昨年末にお知らせした次回の予告では「極私的外人プロレスラーベスト10」だったんですが、昨日観に行った映画「フォードvsフェラーリ」でちょいと思ったこと、そして思い出したことがあったので、そっちを先に書いてみたいと思います。
スターウォーズ最終章とどっち観ようか迷ったんですが、スターウォーズはしばらく上映続くだろうから、てんでFordに行きました。
で、まずはこのブログに接していただく際にこの曲を聴いて頂きながらお読みください。
この映画の主人公はマット・デイモンとクリスチャン・ベールなのですが、自分にとってそれ以上にフォードGT40が主役であり、それだからこそ「凝れば凝るほど」で取り上げている訳であります。
自分は漫画雑誌全く読まないので、今、例えば少年マガジンがどんな内容になっているのか知る由ありませんが、1960年代後半、毎週読んでいた小学生の頃には漫画の他にスポーツ選手(特にプロ野球)やカーレースの特集が巻頭のカラーグラビアで取り上げられていました。
この映画にも出てくるダン・ガーニーやリッチー・ギンサー、ロジャー・バックナムなんて名前も少年マガジンで知りました。
そしてこの映画の主役フォードGT40も、その当時正にリアルタイムの少年マガジンの巻頭グラビアでその姿を記憶に焼き付けてきました。だからこの映画のテレビCMを見かけた時 おお!っと思った訳なのです。
10歳の男の子にとって思いっきり車高の低いレーシングカーはカッコイイ以外の何者でもなく、正に憧れの対象でした。
この映画のメインステージは1966年のルマン24時間レース。そしてタイトルからしてこの「FORD GT40とFerrari P330対決の構図」なのですが、どうせ「フォードvsフェラーリ」ってタイトルは日本版だけのものであって、オリジナルタイトルは違うと思ってたら FORD v FERRARIなんですね。映画全体を通してみるとこのタイトルちょっと違和感あります。
ストーリー自体はこれからご覧になる方のために伏せますが「実話に基づいて」なので、当時小学生だった自分の記憶(少年マガジンからの)と事実確認のために今のウィキペディアで調べた史実とを合わせて、このレースとその周辺状況を思い出すままに書いてみたいと思います。
結果的にこのレースに優勝するブルース・マクラーレンは足が悪くハンディを背負っていたため、ルマン式スタートで出遅れます。ところで現在まで続くF1チームのマクラーレンは彼が創始者なのですね。
フォードGT40は排気量7000ccというのが時代を感じさせますが、なんとOHVエンジンなんですね。それで7000回転廻るって驚異的ですね。ちなみにフェラーリP330は当然のごとくDOHC 12気筒 で排気量は4400cc。
レース結果はフォードの1,2,3フィニッシュだったのですが、続く4〜6位に入ったのが2000ccの6気筒で健闘したポルシェカレラ6だったのがとても印象的でした。
このカレラ6は同年の富士スピードウェイで行われた日本グランプリで走ったのをテレビ中継で見た覚えがありますが、子供心にもとにかくカッコ良かった。SFの世界の宇宙船がごときガラスコックピットとガルウィングドア、ホィールハウスは盛り上がり、縦長のヘッドライトカバーなどなど。今でも写真見ただけでワクワクします。
当然、プラモデルも作った覚えが有ります。
その日本グランプリでカレラ6とデッドヒートを繰り広げたのがプリンスR380。
一昨年たまたま銀座4丁目の交差点を通りかかった時、日産ギャラリーに展示されていた赤いレースカーが・・・
いや感動、興奮。おもわずコンパニオンのオネーさんに逆解説しちゃったりして(汗)
ちなみにプリンス自動車はこの翌年日産に吸収合併されて、翌年の日本グランプリはニッサンR380になりました。
ところで当時はスロットレーシングカーが大流行していた時期で、住んでいた西荻窪にも「西荻サーキット」と「日東サーキット」って二つのスロットレーシング場あって自分も足繁く通ったものでした。でもこのポルシェカレラ6のスロットレーシングカーは無かったと思います。自分はロータス30とジャガーDタイプを持っていました。
そもそもスロットレーシングカーってご存知ですか?
こんなコースで1/24スケールのモーターを積んだプラモデルを走らせるんです。コースには細い溝が刻んであり、その両側にスチール製の通電レールが貼ってあって、そこから電気をレースカーが金属製のブラシを通じてモーターに供給。その電圧(電流?)の強弱でスピードをコントロールする仕組みになっていました。
そのコントロールをするリモコンが「スロット」だった訳です。ボディとシャシーはTAMIYA製、モーターはマブチ製の独占状態だったと記憶しています。
話はだいぶ横道にそれましたが、この映画自体はフォード社、フェラーリ社の当時置かれた経済的状況や、主演の2人がこの物語に至るまでの経歴(これが大事)にあまり時間が割かれていないため、ある程度の予備知識を得てから見た方が良いかな?と思いました。
また、レースシーンがちょっと物足りないというか、現在のSFX技術だったり、ドローンの活用などもっと本物らしく作れなかったのだろうかという不満は残りました。実際のF1レースやWGPの中継を見慣れたレースファンにとっては尚更だと思います。
そういった意味ではより人間ドラマに重きを置かれた映画だと感じました。
自分にとって一番印象に残ったのは、クリスチャン・ベールが劇中何度も見せる下から相手をのぞき込む様なこの仕草、表情でありました。
と言う訳で私のFORD vs FERRARIの感想は以上であります。
じゃなかった、ひとつたいへんな事を忘れておりました。
実はクリスチャン・ベールの表情よりもっとイカシてる事がこの映画であったんです。最初に貼り付けたyou tubeの音源、これぞ この映画のテーマソング「ポーク・サラダ・アニー」のオリジナルなのです。映画ではインストですが、やっぱこれじゃなくっちゃね。この曲エルビスがカバーして一般に広く有名になりましたが、やはりこのトニー・ジョー・ホワイトのオリジナルが最高です。せめて映画のエンドロールの時に歌入りのオリジナル流してくれたら良かったのにね。
もう一回聞いてくださいね。
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