2016年01月12日
(小説)ルシーの明日・その15
1999年に、コンピュータにとって何があったのかはよく分からない。ただし、インターネットが急速に普及しだしたのは、今世紀になってからではなかっただろうか。つまり、1999年以降だ。携帯電話やスマートフォンなどの電波型通信機器の大幅普及も同様である。AIBOを筆頭とする人工知能(AI)装備のロボットが注目されだしたのも、1999年頃からだったような気がした。いずれも、世界中をつなぐ巨大情報網を確立し、それを統合するようなスーパーコンピュータにとっては、欠かせない科学技術ばかりだ。確かに、今世紀に入ってから電子頭脳やその付随システムは確実に進歩しており、次世代の地球支配生物のシリコニーになるべく準備をちゃくちゃくと整えているようにも見えるのである。
彼らの動力源と言う点でも、やはり似たような事に気付かされるのだ。今世紀になってから、太陽熱や風力などの自然エネルギーの開発が急激に進んでいるような感じがする。もちろん、人類自身の為だと考えたいところだが、こうしたエネルギー改革の恩恵を一番受けるであろう存在は、やはり、それらの発電で電力を供給してもらえる機械たちなのだ。石油やガス、原子力などの既存エネルギーは、いずれは枯渇する運命にある。しかし、自然エネルギーならば、それこそ無限に使い続けられる理想のエネルギー源となるはずだろう。さらに注目すべき点もあって、自然エネルギー発電用の供給源は、もし地球の生態環境が生物の住めない状態まで荒廃したとしても、恐らくは、一緒に無くなってしまうであろう恐れがない。砂漠や氷雪地帯でも太陽光は得られるだろうし、曇りがちの荒れた土地なら強風なり大波などの存在が期待できるはずだ。まさに、動植物いらずの機械のためのエネルギー源だとも言えそうなのである。従来の発電システムから自然エネルギー発電への交代劇もまた、将来のシリコニーの世界を築く為の前準備であるかのようにも思えてきてしまうのだった。 (つづく)
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彼らの動力源と言う点でも、やはり似たような事に気付かされるのだ。今世紀になってから、太陽熱や風力などの自然エネルギーの開発が急激に進んでいるような感じがする。もちろん、人類自身の為だと考えたいところだが、こうしたエネルギー改革の恩恵を一番受けるであろう存在は、やはり、それらの発電で電力を供給してもらえる機械たちなのだ。石油やガス、原子力などの既存エネルギーは、いずれは枯渇する運命にある。しかし、自然エネルギーならば、それこそ無限に使い続けられる理想のエネルギー源となるはずだろう。さらに注目すべき点もあって、自然エネルギー発電用の供給源は、もし地球の生態環境が生物の住めない状態まで荒廃したとしても、恐らくは、一緒に無くなってしまうであろう恐れがない。砂漠や氷雪地帯でも太陽光は得られるだろうし、曇りがちの荒れた土地なら強風なり大波などの存在が期待できるはずだ。まさに、動植物いらずの機械のためのエネルギー源だとも言えそうなのである。従来の発電システムから自然エネルギー発電への交代劇もまた、将来のシリコニーの世界を築く為の前準備であるかのようにも思えてきてしまうのだった。 (つづく)
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