今から40年くらい前、片岡義男に凝っていた時期がありました。
ちょうどバイクに乗っていた時期で、代表作「彼のオートバイ 彼女の島」には大いに感化されました。
また、当時雑誌POPEYEに連載されていた「片岡義男のアメリカノロジー」というエッセイは毎号必ず読んでいましたね。
サーフィン、アメリカンカルチャー、ポピュラーミュージックそして青春ラブストーリー・・・
それらの小説・エッセイのテーマの中で特に自分に刺さったエピソード、シーン、それはバイクと並んで "HAWAII”でした。
先日本棚を整理した際、片岡義男の文庫本を手にして何冊かを読み返してみると、ハワイのローカルタウンやホノルル郊外のストリート、お店の名前が色々と出てきます。(文庫の値段が300円!)
その多くがそれらの小説・エッセイを購読したあとに実際に訪れていた場所だったのですが、別に片岡作品を意識した上で行った訳ではありません。今回読んだら「そういえばここ行ったことあるよね」って感じです。
例えば、マウイ島ワイルク、ハナのハセガワジェネラルストア、カウアイ島リフエショッピングセンター、カパア、ホノルル デューク・カハナモク記念プール、アラ・ワイのゴルフコースetc.etc.
(時差のないふたつの島)
ハワイ島ヒロ マモ・アンド・ケアウェの角にあるファウンテンサービス、ワイキキウールワースのレストラン、ハマクアコースト、オレンジ色のハイビスカス柄の垂直尾翼etc.etc.
(頬よせてホノルル)
オアフ島ワイアルーア フジオカ・ストア 、カフク・シュガー・ミル、モクレイア、ライエetc.etc.
(限りなき夏1)
その街、道、店、あるいは食事について活字で読むと、むしろその場所の写真を見るより一層の感慨に浸れる気がします。
訪れてから20年30年経った今でも、黄色く焼けた文庫本の中質紙に印刷された「ワイルク」というカタカナ4文字が街角にあったWAILUKU GRILLのカレーサラダの味を思い起こさせてくれます。
ハセガワジェネラルストアにぐちゃぐちゃに山積みされたTシャツとか、アラ・ワイ・ゴルフクラブでスライス打って運河にボールを放り込んだ際、同伴プレイヤー ニノミヤさんの「アローハ」のかけ声、ファウンテンサービスのシノハラ夫妻のお姿とか、3ドルで食べられたウールワースの朝食のトーストの食感などなど。
この先、30年後自分が生きているか分かりませんが、例えば今年これからホノルルに行ってどこかのレストランで食べた朝食の味を果たして30年後の活字から思い起こされるものなのでしょうか?
いや、もう活字=紙に印刷された文字なんてこの世の中から消え去っている事でしょう。さらに言えば、今でさえスマホ、パソコンのディスプレイからこんな感慨に浸る事は難しくなっていると思います。
ただ、Google mapでそれら訪ねた事ある場所を俯瞰できるのは楽しいんですけどね。
昨今コロナが収束して多くの人がハワイ訪れ始め、またブログやYouTubeアップし始めましたが、それを見ていると特にホノルルはもう自分が頻繁に通っていた1980年代〜90年代とは違う街になってしまった感を強く持ちます。まあ、大きな都市ですから変化があるのは仕方が無い事なんでしょうけど。
でも、カウアイ島のコロアやハナぺぺ、ビッグアイランドのホノカワやカパアウとかへ行けば、昔ながらの片岡ワールドのハワイが残っているのかな。
さらに言えば、行った事無いけどモロカイ島ならもっとそんな気分になれること間違い無しでしょうか?
もし、あなたが何度もハワイに行かれていて、ワイキキやアラモアナのショッピングや食事に、なんかちょっとねって感じるのなら、片岡義男のハワイを舞台にした小説・エッセイを読んでみるのも良いと思います。
今までとは違ったハワイの魅力を探せると思いますよ。
FUJIOKA STORE WAIALUA OAHU
KAFUKU SUGAR MILL OAHU
ELSIES FOUNTAIN SERVICE HILO BIG ISLAND
HASEGAWA GENERAL STORE HANA MAUI
WAILUKU GRILL MAUI
HONOLULU INT'L AIRPORT OAHU
WOOLWORTHS RESTAURANT WAIKIKI OAHU