は次の通りでした。
事前調査分析内容を、以下に検証します
結果は、消費者物価指数(CPI)コア前年比が市場予想通りで、小売物価指標(RPI)コア前年比が市場予想を下回りました。
反応は分析通り陰線でしたが、これはCPIコア前年比が前月結果を下回る市場予想だったため、と考えられます。また次に重視すべきRPIコア前年比は市場予想を下回り、この結果も直後1分足を陰線にした原因と考えられます。
当初、指標発表後の動きでわからなかったことは、指標発表後2本目の1分足形成途中で大きく反転し始めた点です。巻頭箇条書きの注意点で、反応が一方向に伸び難い指標であることは承知していたものの、2本目か3本目の1分足から急激に陽線側へと転じた点が不可解でした。急すぎる点が不可解でした。
この動きは、英国債金利が本指標発表と前後して急上昇していたようです。金利急騰の理由は、今回のCPI前年比が市場予想通りに低下しなかった(しそうもなかった)ことで、来月以降近々にCPI前年比の3%到達が確実視されたようです。CPI前年比(コアではありません)の3%突破は、利上げに繋がると見る向きが多かったのでしょう。
事前準備していたシナリオは次の通りです。
シナリオ1はポジション取得を諦めました。
もともと直前10-1分足では、無理にポジションを取るつもりがなかった上に、ポジション取得を迷っていた17:20頃は、ちょうど1分足チャート上で小レジスタンスに当たっていました。結果的には陽線となったようですが、危ない橋を渡る必要はないので、判断良しとします。
シナリオ2は分析を外しました。但し、これは確率上のことゆえ仕方ありません。
シナリオ3は分析通りでした。今回は巻頭箇条書きの注意点に記載の通り、反応方向を見てから追撃ポジションを取るつもりがありませんでした。その結果、つい通常よりも長く、ポジションを持ちました。結果的には最も良い時点で利確できました(もし最大利確できても、せいぜいあと1pipsぐらい)。こういうことも、たまにあります。
下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。
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本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
この段落、11日09:00頃に加筆しました。
今朝08:01に発表された3月分BRC小売売上高調査前年比の結果は△1.0%でした。これは、前回結果(△0.4%)・市場予想(△0.3%)を下回っています。よって、下記修正せず、そのままとします。
ーーー以下、10日12:00頃の投稿分ですーーー
2017年4月11日17:30に英国物価指標「CPI・RPI・PPI」が発表されます。CPIは消費者物価指数、RPIは小売物価指数、PPIは生産者物価指数、のことです。今回発表は2017年3月分の集計結果です。
同日朝08:01に実態指標「BRC小売売上高調査」が発表されます。3月物価動向を考察するため、結果を見ておきましょう。また、本指標発表から30分後の18:00には、独欧ZEW・独鉱工業生産が発表されます。これら指標が次に発表される影響は過去の経験から無視しても差し支えありません。
本指標の要点は下表に整理しておきました。
市場は明らかに前月結果から低下を予想しています。また、過去平均の反応は31pipsに達しており、大きな反応をする指標だと言えるでしょう。過去92%は15pips以上の反応となっています。直後1分足跳幅が過去最大のときは69pips(2015年7月分データ、同年8月18日発表)でした。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
- まず、本指標取引にあたっての注意点です。
反応性分析の結果、直後11分足は、直後1分足との方向一致率が68%で、方向一致時に終値が直後1分足終値を超えて伸びていたことが47%しかありません。
このことは、指標一致性分析の結果が、直後1分足と事後差異との方向一致率も80%もあるものの、直後11分足と事後差異との方向一致率は54%しかないことで裏付けられています。初期反応こそ発表結果に対して素直なものの、発表後11分後にはどちらに反応するかがわからない、ということです。
本指標は、過去の傾向から言えば、追撃ポジションを取っても良い指標ではありません。 - 次に、指標発表についてです。
今回は市場予想を下回る、と予想しています。
論拠は、小売売上高を除く他の景気指標・実態指標が3月分が全て低下、乃至は低下を示唆しています。そして、小売売上高も3月は過去4年全て前月より悪化し、先月発表された2月分データが3月悪化を示唆する位置にあります。
よって、今回は市場予想が前回結果よりも低くなっているものの、更に発表結果が市場予想を下回るのではないでしょうか。 - シナリオは次の通りです。
(1) 反応一致性分析の結果、直前10-1分足は陽線率が73%です。がしかし、今回の事前差異(前回結果ー市場予想)がマイナスとなっています。事前差異がマイナスなときには、直前10-1分足は陰線になることが他の指標では多いので、注意しておきましょう。ポジション取得は止めても構いません。
(2) 反応一致性分析の結果、直前1分足は陰線率が78%となっています。
(3) 指標定性分析結論に依り、今回は市場予想を下回ると予想しています。そして、指標一致性分析の結果、直後1分足は事前差異との方向一致率が82%もあります。直後1分足は陰線と予想します。
ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
以下、「T.調査」「U.分析」を事前投稿し、「V.結果」「W.検証」を事後投稿しています。事後投稿日時は「V.結果」のタイトル行付近に記載しています。
T.調査
【1. 指標概要】
物価は、生産者→小売→消費者の順に波及すると考えられます。他の主要国ではこれら物価指数が別々に発表されますが、英国は一度に発表しています。
CPIは、消費者の製品・サービス購入価格を指数化した指標で、どの国でも最重視されています。英国は年2%のインフレ目標が設定されています。CPIコアは、CPIから価格変動の激しいエネルギー・食品・タバコ・アルコールを除いた数値を指しています。英国ではタバコ・アルコールの価格変動が大きいのでしょうか。不思議です。
RPIに含まれてCPIに含まれない対象に住宅費があります。RPIではCPIよりも数値が高くなります。RPIコアは、RPIから価格変動の激しいエネルギー・食品・タバコ・アルコールを除いた数値を指しています。英国では年金給付額が法律によってRPI規準で決定されています。
PPIはあまり大きな反応を生じないように見受けられます。
【2. 既出情報】
以下、本議事録について既に公開されている情報を整理します。調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの26回分のデータに基づいています。
(2-1. 過去情報)
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
上から、CPI・RPI・PPIの順です。CPIとRPIは黒線がコア前年比で、他が前年比・前月比です。PPIはコア前年比のみ示しています。過去の傾向を見る限り、CPI>RPI>PPIのコア前年比の順、そしてCPIとRPIは前年比>前月比の順に反応に寄与します。
もうご存知だと思いますが、グラフで市場予想だけの変化は取引に何ら関係ありません。市場予想はそれぞれ前月結果と見比べて意味を持ちます。
先述の通り、今回の市場予想はPPIコアを除いて、前回結果よりも同値か低下をしています。今回の事前差異はマイナスと覚えておきましょう。
関連指標を見てみます。
まず、3月分景気指標を2月分と比べると、製造業・建設業PMIが低下、サービス業PMIが上昇です。GFK消費者信頼感調査はマイナスで横這いです。
次に、実態指標は住宅関連以外がまだ3月分が公表されておらず、2月分を1月分と比べてみましょう。鉱工業生産指数・製造業生産指数は前月比マイナスとなっています。但し、小売売上高指数はプラスに改善となっています。3月分住宅関連指標は総じて価格上昇が鈍化しています(ライトムーブ住宅価格前月比・ネーションワイド住宅価格前月比)。
関連指標は、小売売上高指数を除き、全て前月よりも同値か低下となっています。
その小売売上高指数について、もっと詳しく見てみましょう。FX会社HP等で過去の推移を表示できる人は、ご自身で確認を願います。
2月が前月比プラスとなっていたものの、その水準は翌3月の悪化を予感させる位置にあります。小売売上高指数前月比は、プラスとマイナスを周期的に繰り返す傾向があります。3月はマイナスのタイミングに当たります。
過去の結果を見てみましょう。2013年以降2016年までの過去4回の3月データは、4回とも前月よりも低くなっています(4回のうち3回がマイナス、2014年のみがプラスで前月よりも低下)。
今回は、市場予想も前回結果よりも低くなっていますが、結果は更に下がるのではないでしょうか。
(2-2. 過去反応)
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
直前10-1分足には陽線、直前1分足には陰線が目立ちます。但し、直前1分足は最近、以前よりも陰線率が下がっているように見受けられます。後記する反応一致性分析で、数字を確認しておきましょう。
U. 分析
【3. 反応性分析】
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。
直後11分足は、直後1分足との方向一致率が68%、方向一致時に終値が直後1分足終値を超えて伸びていたことが47%しかありません。指標発表後の反応方向を確認しても、とても追いかけてポジションを取って良い数字ではありません。
【4. 反応一致性分析】
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
直前10-1分足は陽線率が73%、直前1分足は陰線率が78%となっています。
【5. 指標一致性分析】
指標一致性分析は、指標の前回結果・市場予想・発表結果の差を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。
直後1分足は、事前差異との方向一致率が82%となっています。
また、事後差異との方向一致率も80%となっているものの、直後11分足と事後差異との方向一致率は54%しかありません。このことは初期反応こそ発表結果に対して素直なものの、発表後11分後にはどちらに反応するかがわからない、ということです。
【6. シナリオ作成】
以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。
- (1) 反応一致性分析の結果、直前10-1分足は陽線率が73%です。がしかし、今回の事前差異(前回結果ー市場予想)がマイナスとなっています。事前差異がマイナスなときには、直前10-1分足は陰線になることが他の指標では多いので、注意しておきましょう。ポジション取得は止めても構いません。
(2) 反応一致性分析の結果、直前1分足は陰線率が78%となっています。
(3) 指標定性分析結論に依り、今回は市場予想を下回ると予想しています。そして、指標一致性分析の結果、直後1分足は事前差異との方向一致率が82%もあります。直後1分足は陰線と予想します。
以上
2017年4月11日17:30発表
以下は2017年4月11日21:20頃に追記しています。
V. 結果
【7. 発表結果】
結果はCPIコア前年比が市場予想通り、RPIコア前年比が市場予想を0.1%下回り、PPIコア前年比が市場予想を上回りました。
CPI前年比については、今後3%への上昇を見込む解説が多く見受けられます。今後上昇の論拠は、4月に電力料金値上げが予定されていることと、ポンド安が挙げられていました。
(7-1. 指標結果)
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
(7-2. 取引結果)
取引結果は次の通りでした。
【8. 調査分析検証】
事前調査分析内容を、以下に検証します
- 今回は市場予想を下回る、と予想しています。
論拠は、小売売上高を除く他の景気指標・実態指標が3月分が全て低下、乃至は低下を示唆しています。そして、小売売上高も3月は過去4年全て前月より悪化し、先月発表された2月分データが3月悪化を示唆する位置にあります。
よって、今回は市場予想が前回結果よりも低くなっているものの、更に発表結果が市場予想を下回るのではないでしょうか。
結果は、消費者物価指数(CPI)コア前年比が市場予想通りで、小売物価指標(RPI)コア前年比が市場予想を下回りました。
反応は分析通り陰線でしたが、これはCPIコア前年比が前月結果を下回る市場予想だったため、と考えられます。また次に重視すべきRPIコア前年比は市場予想を下回り、この結果も直後1分足を陰線にした原因と考えられます。
当初、指標発表後の動きでわからなかったことは、指標発表後2本目の1分足形成途中で大きく反転し始めた点です。巻頭箇条書きの注意点で、反応が一方向に伸び難い指標であることは承知していたものの、2本目か3本目の1分足から急激に陽線側へと転じた点が不可解でした。急すぎる点が不可解でした。
この動きは、英国債金利が本指標発表と前後して急上昇していたようです。金利急騰の理由は、今回のCPI前年比が市場予想通りに低下しなかった(しそうもなかった)ことで、来月以降近々にCPI前年比の3%到達が確実視されたようです。CPI前年比(コアではありません)の3%突破は、利上げに繋がると見る向きが多かったのでしょう。
【9. シナリオ検証】
事前準備していたシナリオは次の通りです。
- (1) 反応一致性分析の結果、直前10-1分足は陽線率が73%です。がしかし、今回の事前差異(前回結果ー市場予想)がマイナスとなっています。事前差異がマイナスなときには、直前10-1分足は陰線になることが他の指標では多いので、注意しておきましょう。ポジション取得は止めても構いません。
(2) 反応一致性分析の結果、直前1分足は陰線率が78%となっています。
(3) 指標定性分析結論に依り、今回は市場予想を下回ると予想しています。そして、指標一致性分析の結果、直後1分足は事前差異との方向一致率が82%もあります。直後1分足は陰線と予想します。
シナリオ1はポジション取得を諦めました。
もともと直前10-1分足では、無理にポジションを取るつもりがなかった上に、ポジション取得を迷っていた17:20頃は、ちょうど1分足チャート上で小レジスタンスに当たっていました。結果的には陽線となったようですが、危ない橋を渡る必要はないので、判断良しとします。
シナリオ2は分析を外しました。但し、これは確率上のことゆえ仕方ありません。
シナリオ3は分析通りでした。今回は巻頭箇条書きの注意点に記載の通り、反応方向を見てから追撃ポジションを取るつもりがありませんでした。その結果、つい通常よりも長く、ポジションを持ちました。結果的には最も良い時点で利確できました(もし最大利確できても、せいぜいあと1pipsぐらい)。こういうことも、たまにあります。
下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。
以上
もしこの記事が何か参考になったなら、どれか広告バナーをクリックして提携先に興味をお持ち頂けると幸いです。提携先はいずれも良心的なところを選んだつもりです。安心してください。
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本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上
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