アフィリエイト広告を利用しています

広告

posted by fanblog
プロフィール

ν賢狼ホロν
「嫌なことなんて、楽しいことでぶっ飛ばそう♪」がもっとうのホロです。
ザ・タイピング・オブ・ザ・デッド2
最新記事
カテゴリ
リンク集
月別アーカイブ
日別アーカイブ
https://fanblogs.jp/adawognbio5/index1_0.rdf
<< 2010年01月 >>
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            

広告

posted by fanblog
2009年01月11日
『セイバーズの危機!? 消えた司令官・霊子!』  part3
「う、ぐっ……」
秋子達が出て行った後、部屋にひとり残された霊狐は洗脳装置に必死に抗っていた。
(く……まける、ものか……! 例え体は淫怪人にされたとしても! 
私の心まで、好きにはさせない……!)
強靭な意志で機械から送り込まれる思想や情報、淫気をはね除けていく霊狐。だが、そのたびにひどい頭痛が彼女を襲う。霊狐の抵抗を排除しようと機械が圧力をかけ、さらに機械が発する淫気がそれを拒絶する彼女を責めているのだった。
いくら彼女が強靭な精神力をもっていようと、絶え間なく送り込まれる情報や淫気にはいずれ屈してしまう。実際、霊狐の抵抗が次第に弱まり、ついにその精神の防壁が破られようとしていたその時。
ギュウウウウン、という音が響いたかと思うと、洗脳装置をはじめ、部屋の電気が切れた。
どうやら、基地の電源が落ちたらしい。よくは分からないが、先ほど言っていたシステムのトラブルに関係しているのだろう。非常電源は生きているのか、小さな非常灯はあちこちに灯っているものの洗脳装置や手術台などの電気が切れ、システムはダウンしたらしく、彼女の拘束が緩んだ。
その隙を逃さず、霊狐は台から身を引き剥がす。淫怪人に改造されたおかげか、手足に力を入れると緩んだ拘束具はいともたやすく外れた。
「よし! ……とも言えないか。こんな体にされてしまってはね……」
部屋の壁についていた姿見に霊狐は自分の体を映すと、溜息を一つついた。
銀色の髪に純白の肌。白い毛に覆われた手足、獣の耳。そして狐のふさふさの尻尾。
ただ、瞳の色だけは秋子達のように人外のものではなく、まだ人間の時のままであった。
もしかしたら完全な淫怪人にされていない証、あるいは洗脳されきっていない証なのかもしれない。
「おっと、悔やむよりまず行動、ね。なんとか洗脳はされなかったものの、このままぐずぐずしていたら秋子たちが戻ってくるかもしれないし。幸いまだこの基地の混乱は収まっていないようだし、とにかく脱出しましょう」
霊狐は頷くと、考えを中断させる。使えるものが無いか部屋を探すと、隅に置かれていた箱から、おそらく自分のために用意されていたのであろうコスチュームを取り出し手早く身につけ、誰かに見つからないようそっと部屋を後にした。

ちなみに、その衣装があまりにもきわどかったのでずっと赤面していたのは内緒である。

――――――――――――――

その後、混乱に乗じて何とか上手く警備をかいくぐった霊狐は、地上侵攻用のテレポーターを使い、基地を脱出することに成功した。

あまり淫怪人の能力を使いたくは無かったが、狐娘の格好のままうろうろするわけにも行かず、霊狐は人間に化けると、とりあえず状況を整理し、必要な物資などを得るため自宅に戻ることにした。
彼女はほとんど基地ですごし、基地に寝泊りしているようなものであったが、非常時のために隠れ家となるような場所を郊外に持っていた。森の奥にひっそりとたたずむ小さな山小屋。最悪の事態を考え、その場所は誰にも――セイバーズのメンバーにさえも――明かしていない。
「まさか、その最悪の事態になるとは……」
基地に戻ることも考えたが、例え人間に偽装していても、中枢の厳重な警備システムにばれるであろうし、そうなればあの淫怪人の姿では偽者が化けていたと言われるのが関の山だろう。
そういえば、どうして自分はさらわれたのだろうか? 基地の中にいたはずだったのだが……記憶を思い返そうとするものの、どうしても肝心なところに差し掛かるとそれがぼやけてしまう。

実はそれはオペレーター・麗が既に敵の手に落ちていることを悟られないよう、ダーククロスの基地につれてこられた時点で紫によってその不都合な部分の記憶を消されているためだったのだが、霊狐にはそんなことは知る由もなかった。

とにかく、今はこれからどうするかだ。理想としては何とかセイバーズと連絡を取りたい所だが、基地に戻れない以上、単独行動を取るしかあるまい。そのうちに機会を見つけて誰かと密かに接触するのがいいだろう。
ふと、部屋の隅に置かれたコンテナが目に止まる。霊狐は無言でコンテナに近づくと、そのふたを持ち上げた。
その中には、セイバーズのメンバーが戦闘時に纏うスーツと同じものがクッションに包まれて収められていた。
しかし、白を基調としたセイバーズのスーツとは異なり、その衣装は黒字に紫色の紋様の入ったものであった。
「……そうか、これはここにあったのね。すっかり忘れていたわ」
感慨深げな声が、霊狐の口から漏れる。
それこそ、彼女が元の世界で研究し、この世界で完成させたセイバースーツのプロトタイプ。
出力・防御力は完成品すら上回るものの、そのパワーの反動に生身では耐えられず封印されたものであった。
だが、淫怪人となり、人間以上の強力な体になった今の自分なら、これを使いこなすことも出来るはずだ。そんな考えが浮かび、霊狐はスーツを手にとる。
すぐに地下の簡易研究室でスーツを最終調整し、変身用にクリスタルに封じる。
霊狐は完成したクリスタルを手に取り、じっと目を瞑った。
やがて、かっと目を見開くと、力強く言葉を発する。
「変身!! セイバーフォックス!!」
そのキーワードに反応し、クリスタルが輝く。光は霊狐の体全体を包み、一瞬でその各部にセイバースーツが装着された。
体に纏う黒いボディスーツやオーバーニーのような各部には紫色のラインが複雑な紋様を描き、頭部には淫怪人の素顔を隠すかのように半透明の黒いバイザーとインカムが装着される。
何故か大きな金の鈴のついた首輪も装着されたが、それはご愛嬌。
雪のように白い素肌や手足、耳と尻尾の色の対比が、漆黒のスーツに美しく映えていた。



「よし、システム・オールグリーン。この体なら、プロトセイバースーツにも耐えられる!」
体を動かし、自分が負荷に十分に耐えられることを確認する。
この姿を利用してしばらくは正体を隠したまま、セイバーズを影ながら助けていくことことにしよう。
「ダーククロス……私をこんな目に合わせたことの借りは、必ず返させてもらう!
私の正義の心は、セイバーズは決してお前たちには負けはしない!!」
拳を固め、霊狐……いや、セイバーフォックスは強く決意するのであった。

――――――――――――――


この記事のURL

×

この広告は30日以上新しい記事の更新がないブログに表示されております。