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2017年07月10日

書評−うねりチャート底値買い投資術



今回は久々の投資本の書評です。私も知りませんでしたが、上野正明氏という
実業家でもある方の株式投資に関する書籍です。読んだ感想ですかなかなか手
堅く、一般の個人投資家の方々にとってもすごく参考になる内容かと思い、今
回取り上げた次第です。

うねりと言っても以前紹介した純粋な「うねり取り」ではなく、チャートの保
ち合いレンジでの規則正しくうねっているものを見つけ、そのレンジの底値付
近に来たものを買い、レンジの高値付近で売ると言う大変シンプルな手法です。

うねり取りで言うと、底値付近と思われるところから分割して買い下がり、目
標の高値付近で分割か一括で利確するという、買いの手法に特化したものと言
っても良いと思います。ただうねり取りと異なるところは上げ下げのうねりを
撮っていくものではなく、株価が保ち合いゾーンに入っているチャートを見つ
け、そのゾーンの底値に近付いている銘柄を買いで狙うというものです。

一口で言うと
 @ 一定の幅で上下動を繰り返す銘柄を
 A できるだけ底値付近で何回かに分けて買い
 B 高値に近づいたら売る
を繰り返す、シンプルな投資術だそうです。

それ以外にも
 ・タイミング5割、技術3割、銘柄選びは2割だけ
 ・相場では技術磨く、銘柄を絞る、ゆっくり商いする
 ・タイミングには「うねり」と「循環」がある
 ・投資家としての基本の売買技術を身に着ける
 ・銘柄を絞り、得意な銘柄を作る
 ・勝つ感覚を繰り返し体に覚えさせる
 ・谷と山が交互に来る事を知る
 ・銘柄は必ず分割して買う
 ・リスク管理を徹底してやる
 ・未来は予測するものでなく、準備して待つ

これらについても丁寧な説明がなされており、まだ自分の売買手法が固まって
いない初心者の方や、中級者でも1回の負けでそれまでの利益を吹っ飛ばしてし
まうような方には、結構役立つ投資手法かと思います。株式投資にのめり込む
とどうしても、勉強すればするほど実力が付いてくるような錯覚に陥りがちで
すが、実際はいくら頭の中で理論武装しても上手くはなりません。寧ろ弊害の
ほうが多くなると思います。

「株式投資は技術だ」と言われるように、自分なりに構築したできるだけシン
プルな手法に沿って何度も実戦で売買を繰り返し、自分なりの売買技術の精度
を高めていくという事に尽きると思います。勿論リスク管理の注意点は山ほど
ありますが、注意点を一々意識しなくても正確に売買できるようになるまで、
退場させられる事無く、何度でもしつこく売買していく。

口で言うのは簡単ですが、できない方がほとんどです。それでは又。

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2017年06月20日

書評−向田理髪店



このような比較的地味なテーマの小説がひっぱりだこなのは、一体どういう
環境の変化なのだろうかと思うくらい、当初は不思議に感じました。

今回の書評は奥田英朗氏の「向田理髪店」である。一言で言ってしまえば、
北海道の過疎の町の日常を綴った物語で、下手な書き手だったら「そうなんだ」
で終わってしまうくらいのテーマである。

物語は北海道の過疎の町、苫沢町が舞台で、向田理髪店の主人向田康彦を軸に、
理髪店に集まる集落の人々の四季折々の出来事や康彦の家族、幼馴染、友人、
近燐の人達との人間関係やちょっとした事件について語られている。

康彦自身も親が始めた理髪店を親が動けなくなってしまった為、札幌でのサラ
リーマン生活を捨てて地元に帰って来た出戻り組である。本人は苫沢町のような
過疎地での理髪業には限界があるので、息子の和昌には跡継ぎを期待せず、就職
した札幌の会社で頑張ってほしいと思っていたが、ひょんな事から和昌も苫沢に
戻って後を継ぎたいとの話になり、ここからいろいろな事件が展開していく事に
なる。

事業継承、親の介護、嫁取り、町おこし、住民の犯罪、これらのテーマは過疎地
に限らずどこの町でも深刻な問題だが、特に過疎地においては冗談でなく、その町
が消滅し兼ねないくらいの重い課題である。苫沢町でも御多分に漏れず、これらの
事件が次々と起こって来る。詳しくは本を読んでもらってのお愉しみだが、読み進
む内にとても他人事とは思えなくなり、身につまされ、自分だったらどうするだろ
うと考えてしまう辺りが、この本の人気に繋がっているのだろうか。

普通は過疎地というと近隣の人間関係が強く、よく言えば助け合いの関係だが、悪
く言えば個人のプライバシーがほとんど無いイメージで、どっちかというと私も正
直住みにくい感覚が強かった。しかしこの苫沢町はお互いを家族のように思い、多
少出しゃばりなところはあっても、何とか町全体で問題を解決していこうという気
概があり、人間関係の密度の濃さが嫌らしくなく、寧ろ清々しい。

最近の日本人には自己中心的な人が多く、相手を思いやる余裕もなく、弱い者を徹
底して追い込むような風潮が見受けられるが、嘆かわしい事だと思う。この小説に
出て来る苫沢町の人達のように、例え都会で犯罪を犯した地元出身者であっても、
罪を悔い改め、刑期をまじめに勤め上げた人間に対しては、暖かい気持ちを持って
向かい入れてあげられるそういう風土が本当は大切だと思う。

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2017年06月16日

週足再考



久しぶりに株式投資に関する最近の考えについて、述べてみたいと
思います。

私の株式投資の原点は、林輝太郎氏の主に同友館の書物に出会った
事がスタートでした。そしてその後、立花氏、板垣氏などの実践家
の本に触れ、失敗しては又自分なりに工夫するというトライ&エラー
の繰り返しにより、亀の歩みのように少しづつ進歩して行った訳で
す。

林氏の本を読んでも最初はちんぷんかんぷんで、只書いてある事を
自分なりに解釈して、売買しておりました。そんな事ですから売買
については未熟ながら林流の手法で、当然売買は逆張り、ロウソク
足は日足と月足以外は見るなという事に何の疑いもなく、馴染んで
行ってしまった訳です。

今になってみれば、トレンドフォローの方が大きく利益となった年
もあったと思いますが、ひたすらこの手法を続けておりました。幸
い何とか年間でプラスの収益を挙げられるようになり、安定した売
買ができるようになりましたが、自分の売買については、まだまだ
反省点が多く、特に利幅を伸ばすという点については、これからも
研鑽を続けなければなりません。

私の手法は所謂スイングトレードで、時間軸的には数週間から数か月
というものです。最近になって売買譜を振り返ってみて感じる事は、
利益確定が早いという事で、もっと我慢していれば、或いはそこで
増し玉をしていればもっと大きく取れたのに、というポイントが多々
ありました。そして何気なく週足を見ていましたら、もし週足でトレ
ードしていたら、もっとゆっくり焦らずに行けたのではないかという
反省に辿り着きました。

無題.jpg

例として2016年1年間の週足チャートで見てみますと、チャンスは多
くても売り買い合わせて11-12回くらいです。そして週足ですので、
シビアーに天底を狙う必要もありません。2-3日エントリーが遅れても
、エグジットが遅れても大きな損失にはなりません。寧ろワンテンポ
遅れ気味くらいの方が、良い結果になりそうです。

改めて週足トレードの利点を見てみると、まずゆっくり考えてトレー
ドができる。仕掛けの範囲が広がる。利幅が大きく取れる。少ないチ
ャンスに集中して投資できる。等の優位性のある事が判りました。ど
ちらかというと私には、週足での売買の方が合っているような気がし
ます。

勿論、日足ベースで細かく拾っていく事も重要なスキルですし、それ
ができるに越したことはありませんが、私のように少し落ち着いてゆ
っくりやりたいという人には、週足での売買も一考かも知れません。
それでは又。


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43年勤めた会社を退職し、趣味でやっていた株式投資三昧の毎日。そんなに贅沢し美食したわけでもないのに、50歳から痛風予備軍と高血圧症。長年の医者通いにうんざりし、医療費節約も兼ねて、薬の個人輸入を始める。
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