2015年01月12日
頑是ない歌 中原中也
思へば遠く来たもんだ
12の冬のあの夕べ
港の空の鳴り響いた
汽笛の湯気は今いづこ
雲の間に月はいて
それな汽笛を耳にすると
竦然として身をすくめ
月はその時空にいた
それから何年経ったことか
汽笛の湯気を茫然と
眼で追いかなしくなっていた
あの頃の俺はいまいづこ
今では女房子供持ち
思へば遠く来たもんだ
此の先まだまだ何時までか
生きてゆくのであらうけど
生きてゆくのであらうけど
遠く経て来た日や夜の
あんまりこんなにこひしゆては
なんだか自信が持てないよ
さりとて生きてゆく限り
結局我ン張る僕の性質
と思へばなんだか我ながら
いたはしいよなものですよ
考へてみればそれはまあ
結局我ン張るのだとして
昔恋しい時もあり そして
どうにかやつてはゆくのでせう
考へてみれば簡単だ
畢竟意志の問題だ
なんとかやるより仕方もない
やりさへすればよいのだと
思ふけれどもそれもそれ
十二の冬のあの夕べ
港の空に鳴り響いた
汽笛の湯気や今いづこ
中原中也は日本が代表する詩人ですが、早くになくなりました。彼の一番有名な詩は 汚れっちまった悲しみは かな。若くして亡くなった彼はどんな心境でこんな悟ったような詩を書いたのか。そして私は一体いくつになればこのような詩が思い浮かぶのか…思へば遠くきたもんだ…中原中也の感じた半分くらいは遠くこれたのか…そう感じる成人の日である。
12の冬のあの夕べ
港の空の鳴り響いた
汽笛の湯気は今いづこ
雲の間に月はいて
それな汽笛を耳にすると
竦然として身をすくめ
月はその時空にいた
それから何年経ったことか
汽笛の湯気を茫然と
眼で追いかなしくなっていた
あの頃の俺はいまいづこ
今では女房子供持ち
思へば遠く来たもんだ
此の先まだまだ何時までか
生きてゆくのであらうけど
生きてゆくのであらうけど
遠く経て来た日や夜の
あんまりこんなにこひしゆては
なんだか自信が持てないよ
さりとて生きてゆく限り
結局我ン張る僕の性質
と思へばなんだか我ながら
いたはしいよなものですよ
考へてみればそれはまあ
結局我ン張るのだとして
昔恋しい時もあり そして
どうにかやつてはゆくのでせう
考へてみれば簡単だ
畢竟意志の問題だ
なんとかやるより仕方もない
やりさへすればよいのだと
思ふけれどもそれもそれ
十二の冬のあの夕べ
港の空に鳴り響いた
汽笛の湯気や今いづこ
中原中也は日本が代表する詩人ですが、早くになくなりました。彼の一番有名な詩は 汚れっちまった悲しみは かな。若くして亡くなった彼はどんな心境でこんな悟ったような詩を書いたのか。そして私は一体いくつになればこのような詩が思い浮かぶのか…思へば遠くきたもんだ…中原中也の感じた半分くらいは遠くこれたのか…そう感じる成人の日である。
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