2016年01月07日
「お題に生きる男」解説その2
「お題に生きる男」は、思わぬ事に「会話だけで読ませられる筆力をもっていらっしゃいます」と褒めていただけたのですが、もともと、私はシナリオを書いていた人間なので、会話劇は得意分野なのでした。
と言うか、「お題に生きる男」は、途中経過でいっさい句点(。)が使えない作品だったので、地の文が無い会話劇にするしかなかったのでした。しょーもないバカ話の割には、色々なあざといテクニックを駆使していたのであります。
その点では「帰り道」も同じでして、こちらの作品の方がよりふんだんに文章のマジックを使っています。たとえば、冒頭でいきなり「お化けが出てくると言うウワサがたつ」と言う最後のオチの種明かしをしています。例の右手にしても、地の文ではいっさい「F先輩の右手」とは断言しておらず、最後のオチが強引なものにならないように計らっています。
そうそう、「ルシーの明日」も、変則的な書き方の小説だったかもしれませんね。この作品では、一人称の書き手自身の人生にはいっさい触れません。性別すら分からない書き手は、作中人物でありつつも、ひたすらルシーの事を説明する脇役に徹するのであります。本作は、内容も影響を受けてますが、書き方も五島勉氏の疑似フィクションを模倣させていただいたのでありました。
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と言うか、「お題に生きる男」は、途中経過でいっさい句点(。)が使えない作品だったので、地の文が無い会話劇にするしかなかったのでした。しょーもないバカ話の割には、色々なあざといテクニックを駆使していたのであります。
その点では「帰り道」も同じでして、こちらの作品の方がよりふんだんに文章のマジックを使っています。たとえば、冒頭でいきなり「お化けが出てくると言うウワサがたつ」と言う最後のオチの種明かしをしています。例の右手にしても、地の文ではいっさい「F先輩の右手」とは断言しておらず、最後のオチが強引なものにならないように計らっています。
そうそう、「ルシーの明日」も、変則的な書き方の小説だったかもしれませんね。この作品では、一人称の書き手自身の人生にはいっさい触れません。性別すら分からない書き手は、作中人物でありつつも、ひたすらルシーの事を説明する脇役に徹するのであります。本作は、内容も影響を受けてますが、書き方も五島勉氏の疑似フィクションを模倣させていただいたのでありました。
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