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シュミルソン
達郎マニアであります。ついにサンソン超常連になりました。カジュアル、シューズ、コスメ等を扱う小さな広告会社やってます。ゴルフは竹林隆光さんにクラブセッティング90点いただきながら未だに100叩いたりしてます。ハワイでゴルフしてシャワー浴びてビール飲むと寿命が5年延びるというのが持論です。オオーベイベー!
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2023年12月04日

ハリー・ニルソンの肖像

このハードカバーを少しずつ少しずつ読んで、やっと読了しました。
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THE LIFE OF A SINGER SONGWRITER
邦題「ハリー・ニルソンの肖像」であります。

Harry Nilsson についてはこのブログの第2回投稿で触れていますが、自分にとって最も敬愛するシンガー&ソングライター であります。
アメリカではビルボードのナンバー1ヒットもあり、グラミー賞も2回(ベストボーカル賞)も獲ってるくらい,しかもその2曲もスタンダードナンバーとなっているので「誰でも知ってる」ミュージシャンだと思いますが、じゃあ日本ではどうかって言うと70年代の洋楽オールディーズが好きな方以外、特に30代以下の方には殆ど知られていないと思います。

「ニルソン」ことハリー・ニルソン(ハリー・エドワード・ニルソン3世) は、1941年6月15日ニューヨーク ブルックリン生まれ。キャロル・キングもブルックリン出身ですね。

自分がどういう経緯でニルソンのファンになったかは、その第2回ブログ“NILSSON SCHMILSSON"に書きましたが、当時高校1年生の自分にとって誰か一人でもいいから心から好きな外国人ミュージシャンを何故か探していて、そこにピッタリと嵌まったのがニルソンだった訳です。

ニルソン最大のヒット曲 WITHOUT YOUが収録されたNILSSON SCHMILSSONの後に購入したLPが"Harry" 邦題「ハリーニルソンの肖像」、そう今回の書籍のタイトルにもなったアルバムでした。
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いわゆるソフトサウンディングのアメリカンポップミュージックは、バラエティに富みちょっとだけひねりが効いた曲調と耳に優しいボーカルでこのアルバムを契機にニルソンが大好きなミュージシャンになったのであります。
折しも「シンガーソングライター」という言葉が出始めた頃で、先にも述べたキャロルキング、エルトンジョン、ジェームステイラー、ジョニミッチェル、ポールサイモン、キャットスティーブンス などなど多くのミュージシャンのヒット曲がラジオからよく聞こえてきましたが、自分にとってのNo.1はこの時からニルソンになったのでした。

その後、メジャーデビュー作「パンディモニアム シャドー ショウ」2ndアルバム「空中バレー」そして当ブログで何故か圧倒的アクセスが多いランディニューマンと作った「ニルソン ランディニューマンを唄う」を揃えて聴くに至って、もうニルソンから抜けられなくなりました。

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なんて素敵な曲調なのだろう。そして彼の優しいボーカルは心の奥まで届きました。
また、いわゆる一人多重コーラス。特にランディニューマンを唄うをヘッドフォンで聴くとアルバムどのナンバーもニルソンの歌声でカラダ中が包まれたかのようになります。
だから山下達郎オンザストリートコーナーを初めて聴いた時、それ程驚かなかったのもニルソンを聴いていたからだと思います。

さらには、ニルソン自身がストーリーとアニメのキャラクターまで制作して全米にテレビ放映されたファンタジーとも言える「オブリオの不思議な旅」も、とても琴線に触れるメロディとこれも一人多重のボーカルを極めてシンプルなアレンジに乗せて奏でられ、大好きなアルバムとなりました。
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今回この500頁に及ぶ書籍を読むにあたり、登場するアルバムそして一曲一曲をじっくり聞きながら向き合ったため読了に1年以上かかってしまいました。
今は便利な時代で、サブスクにほぼ全曲載っているためいちいち昔買い揃えたアナログ盤を引っ張り出さなくとも、スタバでiPhoneで聴きながらなんて事ができます。
さらに、ニルソンがメジャーデビュー昨以前のアルバムで自分が持っていない曲を初めて聴くことが出来(こんなものまでAppleMusicに載ってること自体が驚きでしたが)、さらにはその作品が思いの外素晴らしかった事は収穫でした。
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先ほど記したメジャーデビュー作1967年発売の PANDEMONIUM SHADOW SHOWYOU CAN'T DO THATという曲が収録されています。そう、ビートルズの楽曲です。
この曲はYOU CAN'T DO THATをベースにしてそれにプラスして SHE'S A WOMAN,I'M DOWN,DRIVE MY CARから始まりSTAW BERRY FILDSで終わるまで10曲以上のビートルズナンバーを今時の言葉で言うと「マッシュアップ」した楽曲なのですが、これを1968年当時聴いたジョンレノンからの「君は素晴らしい」の国際電話を受け取ったのが、いい意味でも悪い意味でもニルソンの人生を変えてしまったのです。
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いい意味は、解散前のビートルズからジョンだけでなくポール、ジョージそしてリンゴからも賞賛を浴びたと言うことは、世界中のポピュラーミュージックファンにニルソンという名を知られるようになった事。
悪い意味は、70年代中盤からのジョンレノンとの色々な意味での「悪い付き合い」によって、ニルソンの美声と私生活を台無しにして、その死期を圧倒的に早めてしまったと言うことです。
もちろんジョンレノンが悪人という意味ではありません。要はニルソンがいい気になりすぎたって事と理解します。

自分にとってのハリー ニルソンは、1971年のアルバム NILSSON SCHMILSSON B面最後の曲 I NEVER LEAVE YOU が時系列的に言って最後のナンバーです。
このアルバムはそれまでと違ってイギリスで録音されたものですが、このI NEVER LEAVE YOU は従来のアメリカ録音のストックでした。もちろんWITHOUT YOUを始めとしてMOONBEAM SONGDRIVING ALONEなど一人多重コーラスが使われ琴線が刺激される好みのナンバーもありましたが・・・。
それが、次作のSON of SCHMILSSON になると従来のニルソンサウンドとはより乖離してきた感が強く、ボーカルも繊細さが失われてきたというか、よりロックシンガーのそれになった事に自分としては正直不満でした。さらにはジョージやリンゴを含めて有名ミュージシャンを集めてのいわばロックンロールセレブパーティ色が強いサウンドとジャケットに触れるにつけ、これは僕らが思い描くニルソンじゃ無かったのです。

スタンダードナンバーをフルオーケストラをバックに唄うA LITTLE TOUCH OF SCHMILSSON IN THE NIGHTを経て、ジョンレノンプロデュースのPUSSY CATSがある意味ニルソンの終わりの始まりと感じます。
この本で詳細が明かされますが、この時のアルコールとクスリとジョンとの馬鹿騒ぎで声と(敢えて書くけれど)正常な思考の頭脳を失ったと思います。
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しかしこのPUSSY CATSも含め、この後制作されたアルバム つまりDUIT ON MON DAISANDMANTHAT'S THE WAY IT ISKNNILLSSONNにおいて楽曲としては、ニルソン独自の曲調、アレンジ、ボーカルとして自分としてお気に入りのナンバーが何曲か存在し、先に述べた様にこの書籍に出てくる曲目のエピソードを読む際に改めてその曲を聴いてみると、なかなか優れた楽曲も存在していたことを認識できました。
また、萩原健太さんもこの時代のニルソンは逆に嵌まると抜け出せなくなる魅力があると書いています。

がしかし、今回この書籍の後半で描かれるこのあたりの時代から亡くなるまでのニルソンは、かなり辛いものがあります。
1980年12月8日にジョンレノンが凶弾に倒れてからは銃規制運動の先頭に立つなど、音楽界の表舞台にもしばしば登場していましたが、彼の作る楽曲はヒットチャートに上ることも無く、結局はアメリカンポップミュージックの中で埋もれる結果になったことは、自業自得と言えどもとても残念です。

そして1994年1月15日に彼の訃報が届きました。
52歳の早すぎる死でしたが、あれだけ無茶したらそうなるのも必然だよねとこの本を読むにあたって、思いを新たにしたのでありました。


ここからは、このブログでお馴染みの(笑)達郎ネタです。
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ニルソンは、その時代と音楽性に於いて山下達郎が興味を示すのは当然と思います。サンデーソングブックでも何回かニルソンのそれも当然のごとく初期の作品がオンエアされています。
しかもそれに絡んで私の出した葉書が紹介されたことも何度かあります。

ニルソンには彼自身としては正式には発表されていない THIS COULD BE THE NIGHITと言う彼が作詞作曲をした楽曲がありますが、この曲を山下達郎はアルバムGO AHEADBIG WAVEで取り上げています。
そこでニルソン自身が唄っているバージョンはないのか?の質問に「ありません」のお応えを放送でいただきました。(その後デモテープは何かのアルバムのボーナストラックに収録された)

「あの曲はカバーだった」特集でWITHOUT YOUのオリジナルBAD FINGERのバージョンを、またEVERYBODY'S TALKIN'をFRED NEALバージョンで私のリクエスト葉書をご紹介〜オンエアいただきました。

「ワンコードの曲」特集では、COCONUTSが放送された事に対し、私が「ニルソンファンとしてリクエストをしなかったことを一生の不覚」と出した葉書をその翌週にお読みいただきました。
ちなみにこのココナッツとJUMP INTO THE FIREは達郎さんがご自身でギターを弾きながら解説していただきました。

また私のリクエストではありませんが、ランディニューマンを唄う収録のDAYTON OHAIO 1903はその歌詞の朗読と共に紹介され、このアルバムを「珠玉の名盤」と解説されておりました。たしかこれまで2回かかったと思います。

今回もとても長くなりましたが、私が最も好きなミュージシャンの話だとついつい色々な事を書きたくなっちゃうんですよね。

今年も月一ペースで、あれやこれや書いてきましたが、お読みいただいた皆様には深く深く御礼を申しあげますと共に、きたる2024年の投稿にもご期待ください(誰も期待してないか

2023年08月08日

4年ぶりの達郎ライブ 

2019年10月ラインキューブ渋谷以来の山下達郎ライブは山形県 やまぎん県民ホール公演。
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コロナで20年21年とツアー中止。
そして再開した22年はなんとファンクラブ枠でもチケット取れないという悪夢のような仕打ち(涙)

そもそも山下達郎ファンクラブって、その昔チケットの優先枠を設けることを趣旨として始められたものだった(達郎本人がファンクラブ会報でも話していた)筈で、2014年の公演本数少なかった「マニアックツアー」を除いては、ファンクラブメンバーは必ずチケット入手できたのです。
ファンクラブメンバーの新規募集も10年くらい前から行われず、毎ツアー チケット入手は当然のことと思っていたのですが・・・

続きはこちら からどうぞ


2023年03月20日

人生で最も感動した3大シングル曲

毎度おなじみ 山下達郎のサンデーソングブックを聴いていると、「人生で最も感動した3大シングル曲」は・・・て話が度々出てきて、その曲がオンエアされます。
達郎さんにとって、その3曲とは・・・
プロコルハルム「青い影」ゾンビーズ「TELL HER KNOW」フラワーポットメン「LET'S GO TO SAN FRANCISCO」
だそうで

じゃあ、自分だったらどんな曲なんだろう?なんて考えてみました。

「感動した曲」たくさん有ります。
初めて聴いて一発で好きになった曲
何度も聞いているうちにジワジワと好きになった曲
そういえば昔からこの曲知っていたけど、改めて聞き直すと「ああ良い曲だな」って感じた曲

やはりここでは、初めて聴いてすぐさま気に入った曲を挙げるのがふさわしいでしょうか。

1. No Matter What / Badfinger

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今は分かりませんが、当時中学生になった時点でラジオで海外のロック、ポップスを聴き始めます。
文化放送の深夜放送「セイヤング」で流れていた20秒CM 「いい曲だなと思う」というキャッチで宣伝されていたこの曲。確かに「いい曲」でした。特にサビの部分 "Knot down the old gray wall"で一段とハイトーンになるところなんてもうたまりません。中二の牧野少年の心にグサッと突き刺さりました。
Appleレコードから発売されたこの「嵐の恋」そう思うとポール・マッカートニーが歌っていてもおかしくない曲ですね。




2. Night in White Satin / The Moody Blues

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これも初めて聴いたのは深夜放送だと思いますが、深夜にはこう言ったグッとくるメロディが心に染みます。
'Cause I love you, yes I love you, Oh how I love you
間奏のフルートもジーンときます。
なんていい曲なのでしょう。



ブリティッシュプログレグループでも、このサテンの夜が入ったLP "DAYS OF FUTURE PASSED"はフルオーケストラとのコラボレーションで、ロックミュージック史上歴史的名盤の誉れ高いトータルコンセプトアルバムです。発売はサージャントペッパーズの半年後だったんですね。
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3. あの時 君は若かった / ザ・スパイダース

3曲目は邦楽です。
GS=グループサウンズが流行したのって実質たったの2年間だったんですね。1967年中頃から69年中頃まで。
自分で言うと小学校5年から中学1年。そんな中で一番のお気に入りはザ・スパイダース
堺正章井上順というリードボーカルが2人いたことが異色でした。「夕陽が泣いている」「風が泣いている」を歌った三枚目キャラの堺と「いつまでもいつまでも」「なんとなくなんとなく」を歌った当時は二枚目だった井上。ゴールデンタイムの歌番組にそれこそ毎日のように登場していました。
そんなある日「スパイダースの新曲です」という紹介から演奏された曲は、堺・井上がふたりで主メロを順番に歌っているではありませんか!小学生の自分には衝撃でした。
この曲こそ その後スパイダースの代表曲となったあの時 君は若かっただったのです。
またその曲調は凄く洒落ていて流れるようなメロディ。演奏もキーボードの大野克夫がオルガンの上にグロッケン(鉄琴)を乗せて演奏していたのも新鮮でした。曲のエンディングも小学生にとってはお洒落すぎました。
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ところで、つい最近この曲について衝撃的な事実が発覚。
実は、あのとき君のとき君は若かった には元ネタが有ったのです。昨年、現在日本を代表するロック・ポピュラーミュージックキーボードプレイヤー難波弘之さんが、自身のSNSで「リッキー・ネルソンのFOOLS RUSH INが元ネタの あの時 君は若かったが・・・」と書いておられ、早速apple musicで聴いてみたところ、あらら・・・って感じでした。

まあ作曲者がかまやつさんですから「さもありなん」なのですがね。


と言う訳で、自分の人生で最も感動した3曲のシングル盤なのですが、この3曲を選んでいたら同じように初めて聴いて感動した曲があと2曲有って、どうしても紹介したかったのでその2曲について番外編としてで紹介してみたいと思います。


<番外>

4. 夜空の星 / 加山雄三

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確か小学校3年の時だと記憶していますが、父親に連れられて地元西荻窪の封切館でゴジラ・ラドン・キングギドラが登場する「怪獣大戦争」を観に行きましたが、映画館に入ると何やら違う映画が上映されていました。
なんだ、怪獣じゃないやと思って観ていたのですが、主役の男の人が子供ながらに凄くカッコよくて、まさにスクリーンに吸い込まれました。
怪獣大戦争と二本立てで上映されていた映画こそが、加山雄三若大将シリーズで最もヒットした「エレキの若大将」だったのです。
次に上映されたゴジラを見終わって父親にさあ帰ろうと言われた時、さっきの最初からもう一回観たいと言ってエレキの若大将を再度最後まで観た小学三年生は、完全に田沼雄一こと加山雄三に魅了されたのでした。

「君といつまでも」もちろん印象に残りましたが、この「夜空の星」はそれから55年以上経った今でも、最も好きな曲、歌であり続けています。



5. Long Cool Woman in a Black Dress / The Hollies

最後にご紹介したいのが英国のボーカルインストメンタルグループホリーズロング クール ウーマン邦題 喪服の女です。
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後にCSNYに参加するグラハム・ナッシュがグループを退団したあとにヒットした曲ですが、エコー(リバーブ)が思いっきりかけられたギターとボーカルをラジオ関東「全米トップ40」で初めて聴いたのが1972年の事。日本ではヒットしませんでしたが、まさにCOOL=カッコいい曲です。LAに行くとオールディーズ専門チャンネルで良くかかりますが、このイントロが聞こえてくると今でもゾクゾクってします。



余談ですが、日本のポピュラーミュージック発展に多大な貢献をされた漣健児さんのお別れの会で、まさにこの曲のタイトルにピッタリの方をお見かけしました。
その女性のご主人のラジオ番組に、そのタイミングでLONG COOL WOMAN IN A BLACK DRESSをリクエストする事に気づかなかったことは痛恨の極みでありました。
(分かる人だけ頷いてください。これ読めば分かりますか?)





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感想(6件)







2022年06月28日

タツロー三昧

去る6月22日に山下達郎11年ぶりのアルバム Softly が発売されました。
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テルマエ ロマエの作者ヤマザキマリさんが描いた肖像画がジャケット。

11年ぶりと言うことと、昨今のいわゆるCITY POPブームもあってか、web媒体、紙媒体、ラジオそしてテレビ番組と正に「もの凄い数」の取材〜パブリシティ露出がなされ、発売1週間を経た今でも露出が継続しております。

自称「タツローマニア」の私としてはアルバムの購入は勿論のこと、今回の取材もラジオ地方局でのインタビューとCDレビューのみの雑誌取材は除いて、ほぼ全媒体を聴取、視聴、購読したつもりです。
その中で特に印象に残ったものについてその感想を列記してみたいと思います。

6月15日発売 BRUTUS 「TATSURO'S MUSIC BOOK」 
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達郎マニアが狂喜乱舞した2018年2月発行の「BRUTUS SONG BOOK」に続く、一号まるごと山下達郎大特集は、取材6時間+翌日2時間 計8時間 文字起こしにして3万字に及ぶ超ロングインタビューのほか、細野晴臣矢野顕子をはじめとする関連の音楽家取材やニューアルバムについての今時の若いミュージシャンによる曲目紹介など盛りだくさんの内容です。
この中で個人的な興味を引いたのは、昨今のCITY POPブームでその名前をよく目にする様になっている林哲司のインタビュー。
凄く話しにくそうに答えていたのがありありと分かります。恐らく編集者は過去に林哲司がサンソン「似たものパクリ特集」で思いっきり達郎さんからディスられた事を知らなかったのでしょう。
そのほか、紙質変えて観音開きになっている「全仕事449曲」は資料として自分にも今後とても役立つと思います。

6月22日 オールナイトニッポン ゴールド
オールナイトニッポン出演は46年ぶりだそうで、当時は午前3時からの第2部担当。あまりにも選曲がマニアックすぎて半年でクビになった事は、ファンにはお馴染みの話。でもその時点で発売されていたビーチボーイズの全アルバム全曲をかけた、なんて話は私も知りませんでした。
この番組は、今回の他番組と違い達郎さん自身がDJ=発信者と言うことで、私の様なコアなファンにとってもかなり前のめりで聴けました。本人も言ってましたが「AM局向け」のしゃべり方が新鮮で、FMのサンソンとは違った意味で楽しめました。時間が経つにつれ話し方が落語家口調になってくるのが笑えました。

6月23日 TOKYO FM ワンディジャック
新譜発売日当日は、早朝6時から21時まで東京FM 8番組に出演。この中で・・・

住吉美紀 BLUE OCEAN アルバム収録「光と君へのレクイエム」をかけたあと住吉美紀の曲目紹介トークのバックにビーチボーイズのWouldn't it be nice( 邦題:素敵じゃないか。この光と君へのレクイエムが主題歌だった映画「陽だまりの彼女」で上野樹里が演じる主役が好きだった曲として劇中歌として流された)がかかり、そのことについて私が「住吉さん、Wouldn't it be niceをかけるなんて素敵じゃないか」ってツイートしたら、番組放送中に住吉美紀本人から「いいね」されました。
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LOVE LUNCH TIME POWER MUSIC このLOVEという女性ミュージシャン 初めて知りました。かなり怖いもの知らずで、音楽的な質問を結構タメ口でガンガン達郎さんにぶつけていましたが、僕ら世代からすると逆に微笑ましくて聞いていて楽しかったですね。
「ボーカルはどのくらい直してますか?」神をも恐れぬ質問に対して、達郎「直してませんよ」
LOVE「やっぱり!わー凄い」
「歌のディレクションはどなたがするんですか?」おいおい、誰に向かって聞いてるんだ!(笑)
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ハマ・オカモト THE TRAD ミュージシャンならではのコアな会話に終始。ハマはこれ以外の自分の番組でもよく達郎さんのこと話題にする程の達郎ファン。録音機材のこと、ライブのこと、演奏のこと・・・。リスナーの大半は話の内容半分も分からなかったんじゃないか?
ライブについて、達郎「何やっても文句言う奴は文句言うんですよ。客はやってる奴に似るってね」にハマ爆笑。ハマ「今日は色々伺いまして有り難うございました」達郎「詰められた〜」
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番組アシスタントの中川絵美里さん

6月25日NHK FM 今日は1日山下達郎三昧
「達郎三昧」は11年前に続いて2回目ですが、達郎さん自身は結構この「三昧シリーズ」に出演していて、その発言が毎回かなり面白かった記憶があります。 JB(ジェームスブラウン)三昧、サーフィンホットロッド三昧、失恋ソング三昧など。中でも印象的だったのが、失恋ソングの際のMCが当時のNHK有働由美子アナで、「達郎さんと共演できて、わたしNHK就職して良かった」とまでの発言。

今回のMCは杉浦友紀アナ。彼女もかなりのファンらしく、とてもお詳しい。番組が進むにつれ段々私情が加わってきます。
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一番好きなアルバムはFOR YOUで、SPARKLEからINTERlUDE(!)まで、買ってから月に1回は聴いているとのこと。
彼女の発言で一番驚かされたのは、新宿PIT INNで行われたアコースティックライブに一般抽選で当たって観に行ったこと。さらにもっと凄かったのが2019年のライブツアー、なんとNHKホール公演も抽選でチケット買って観に行った、ってあなたNHK職員でしょう!? しかしよく当たるよね!


6月19日26日関ジャム 完全燃焼SHOW
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関ジャムは竹内まりや特集をやった時点で、いつか山下達郎を取り上げるだろうって希望的観測を持っていました。やるとしたら次のアルバムが発売される際だろうな?と思ってましたが、正にその通りになりました。
もちろん達郎さんがテレビに出演する訳はないので、音声のみの登場となるだろう事も予想通りでした。
が、しかしこれが番組的に非常にプラスに作用しました。喋った内容が一字一句テロップというかボードにテキストとして表示されたので、観てる側が話の内容に集中できて達郎さんの真意がとても良く伝わったと思います。
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2週に渡り非常に深い内容で、Twitterでの反響も「胸が熱くなった」「尊敬します」「説得力が凄い」「カッコいいなぁ」「さすがだよなー」「有り難うございました」などなどが溢れていました。

よくあるパターンとしてテレビ、特に民放地上波では全くうわべだけ、ファンだったら誰でも知っていることのごく一部を切り取って一般ウケしそうに修飾しオンエアするのが常ですが、この関ジャムでは内容的にはマニアにとっては周知の事実でもこれほど丁寧に放送してくれたことは画期的だったと思います。

ローカルのラジオ局ではまだまだ取材・特集が続いておりますが、今回数ある取材を見聞きして感じたことは、以前にも増して「業界シンパシー」が強いこと。
司会者、インタビュアー、編集者、ミュージシャン、番組制作担当などが山下達郎の音楽のファンであり、その存在自体をリスペクトしている割合が非常に高いと感じます。
また自分の周囲も含め、30代以下の方は親からの刷り込みのせいで好きになったパターンがとても多いですね。それは業界人も同様だったって今回のプロモーション出演で認識新たにしました。

これでまた達郎ファンが激増して、ますますコンサートチケットの倍率上がっちゃうな


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2022年05月29日

HOCUS POCUS by FOCUS

昨年くらいからYouTubeでやたら目につくコンテンツがあります。
それは、FIRST TIME REACTION

一般の音楽リスナーが初めて聴いた曲に対してコメントを述べ、その模様を自分のYouTubeチャンネルにアップするというもの。
アジア、アメリカ、ヨーロッパ、地域を問わず多くの人たちがやっていて、例えば竹内まりや2000年のライブでのPLASTIC LOVEの映像を見ながらのリアクション、特に後半山下達郎のコーダ部分でのバックコーラスに驚き、その驚愕の表情とコメントをアップすると言ったものも有ります。

そんな中で、今年になってあるミュージシャンのある曲の同じ映像を使用したFIRST TIME REACTIONが、やたらとアップされていることに気づきました。

これは殆どが欧米の人たちが載せていると思われます。1973年にアメリカで放送されていた深夜の音楽番組に出演したロックバンドの演奏シーンを観ながら、ある人は目を剥き、ある人は大笑いし、ある人は仰け反る。このひとつの映像に対するリアクション動画がその正確な数分かりませんが、30本以上は有るんじゃないでしょうか?
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観ていてあまりにも可笑しいので、それらのYouTubeの一部を切り取って編集した動画を私自身が作ってみました。先ずはご覧下さい。


このFOCUSと言うバンドは、いわゆるプログレ=プログレッシブロックバンドであります。
プログレバンドの殆どはヨーロッパ、その中でもイギリス出身のグループが圧倒的です。ピンクフロイド、キング クリムゾン、イエス、エマーソン レイク&パーマー、ムーディ ブルースetc.
世界的人気を博したグループがいくつも存在し、70年代は一大プログレブームとなりました。
その中でオランダから出てきたのがこのFOCUSというグループ。
キーボードとフルートを担当するタイス・ファン・レアとギタリストのヤン・アッカーマンの二人を中心に結成された1970年代に活躍したロックバンドです。
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当時、日本でもかなりの人気を博して確か2回来日して、公演が行われました。私も大学生時代に中野サンプラザに観にいきました。演奏レベルが非常に高かったのと、後で書きますがヨーロッパ大陸出身ならではの独特の雰囲気と超絶テクニックに裏打ちされた複雑だけど難しく聞こえない「楽しい」サウンドは、とても魅了された記憶があります。

ここで演奏されているHOCUS POCUS ホーカスポーカス(日本タイトル:悪魔の呪文)は、彼らの2枚目のアルバムMOVING WAVESの冒頭を飾るインストルメンタルです。
彼らの代表曲として、彼ら独特のユーモアとメンバー各人の卓越した演奏能力が凝縮された一曲と言え、1973年には全米で9位のヒットシングルとなっています。
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Thijs van Leer

なお、この演奏動画はアメリカでのコンサートツアーの際、当地の人気テレビ音楽番組 MID NIGHT SPECIALに出演した時のもので、番組の時間制限のせいかレコードに比べ楽曲構成が大分はしょられていますが、その分ギターのパートが最初からいわば「全開」で演奏されています。
自分は、タイスの「ヨーデル」パフォーマンスは高校生の頃から慣れ親しんできたので今更驚く事はありませんが、ここで演奏されているアッカーマンの奇想天外のギターフレージングには、初めてFOCUSの音楽に触れてから50年近くが経っていますが、今回改めて打ちのめされました。そして、自分にとってJan AkkermanこそThe Most Favorite Guiteristで有ることの認識を新たにした次第であります。
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Jan Akkerman

先に挙げた動画でお分かりと思いますが、FOCUSは一般的にこのHOCUS POCUSのイメージがとても強いのですが、70年代初頭から75年までに発表された5枚のアルバムはどれも他のプログレッシブロックバンドとは、はっきり一線を画した独自のサウンドを構築しています。

どう一線を画しているかというと・・・
クラシックをベースにしたロック」と一口に言ってしまうと、エマーソン レイク&パーマーとどう違うの?って事になりますが、FOCUSはクラシックでもより古典〜バッハやハイドンをモチーフにしつつも、ロックンロールしています。そこに洒落たジャズの要素もふんだんに取り入れられていると言えばいいでしょうか。
そして、なによりもプログレとしても小難しくなく、ある曲は楽しく、ある曲は琴線に響き、そしてある曲は展開の早さに目が眩みそうになります。でもプログレにありがちな頭でっかちな音楽では決してありません。

ここで、私のオススメのナンバーを数曲ご紹介いたします。

FOCUS U この一曲に彼らの魅力が凝縮されていると言っても過言ではありません。クラシック、ジャズ、ロックの様々な要素がすごくお洒落に、ドラマチックかつ流麗にまとめられています。テンポが違うこれだけの要素が4分間に凝縮され、しかもそれが決して「お腹いっぱいに」ならずにまとめられている点に彼らの作曲/編曲/演奏能力そしてセンスの高さを感じさせます。

https://music.apple.com/jp/album/focus-ii/151178566?i=151178601
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アルバム MOVING WAVESに収録

Carnival Fugue カーニバルフーガ フーガ形式をベースにした4部構成の楽曲。2番目のパートではバッハのフーガがモチーフにされているかと思います。(クラシックに詳しい方よろしくご教授ください)3部はいかにもプログレ風味ですが、4部になると打って変わって先にも述べた彼らの「楽しい」音楽。ハモンドオルガンもギターもその音色とフレージングがとてもハッピーで、そこにピッコロが絡んできて、まさにカーニバルの情景が浮かびます。

https://music.apple.com/jp/album/carnival-fugue/96837670?i=96836974
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アルバム FOCUS3に収録

Harem Scaremハーレムスカーレム 彼らがロックンロールを作るとこんな感じになります。過去50年以上洋楽に親しんできましたが、こんな表現方法は他では聴いたことありません。

https://music.apple.com/jp/album/harem-scarem/117514700?i=117514664

La Cathédrale de Strasbourgストラスブールの聖堂 は、タイスとアッカーマンの織りなす孤高の音世界の極地とも言える作品。特に3:05から始まる8分の6拍子に乗ったギターソロが、3:30あたりからテンポが速まるにつれ極めて単純なフレーズのリピートになり、そこにほんの1小節だけ音の並びが違ったフレーズが奏でられまた元に戻ります。このセンスは1974年に新宿ディスクユニオンでレコードを買って以来、何度聞いても毎回必ず心に響きます。

https://music.apple.com/jp/album/la-cath%C3%A9drale-de-strasbourg/117514700?i=117514670
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アルバム HAMBURGER CONCERTOに収録

My Sweetheart マイスイートハートは、FOCUSのアルバムとしては異色のMOTHER FOCUSに納められているファンキッシュなナンバー。このアルバムはもはやプログレと呼ぶには相応しくなくなっていて、アルバムジャケットのイメージと相俟ってとても明るくライトな印象です。しかしその音楽性として、相変わらず非常に高度なアレンジと演奏がなされています。この「マイ スウィートハート」もリズム、特にベースがドラムと共に従来の楽曲とは全く違ってファンキーなビートを刻んでいますが、曲のそこここにヨーロッパの香りがするのはクラシックに片足を置いたままだからなのでしょうか?大きくフィーチャーされたエレキシタールもいい感じです。

https://music.apple.com/jp/album/my-sweetheart/96838764?i=96838579
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アルバムMOTHER FOCUSに収録

まだまだご紹介したい彼らの素晴らしい楽曲は沢山ありますが、このブログで70年代にこんな素敵なバンドが有ったんだと気に入っていただければ、1ファンとして嬉しいです。







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2021年10月14日

nothing but STEELY DAN

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今回は1973年に初めて聴いてから半世紀近くずっとファンのスティーリーダンについて、私的思い出を述べてみたいと思います。

先月に新譜として彼らのライブアルバム「Northeast Corridor: Steely Dan Live!」更にドナルド・フェイゲンの歴史的大傑作 THE NIGHTFLYを曲順もそのままに全曲演奏した「The Nightfly Live」が発売されたことで、このタイミングで書くことにしました。
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しかし、これがいきなりサブスクで聴けちゃうって、いいんでしょうかね?

彼らの音、そして名前を初めて聞いたのはその1973年1月の事だったかと思います。当時ラジオ関東(現在のラジオ日本)毎週土曜日の22時から25時まで放送されていた「全米トップ40」というビルボード上位40曲を全曲紹介するアメリカの番組でのこと。その日本版のDJは湯川れい子さんでした。

当時、洋楽一辺倒な高校生だった自分にとって、シンガーソングライターやハードロック以外にソウルミュージックもなかなかシブいな(シブいって表現が結構はやってて、単に格好いいんじゃなくって一癖あるのがいいんだよね、って感じ)と思い始めた頃。カーティス・メイフィールドのSUPER FLYやテンプテーションズのPAPA WAS ROLLING STONE、ビル・ウィザース LEAN ON ME などなど。
そこに スティーリーダン DO IT AGAIN と言う曲が出てきました。曲調と歌声からてっきり黒人(グループ)だと思い込んでたのです。
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偶然保存していた1973年1月第1週のランキング表

それこそ、なかなかシブい曲だよねな〜んて思っていたらチャートをどんどん上昇して、結局デビュー曲にしてベスト10ヒット(最高6位)になりました。
ちなみに、後々サンソン(山下達郎のサンデーソングブック)でエレキシタール特集が組まれた際、このDO IT AGAINこそ世界初のエレキシタールによる間奏ソロが奏でられた曲として紹介されました。

で、次のシングルReelin' in the Years(邦題:輝く季節)で、あら彼らって白人のロックバンドだったのね!って気づいた次第であります。複雑なリズムにコーラスが絡み、ツインリードギターのハーモニーなどなど、粋がって複雑な音を欲していた高校生にとって、正にジャストミートの音楽でした。

この2曲が収録されたアルバムCan't Buy a Thrilllの次作 Countdown to Ecstasy(なんて意味深なタイトルでしょう)が、自分にとって初めて手に入れたSTEELY DANでした。
実は以前のブログでも書いたとおり、自分の父親はレコード会社の洋楽部に勤めていて、STEELY DANの所属レーベルであったABCレーベルの販売権を獲得を試みていたらしく(結局契約には至らず)見本盤として家に持ち帰ったモノを息子が気に入ってずっと聞いていた次第でありました。
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ところでこのロンTいいでしょう?アメリカから通販で買ったんです。

その後、シングルカットされてヒットしたリキの電話番号を含むPretzel Logic (しかしなんでこの日本タイトルが「爽やか革命」なのでしょう?)、Katy LiedThe Royal Scamと どんどんロックミュージックとしてハイブロウになっていきました。
従来のロックミュージックの域を超えたアレンジ、複雑なリズムパターン、ジャジーなギターなど、モダンジャズは敷居が高くて踏み出せなかった高校生にとっては、ちょうどいい背伸び具合だったのです。そうやって考えるとこの数年後に流行するクロスオーバー、フュージョンを先取りしてたんですね。

そして大学生になってリリースされたのが、今に至ってもロックミュージックの最高傑作の一枚として、その録音技術を含め評価され続けているこのアルバムでした。お遊びで所属していた音楽サークルでは、ライブハウスに出演していた先輩方の間でもこのアルバムの話題で盛り上がっていた記憶があります。
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聞き手の音楽ファンも含めてですが、ポピュラーミュージックの作り手側として、このアルバム以前と以後では音作りの意識が変わったとさえ言わしめたアルバムでした。
自分も初めて聴いた時、こりゃ完璧だ!もうなんも言えね〜!って思いましたもの。

その次のアルバム Gauchoはちょうど発売時期にLAに遊びに行くことになっていたので、折角だから日本にはまだなかったTOWER RECORDで買おうとサンセットまで行ったものの、レーベルの契約の関係上(だと店員は説明してくれた、と思う)ここでは売っておらず、帰ってから新宿のディスクユニオンで買ったと記憶しています。

先ほどのajaでも書いた様に、この頃のスティーリーダンが作る作品のクオリティは他の追随を許さず、その一例として録音技術を含めたサウンド面で、このGauchoに納められているTime Out of Mindとこの4年後に出たマドンナのLike a Virginを聞き比べれば良く理解できると思います。

まあ、私が評論家みたいな事をくどくどと書いても、スティーリーダンは日本でもあまりにも有名で、かつ絶大な人気があるのであまり意味ないと思います。なので彼らの音楽の内容はこのくらいにして、来日公演に行った際の思い出を少し書いてみようと思います。

最初にライブを観たのは、1994年代々木第一体育館、初の日本公演でした。この時はスティーリーダンとして活動休止から10年以上ぶりに再開したライブツアーの一環で、この時はドラムがWEATHER REPORTのピーター・アースキンだったことがとても嬉しかった覚えがあります。これでギターがラリー・カールトンだったらなぁ、なんて無茶な事思ったりしてました。
演奏された全曲知っていて、演奏力には全く不満はないというか、非常に上手いので大いに楽しめました。

次回は96年の日本武道館。この時の印象はあまり無いって事は94年とあまり内容変わらなかったのかな?

私が体験した彼らのライブでなんと言っても最高だったのは、2007年のBillboard TOKYOこけら落とし公演。
Billboard TOKYOにいらした事ある方ならお分かりでしょうが、ここは食事しながらライブを観る形なので、席ではなくテーブルで予約します。
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2日目の8月19日公演をごく普通に電話で申し込み、会場で席に案内されてびっくり。
なんと真ん中の一番前、ドナルド・フェイゲンから1m! 席に座ったまま手を伸ばせば彼の弾くRhodes Pianoに触れてしまう距離。ご一緒した方、そして同じテーブルになった男性とは「ありえねー」を連発。その男性の連れの若い女性は「そんなに凄い事なんですか?」なんて言ってましたが、我々3人「これ大変な経験なんですよ!」正に猫に小判 状態(笑)
ちなみにチケット代2万6千円! でもスティーリーダンここで観れるなら十分リーズナブルと思いましたけど。

さあ演奏始まりました。殆どの観客は演奏される複雑なリズムに合わせて自身の太ももを叩きます。アレンジがほぼレコード通りで演奏され、どこでブレイクが来るか、どこでリズムが変わるか分かっているので、みな同じように体を叩き、揺らします。
自分はドナルド・フェイゲンをステージが近すぎるがため45度の角度で仰ぎ見ながら、腕達者達の最上級の演奏に乗った彼のボーカルを堪能しました。もう一人のウォルター・ベッカー(彼も5mくらいの距離)はギターを演奏しつつ曲とメンバー紹介といったスポークスマン的な役割でしたが、一曲Hitian Divorceを唄ってくれました。
そういえばこの公演の5日前、ajaジャケットを飾る世界的ファッションモデルの山口小夜子が亡くなりました。そのことに対してのコメントがあるかな?と思っていましたが、それはなかったですね。
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今回、このブログを書くにあたって、STEELY DAN 色々と聞き直しましたが、デビューアルバムから7年でこれだけのアルバム出して、更にどのアルバムも独自のカラーを持ち、そのどれもが今聴いても古くさくないどころか、特にajaやGauchoなどは現時点でもし新譜としてリリースされても最新のサウンドとして受け取られるでしょう。

得てしてその時代のトレンディ(死語)なサウンドは、その後の新しいトレンド、流行に追い越される為にある、トレンドなものほど陳腐化が早い、と言われます。
しかし、70年代に当時の最新のサウンドとして多くの支持を得ていた彼らの音楽が、今現在としても最新であり続けるのは、STEELY DANは決してトレンディでは無かったのでしょう。


2021年08月15日

極私的 Apple Music プレイリスト Grooving Rock'n Roll 編

今回の"凝れば凝るほど”は、前回に引き続き「超私的Apple Musicプレイリスト」を作ってみたので、その紹介をしてみましょうか。

前回はソフトサウンディング中心の、心に響くHert Warming Musicのプレイリストでしたが、今回は打って変わってロックンロールミュージックのマイフェイバリットリストです。ロックンロール、その中でも特にグルーヴが強く感じられる曲をピックアップしました。

今回もApple Musicサブスク契約なさっている方限定ですが、しばしお付き合いいただければ幸いです。


グルーヴ:GROOVEって何でしょう?以前このブログでも書きましたが、自分的にはサウンドにおける「アフタービートのノリ」と解釈しております。

そして今回のセレクトも前回同様、60〜70年代中心になってしまうことを予め言っておきます。でも自分の耳に聞こえてくる最近の楽曲って、グルーヴ感があるサウンドが洋邦問わずあまりと言うか、全く無んですよね。

では、曲順に従って解説というには口憚れますが、極私的な感想を書いてみたいと思います。
題して、シュミルソンがお勧めするグルーヴ感いっぱいのロックンロールサウンド集

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CLICK HERE↓
https://music.apple.com/jp/playlist/shumilssons-recommended-groovin-rockn-roll/pl.u-pVdMIWbV4N

今回も基本 あまりベタな選曲は避けたつもりですが、前回と比べると聴く人によっては有名曲もまあまあ入ってるかな?その辺りは太く鷹揚にご容赦願います。

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アラン・メリル AUTOMATIC PILOT
アラン・メリルをご存じない方に説明するとアメリカ生まれのロックミュージシャンですが、日本で活動していた期間が長く、かまやつひろし等とウォッカ・コリンズというバンドで70年代初期はテレビに出演したりして人気がありました。このオートマチックパイロットという曲も本来ウオッカコリンズがオリジナルだと思います。演奏的にはこっちの方がいいのでこのソロバージョンにしました。かまやつさんが亡くなった際に放映されたドキュメンタリーで、ロンドンでこの曲を二人で歌っていたのを見て、APPLE MUSICで探したところ、このグルーヴ感に溢れたバージョンを発見。一発で気に入りました。聴いていただければお分かりかと思いますが、このサウンドってT-REXですよね。でも演奏はこっちの方がずっと上手い(笑)
そのアラン・メリルも昨年コロナで亡くなりました。ちなみに彼の母親は「ニューヨークのため息」と言われた超有名ジャズボーカリスト ヘレン・メリルというのはあまりにも有名なお話し。

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ジョニー・リバース MEMPHIS TENNESSE
チャック・ベリーのヒット曲ですがサウンド的によりハイファイなこっちを選びました。ハンドクラップがグルーヴ感を一層強調しています。間奏のギターソロもグルーヴィですね!

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ZZ TOP CEAP SUNGLASSES
お次はZZトップ チープサングラス ZZ TOP 嫌いじゃないんですけど、まだ勉強不足で有名曲しか知らないんです。自分知ってる中で一番アフタービートな一曲がこれ。他にグルーヴ感いっぱいの曲があったらご教示宜しくお願いします。

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THEM (ヴァン モリソン) GLORIA
イントロからずっと流れているギターカッティング自体はそれ程グルーヴ感ないんですが、シンプルなドラムとベースとヴァン・モリソンのボーカルが重なるとえも言われぬグルーヴの塊になります。

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トニー・ジョー・ホワイト POLK SALADA ANNIE
映画フォードvsフェラーリのタイトルソングにも使われたこの曲は、もう最初のギターの1フレーズからグルーブの極地。エルビスも歌ってますが断然こっちを選びます。

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ドゥービー ブラザーズ NEAL'S FANDANGO
カントリーテイストってことで、今回の選曲で一番異色かもしれませんが、なんと言ってもドゥービーズならではのツインドラムスのグルーヴ感は思わずカラダが動いてしまいます。右耳と左耳のドラムが別々であることに注力してお聴き頂ければと思います。

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The Who REAL ME
アナログ盤としたらここからがB面
ROLLING STONE誌が選ぶ歴代ロックベーシストとドラマー、それぞれ1位(ジョン・ウエントウィッスル)と2位(キース・ムーン)が何故1位と2位なのかは、この曲聴くと分かります。このタイム感、痺れます。

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イアンギランバンド MAD ELAINE
DEEP PURPLE脱退後のイアン・ギランが作ったグループは、意外にもリズムセクションがファンキー路線で、ハードファンクロックと言った趣でした。そんな中でも一番グルーヴィな一曲。武道館に観に行きましたけど、変にパープル引きずらず好感が持てました。

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ザ・キンクス SHE'S GOT EVERYTHING
最近KINKSがお気に入りで、探せば探すほどいい曲が発見されます。前回のTHERE'S NEW WORLDもそうでしたが、独特の世界観にツボってます。それらの中で一番グルーヴィな曲です。

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クリーデンス クリアウォーター リバイバル COMMOTION
グルーヴィなナンバーが多いCCRから何か一曲と考えたとき、ベースラインが印象的なこの曲を選びました。ジョン・フォガティのワンマンバンドと思われがちかもしれませんが、リズムセクションが地味ながらいい味出しているんです。

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CHAR STREET INFORMATION
ギターリフからしてCharのキャラクターがとても良く出ている曲ですね。このバージョンのドラムはジェフ・ポーカロなのかな?ジョニーとルイズルイスのバージョンなかったけど、独特のグルーヴ感がいかにもって感じです。

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デイブ・メイソン FEELIN' ALL RIGHT
Grooving Rock'n Roll 最後を飾るのは、デイブ・メイソンのライブレコーディング。ドラム、ベース、ギターのイントロでもう決まりですね。ミュージシャンが実に気持ちよさそうに演奏していることが、音だけからでも目に浮かびます。


今回、候補曲を色々考えているとまだまだ色々出来てきましたが、前回にも書いた様にアナログ盤のスタンダードである12曲縛りにしたかったので、落とした曲結構ありました。
I GOT THE NEWS / STEELY DAN STANGE KIND OF WOMAN / DEEP PURPLE TAKE MONEY AND RUN / STEVE MILLER BAND START ME UP / ROLLING STONES WHEELS OF FORTUNE. 誕生 / SUPERFLY などなど

懲りずに全曲お聴きいただいた方、いかがでしたでしょうか?
今回も、どれか一曲でも「あ、この曲結構いいかも」そして「グルーヴがあるってこういう事なんだ」って
感じてもらえれば嬉しいです。

どの曲も聴くと無意識にカラダ動きませんか?





















2021年07月20日

極私的 Apple Music プレイリスト HeartWarming 編

今サブスクで音楽聴いている人って日本でどのくらいいるんでしょう?
ある調査によると昨年末で2390万人で、うち有料会員が1310万人とのこと。
いくつもある定額制音楽配信サービス利用者に、一番利用頻度が高いサービスを挙げてもらったところ「Amazon Music」と回答した人が最も多く(34.1%)、次いで「Apple Music」(26.9%)、「LINE Music」(14.4%)、「Spotify」(9.0%)だそうです。Amazon Musicはプライム会員についてくるので、純粋な音楽サブスクとしてはApple Musicがシェア一位ではないでしょうか?これはiPhoneのシェアが圧倒的な日本では、必然なのでしょうね。

かくいう私もApple Musicのサブスク愛用者です。
使い始めてもう5年くらいになったでしょうか。

Apple Musicには自分でプレイリストが作れて、自分もiTunesの時代からいくつもリストを作っていました。
例えば雨の歌ばかりを集めた「RAINY DAY」とか、ノリのいい曲の「GROOVIN' ROCK'N ROLL」朝の気分に合う「IN THE MORNING」アーティスト別には「STEELY DAN」「DOOBIES」とか。ハワイに行った時に夕陽を見る時に聴く「SUNSET MUSIC」なんてのまで作っています。

で、いつから始まったか不確かですが、最近はその個人プレイリストを公開出来るんですね。

公開したからと言って、当然Apple Musicサブスクに契約していないと聴けないわけですけど、自分の周りにも結構契約している方結構いいらっしゃいますし、このブログネタにもなるなって思い、今回公開用にリストを作ってみました。
今回のリストは、題して「Shumilsson's Recommended Heartwarming sound
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https://music.apple.com/jp/playlist/shumilsson-s-recommended-heartwarming-sound/pl.u-E17YuD0Wa6

ハートウォーミング つまり心が温まる音楽、心臓にジーンとくる楽曲リストです。
結果的にコーラスが美しい60〜70年代のソフトサウンドが殆どとなりました。
どちらかというと、それぞれのミュージシャンにとって代表作とは言えない「隠れた名曲集」的プレイリストに
なりました。
曲数は12曲。何故かというとポピュラー音楽のアナログレコードは、A面6曲、B面6曲と相場が決まっていたから。それにあまり多いと折角シェアしても途中で飽きられちゃいますからね。

まずはお聴き下さい。いつもの様な能書きは後ほどで。
シュミルソンがお勧めする心にジーンとくるサウンド集

歩きながら、通勤途中で、本読みながら、LINE書きながら、ベッドの中で 何でもいいです。
その時流れてきたサウンドで、「おっ!」って気が引かれる曲がひとつでもあったら、これから載せるジャケ写と文章読んでみて下さい。
そして、そのアーティストのこと興味持ったとしたら、「アルバムを表示」して別の曲聴いて、更に気に入ったら「そのアーティストのその他の作品」もお聴きになったらいかがでしょう?
こういうことが出来るのもApple Musicのいいところですから。

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The Cyrcle (ザ・サークル) THE VISIT
1966年〜68年に活躍したアメリカ東海岸のいわゆる「ソフトロック」グループ。ブライアン・エプスタイン(ビートルズのマネージャー)に見いだされ、他にもこの手のコーラスが美しい曲が沢山あります。実は私自身このグループのことサンデーソングブックで今世紀になって紹介されるまで、その存在さえ知りませんでした。

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Roger Nichols and The Small Circle of Friends Always You
日本では「渋谷系」の人たちに熱狂的に支持されたロジャニコことロジャー・二コルスは、本当に綺麗なメロディに琴線に響く「あ、そこがたまらない」という一捻りを加えた曲を作る人で、一番有名なのは、カーペンターズでお馴染みの「愛のプレリュード」でしょう。全世界で200曲からのカバーがあるそうです。もう「たまらない」曲いっぱい有って今回どれにしようかと迷いましたが、主メロから「たまらない」展開を見せるこのALWAYS YOUにしました。

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The Lovin' Spoonful COCONUTS GLOVE
60年代中期から末まで活躍したニューヨーク出身のフォークロックグループ。日本でもCMソングで数曲取り上げられているなど、結構人気があるグループです。このココナッツグローブは彼らの中でも「隠れた名曲」だと思います。バックの控えめなギターと彼らの多くの楽曲で使われているオートハープの音色が和みます。

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The Monkees I WON'T BE THE SAME WITHOUT HER  
あのモンキーズであります。
僕自身モンキーズの中で一番好きな曲です。既に人気が凋落し始めていた頃で、ピーターが脱退して3人になってから出したアルバムに収められていた一曲です。キャロル・キングの作曲で、もうたまらないメロディ。主メロもいいし、サビのメロディーに入ったところで更にグッときます。コーラスのアレンジも素敵です。ボーカルはマイケル・ネスミス。この曲知っている人 あまりいないんじゃないかな?

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The Carpenters Road Ode (明日への旅路)
お次は誰でも知ってるカーペンターズ。その中でも最も売れたアルバム「A SONG FOR YOU」に収められていた一曲ですが、実はこの曲も私自身2〜3年前まで知りませんでした。カレンのアルトはどの曲も心に響きますが、この曲は特に出だしのI've been on this lonly road・・・から直接私の心臓に入り込んできます。また途中でアフタービートのコーラスになるところなんて最高です。リチャードのアレンジの才能を改めて思い知らされます。

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Nilsson Caroline
今回のブログテーマを思いついたとき、この珠玉の名盤 「ニルソン ランディ・ニューマンを唄う」から何か一曲は絶対に選ぼうと思ったのですが、ちょうど今読んでいるニルソンの伝記「ハリー・ニルソンの肖像」にこのキャロラインがニルソンのための書き下ろしだと知って、この曲を選びました。69年当時この一人多重コーラスはさぞかし録音とミキシングが大変だったことでしょう。更に極々シンプルかつハッとさせるアレンジと高校生の私にも理解できた歌詞が相まって当時とても感動した覚えが有ります。
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Barry Manilow A Little Traveling Music,Please
アナログ盤で言えばB面一曲目はちょっと意外なアーティストかもしれません。この曲をサンデーソングブック「トラベルでひとつかみ」で聴くまで、バリー・マニロウってラスベガスのカジノのショーで聞く様なエンタティナー的歌手だと思っていて、全く興味なかったのですが、いやぁこれはいい曲だ。アレンジもいいし、なにしろバリー・マニロウ歌が上手い!

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Nilsson LIFE LINE
ニルソンがイラスト動画まで自身で作ってテレビで放映された「オブリオの不思議な旅」は、彼がロック志向になる以前の最後のアルバムで、シンプルなアレンジのファンタジー感にあふれた可愛い曲がニルソン自身の語りとともに納められています。その中でこの曲は、主メロのIs anybody eles hear?とサビの I'm so afraid of darkness・・・ってところがもうたまりません。

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The Beach Boys The Warmth of The Sun
いきなり聞こえてくるブライアン・ウィルソンのア〜ア〜ア〜でもうノックアウトされちゃいます。THE WARMTH OF THE SUN〜ってところの後追いのコーラスも実に和みます。自分にとってのビーチボーイズはコーラスグループの意味合いが一番強いですね。今でこそ日本でもファンは多いですが、40年くらい前はその存在と一部のヒット曲は知られていても、それ程の人気を博していたわけではなかったかと思います。自分の思い出としてこんなことがありました。大学生当時通っていた英会話スクールでオハイオから来た音楽好きの教師とレコード屋に行った時、彼ブルース・ジャクソンは、なんでビートルズはLPが30枚以上売られているのに、ビーチボーイズは3枚しか在庫がないんだ?と驚いていたことがとても印象的でした。アメリカではたとえカリフォルニアでなくてもビーチボーイズはビートルズに匹敵する、あるいはそれ以上の存在だったのですね。

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The Singers Unlimited London by The Night
今でこそ誰でも知っている「アカペラ」という言葉を知ったのはこのアルバムでした。1971年のこと。前回のブログで書いたテイチク洋楽部がリリースしていて、親父が持って帰ってきたテスト盤で初めて聴きました。4人組でかつ多重録音によるハーモニーは当時ジャズ系ならではの大人の音楽を感じましたが、今聴くとなんと言ってもソプラノの紅一点ボニー・ハーマンの声が抜群に素敵です。そして多重録音ならではの彼女の声に包み込まれる感覚が味わえます。それにしてもなんて魅力的な声なんでしょう。

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The Kinks    There's a New World
今回で一番異色な選曲だと思います。ユー リアリー ガット ミーを始めとするヒット曲がたくさん有る60'sロックンロールグループのキンクスですが、こんな空気感を持つスローナンバーがありました。ローファイだからこそこう言った雰囲気が出るのでしょうか。何か60年代の映画の1シーンにかかるサウンドトラックの様にも聞こえます。

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Michael Nesmith & The First National Band The Crippled Lion
B面最後の曲は、私の「ハジレコ」つまり人生で初めて買ったレコードです。マイケル・ネスミスのモンキーズ脱退後初アルバム Magnetic SouthのA面4曲目。もう最初の4小節でやられちゃいました。こういう「泣き」のフレーズに弱いですね。マイクは元々カントリーミュージックの要素が強い人で、この曲もペダルスティールが使われたりとあまり日本人好みのサウンドではないかもしれませんが、このメロディーは何物にも代えがたいものがあります。

と言うわけで、今回のマイ プレイリストの解説は終わりですが、もし最後まで聴いていただいた方は如何に思われたでしょうか?
もちろん音楽は聴かれる方の趣味趣向、好き嫌い、年齢よる要素等がが大きく、このプレイリストがつまらないと感じる方もたくさんいらっしゃるのは百も承知です。
ヒップホップ命の人に受け入れられるわけないし、打ち込みにファルセットでいきなり1オクターブ上がっちゃうJポップばっかり聴いてる人には退屈この上ないかもしれません。
でも、どれか一曲でも「あ、この曲結構いいかも」って感じてもらえれば嬉しいです。
更には、単にスローで優しいメロディだけの曲は、このリストには一曲も無いって感じてもらえれば更に嬉しいです。
次回はGROOVIN’ ROCK'N ROLLをやってみたいと思います。
これも一筋縄ではいかない曲ばかりになる予定です。乞うご期待!(誰も期待してないか









2021年05月29日

超私的 竹内まりや ライブ配信速報解説

2015年9月に始めた私のブログ「凝れば凝るほど」も今回で100回を迎えることになりました。
で、ちょうど100回目何を書こうかと思っていたところ、今晩竹内まりや初のライブ配信が行われたので、それについてのレポート/コメントを書き記すことにしました。
今まで、まりやさんについては2回書いていて、ライブのレポートは達郎さんで3回ほど書いておりますが、そのいずれもPV数多いので、いち早くアップしてみることにしました。

今回のライブ配信は、本来今年4〜5月に予定されていた彼女の7年ぶりのアリーナライブツアーがコロナ禍で中止になったものの代替で行われるもので、(正に本日5/29は横アリでの開催日だった)その前2019年に発売されたアルバムとシングルの購入者に対する応募抽選特典として企画されたライブイベント『LIVE Turntable』が、これも新型コロナウイルスの感染拡大により開催不可となったため、代替案として企画された当選した2000人のみが視聴できた今回の本編プレミア映像にいくつかのオマケをつけて配信されることになったと言う、正にコロナに翻弄されたまりやさんのライブイベントであります。
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本編はZepp Tokyoで昨年11月に事前収録された無観客ライブ、それに2010年、2014年のツアーからの5曲と、2012年の“SPACE SHOWER SWEET LOVE SHOWER 2012”にて、山下達郎のステージにサプライズ出演した際の「家(うち)に帰ろう 」の全6曲が加えられています。


曲目毎の私的インプレッションを述べる前に、この配信方法について一部から批判が出ている事柄について書いてみたいと思います。
その批判というのは大きく分けて2つ有り、1つめは何故リアルのライブ配信ではないのか?2つめは何故見逃し配信=アーカイブが行われないのか?であります。
これについて、本企画のプロデューサー山下達郎氏が説明をしております。

達郎さんは自身のライブ配信、昨年2回行っておりますがどちらもリアルのライブ配信ではなく、さらにアーカイブなしとなっています。その理由は、まずは音を現在配信で行える最高音質とすること。そして演奏と歌のバランスを完璧にするためにはミックスダウンが必要なこと。そして配信の送出は音の圧縮がマストでリマスタリングも必須。そのためには事前のチェックが必要だから。お金取って観客にコンテンツを提供するのだから、そういった準備無しに不安定なネットの世界に事故覚悟で音楽を送出するわけには行かない、とのことです。
これ納得じゃないですか?

見逃し配信、アーカイブがないことについては、ライブは一期一会でネットで流されても実際のライブ会場を訪れて一定の時間にライブに集中してもらうのと同じにしたいから・・・なのだそうですが。
でもその時間仕事とかの都合でどうしてもその日に観られない人に対して、2回くらいは流してくれてもいいんじゃないかな?って思います。サンプラザだって一回のツアーで4日くらいやってるでしょう?達郎さん

と思ったら配信終了後に!
https://www.oricon.co.jp/news/2194932/full/
3日間のアンコール配信決定ですって!

今回は9時スタートの本編の前に約20分間音声だけで「達郎 まりやの夫婦放談出張編」が行われました。
ライブ配信について、いつも通りのヤマタツ立て板に水トークが炸裂しました。
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さあ、いよいよ『LIVE Turntable Plus』の開演です。
2020年11月20日 ZEPP TOKYOで収録された音声映像です。

1.瞳のささやき
自分の世代には懐かしいクリスタル・ゲイルのDon't make my brown eyes blueは、一昨年まりやさんが38年振りにミュージックフェアに出演した時に歌いましたね。

2.アンフィシアターの夜
アルバム バラエティ収録のこの曲は、2000年2010年2014年のライブ3回ともオープニングを飾った曲。ドラムに続く最初のギターのイントロは達郎さん自身お気に入りらしく、サンソンのギター絡みの特集時に良くかかります。自身のイントロから佐橋佳幸さんのリードギターに繋がるところで、カポタストをパッと外す早業にはびっくり。そして 過去3回のライブの時よりまりやさんの声は明らかに高いというか太くなく軽快に感じました。
ギターソロの前には、今回もまりやさんの「え〜いサハシ!」てのが聴けました

3.マージービートで唄わせて
この曲も2010,14年と歌われた曲でイントロの12弦ギターが耳に残ります。14の時もそうでしたが柴田俊文さんのキーボードソロの際の表情が音と合っていなくて笑えます。
ところで今回の小笠原拓海さんのドラムのセッティングがいつもの達郎ツアー、そしてまりやさんの2010,14年とは違っていたことが目につきました。ドラムの専門的なこと分かりませんが、達郎さんとやる時は地面と水平に四角い支柱が渡してあってそれにタムがついているのが、今回は違っていて、ジャズ系のライブの際の並べ方に見えました。
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4.待っているわ
今回の選曲の特徴として独身時代の曲が多かったですね。このロッカバラードもその一曲。
このあとメンバー紹介に続きますが、紹介の順番はドラム、ベースから始まるところは達郎さんと同じですが、次がキーボード2人が先に来てギターがあとになっていた理由はなんでしょうか?納涼夫婦放談にハガキ出して聴いてみよう(笑)

5.元気を出して
2015年に達郎バンド女性バックコーラス2人が変わりましたが、まりやさんのバックとしては今回初めてです。
ハルナさんENAちゃん実にチャーミングな歌声で、バンドサウンドが若返りました。特にハルナさんのソプラノがとても可愛い声で、この曲の最後のららら〜は素敵でした。
そして達郎ー佐橋のアコギのアンサンブルは完璧でしたね!

6.September
元々バンドが上手いと分かっていても、こう言うミドル〜アップテンポの曲を演奏されるともう関心するしかありません。達郎さんのリズムギターのタイム感がたまりません。また難波弘之さんのピアノのリフは以前はこんな感じには聞こえてこなかった気がします。この曲のコーラスも本当に綺麗で素晴らしいですね。

7.五線紙
2000年のライブに行った際初めて聴いて印象にずっと残っている曲で、宮里陽太さんのソプラノサックスの音色が実に綺麗でした。この曲松本隆作詞だったんですね。
ところでベースの音が聞こえてるのに演奏メンバーが乗ったレコード盤を形取ったステージの上に伊藤広規さんが居なかったのは何故ゆえ?

8.悲惨な戦争
老眼鏡掛けた達郎さんがずーっと楽譜とにらめっこしてたのが微笑ましかったですね(笑)
もう一人の男声コーラス三谷泰弘さんはいつもの手振りをしながら余裕の暗譜でした。

9.天使のハンマー
この曲知りませんでした。達郎さんのこう言う低いコーラスパートって珍しいですね。

10.Oh No, Oh Yes
この曲はライブ初出です。自分にとっては一番新鮮でした。演奏難易度がとても高そうな曲に感じましたが、実際にバンド活動やっていらっしゃる方にはどう聞こえるのでしょう? 

11.Natalie
竹内まりや音楽指向の一つはこう言ったカントリーテイストの曲ですね。それは独身時代から最近(と言っても 10年は経ちますが)の人生の扉までずっと保ち続けています。

12.静かな伝説(レジェンド)
この曲も同じ傾向でしょうか。まりやさんが贔屓のザ・バンドの影響にも聞こえます。
ブレイクのところ「ラララ〜ララ」を観客と一緒に歌える日が早く来ることを待ち望みます。

13.幸せのものさし
この演奏はもうスタジオで録ったカラオケ音源じゃないの?って思えるほどの完成度。
CAN'T YOU SEE? CAN'T YOU SEE? YOU CAN CHOOSE YOU CAN CHOOSE
余談ですが、この曲は2014年のライブの際に演奏されてボクも武道館で聴きましたが、天海祐希は客席におらず米倉涼子がいて、2010年には天海祐希がいたのに演ったのは「天使の前髪」だったんです。ってわかります?
そういった意味では「天使の前髪」やって欲しかったですね。ハラ坊のパートをハルナさんとENAちゃんがハモって歌ったらどれだけ素敵だったでしょうか?
TAKE YOUR CHANCE MAKE YOUR CHOISE

14.Sweetest Music
この曲演ってくれて凄く嬉しい。まりやさんの歌声がとても若々しく、佐橋さんのギターソロもカッコ良かったですね。2014年のライブの際に演奏されたのはその佐橋さんの提案だったとは、個人的にお会いした時に小笠原さんから伺ったお話。リードギター弾きまくりたかったからじゃないのかな(笑)ドラムスもめっちゃかっこいいなぁ!その2004年にこの曲が演奏された時、武道館の客席で観ていたSuperflyがいたく気に入ってカバーしました。

15.All I Have to do is Dream
タツロー、まりやのエバリーブラザーズ デュエットは、私の知る限り3曲あって、お馴染みのLET IT BE ME,そしてDEVOTED TO YOUとこの曲。過去何度かサンソンでかけられていますが、一度東京FMのある番組に2人でゲスト出演した際、2人ともギターを弾きながら生放送でデュエットしたことがありました。まりやさんが2コーラス目の出だしの歌詞を間違えた事に「これが生放送のいいところ。録音だったらやり直しできちゃうでしょう?」とは達郎さんの弁。
 
16.すてきなヒットソング
本編最後、締めくくりに相応しい曲。このピアノの弾き語りも初期、それもデビューアルバムからの選曲でした。 

2012年 夏フェス「SWEET LOVE SHOWER in 山中湖」
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17.家に帰ろうMy sweet home
山下達郎が夏フェスに出演した際のシークレットゲストとして登場。この時はこのあとに「元気をだして」も歌われたようです。ちなみに達郎の次の出番はパフュームだったそう。

2010,2014 SOUVENIR TOUR

18.みんなひとり(2010年)
松たか子に書いた曲のセルフカバーのこの曲を達郎さんがアレンジをする際、影響されたくなかったので他の人がアレンジした松たか子バージョンを事前に絶対聞かなかったそうです。達郎さんが編曲したまりやさんのCDではバックコーラスにその松たか子が参加していますが、今回のライブでは女性コーラス2人が素晴らしいハーモニーを聞かせてくれました。
ちなみに今回も含め、2000年以来まりやさんのライブでずっとギター弾いているのは松たか子のご主人です。

19.(2014年)
この時も実際に武道館で観てましたが、4年前より声が良く出ていた様に感じました。小笠原さんにお聴きしたところ、この時まりやさんボイストレーニングに相当励んでいたそうです。
しかしバラードなのにこのグルーヴ感って一体何なん?自分は客席でひとり身体を揺すっていました。

20.プラスティックラブ(2014年)
ある意味この曲が今夜のハイライトだったと思います。この配信でも観客の歓声が聞こえましたが、3コーラス目に達郎さんがボーカルを取った時ボクも武道館のアリーナ席で「ウォー」って叫んで思わず立ち上がりました。
ここで達郎さんにボーカル変わるのはツアーの途中からだったそうで、どこかの公演でまりやさんが歌詞間違えて演奏し直した時、突然達郎さんから「途中からオレが歌うから」って耳打ちされたそうです。
まりやさん曰わく「結局達郎がおいしいとこ持っていくのよね」
しかし、この演奏もう鬼ですね。ギター、ベース、ドラム、ピアノ・・・完璧なアンサンブルと超絶グルーヴ感。特に広規さんのベースだけ集中して聴くのにもう一回4500円払う価値があると思いますよ。
このバージョン、もしオフィシャルでYouTubeにあがったら世界的に大きな話題になること間違い無しですね。
 
21.人生の扉(2010年)
2007年にアルバムDENIMの中の1曲としてリリースされたこの曲が、NHKの「SONGS」という音楽番組の第一回の主題になり、まりやさんが少ないながらもテレビメディアに出始めたのはこの曲がきっかけでした。
まりやさんが五十路になって、この先いったい何回この満開のさくらを見られるのでしょう?と歌ったこの曲も、まりやさんも、達郎さんも、そして自分もIT'S FINE TO BE 60になりました。

22.いのちの歌(2014年)
締めくくりは一昨年の紅白で歌われたこの曲でしたね、やっぱり。

と言う訳で約2時間、配信料¥4,500の LIVE TURNTABLE PLUS は終了です。

次は山下達郎PERFORMANCE 2019 お願いしますよ!達郎さん

 







2020年07月18日

<番外編>山下達郎 氣志團万博レポート

今回の投稿は2017年9月17日に氣志團万博山下達郎バンドが出演した際に観に行った際の翌日に「初めて”夏フェス”ってものに行ってみたのですが」として投稿されたもののライブレポート部分に絞ってさらに一部加筆訂正したものです。
2020年7月30日20時から配信されるMUSIC/SLASHでは、この氣志團万博出演の模様がすべてオンエアされるとのことで、ここにアップいたします。
と言うことは、この配信に対しては100%ネタバレです。当日会場に行かれた方以外は閲覧注意でお願いします。
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折しも雨が小降りになって氣志團綾小路翔のビデオコメントが始まり、その発言とビデオ構成に場内爆笑の渦。そのシャレっ気に氣志團人気の根強さの一端を垣間見た気がしました。
最後の一言「山下達郎…本当に実在するのか!?

さあ、開演です!
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山下達郎ライブでは必ず1人多重アカペラがプロローグで流されるのですが、今回は先週発売になったばかりで、来週封切られる映画「ナミヤ雑貨店の奇跡」のテーマソング「REBORN」のアカペラアレンジからライブスタート。

1曲目は、今年のライブアンコールで演奏された、近藤マッチへの提供曲「ハイティーンブギ
「これ山下達郎の曲なの?」っていうリアクションが多かったようですが、歌詞に出てくる「オマエが望むならツッパリをやめてもいいぜ」も氣志團万博にマッチしてた?ですね。
(今回の加筆)このあとのファンクラブ会報等のコメントからすると、どうもこのハイティーンブギを2017年のツアーでやったのは、この氣志團万博出演を見据えてのものだったらしいです。

2曲目の「スパークル」は達郎ライブオープニングの定番曲。達郎ギタープレイの代名詞「スパークルのリズムカッティング」が会場のビジョンで大写しになったのはファンにはたまりませんでした。特に左手(テレビでは決してみられませんからね)
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そしてMCでは「山下達郎です。夜露死苦!」「台風がなんぼのもんじゃい。」「雨風上等です。そんなのが怖かったらライブなんてできません」「ただこんな天気で皆さん冷え込んでいるでしょうから、セットリストを変えました」「バラードをやめて、皆さんがあったまるような曲ばかり集めました」

ということで、3曲目は「ボンバー」このファンクチューンではベースの伊藤広規さんが活躍。ここ数年達郎さんが夏フェスに登場する際には、ツイッターで達郎さんの声と共にバンドの演奏力の高さのメンションがアップされますが、特に「スラップベースハンパねー!カッケー!」のツイートが目立ちます。
今時のアマチュアバンドのスターはベーシストなんですってね。
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<ナタリーより転載>

4曲目は、一見のお客さんに“つかみはOK”「硝子の少年」。
昨日のサンデーソングブックでの達郎さんの発言「客は歌うな」(Yahooニュースでも話題)とは言われても、STAY WITH ME〜は歌っちゃいますよね、フェスでは。この曲のギターオブリガードはKINKI と同じ佐橋佳幸さん。夜空に放たれるギターの音色は野外フェスならではのもの。

ここで目ざとい達郎ファンは、バックコーラスの位置に4本目のマイクが用意されていることは誰しも気付いていた筈。
そう、竹内まりやさん登場です。
その5曲目は「アトムの子」幼稚園や小学校の運動会でも一部でお馴染みになっているこの曲は、途中で鉄腕アトム主題歌、ドラえもん主題歌などが度々歌われるのですが、今夜は「アンパンマンマーチ」ちょうど隣にいた小学校低学年の2人の男の子はお母さんと顔を見合わせていました。
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<ナタリーより転載>

ここでメンバー紹介「ドラムス:小笠原拓海」から始まって、最後は「コーラス:竹内まりや」
すぐ前にいた20代前半とおぼしき男性「えっ!?」て表情。あれだけビジョンに大写しになっていたのにね。まあそんなものでしょうか。

6曲目が、ある意味今夜のそして、このイベント全体のハイライトと言っても大げさでなかった「恋のブギウギトレイン」。その昔アン・ルイスに提供されたこの曲では小雨降る中、長〜い花道の一番先端まで進んでギターカッティングを見せてくれました。ステージに戻って「もうイッカイ」今度はステージの今度は中央のセットの階段を駆け上がり、1人だけ2階にいる状態で演奏。
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達郎さんはライブでもボーカルマイクはおろか楽器も決してワイヤレスでは演奏しないのですが、今夜は特別ですよね、きっと。しかしあの国宝級のテレキャスター、雨に濡れて大丈夫だったんでしょうか?
(今回の加筆)このことをサンデーソングブックに葉書を書いたら光栄にも達郎さんにお読みいただきまして
いいんです。いいギターは濡れようが放り投げようが、全然問題ありません」ってお答えいただきましたが、ほんとかよ!?って今でも思ってます。
ピアノの難波弘之さんは「鍵盤が濡れて滑って弾きにくかった」とご自身のSNSで書いていらっしゃいました。
またドラムスの小笠原拓海さんに後日 目黒ブルースアレイで行われた別のライブの際に「氣志團万博よかったですね!」とお声がけしたところ「あんな天候だからメンバーみんなで逆に目一杯やろうって結束した結果でした」とお答えいただきました。

7曲目ラストの曲も、夏フェスエンディングお決まりの「さよなら夏の日
もうしっかり陽は沈んでいましたが、「雨に濡れながら僕らは大人になっていくよ」は本当にこの場にマッチしていて、思わずウルッときました。

今年のツアーの達郎さんの歌唱、声の出方は近年でもベストだと思っていましたが(と言っても元々のレベルが違いますが)特に今回は本当に素晴らしかった。演奏時間が通常のライブの1/5にも満たなかったからかも知れませんが、1曲目から全くよどみもなく、ハイノートも楽々といった感じでした。(自分にとって達郎さんの声の調子良さを計る秘密のバロメーターが、ある曲のある部分に存在するんですけどね)

また、このバンド個々のROCK、POPS、そしてJAZZ(メンバー中二人)ミュージシャンとしての日本最上級の演奏能力の高さとアンサンブルの素晴らしさを、他のミュージシャンが目的で来場した特に若いオーディエンスに聴いてもらえた事は、とても有意義だったと思います。

さらに、屋外は残響がない分とてもいい音でした。達郎さんのボーカルは勿論、すべての楽器の音、コーラスまでとてもバランスも良く聴けたことも素晴らしかったです。
(今回の加筆)この音響についてネットでの専門家の投稿を見ているとこの音の良さは驚異的だったらしく、どうやったらこれだけ各楽器の分離をハッキリ出せるのだろう?と言った書き込みがありました。

わずか40分間の演奏で、コアなファンにとってはお馴染みの曲ばかりでしたが、素晴らしいライブをこんな会場で、こんな状況で体験できた幸せな一日でした。

もちろん、このレポートは達郎マニアの自分だからの主観によるものですが、自分の周りにいた観客の反応に加え、ツイッターの書き込みを見ると、当日集まった初めて山下達郎のライブを観た人達が受けた衝撃は、その一部を読んだだけでもとても大きかったことが窺い知れます。

最後にこれを書きながら思ったのですが、今更ですが氣志團の演奏も見たかった気がします(笑)