2009年01月11日
『セイバーズの危機!? 消えた司令官・霊子!』 part1
某スレで、新しいセイバーエンジェルのSSを、書いてくださった方がいました。
作者様の名前は、霊狐の親という方です。
この方は、画像も合わせてUPしてくださいました。
もちろん許可をいただいたので、それではどうぞ!
いなづ様も、今週もSSを書いてくださいました。
本当にありがとうございます!!
近日中にUPしますので、こうご期待!
注意! この文章には官能的表現が含まれております。
(ご覧になる方は、自己判断でお願いします。)
『セイバーズの危機!? 消えた司令官・霊子!』
霊狐の親様作
セイバーズの基地内部、司令室。その中に置かれた机に向かい、一人の女性が座っている。
彼女こそ、対ダーククロス特別組織『セイバーズ』の司令官、「司 霊子」(つかさ・れいこ)である。
流石にセイバーズのメンバーよりは年上とはいえ、いまだに若々しい肢体と、整った凛々しい顔だちから組織内でも密かにファンも多い彼女であるが、今はやや灰色がかった長い髪にベレー帽、そして黒いスーツの制服に包まれた体からどこか鬼気迫るオーラが放たれていた。
彼女の机上に置かれたディスプレイには、セイバーズ各員の個人データ、そしてこれまでのセイバーズの戦闘記録、今現在判明しているダーククロスの情報などが表示されていた。
次々表示される文字列や数値を素早く確認し、手元に置かれたキーボードの上では両手の指がキーを軽やかなタッチで叩いていく。
室内には彼女以外の人間は居らず、ただキーが叩かれるカタカタという音だけが響いていた。
先ほどからわき目も振らず、一心不乱に画面を睨む霊子の表情は厳しい。
現時点では彼女たちセイバーズはダーククロスの襲撃に対して出動というのが取れる行動のせいぜいであり、ほぼ、彼らの侵略に対し後手に回っている状況だった。
かつての彼女の故郷、それがダーククロスに奪われた時の光景が霊子の脳裏に浮かぶ。
霊子はこの世界の人間ではなかった。彼女の生まれた世界は、ある日突如現れたダーククロスによって侵略され、彼女の家族や知人、友人をはじめ、ありとあらゆるものが淫怪人や淫魔に
されてしまったのである。
防衛軍の指揮官でもあり、また研究者でもあった彼女はその世界が完全に支配される寸前に、仲間達より「対ダーククロス兵器」という希望と共にこの世界に逃がされたのだった。
「……いまは表面上ではあまり目立っていないとはいえ、確実にダーククロスは勢力を増している。くっ……二度と、あんなことを繰り返させるものか!」
霊子の口から悔しさと怒りをにじませた言葉が漏れる。握り締めた拳を見つめ、彼女は決意を新たにした。
不意に、パシュッというドアが開く音が室内に響き、霊子は顔を上げた。
視線を部屋の入り口に向けると、オペレーターの安倍 麗(あべ・うらら)が白い湯気を立てるティーカップを両手に、こちらに歩いてくるのが見えた。
「司令、まだ残っていらっしゃったのですか?
あまり無理をしすぎると体を壊してしまいますよ? すこし、休憩なされたらいかがです?」
霊子の側までやってきた麗はそういってにっこりと微笑むと、彼女のパソコンの隣にカップを置いた。その中には紅茶らしい飲み物が入っており、麗が持つカップと同じく安らぐ香りを室内に
漂わせている。
「そうだな、少し根をつめすぎたかもしれない。今日はここまでにしようか。
ああ、折角だから紅茶もいただくよ。ありがとう」
パソコンの電源を落とし、体をほぐすように伸びをすると、霊子は置かれたカップを手に取った。
手のひらに伝わるカップの温かさ、湯気と共に漂う香りを楽しむと、そっと口をつけ液体を少しずつ流し込む。
口の中に広がった甘い味を堪能した彼女は、カップを机の上にそっと置くと自分を心配そうに見つめる傍らの部下に、口調を任務や仕事の物から普段の物にかえ、感謝と謝罪の言葉をかけた。
「紅茶、おいしかったわ。ありがとう。
無理ばかりすると心配させてすまなかったわね。だけど、これだけは今やらないといけないの。
私、いや……私たちがダーククロスに勝利するために……!」
「司令……」
霊子の瞳に強い決意の色を見て取った麗が言葉を詰まらせる。そんな彼女に対し、霊子は空気を和らげようと、張り詰めた気をとくと、まだ紅茶の残るカップを見ながら麗に問いかけた。
「それにしても、この紅茶は初めての味だったわ。今まで飲んだことは無いように思うけど、一番おいしかったかもしれないわね。麗、これはなんていう種類なの?」
もし手軽な値段の葉っぱなら、自分用に買っておくのもいいかもしれない。そんなことを思っていた彼女の耳に、一瞬理解できない言葉が飛び込んできた。
「ふふふ……オイシイでしょう? 淫妖花・鈴様の葉で作り、その蜜をたっぷり入れた特製の淫紅茶の味は。よかった、司令のお口に合って。もっともっとありますから、たっぷり飲んでいいんですよ。そして、私たちダーククロスの仲間になりましょう?」
「な、何ですって? 一体何を言っているの!?」
聞こえた不穏な言葉にぎょっとして思わず麗の方に振り向くと、彼女は光の消えた瞳をこちらに向け、普段なら絶対にしないような蕩けた笑みを浮かべていた。その頬は真っ赤に染まり、発情しきっているのが一目で分かった。
麗が発した「ダーククロス」という言葉が再び霊子の脳内で鳴り響く。最悪のシナリオが彼女の脳裏に浮かび上がった。
まさか、既に基地内部にまでやつらの手が伸びていたとは。
反射的に机の引き出しにしまってある拳銃を取り出そうとするも、突如霊子は体の自由を失い、そのまま机の上に倒れこんだ。キーボードが頬に辺り、がしゃんと言う音が響いたが、彼女にそれを気にする余裕は無かった。
「そんなに心配しなくてもいいんですよ司令。何も、酷い事しようなんて思ってないんですから。むしろ逆。司令にもとっても気持ちよくなってもらうんですよ……」
こちらを見つめ微笑む麗の顔が急速にぼやけていく。その声も、だんだんはっきり聞き取れなくなっていた。意識が遠のいているのだと彼女が理解した直後、その視界は闇に閉ざされた。
「く……すま、ない……みん……な……」
その言葉を最後に、司令官、司霊子の意識は途切れた。
――――――――――――――
作者様の名前は、霊狐の親という方です。
この方は、画像も合わせてUPしてくださいました。
もちろん許可をいただいたので、それではどうぞ!
いなづ様も、今週もSSを書いてくださいました。
本当にありがとうございます!!
近日中にUPしますので、こうご期待!
注意! この文章には官能的表現が含まれております。
(ご覧になる方は、自己判断でお願いします。)
『セイバーズの危機!? 消えた司令官・霊子!』
霊狐の親様作
セイバーズの基地内部、司令室。その中に置かれた机に向かい、一人の女性が座っている。
彼女こそ、対ダーククロス特別組織『セイバーズ』の司令官、「司 霊子」(つかさ・れいこ)である。
流石にセイバーズのメンバーよりは年上とはいえ、いまだに若々しい肢体と、整った凛々しい顔だちから組織内でも密かにファンも多い彼女であるが、今はやや灰色がかった長い髪にベレー帽、そして黒いスーツの制服に包まれた体からどこか鬼気迫るオーラが放たれていた。
彼女の机上に置かれたディスプレイには、セイバーズ各員の個人データ、そしてこれまでのセイバーズの戦闘記録、今現在判明しているダーククロスの情報などが表示されていた。
次々表示される文字列や数値を素早く確認し、手元に置かれたキーボードの上では両手の指がキーを軽やかなタッチで叩いていく。
室内には彼女以外の人間は居らず、ただキーが叩かれるカタカタという音だけが響いていた。
先ほどからわき目も振らず、一心不乱に画面を睨む霊子の表情は厳しい。
現時点では彼女たちセイバーズはダーククロスの襲撃に対して出動というのが取れる行動のせいぜいであり、ほぼ、彼らの侵略に対し後手に回っている状況だった。
かつての彼女の故郷、それがダーククロスに奪われた時の光景が霊子の脳裏に浮かぶ。
霊子はこの世界の人間ではなかった。彼女の生まれた世界は、ある日突如現れたダーククロスによって侵略され、彼女の家族や知人、友人をはじめ、ありとあらゆるものが淫怪人や淫魔に
されてしまったのである。
防衛軍の指揮官でもあり、また研究者でもあった彼女はその世界が完全に支配される寸前に、仲間達より「対ダーククロス兵器」という希望と共にこの世界に逃がされたのだった。
「……いまは表面上ではあまり目立っていないとはいえ、確実にダーククロスは勢力を増している。くっ……二度と、あんなことを繰り返させるものか!」
霊子の口から悔しさと怒りをにじませた言葉が漏れる。握り締めた拳を見つめ、彼女は決意を新たにした。
不意に、パシュッというドアが開く音が室内に響き、霊子は顔を上げた。
視線を部屋の入り口に向けると、オペレーターの安倍 麗(あべ・うらら)が白い湯気を立てるティーカップを両手に、こちらに歩いてくるのが見えた。
「司令、まだ残っていらっしゃったのですか?
あまり無理をしすぎると体を壊してしまいますよ? すこし、休憩なされたらいかがです?」
霊子の側までやってきた麗はそういってにっこりと微笑むと、彼女のパソコンの隣にカップを置いた。その中には紅茶らしい飲み物が入っており、麗が持つカップと同じく安らぐ香りを室内に
漂わせている。
「そうだな、少し根をつめすぎたかもしれない。今日はここまでにしようか。
ああ、折角だから紅茶もいただくよ。ありがとう」
パソコンの電源を落とし、体をほぐすように伸びをすると、霊子は置かれたカップを手に取った。
手のひらに伝わるカップの温かさ、湯気と共に漂う香りを楽しむと、そっと口をつけ液体を少しずつ流し込む。
口の中に広がった甘い味を堪能した彼女は、カップを机の上にそっと置くと自分を心配そうに見つめる傍らの部下に、口調を任務や仕事の物から普段の物にかえ、感謝と謝罪の言葉をかけた。
「紅茶、おいしかったわ。ありがとう。
無理ばかりすると心配させてすまなかったわね。だけど、これだけは今やらないといけないの。
私、いや……私たちがダーククロスに勝利するために……!」
「司令……」
霊子の瞳に強い決意の色を見て取った麗が言葉を詰まらせる。そんな彼女に対し、霊子は空気を和らげようと、張り詰めた気をとくと、まだ紅茶の残るカップを見ながら麗に問いかけた。
「それにしても、この紅茶は初めての味だったわ。今まで飲んだことは無いように思うけど、一番おいしかったかもしれないわね。麗、これはなんていう種類なの?」
もし手軽な値段の葉っぱなら、自分用に買っておくのもいいかもしれない。そんなことを思っていた彼女の耳に、一瞬理解できない言葉が飛び込んできた。
「ふふふ……オイシイでしょう? 淫妖花・鈴様の葉で作り、その蜜をたっぷり入れた特製の淫紅茶の味は。よかった、司令のお口に合って。もっともっとありますから、たっぷり飲んでいいんですよ。そして、私たちダーククロスの仲間になりましょう?」
「な、何ですって? 一体何を言っているの!?」
聞こえた不穏な言葉にぎょっとして思わず麗の方に振り向くと、彼女は光の消えた瞳をこちらに向け、普段なら絶対にしないような蕩けた笑みを浮かべていた。その頬は真っ赤に染まり、発情しきっているのが一目で分かった。
麗が発した「ダーククロス」という言葉が再び霊子の脳内で鳴り響く。最悪のシナリオが彼女の脳裏に浮かび上がった。
まさか、既に基地内部にまでやつらの手が伸びていたとは。
反射的に机の引き出しにしまってある拳銃を取り出そうとするも、突如霊子は体の自由を失い、そのまま机の上に倒れこんだ。キーボードが頬に辺り、がしゃんと言う音が響いたが、彼女にそれを気にする余裕は無かった。
「そんなに心配しなくてもいいんですよ司令。何も、酷い事しようなんて思ってないんですから。むしろ逆。司令にもとっても気持ちよくなってもらうんですよ……」
こちらを見つめ微笑む麗の顔が急速にぼやけていく。その声も、だんだんはっきり聞き取れなくなっていた。意識が遠のいているのだと彼女が理解した直後、その視界は闇に閉ざされた。
「く……すま、ない……みん……な……」
その言葉を最後に、司令官、司霊子の意識は途切れた。
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