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2019年02月27日

2度目の米朝首脳会談 金正恩委員長は何を狙うか?



 本日のYAHOOニュースのトップに挙げられたのは、ベトナム・ハノイで行われる2度目の米朝首脳会談である。先ずはCNNの記事を参照しよう・・・



 2度目の米朝首脳会談 金正恩委員長は何を狙うか?


  CNN.co.jp 2/27(水) 17:15配信



 ベトナム・ハノイ(CNN) 2度目となる米朝首脳会談が27日と28日の両日、ベトナム・ハノイで開催される。米国のトランプ大統領の成功は、北朝鮮の核開発抑止に進展がみられるかどうかに懸(かか)っている。一方で、北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長に取っての成功については漠然としている。金委員長が成功と考えるのはどの様なものか、以下に3つのシナリオを探ってみた。


     2-27-11.jpg



 1 朝鮮戦争終結の政治的宣言を確かなものにする

 金委員長はトランプ大統領と同様に約70年にわたって敵対関係にあった両国首脳が並んで立ち朝鮮戦争の政治的終結を宣言すると云う劇的で歴史的な瞬間を切望している。正確に言えば、そうした宣言は、正式に戦争を終結する平和条約の役割を果たす訳では無い。しかし、金委員長が帰国して国内の人々に勝利を宣伝するには十分だ。
 朝鮮戦争の終結は、父親の金正日(キムジョンイル)総書記や祖父の金日成(キムイルソン)主席も実現出来なかった目標だ。これを達成すれば「優れた指導者・軍事戦略家」としての国内での立場を確固たるものとするだろう。

 終結宣言が行われれば、金委員長は国の活動の焦点を軍事から経済へと移すことが出来る様に為るだろう。又、中国や国連、米国との公式な平和条約締結に向けた長期にわたる交渉が始まる筈だ。より重要なのは、金委員長が、国交回復や核開発プログラムの要素の放棄と引き換えに経済的な譲歩を求めて居ることだ。国連による経済制裁の解除は金委員長に取っての優先事項だ。



 2 姿を見せることで穏当な勝利を

 金委員長がハノイで成功を収めるには幾つかの手段があり、トランプ大統領もそれを実現させる気で居る様だ。
 金委員長は、会談に出席してシンガポールでのパフォーマンスを再現するだけで穏当な勝利を手にすることが出来る。シンガポールでは、核保有国として米国に関与すると云う姿勢を見せ、外交や貿易の為の新しい機会を獲得し、中国や韓国から経済制裁解除の可能性を引き出した。

 金委員長がハノイに滞在している間も、遠心分離機は回り続けミサイル工場の建設も進んでいる。曖昧(あいまい)な言質や象徴的な振る舞いは金委員長に取って全く負担に為ら無い。一方で、金委員長は、もしトランプ大統領が顧問等を無視して衝動的に見返り無しで譲歩を与えれば、大きな成功を手に出来るかも知れない。昨年の首脳会談ではトランプ大統領は軍事演習の停止を発表している。トランプ大統領に取って成功への道は只一つ、金委員長に難しい選択をさせることだ。
 正しい答えを引き出すには、安易な勝利を宣言しようとする誘惑に抵抗して、より現実的な目標を採用し、検証についての詳細な交渉を開始し、関係の転換に向けた持続的で実務的な取り組みを行うことが必要と為るだろう。



  




 3 核開発の凍結と引き換えに経済制裁の解除

 国際社会は、米朝首脳会談とその後の金委員長が目指す戦略的な目標についてハッキリと理解する必要がある。金委員長には2つの戦略的な目標がありそうだ。ひとつは、安全保障を守る為に独立した核抑止力を維持することだ。


  




 米朝間に本当の信頼が無ければ、米政府は北朝鮮政府に取って信頼出来て不可逆的だと思える安全保障を確約する為に出来ることは殆ど無いだろう。この為、国際社会は、北朝鮮がしばらくの間は、既存の核抑止力を維持する為の能力を弱体化させる様な譲歩をするとは考え無い方が好いだろう。
 もし、トランプ大統領が、既存の能力の中核的な要素を排除するのでは無く、核・ミサイル開発を凍結してこれ以上の前進を阻止することに重点を置いた取引を受け入れる用意があるなら、金委員長に取っての最大の目標の達成に繋がる可能性がある。とは云え、酷い結果と云う訳では無いかも知れ無い。北朝鮮との大規模な戦争は回避したい為に、国際社会からの高圧的な働きかけの効果は非常に限定的だ。
 こうした条件の下では、強制的な軍備縮小を求めることは出来ず、北朝鮮による核・ミサイル開発プログラムの具体的な段階を踏んだ凍結や規模の縮小が、核のリスクの低減に大きく貢献すると言えそうだ。


 以上



 もう一つ朝日新聞の記事を参照したい・・・


 
 トランプ氏「非核化急が無い」 対北朝鮮、見返り模索か?


 朝日新聞デジタル 2/21(木) 8:00配信



 北朝鮮の非核化を巡る米朝の主張


 ベトナムのハノイで27・28日に開かれる2回目の米朝首脳会談を前に、米国が北朝鮮に対する態度を軟化させている。トランプ米大統領は19日「(非核化は)急いでいない」と話し、非核化が完了する前でも、相手の行動に応じて見返りを与える路線を模索して居る様だ。只、交渉が北朝鮮ペースで進めば、非核化が進ま無い事態も懸念される。(ワシントン=園田耕司)

 トランプ氏はホワイトハウスで記者団に対し、北朝鮮の非核化は「急いでいない」と5回繰り返し「(非核化に)差し迫ったスケジュールがある訳では無い」とも語った。これまでの米朝実務者協議で、非核化を巡る両者の溝は埋まっていない。トランプ氏は首脳会談で北朝鮮に早期の非核化実現を迫ら無いことを示唆すると共に、合意の期待値を下げる狙いもあるとみられる。

 そもそも、米側は非核化を巡る協議への態度を軟化させている。それを印象付けたのが、米朝実務者協議の米側の責任者、国務省のスティーブン・ビーガン北朝鮮政策特別代表が1月末、スタンフォード大で行った演説だった。ビーガン氏は「シンガポールで行われた首脳会談の共同声明で交わされた全ての約束を、米国は『同時並行』で追求する用意がある」と指摘した。

  



 「全ての約束」とは(1)新しい米朝関係の構築(2)朝鮮半島の平和体制の構築(3)朝鮮半島の完全な非核化(4)行方不明兵の遺骨回収のこと。
 米側は昨年6月の首脳会談以来(3)を最優先で実現する様北朝鮮に要求して来た。北朝鮮は「強盗的な要求だ」と激しく反発し、その結果、米朝協議は停滞していた。

 米歴代政権は、北朝鮮が非核化措置を一つ行えば米国が見返りを与えると云う「行動対行動」で臨んだ。一方でトランプ政権は、北朝鮮が全ての核を廃棄してから見返りを与えるとの原則を取った。ビーガン氏が「同時並行」を打ち出したのは、トランプ政権の姿勢の変化を表している。


 朝日新聞社

 以上


  





 前項をYHOOニュースから参照したので、続報もYAHOOから参照します・・・



 
 続報・・・決裂!<第2回米朝首脳会談>ポンペオ氏「正恩氏、準備出来ていなかった!」

  
 中央日報日本語版  2/28(木) 16:36配信


 米国のドナルド・トランプ大統領は28日午後2時15分(以下、現地時間)、ベトナム・ハノイのJWマリオットホテルで開かれた記者会見で「金正恩(キム・ジョンウン)委員長との対話は生産的だった」と述べた。続いて、マイク・ポンペオ国務長官はしかし「金正恩は準備出来ていなかった」とし「米国が望む結果を引き出せ無かった」と述べた。この日の合意が決裂した理由を説明したのだ。

 当初、トランプ大統領と金委員長はこの日午前中に会談場であるソフィテル・レジェンド・メトロポールホテルで拡大首脳会談を終えた後、午前11時55分から業務昼食会を持って午後2時5分に合意文に署名する予定だった。しかし、拡大首脳会談の途中でその後の日程を全面的に中止して各自宿泊先のホテルに戻った。これにより、当初午後4時に予定された記者会見は2時間程前倒しで開かれることになった。

 ホワイトハウスは28日、予定より早く終了した2回目の米朝首脳会談に関連して「現時点ではいかなる合意にも到達出来なかった」と明らかにした。


 以上


  




 
 <第2回米朝首脳会談>突然の会談決裂 「いかなる合意にも至れ無かった」 

 中央日報 日本語版2019年02月28日16時24分 comment25 share mixi


 米国と北朝鮮の28日(現地時間)の首脳会談はいかなる合意にも至ることが出来なかった。 米ホワイトハウスはこの日「両首脳が非核化と経済発展案を進展させる為に幅広く話し合った。現在ではいかなる合意にも至ることが出来なかった」としながら「だが、各自チームは未来に会うことを期待している」と発表した。
 この日の合意決裂は予定された昼食日程が遅れたことで感知され始めた。これに先立ち、米国のドナルド・トランプ大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長はこの日午前、ベトナム・ハノイで会って2回目の首脳会談を行った。午前の単独会談に引き続き拡大首脳会談が行われた。続いて業務昼食会と午後の署名式が予定されていたが、ホワイトハウス側が「プログラム変更」があると明らかにしながら昼食会と署名式が行われるかどうかが不透明に為った。

 サラ・サンダース報道官はトランプ大統領が予定より約2時間早い午後2時に記者会見を行うと知らせた。 これに伴い、両者が実務交渉で北朝鮮の非核化水準とこれに対する米国の相応措置を巡り平行線をたどった点で、首脳会談でもこの部分に対する接点を見出すことが出来なかったのではないかとの見方も出ている。
 この日、メトロポールホテルの昼食会場には予定時間を超えても両首脳一行が姿を現さず、ガランとした場面が露出した。

 午前11時30分からJWマリオットホテルに移動して保安検査を受けていた現地取材陣は、午後12時50分ごろに会談プログラム変更の便りが伝えられると俄(にわか)かにざわつき始めた。直後にホワイトハウス側がトランプの記者会見が午後4時から2時に前倒しに為ったとの発表を受けて「決裂したのではないか?」「何かが違う」と緊迫した様子で慌ただしく動き始めた。
同じ時刻、会談場であるメトロポールホテルで取材中だったワシントン・ポスト(WP)のデービッド・ナカムラ記者は自身のツイッターに誰もいない昼食会場の写真を投稿して会談が正常に進んでいない状況を伝えた。
 続いて日本NHK放送の画面に金正恩委員長が黒の車両に乗って会談場を離れる様子が捕えられた。時事通信は「金正恩が専用車の中で難しい表情をしていた」と報じた。ハノイの日本記者は「金正恩氏の宿泊先であるメリアホテル周辺も保安の為に封鎖動き」と付け加えた。
 NHK放送は、外務省幹部が「記者団から『交渉が上手く行かなかったのか?』と質問されたのに対し、『北朝鮮が非核化をやらない為らば、米国も遣らないと云うことだ』と述べた」と報じた。


 以上


 





 【管理人のひとこと】


 北朝鮮の相次ぐ核実験に中・長距離ミサイルの度重なる発射実験、更に「我が国はアメリカの心臓部を何時でも攻撃できる!」と大陸間弾道弾の開発成功を謳い、言葉でも攻撃して居た以前の状態が、今や両国の首脳が笑顔で握手し話し合う状況へと変化したのは、一体何だったのだろうか?
 お隣に住む我が国向けには、数千発の近・中距離ミサイルを国内に配置し「何時でも攻撃できる!」と脅かし続けて居たのである。我が国は、発射して数分で到着するミサイルに怯え、橋の下や地下室に潜る模擬訓練をする報道まで流されたのだ。

 これは、一時の平和の象徴なのだろうか?それとも、真昼の夢なのだろうか?

 何れにしても対話が為されたのは、大歓迎であることには変わら無い。この両国の変化は、北朝鮮がアメリカを主とした国際的制裁にネを挙げた訳で無いのは大方の報道から推測される。国際的制裁は、主に中国からの輸出入の援助と韓国の協力があり北朝鮮は耐え忍んだ様だ。
 そして、アメリカが軟化したのは、偏(ひとえ)にトランプ大統領が軟化したのだ。何故だろう?何処にその根拠を見ることが出来るのか?


  




 アメリカ・トランプ大統領の軟化の原因

 幾代のアメリカ大統領が為しえ無かった北朝鮮との直接対話の成功で「一時」の平和を為し得た実績
 彼の約束(大統領選挙での公約)した政策は、完全では無いにしろ実行した・・・不法移民対策・壁の建設・減税・ETC
 ロシア疑惑だけは議会から追及されているが、ソコソコの支持率は稼いでいる
 ここで、前に成果を挙げた北朝鮮との会談で「何か一つ位の形に残る実績」を挙げたい・・・それには、(非核化が)不完全な形でも好いから・・・と譲歩する態度を示した。

 処が、本日(2/29ハノイ)の会談決裂に至った経緯は、北朝鮮側からは一切のコメントが無い為、アメリカ側のトランプ氏と側近、並びにホワイトハウスのコメントから推量するしか無いのだが「完全な制裁解除を求めたが、それに応じた北朝鮮の準備が整っていなかった・・・」とするトランプ氏のコメントが全てを語っている。
 トランプ氏は、或る一定の「核兵器・ミサイル等の廃棄・開発中止」の実績や、それが無ければ責めて「提案・プラン」の中身で金書記長の本気度を見た上で「完全廃棄は急が無い」と呼び水を打ったのに対し、北朝鮮側の回答が「ゼロに近い」ものだったのだろう。

 トランプ氏の会見での話では、北朝鮮が一部の核施設を非核化する見返りに制裁の全面解除を求めたことを明らかにし「受け入れられなかった」と説明した。金氏は黒鉛減速炉や再処理施設がある寧辺(ニョンビョン)の核施設などを廃棄する意思を伝えたが、その見返りとして制裁の全面解除を要求。
 ただ、米側はウラン濃縮施設や核弾頭などに非核化措置の対象を広げる様求め、寧辺の施設廃棄だけでは「不十分」としてこれを拒否した。


  




 「一部の核施設を廃止したい・・・」との北朝鮮の言葉だけでは、トランプ氏も動くに動けない。それ以上の具体的な検証をした上で次へのステップへと進めるのだから。又、次回の会談も決めて居ず「しばらく北朝鮮の態度を(期待して)待つしかない・・・」と、余り相手に対する非難の口調では無かった。
 これは【喧嘩別れ】した訳では無いと、内外に示す以上の成果が無かったことを示している。金氏もトランプ氏も、互いに国内向けには苦しい説明に為りそうだが、トランプ氏は責めて「懸念されていた安易な妥協はしなかった」とするだけで終わった。 

 金氏の場合だが、中国大陸を横断する鳴り物入りで今回の会談に臨み、国内では大きな期待を寄せた会談だったのは、国内の報道内容に表れて居たのだが、多くの国民は「何も成果を得られ無かった」と失望するだろう。が、トランプ氏が望む一切の妥協も示せ無かったのだから致し方無い。決してトランプ氏に降参した訳でも無い。これには、中国からの強い後押しの約束が無くては出来ないことだろう。
 北朝鮮の核兵器や核弾道ミサイルは、彼等が所有する足った一つのアメリカとの取引可能なものであり、これを簡単に破棄・廃棄・研究中止とは国内世論も許さ無いだろう。国を挙げて苦しい生活に耐え、必死に開発・研究し続けた唯一の武器なのだから。今後は、この北朝鮮の立場をどの程度アメリカが斟酌(しんしゃく)し長期にわたる会談を維持出来るかにかかっている。
 「金書記長は、(核ミサイルを含む)核実験を続けるとは言わなかった・・・」失意のトランプ氏は語るに落ちた。

 北朝鮮、韓国、中国とアメリカ・・・そして日本。日本は北朝鮮とは外交ルートを持たないので、今回の米朝会談では蚊帳の外にある。「金書記長に、拉致事件解決を望む日本の立場の説明を・・・」と、トランプ氏にお願いするだけのことだった。
 韓国ともギクシャクの止まらない現状では、北朝鮮には何らの影響力も発せない情けない立場にいる。しかし、同じ地域に住む我が国としては、好き嫌いを乗り越えた近隣外交を是が非でも成し遂げなくてはならない。官がダメなら民間レベルで、または国民同士の大いなる交流と文化・経済・学術での密接な繋がりを築き、未来の有効と親善を図らねばならないだろう・・・



  




 



  




  




 


 

2019年02月26日

沖縄・辺野古問題と日米地位協定 (2)




 日米地位協定の問題点は?


  




 「マガジン9」2016年7月13日up


 今年(20)5月、県内うるま市で元海兵隊員の男性による女性暴行殺害事件が起こった沖縄。6月23日の「慰霊の日」には、翁長雄志知事が戦没者追悼式典での平和宣言の中でこの事件に触れ、「日米地位協定の抜本的な見直し」を求めると発言しました。これを受け、日米両政府が一部改定で合意したと伝えられましたが、その実効性には疑問を呈する声も。
 そもそも、日米地位協定の問題点はどこにあるのか。その「抜本的な改定」のためには何が必要なのか。以前からその改定の必要性を訴えておられる、伊勢崎賢治さんにお話を伺いました。



  




   2-26-1.jpg

   いせざき・けんじ氏 

 1957年東京生まれ。大学卒業後、インド留学中にスラム住民の居住権獲得運動に携わる。国際NGOスタッフとしてアフリカ各地で活動後、東ティモール、シエラレオネ、 アフガニスタンで紛争処理を指揮。現在、東京外国語大学教授。紛争予防・平和構築講座を担当。
 著書に『東チモール県知事日記』(藤原書店)、『武装解除 紛争屋が見た世界』(講談社現代新書)、『伊勢崎賢治の平和構築ゼミ』(大月書店)、『国際貢献のウソ』(ちくまプリマー新書) 『紛争屋の外交論―ニッポンの出口戦略』 (NHK出版新書)『本当の戦争の話をしよう: 世界の「対立」を仕切る』(朝日出版社)など。



 




 日米地位協定の「特殊性」とは 問題は、裁判権では無く「互恵性」


 今年5月に沖縄県うるま市で起きた、元海兵隊員の男性による女性暴行殺害事件。こうした事件の背景に、世界的に見ても特殊で不平等な「日米地位協定」の存在があることは明らかです。「単なる外国人犯罪だ」と言いたがる向きもありますが、容疑者はSOFA(日米地位協定)ステータスに守られた「特別な外国人」であって、一般の在日外国人が起こした犯罪とは全く次元が異なる。
 地位協定による米軍の特権的立場があるからこそ、これまでにも同種の事件が後を絶たなかったのだ、と考えるべきでしょう。

 今回の事件では、日本の警察が先に容疑者の身柄を拘束したので地位協定は特に捜査の壁にはなりませんでしたが、これは「たまたま」に過ぎません。もし容疑者が先に米軍基地に逃げ込んでいたら、地位協定の定めによって、そのまま身柄が引き渡されない可能性もありました。
 そして、日米地位協定が「特殊で不平等」だと云う最大の理由は「互恵性」の無さです。例えば、日米地位協定にある「公務内の軍人・軍属についてはアメリカに第一次裁判権がある」と云う定め自体は、NATO加盟国間の地位協定の、慣習的なものではありますがスタンダードに為っているので、世界的に見て特段不公平と云う訳ではありません。問題なのは、それが「一方的」なものであることです。

 詰まり、NATOの地位協定においては、アメリカの軍人がイタリアで公務中に罪を犯したら基本的にはアメリカに第一次裁判権があるけれど、その「逆」もあると云うこと。イタリア軍人がアメリカ駐在中に公務内の罪を犯しても、それはイタリアの軍法で裁かれることに為る。外交官などが持つ「外交特権」と同じで、互いに特権を与え合う仕組みになっている訳です。
 勿論、イタリアがアメリカ国内に基地を置くと云うのは実際には余りないでしょうけれど、少なくともその場合の想定はきちんとされているんですね。そうして、両国の立場は対等であるという形を取る。

 NATOは軍事同盟だから当然とも云えますが、それ以外でもフィリピンはホボ同様の互恵性を獲得していますし、その後のイラクやアフガニスタンとの地位協定も含めて「互恵性は常に交渉の核となる」とアメリカ自身が公式な報告書で書いています。処が、日米の地位協定にはそうした「互恵性」が全く問題にされず、一方的にアメリカに特権を与える内容になって居るのです。
 また、地位協定においては通常「透明性」が非常に重視されます。NATO地位協定においても、基地で行われる訓練の内容を含め、駐留軍の行動については原則的に受け入れ国の許可が必要です。航空機の飛行や物資輸送などに関しても受け入れ国の了承が求められますし、基地から排出されるオイルや排ガスなどの廃棄物処理についても、受け入れ国の環境規制に従うのがスタンダードに為っています。


  




 こうしたことが殆ど無視されて、米軍は何時でも好きな様に訓練などを行える上に、制空権までも握っている。そんな不公平な対米協定を持つのは、世界広しと云えども日本と、後韓国位だと思います。
 ちなみに、うるま市の事件の容疑者は、米軍と契約する会社の従業員で「軍属」としてSOFAステータスを与えられて居た様ですが、これも他国の対米地位協定では先ずあり得ません。

 現代の戦争においては、軍と契約した民間軍事会社などの「業者」の存在が欠かせませんが、その従業員は軍と直接雇用関係を結んでいる訳では無いので、軍が行動を統制することが出来ない。そこで、そうした会社の従業員については、直接軍に雇用された「軍属」とは区別して、公務中・公務外に関わらず受け入れ国が第一次裁判権を持つとするのが慣習的なスタンダードに為っているのです。この点でも、日米地位協定は「特殊」だといえます(※)

 今回のうるま市の事件を受け、日米両政府は要約「軍属の範囲を厳格化する」と云う合意を発表しました(余りにも遅すぎる動きですが)。只、ここで出されている「軍属」の範囲も〈米軍と契約する民間企業の技術アドバイザーやコンサルタント〉が入っていたりと、例えば米・NATOとアフガニスタンの地位協定で定められているもの等に比べても前近代的です。又、現状の日米地位協定では誰が「軍属」に含まれるかの決定権をアメリカが一方的に握っている訳で、そこを変えられるかどうかが大きなポイントになるでしょう。
 

  




 交渉を繰り返して、改定されて来た各国の地位協定

 では、何故そんなことに為っているのか。地位協定と云うのは、必ずしも駐留国が一方的に「押しつける」ものではありません。制定する際にも勿論シビアな交渉が行われるし、その後も状況の変化などに応じて改定が加えられます。
 例えば、日本と同じ第二次世界大戦の敗戦国だったドイツやイタリアは、冷戦後に占領時代からある米軍基地の管理権と制空権を回復しました。ドイツでは殺人やレイプなどの「凶悪犯」については、公務内/外を超えてドイツに第一次裁判権があると定めていますし、イタリアでは基地が置かれている地方の自治体に、アメリカ政府と直接交渉する権利まで与えています。未だ「戦争中」とも云えるアフガニスタンでさえ、2014年に米・NATOと結んだ地位協定では、国内で罪を犯した米兵がアメリカの軍法で裁かれる場合に、アフガニスタンの政府関係者がその場に立ち会う権利を認めさせました。

 詰まり 各国に基地を置き続ける為に、アメリカは真摯(しんし)に色んな「譲歩」をしている訳です。戦争直後の占領時ならともかく、平時に外国の領土に基地を置くと云うのは本来、主権の侵害であって「異常な」こと(多くの日本人には余りそうした感覚は無いと思いますが)。アメリカも、そのことは好く分かっています。だからこそ、受け入れ国の国民の機嫌を損ねればそこに居続けられ無いと認識していて、夫々の国の事情や歴史的な関係に合わせて交渉に応じるんです。


  




 分かり易いのがフィリピンの例です。過つてアメリカの植民地だったフィリピンでは、反米感情の高まりもあって1992年に一度米軍を撤退させ、地位協定を破棄しています。その後、中国の南沙諸島進出などもあって 1999年に再び米軍を駐留させることに為るのですが(1998年調印Visiting Force Agreement“訪問軍”協定、2014年調印Enhanced Defense Cooperation Agreement)、再度の地位協定締結にあたっては、フィリピン側に非常に有利な条件を引き出しました。

 先に触れた裁判権における互恵性もそうですし、基地内での米軍の行動や物資の持ち込みについては全てフィリピン側に管理権があって「核を持ち込ま無い」と云う一文さえ明記されています。環境規制についてもフィリピンの基準に従うとキチンと書かれているし、何よりも協定の一章を割いて「フィリピンの所有権」を規定しているのです(ちなみに、アフガニスタンとの地位協定でも、「アフガニスタンの主権」と云うことが、文面の中で高らかに謳われています。勿論、日米地位協定のどこを見てもそんな言葉はありません)。
 一度「追い出された」身なだけに、アメリカ側も大幅に譲歩せざるを得なかった訳ですね。アメリカの公式の報告書にも、こうした互恵性の確保が無ければ、米軍はフィリピンに戻って来ることが出来なかっただろう、と云うことが書いてあります。



  




 何故日本では「地位協定改定」の声が上がら無かったか?  沖縄に問題を封じ込めて来た日本


 処が、こうした「交渉」「譲歩」の例外であったのが、日米地位協定です。締結されてから50年以上、その内容は全く改定されずに来ています(※)
 何故か。「地位協定をもっと対等にしろ」「政府はアメリカと交渉しろ」と云う国民の声が、日本では殆ど──沖縄を除き──上がって来なかったからです。

 地位協定の内容について、幾ら「アメリカが譲歩する」と言っても、勿論黙っていたら勝手に「ここまで譲りますよ」と言って呉れる訳ではありません。各国が粘り強く交渉を重ね、権利を勝ち取って来た結果です。そうし無ければ自国民が黙っていないことを、どの国も、そして交渉相手であるアメリカも分かっていたんですね。
 処が日本では、沖縄と云う首都から遠い場所に基地を集中させることで「国内に治外法権の場所が存在する」と云う異常さや、そこから派生する様々な問題を国民に「見え無い」様にして来た。その為に、殆どの国民──沖縄県民以外の──に取って基地の問題はあくまで「沖縄の問題」でしか無く、関心は高まりませんでした。

 それを好いことに日本政府も、幾ら米軍関係者による事件が繰り返され様とも、根本的な地位協定の改定に取り組もうとはして来なかった訳です。日本政府に最初から「沖縄に問題を封じ込めよう」と云う意図があったのかは分かりませんが、この状況を変え無いで置こうと云う意思は間違い無くあったでしょう(事実、立川など首都に近い基地はかなり返還されている訳ですし)。そしてその図式は、或る意味で非常に「上手く云っていた」といえるのかも知れません。
 しかし、それは当然ながら沖縄の人々の負担に目をつぶればと云うことです。これ以上同じことを続けて好いとは思えないし、一方的な主権の侵害と云う「異常」な状態を、このまま放置して好いとも思えません。

 地位協定の根本的な改定に早急に取り組み、主権国家としてアメリカと「対等」な関係を作り直すべきではないでしょうか。


  




 「対等」と云うと、直ぐに「ジャア集団的自衛権を行使して、日本もアメリカを守れる様にすべきだ」と言い出す人が居ますがそうではありません。集団的自衛権──日本で云われている「集団的自衛権」は、正確には軍事同盟「集団防衛」だと私は思っていますが──を行使すればアメリカと対等な関係を結べるのであれば、韓国はとっくに対等の地位を得て居るでしょう。しかし実際には、米韓の地位協定は日米と余り変わら無い、韓国に不利な内容に為っています。
 「対等」と云うのは、軍事力の話では無くて国と国との外交の話。簡単に言えば、アメリカに「舐められているか否か」なんです。そして現状、これ程「舐められている」国は日本と韓国位しかありません(繰り返しますが、それは「集団的自衛権が行使出来ないから」ではありません)。

 長引く「テロとの戦い」に疲弊するアメリカでも「先ずは国内のことに金を使おう」と云う、トランプのような主張が一定の支持を集める等の変化が起こっています。それを受けて日本も、自分達に取っての「アメリカ」とは何か、改めて考え直すときに来ているのではないでしょうか。米軍基地は、日本が「お願いして置いて貰っている」ものなのか、それとも両国のメリットの為に存在するのか。そうしたコンセンサスを形成した上で、地位協定についての交渉に挑むべきです(※※)

 先に挙げたフィリピンの例も、米軍基地を置きながら自分達の主権を最大限に確保していると云う点で参考に為るでしょう。或は、今日、明日に米軍基地を無くすことは出来ないとしても、どんな状況に為れば(例えば「近隣諸国との領土・領海紛争が無くなった時」とか)撤退させることが出来るのかのビジョンを持つ必要もある(地位協定の中には、期限を区切った時限立法にしているものも多く為ってきました)。
 これは「沖縄の問題」では無く、日本と云う国家の「主権の問題」。左右の垣根も越えて早急に取り組むべき課題だと思います。

 正確には昨年、環境規制に関する補足協定が結ばれて居ますが、分量的にもホンの僅か、環境基準は日本政府では無く「日米合同委員会」が決めると云う前近代的な内容。とても「改定」と呼べる様なものではありません。

 ※※一方で、日本は2011年、「ソマリア沖の海賊対策」を掲げて東アフリカのジブチに自衛隊基地を建設、この時締結したジブチとの地位協定では、一方的に不利な条件を押し着ける「加害者側」と為りました(この協定を駆け込みで結んだのは選挙で負けて政権を奪われた自民党ですが、それを実施運営したのは民主党政権です)。この事についても、同時に考え直すべきでしょう。


 以上




 もう一つのご意見を参照します・・・



 
 不平等な日米地位協定は改正すべきだ


  池田 信夫 2018年08月14日 21:00


        2-26-3.jpg

      池田 信夫 アゴラ研究所所長 学術博士(慶應義塾大学) 



 全国知事会が「米軍基地負担に関する提言」を全会一致で採択した。これは先日亡くなった沖縄県の翁長知事が発案し、研究会で2年かけて検討したものだと云う。その提言は次のようなものだ。

 1.日米地位協定を抜本的に見直し、航空法や環境法令などの国内法を原則として米軍にも適用させることや、事件・事故時の自治体職員の迅速かつ円滑な立入の保障などを明記すること
 2.米軍人等による事件・事故に対し、具体的かつ実効的な防止策を提示し、継続的に取組みを進める
 3.飛行場周辺における航空機騒音規制措置については、周辺住民の実質的な負担軽減が図られるための運用を行う
 4.基地の整理・縮小・返還を積極的に促進する

 これ自体は当然の要求である。主権国家に他国の軍事基地があり、それが日本の航空法で規制出来ない状況は異常だ。それは丸山眞男が1952年に指摘した状況から本質的には変わっていない。問題は、何故そう云う協定が結ばれたかと云うことだ。
 これは設問が逆で、丸山の指摘した通り地位協定あってこその安保条約なのだ。地位協定(当初は行政協定)こそ日米同盟のコアであり、安保条約はその原則を書いたものだ。行政協定は余りにも不平等なので骨子だけを条約とし、協定は国会承認の対象としなかった。それは1960年に地位協定と為った時も同じで、国会では審議さえされていない。何故こんな異常な協定が続いているのだろうか。

 その根本的な原因は憲法にある。日本が侵略される危険が迫った場合に、日米共同作戦の指揮系統をどうするのか。NATOでは、ヨーロッパ各国が米軍の指揮権を放棄し、その代わりアメリカが各国と協議する。ドイツの場合は「二重の鍵」と云われる方式で、アメリカが核兵器をドイツ国内に配備することを公表し、その運用についてドイツ政府が拒否権を持つ。

 処が日本は憲法の建て前で軍備を持て無いので、そう云う協定を結ぶことが出来ず、米軍を日本政府が指揮出来無い。この為アメリカが在日米軍基地の指揮権も管制権も持つ地位協定が出来、日本政府は「事前協議」を求める権利しか無い。
 これを「対米従属」と呼ぶとすれば、それを解決する方法は安保条約を改正して、日米が互いに防衛責任を持つ相互防衛条約にすることだが、それは憲法第9条に違反する。アメリカから見ると、日本はアメリカを守る責任が無いのに、アメリカが日本の防衛責任を負う安保条約は不平等条約である。詰まり安保条約は、日米どちらにとっても不平等な「非対称条約」なのだ。

 だから不平等な地位協定を改正する為には、安保条約を改正して日本もアメリカを防衛する責任を明記する必要があり、その為には憲法を改正する必要がある。この問題を議論し始めると日米関係が根底からくつがえるので、安倍政権も地位協定には手をつけ無いが、これは欺瞞である。地位協定や安保条約に手をつけ無いで、憲法を改正しても意味が無い。


 以上


  







 【管理人のひとこと】


 現憲法下での日米軍事同盟の危うさ


 この地位協定問題は、多くの人が、その不平等性や基地の置かれた地区の人々の、余りにも犠牲を強いられるとする不都合や不満を上げ続けて来たのです。しかし政府は、これが成立して以来一言一句の改正も出来ず、都度の運用見直しで済ませて来た。今は返還された本土の基地でも、夜間や深夜の騒音問題や将兵の暴行事件が起きました。今は、殆どの基地が沖縄に集中してしまったのです。詰まりは、安定性の無い日米安保条約の基での地位協定に、チグハグな面が残るのは致し方無い様です。
 これは、憲法では軍隊を持た無い日本が、米国と軍事同盟(日米安保条約)を結ぶ矛盾を曝け出したものですから、憲法上では解決の方法は困難なのです。韓国やヨーロッパ・各国の地位協定の改正には、各国の保持する軍隊が存在するのですが、我が国には憲法上では軍隊は持て無いのですから、他国と比べようが無いのです。


 日本の防衛思想の反映

 戦後以来我が国は、内外に莫大な犠者を出した今までの戦争を反省し、世界平和を願い、戦争の放棄・軍隊を持た無い・他国を侵略・攻撃しない・・・と、平和路線を続けて来ました。
 例え、GHQの作った憲法だとしても我が国の政府はこれを認めて国民に公布したのです。日本が独立して主権が戻っても、我が国(国会・政府)はこの憲法を大切に尊重し、今に続きます。しかし、朝鮮動乱へ出兵する駐留米軍が日本を留守する際、共産圏から日本を守る対策として武力を持つ事に為ります(警察予備隊⇒保安隊⇒自衛隊)。これを「再軍備だ」として日本国内では国論が二分する騒ぎになったのです。

 (憲法で否定されている)自衛隊は軍隊か?戦争を認めるのか?との問いに政府は、

 「憲法上我が国は軍隊は持て無い、しかし、(国際法上)独立国として〈国家としての自衛権〉は持っているので〈必要最小限の武力〉を持つことは出来る。日本の防衛が目的であり、他国を侵略するとか攻撃する訳では無く、飽くまでも他国から攻撃されたらそれから守る為の武力に留める(専守防衛)・・・と苦しい言い訳を続けて来たのです。そして、日本に駐留する米軍との協議で日米地位協定⇒日米安保条約と云う軍事同盟が結ばれたのです。


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 この〈専守防衛論〉に田原総一郎氏は大きな疑問を投げかけています。それは、

 「もし、日本に対して攻撃する国があったとして、この〈専守防衛〉の考えでは、その国が日本の本土に上陸して攻撃を開始し、初めて自衛隊がそれに対して武力で反撃することに為る。詰まり〈本土決戦〉になる訳だ。これでは我が国民に莫大な犠牲者を出すだろう。
 犠牲者を極力少なく防衛するには、攻撃されたから反撃するのでは遅い。先ずは、例えば敵のミサイル基地を攻撃するとか、上陸する前の航空機や艦船を攻撃する必要性が強い・・・」

 軍隊を持た無い国が、軍事大国のアメリカと〈軍事同盟〉を結ぶこと自体が矛盾しているのですが、それを何の辛(なんのかの)と言い包めて今日に及ぶのですから、一朝一夕に理路整然と解説出来る訳は無いのです。
 それでは、憲法を改正し、我が国が他国と共通する軍隊を持ち、時には軍が海外へ出動し紛争の解決の為の戦闘を行うことに為れば・・・(戦争を否定しない)普通の国家と為るのですが、これには多くの異論が出ます。
 世界平和を謳(うた)った大切な憲法だから改正しては為らない、二度と悲惨な戦争を起こしては為らない、徒(いたずら)に世界の紛争に参加し日本の若者の血を流すことは無い・・・

 果たして、我が国民はどちらの道を選ぶのでしょうか?これを決め無いと次への解決策へとは進めないのです。無論、多くの国民は、戦争を嫌い若者の血を流すことには拒否したいのですが一概に決められないことなのです・・・その様な上手い方法があれば多くの国がその方法を採るでしょうが、そんな方法はあり得ないのです。


  




 我が国の自衛隊の隊員は職務の宣誓を行います。


 隊員 自衛隊法施行規則(昭和二十九年六月三〇日総理府令第四十号)によって定められた自衛隊員の服務の宣誓

 「私は、わが国の平和と独立を守る自衛隊の使命を自覚し、日本国憲法及び法令を遵守し、一致団結、厳正な規律を保持し、常に徳操を養い、人格を尊重し、心身を鍛え、技能を磨き、政治的活動に関与せず、強い責任感をもつて専心職務の遂行にあたり、事に臨んでは危険を顧みず、身をもつて責務の完遂に務め、もつて国民の負託にこたえることを誓います」

 参考ながら、別の宣誓を記します。


 国家公務員職員 職員の服務の宣誓に関する政令(昭和四十一年二月十日政令第十四号)によって定められた国家公務員の服務の宣誓
 
 「私は、国民全体の奉仕者として公共の利益のために勤務すべき責務を深く自覚し、日本国憲法を遵守し、並びに法令及び上司の職務上の命令に従い、不偏不党かつ公正に職務の遂行に当たることをかたく誓います」 

 地方公務員(東京都職員)職員の服務の宣誓に関する条例(昭和二十六年二月二十二日東京都条例第十五号)によって定められた地方公務員(東京都職員)の服務の宣誓

 「私は、ここに、主権が国民に存することを認める日本国憲法を尊重し、且つ、擁護することを固く誓います。私は、地方自治の本旨を体するとともに公務を民主的且つ能率的に運営すべき責務を深く自覚し、全体の奉仕者として、誠実且つ公正に職務を執行することを固く誓います」
 
 警察職員 警察職員の服務の宣誓に関する規則(昭和二十九年七月一日国家公安委員会規則第七号)によって定められた警察庁職員の服務の宣誓

 「私は、日本国憲法 及び法律を忠実に擁護し、命令を遵守し、警察職務に優先してその規律に従うべきことを要求する団体又は組織に加入せず、何ものにもとらわれず、何ものをも恐れず、何ものをも憎まず、良心のみに従い、不偏不党且つ公平中正に警察職務の遂行に当ることを固く誓います」

 消防職員 消防職員宣誓規程(昭和五十七年十月一日消防規程第一号)によって定められた消防職員の服務の宣誓

 「私は、日本国憲法及び法律を尊重し、命令、条例、規則及び規定を忠実に遵守し、消防の目的及び任務を深く自覚し、その規約が消防職務に優先して従うことを要求する団体又は組織に加入せず、全体の奉仕者として誠実かつ公正に消防職務の遂行にあたることを固く誓います」

 以上

 その他、職務を遂行する上で自分の身に危険が迫る職業は数多くあります。民間企業でもそれに近い危険をはらんだものも数多くあるでしょう。民間でもこれに似た宣誓も為されることはあるでしょうが、例えば、福島原発の廃炉処理作業に関わる人達も身近な危険で一杯です。
 決して国民の全てが平和で生ぬるい生活をしている訳でありませんし、我が国の防衛に無頓着では無いと思います。日米安保・日米地位協定から来る「日本はアメリカの属国」観は、今後の我が国の解決すべき大きな課題として残り続けます・・・
 


 



 



  



  



 

 




 




沖縄・辺野古問題と日米地位協定 (1)



 辺野古新基地建設の賛否を問う沖縄県民投票が2月24日に投開票された。その結果とその問題の本質を考えてみましょう・・・



 ハーバービジネスオンライン  

 沖縄県民投票で辺野古基地建設「反対」が7割、43万票。玉城知事、安倍首相やトランプ大統領との対話に意欲 


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             横田一氏 2019.02.26



 沖縄・辺野古新基地建設の賛否を問う沖縄県民投票が2月24日に投開票され「反対」が72.15%の43万4273票と為った。投票率は52.48%。去年9月の沖縄県知事選で玉城デニー知事が得た過去最多の39万6632票を超え、新基地反対の民意が更に明確な数字として示された形と為った。


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 「早く上京して結果を伝えたい!」


 投開票を受けて玉城知事は25日未明に記者会見。先ず投票資格者数(115万3591人)の4分の1である「28万8398人」を超えたことをから「県民投票条例の規定に基づき投票結果を尊重すると共に、投票結果を速やかに内閣総理大臣とアメリカ合衆国大統領に通知します」と述べた上でこう続けた。

 「今回の県民投票によって、辺野古埋め立てに絞った県民の民意が明確に示されたのは初めてであり、極めて重要な意義があるものと考えています。県民投票での結果を受け、辺野古新基地建設の阻止に改めて全身全霊を捧げて行くことを誓います。
 政府は、沖縄県民の辺野古の埋め立てを決して認め無いと云う断固たる民意を真正面から受け止め、『辺野古が唯一』と云う方針を直ちに見直し、工事を中止すると共に、普天間飛行場の一日も早い閉鎖・返還と云う根本的な問題解決に向け、これまで再三求めて来た県との対話に応じる様強く求めます」  


 質疑応答で玉城知事は、
 「出来るだけ早い時期に上京、安倍首相に県民投票の結果を伝えたい」
と語った。2月25〜28日は県議会の日程が入っている為、早ければ3月1日にも首相との面談が実現する見通しだ。又、トランプ大統領への通知について玉城知事は「アメリカ大使館経由が最も早い」と述べる一方で、訪米をして直接伝えることについては「今後、考えて行きたい」と含みを持たせた。  
 去年11月の訪米の際も「県民投票を受けて、又新たな訪米をして沖縄の民意を伝える考えはあるのか」との問いに「出来れば訪米したい」と再訪米に意欲的だった。県民投票でより明確な民意が示されたことで、再訪米の可能性が高まったのは間違い無いだろう。



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 ウーマン村本氏の訪問などを機に、県民投票への関心高まる

 今回の県民投票では、若い世代の精力的な動きが光った。全県での投票実施を求めて「辺野古県民投票の会」の元山仁士郎代表がハンストを始めた直後、お笑いコンビ「ウーマンラッシュアワー」の村本大輔氏が沖縄を訪問して元山氏にインタビュー。それが地元紙などに報道されると激励に訪れる人が相次いだ。このハンストが切っ掛けとなって、質問項目を3択に増やすことによる全県での実施が実現した。
 投開票日の24日、再び村本氏は沖縄入りをして元山氏を激励。那覇市内で「沖縄県民、笑いにおいで」と云う独演会を開催した。そして村本氏はツイッタ―でも「ハワイから問題を他人事にできない人(注:ホワイトハウス嘆願署名を呼び掛けた日系4世のロバート・カジワラ氏のこと)が来てるのに、日本の本土の人は、県民投票が何かすら知ら無い。東京中心で作られるメディアとは何だろう。今平和で幸せな人からしたら、沖縄って何だろう」と発信した。



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 一貫して「結果に関わらず移設を進める」と菅官房長官

 菅官房長官は否定。会見で「普天間飛行場の危険除去」を繰り返して来た菅官房長官は、投開票前から県民投票の結果には左右され無いと明言していた。県民投票の投開票を受けて与野党も談話を発表。立憲民主党の福山哲郎幹事長は、政府に工事中断を求めた。
 「政府はこの結果を極めて重く受け止めなければならない。『沖縄県民に寄り添う』等の言葉とは裏腹に、累次に渡って示されている沖縄県民の民意を全く無視する基地建設の強行は、民主主義の何たるかに目を向けようともしない安倍政権の体質を如実に現しており、断じて許し難い。直ちに辺野古での基地建設工事を中断すべきであることは言うまでもない」  

 一方、自民党の岸田文雄政調会長は「結果を真摯に受け止める。沖縄県及び県民に理解と協力が得られる様最善を尽くしたい」と云うコメントを発表したが、これはリップサービスに過ぎない可能性が極めて高い。県民投票の投開票前から政府は、その結果を無視する姿勢を示していたからだ。
 県民投票が告示された2月14日の会見で菅官房長官は「どう云う結果でも移設を進めるか」との記者からの質問に対して「基本的にはそう云う考えだ」と回答している。「問題の原点は普天間の危険除去と返還だ」と云う常套句を繰り返すだけ。投開票日の2日前の22日の会見でも菅官房長官は『東京新聞』記者の質問に次のように答えていた。


 ・・・どの様な結果であっても、投票結果は政府に対する沖縄県民の民意を示すものと考えられます。政府はその様に認識されて居るのでしょうか?

 菅官房長官:先ず県民投票については、地方公共団体が条例に基づいて行うものであり政府としてコメントをすることは差し控えたいと思います。その上で申し上げれば、普天間飛行場の辺野古移設を巡る問題の原点と云うのは、市街地に位置し住宅や学校に囲まれ『世界で一番危険である』と言われている普天間飛行場の危険除去と返還だったのではないでしょうか。  
 政府としては、普天間飛行場の危険除去と辺野古移設に関する政府の考え方や、沖縄の負担軽減に目に見える形で実現すると云う政府の取り組みについて、丁寧に説明をして地元の皆様に理解・協力を頂きながら粘り強く工事を進めて行くという考えに変わりはありません。

 ・・・>「県民は普天間の危険性除去も大切と云うことを含めて、悩みながら投票するものだ」と私は思っています。大変失礼な言い方で恐縮ですが、政府は投票結果を無視することなのでしょうか?

 菅官房長官:「無視する」と云うことでは無くて、この辺野古移設については手続きを沖縄県に申請し、そこから許可を頂いて工事をしております。今申し上げた様に、一番の原点は普天間飛行場の危険除去と固定化を避けることでは無かったのでしょうか?
 残念ながら、今の危険除去を避ける為にどうするのかと云うことが現知事からは語られていないことについては残念だと思っています。


 玉城知事による政府への交渉に注目
          
 
 辺野古新基地予定地には、軟弱地盤が見つかって大規模な地盤改良工事が不可欠である事が判明。沖縄県は「2兆5000億円の税金投入と10年以上の年月が掛かる」との独自試算を発表した。しかも前例の無い大規模な難工事で、周辺の貴重なサンゴ群落が死滅する恐れも懸念されている。  
 しかし、政府は県民投票前から一貫して「普天間飛行場の危険除去の為には辺野古基地建設が必要」と云う姿勢を崩していない。菅官房長官は県民投票翌日の2月25日の会見でも「普天間飛行場の危険除去」を何度も繰り返し、工事強行の姿勢を変えようとはしなかった。  今後、沖縄県民の民意の後押しを受けた玉城知事と政府との交渉が、どういった展開になって行くのかが注目される。


 <取材・文・撮影/横田一>

 ジャーナリスト。小泉純一郎元首相の「原発ゼロ」に関する発言をまとめた『黙って寝てはいられない』(小泉純一郎/談、吉原毅/編)に編集協力。その他『検証・小池都政』(緑風出版)など著書多数




 【管理人のひとこと】



 辺野古新設を問う県民の意識調査は、初め沖縄県内の数多くの有力市が調査協力を拒否し続け、実際に行われるのかが危惧された。その中で「県民の意思表示を封ずる行為」だと批判が高まり若者のハンストの抗議もあり、賛成・反対に「どちらとも言えない」の3項目の意思表示出来る3択で実行可能となった。

 確かに、全てを住民投票の結果に委ねると云う行為は一見民主的に見えるが、EU離脱の国民投票をした英国を例にとってみると、全ての政治的判断がこの結果に縛られてしまい抜き差しなら無い現状に陥(おちい)っている。特に、国民が二分する様な僅差の結果から全てを決定する・・・この様な国民投票のやり方のみが真の民主主義だとは断定出来無いだろう。
 一時の国民の多くの感情と、将来を見据え熟慮(じゅくりょ)した専門家(為政者?)との意思が何時も同じだとは限ら無い。情報の量と質に、物事を考える立ち位置の違いもあるだろう。沖縄県内の数多くの有力市も、この様な弊害を危惧して拒否したのだろうが・・・

 しかし、結果は結果として尊重されなければ為らないし、それに必要以上に縛られても為ら無い。為政者は、その意思をどの様に政策に取り込み、結果として国民(県民・市民)に最善と思われる具体的行政を行うかに懸(かか)っている訳だ。
 ここで問題なのは「普天間の危険を除去する為に、新たに(同じ沖縄の)辺野古に新基地を作る」と言う名目が、果たして今でも通じる話であるのか?これが最善の道だと本当に信じて好いのだろうか?の疑問が残る。

 何故なら、辺野古に移駐するのはアメリカの駐沖縄海兵隊の一部であり、彼等は常に常駐しない部隊で世界の各地を定期的に移動する巡回部隊である。半年以上留守の時もある「緊急移動部隊」の駐屯地だ。これは、海軍や空軍の本拠地を「基地」と呼び、陸軍(含む米海兵隊)は主戦場を根拠地とするから、片時生活する「駐屯地」と呼ぶ様に、海兵隊の任務は常に紛争の第一線に一瞬に移動し瞬時に制圧することを任務とする。
 第一線の最精鋭部隊としての性格を持つ・・・いわば、喧嘩の現場に飛び込んで話を着ける「実力のある親分」の性格を要するものだ。速攻に動ける機動力と強力な実力を必要とする訳だ。その駐屯地の新設の問題なのである。

 アメリカの高官が「県民投票の結果に関わらず、予定通り移設を実行したい」と菅官房長官と同じ様に語ったのは、単なるリップサービスの様だが、果たして米国がそんなに切実に考えているのかは疑問だ。米政府の中には、世界に展開する米軍の早期な撤退を進言する勢力も強く存在する。2月27・28日の米朝会談が成功すれば(朝鮮戦争終結を宣言し、北の核兵器廃棄が決まれば)駐韓米軍(国連軍)は撤退すると公言する人もいる。
 海兵隊の海外の部隊は、沖縄の海兵隊だけでありそれも半分は巡回するから、本土部隊と統合しても何の問題も無い。本土から世界の紛争地に向かってスピーディーに展開する作戦を日々練っているのかが海兵隊だ。逆に沖縄に駐留することで、そこを狙われる脆弱性(ぜいじゃくせい)も出来てしまう。沖縄の地理的利点(抑止力)はそんなに高く無いと考える人達も多い。アメリカ国内より日本政府が「沖縄に存在する米軍の抑止力」を必要以上に期待し高言する訳である。

 しかし、経費の問題は残る。本土に引き揚げると彼等の経費は米国政府の負担となる。海外に置き、その経費を日本に負担させる方が安上がりだ。だが、アメリカの若者も海外勤務手当は無く為るが、生命や人権や人情の問題から本土での勤務を望むだろう。日米安保で偏向的な任務(日本を守り血を流す)を背負わされるのは真っ平だろう・・・

 何故沖縄県民がこの様に基地建設に反対するのか、そして多数では無いが賛成する人も居るのだが、この様な複雑な感情を私達国民がどの様に理解して居るのか?次に、この問題を掘り下げてみよう・・・
 

 

日本が抱える社会問題10!




 




 日本が抱える社会問題10!


 日本が抱える社会問題は深刻なものばかりです。ここでは、問題に為っている課題について考えて行く為に整理して解説。大事な問題ばかりですので好く理解して下さい。



 日本の社会問題10



  




 @少子高齢化

 日本の少子高齢化は、子供が少なく高齢者が多くなると云うことで、人口が今後かなり早いペースで減って行くことです。このまま行けば、2015年の国勢調査で日本の人口は1億2709万人ですが、2040年には9913万人2060年には8674万人2110年には4286万人に為ります。
高齢者問題は、2025年には75歳以上の後期高齢者が5人に1人に為り、日本は過つて無い高齢者社会に為っています。

 少子化に関しては、1975年に出生率が2.0を割って現在では1.4程度に為っています。詰まり2人の夫婦から1.4人の子供しか出来ないことです。更に、結婚しない男女が増えていることも子供が増えない原因の一つです。この原因は女性の社会進出や、賃金が上がら無いことが原因でないかと云われています。
 こう云う社会に為ると、年金、医療問題が立ち行か無くなり、労働者不足や介護施設の不足も問題となります。今の処、これと云った解決策はありません。



 A貧困格差

 日本はGDPで世界3位と云うのに、貧困率は世界4位と云う貧しい国です。日本では年収300万以下の人が40%もいます。富める人と低所得者の差が益々広がって中間層がドンドン減って格差が広がっております。
 原因は、非正規雇用者が多いことです。もう一つは、父子家庭や母子家庭が増えた所為でもあります。若い人の年収が増え無いことも原因に挙げられます。年収300万円と云うことは手取りで240万円ほどで、一人暮らしの独身者の平均生活費は168万円ですから、小遣い込で72万円と云うことに為ります。

 結婚すると生活するのがヤットです。更に子供が出来ると共稼ぎで無くては遣って行けません。更に問題は子供の貧困です。子供の6人に1人が貧困と云われています。日本の場合は、教育費が他の国に比べて高い為、年収300万円では貧困な子供と云うことに為ります。政府も子供の教育費を無償にする法案を出していますが,未だに実現していません。



 B教育現場でのいじめ

 毎日の様に子供が学校で苛められて自殺したニュースが報じられますが、一向に減る気配がありません。一つは、未だに学校も教育委員会も自分の成績に汚点が付か無い様にする隠蔽体質があります。そして、根本問題は世間の風潮や親の育て方に学校の先生の働き方に問題がある様です。
 最近の親御さんは、自分と自分の子供が良ければ後はどうでも好いと思われている方が多いように言われております。世間の風潮としても、パワハラ、体罰問題と先生の指導を制限する方向に向かって居る様に思われています。
 学校の先生も、管理教育で書類が多くなり十分に子供に向き合え無いなどの問題あるように聞いています。特に教育委員会とは何でしょうか?税金を沢山使っているのに、何も基本的な手を打て無いのは、はなはだ問題です。親が子供を怒る、周りの大人が子供を怒る、先生が子供を怒る・・・この習慣が、人権問題などで無く為ってから、苛めの問題が多く為った様ですがいかがですか?



 Cデジタル・デバイド

 デジタル・デバイドとは、ITを利用して使い熟(こな)す人間と、使え無い人間の間に生じる貧富や機会の差及びそれによって生じる地位の差を言います。地域的な格差や国際的な格差もあります。若者はITを使って情報を集めたり好い仕事を見つけたりします。
 金儲けの方法を見つけたりすることと、PCの使え無い高齢者とか経済的にPCが使え無い人には、現在では相当の差が出来ます。

 例えとして、何かを調べて小さな記事を書くことにしてみますと、ITであらゆる情報が取れる人と、ITが使え無い人は、情報を集める時は本を買うか図書館で調べるしか手がありません。時間と手間がどれだけ違うのか図り知れません。
 又、無料WIFIの飛んでいる都会と、電波の届か無い田舎では情報の確保が全然違います。国際的にも、東京の様な都会とインフラの進んでいない後進国では情報の取れ方が全く違います。高齢者に為っても、PCやスマホの操作法を覚えれば新しい世界が広がります。椅子に座っているだけで、欲しいものがクリック一つで配達されますし、欲しい情報も幾つかの操作で椅子から立た無いで欲しい情報を得ることが出来ます。又、色々なお金儲けも出来ます。



 D介護・老老介護

 介護問題は、まさに高齢化社会に突入した日本の大きな問題です。介護士が不足していることも含めて、訪問サービスやデイサービス等ありますが、家族が介護をしているケースがかなり多いです。
 訪問サービスでは、他人を家に入れたく無いと云う意見もあると云う事です。家族で、介護されているケースの中で、配偶者や兄弟、親子で介護しているのが殆どです。その中でも、高齢者夫婦で片方の配偶者を介護している場合や、自分の親を介護する場合、介護する方も高齢者であることを老々介護と言います。又兄弟で介護する場合も、老々介護に該当するケースもあります。

 若い人でも介護するのは大変な作業ですが、共倒れでは無いですが、高齢者では疲労困憊して殺人事件に発展するケースも出ており対策が待たれます。介護サービスでは、介護に限界もありますし、経済的な問題も絡んでナカナカ上手く行きません。ショートステイや老人施設を利用するのが最も好い方法だと思われます。



 




 E家庭内暴力

 家庭内暴力とは、広い意味では、親から子への暴力や夫から妻への暴力が挙げられますが、ここでは、子供が親に対して行う暴力行為の問題を取り上げてみます。
 一般的には、子供が母親に対して暴力を振うケースが多い様で、男の子の方が女の子より2〜3倍多いと言われています。暴力を振う原因は、しつけの態度が気に食わ無いのが70%近く・理由も無く10%・欲しいものが買って貰え無い9%と為ります。しつけの態度とは、帰りが遅い・髪の毛を染めるな・態度が悪い等日常の注意を指します。
 家庭内暴力を振う原因は、もっと複雑で、学校であったことの反動や、親の喧嘩や離婚が原因だったりします。社会的なストレスや精神疾患などの場合もあります。家庭内暴力を起こす子供の共通点としては、外では大人しく神経質で友達が少なく、生活習慣が乱れている点が挙げられます。

 家庭環境としては、母親が過干渉で父親は無関心で母子家庭が多いと言われています。手に負え無い時は、児童相談所や警察で話を聞いて呉れます。



 FLGBT

 LGBTとは、性的少数者の総称です。LGBTは、L:レスビアン(女性同性愛者)G:ゲイ(男性同性愛者)B:バイセクシュアル(両性愛者)T:トランスジェンダー(性同一性障害)の略です。

 世界的にその割合は7.6%と云われており、人間的権利を求める運動と為っています。同性婚などは海外では法的に認められところも出て来ましたが、日本ではそこまで行っていません。日本では、カミングアウトすること自体がマダマダ難しい状況です。
 お笑い芸人の鳥居みゆきはレスビアンと云う事をカミングアウトしていますし、GENKINNGはゲイであると認めています。更に江頭2:50はバイセクシャルと認めています。日本では、未だに差別や苛めの対象になっております。
 海外では、人権を認めて貰う運動も盛んですが、日本においては未だそこまでの動きに為っていません。日本では、行政はこの問題には未だ目を向け無い様にしていますし、法的にも整備されていません。一部の民間企業では、支援する動きも出ております。



 Gブラック企業

 ブラック企業とは、広い意味では暴力団等と繋がりを持ち違法行為を行う企業ですが、最近では、新興産業で、若者を大量に雇い過重労働・違法労働・パワハラ行う企業のことを言います。しかし、名の知れた企業であっても、サービス残業を暗黙の力で強制したり、過重労働をさせている企業もありますしメディアで話題に為っている有名な企業があります。特に、テレビ業界や広告業界は給料レベルに関しては好いですが、時間管理が難しい為、度々労働問題が取り沙汰されています。
 又、公務員でも教師や警察官・医者等はサービス残業が常態化している場合もあり、ブラック企業並みに言われることもあります。近年問題に為っている貧困労働者と云える様な従業員に対して、更にサービス残業を強いる経営者が後を絶ちません。それ等の経営者は、短期間で社員が離職することを前提に、違法行為と云える過重労働をさせて居るのです。若し、そんな企業に入ったら訴えるべきです。弁護士に相談しましょう。


 H待機児童問題、女性と労働

 待機児童問題が話題に為ってから随分に為ります。女性が出産後に仕事復帰する際、ネックと為るのが保育園問題です。更に待機児童は、表面に出ている人数で無く、親が育児休暇を延長したり求職活動を止めたり、無許可保育園に入れた場合はカウントされません。
 隠れ待機児童が沢山います。待機児童問題は都市部において深刻な問題に為ります。土地問題や周辺住民の理解が得られず進ま無い事も有ります。又保育園不足は核家族で親が面倒を観られ無いことや、保育士が少ないことも原因と為っております。

 行政も力を入れて取り込んでおり、企業も自分の事務所に保育所を併設したりしております。現在は発達しているIT技術を使えば自宅で仕事が出来る場合もあります。保育園の問題が解決すれば、眠っていた女性の労働意欲も再生して、労働者不足が叫ばれている今、女性の労働が貴重な戦力に為ります。又、これにより、貧困格差も少しは解消されるでしょう。



 I移民受け入れ

 日本の少子化と高齢者問題により労働者が不足するので、政府は移民政策を進めようとしています。既に、3K労働者や居酒屋店員等多くの外国人が働いていますが、移民者ではありません。移民とは、日本に住んで生活を続けることです。政府は、労働者が不足するので移民に頼ろうとしていますが、本当に労働力は不足するのでしょうか?

 確かに今後、労働人口は減ることは確実ですが、人口が減ると云うことは市場も小さく為ることで、今の生産量が維持されるかどうかは分かりません。今後、急速にAIが発達して今の労働がAIに取って代わって半分の労働者の仕事を奪うと言われています。
 更に、定年の延長や女性の仕事への進出や高齢者の仕事への参加を行ったりすれば、労働者は不足し無いかも知れません。移民問題は、海外でも問題に為っている様に、治安の悪化や文化の崩壊などデメリットもあります。もう少し様子を見てからでも遅くは無いと思われます。



  




 【コラム】迫り来る2025年問題にどう向き合う?

 2025年問題とは、75歳以上の後期高齢者が全人口に対して20%を超えることを言います。詰まり5人に1人が後期高齢者に為ります。何が問題かと云うと、少子化と併せて考えると、年金制度が立ち行か無く為ると云うことがあります。更に、介護施設が足りなく為ったり介護自体が問題に為ります。
 又、医療機関が不足したり医療費が財政を圧迫したり企業負担も大きく為ります。少子化と合わせて労働者不足と云う問題にも発展します。何れにしても、年金制度は既に持た無くなっており医療費もかなりの勢いで膨張しております。
 財政的に足りない分は、取り敢えず増税で賄う様ですが、何れにしても現役世代の負担が増えそうな感じです。高齢者と女性が仕事をすれば少しは解消できます。



 日本社会は問題が山積み

 いかがでしたか?今、日本で問題に為っている諸問題、理解されましたか?特に少子高齢化、いじめ、介護、女性進出、2025年問題は深刻です。どれも、こうすれば好いとか、直ぐに解決出来ない難しい問題ばかりです。これからも益々深刻に為って行く問題ばかりです。
 政府も、少しずつは努力していますが、ナカナカ好いアイディアは出て来ません。解決でき難い問題ですが、我々が、少しずつ出来る範囲で努力出来ることは、諦めずに遣って行きましょう。

 以上


  



  






 【管理人のひとこと】


 このレポートは、新人の教師か政治家が、生徒か後援者に初めて挨拶する様な、何か気負った分析の様な感じで受け止めました。間違いではありませんが、大切な経済への分析が欠けていました。この30年・・・バブルが弾けてからの日本の経済は、ズーっと底辺を這う様に低迷しています。日本を代表する企業であった東芝やシャープ・・・その他日本の諸メガバンクの低落は目にも当てられません。無論、我が国のGDPの伸びや個人的生産性の低さも相変わらず、嫌、年々他国に追い抜かれている状態です。他国に比べ、何がダメで何が欠けていたのでしょう?

 恐らく、その間世界は我が国よりも何倍かの変化に対応し厳しい環境の中で戦っていました。世界二位の経済大国に胡坐(あぐら)をかき「日本の技術は世界一!」との自己満足に何時までも浸っていたのです。呆然としている間に、中国は日本を抜き去り今や日本の倍に近いGDPに迫っています。得意であった技術に溺れ、日本と云う小さな池の中に住むカエルの様に・・・
 世界には次々と新たな技術が開発され、それは、新たな思想と為って次の世代へと羽ばたいています。AIに関しても現実的な対応を進めていますし、新たな社会的課題の解決へと向かっています。その発想は、詰め込み暗記式の大学受験や「好い子」には芽生え無い「何か」なのでしょう。
 直ぐに結果の出る金の為る研究を優先し、基礎的な研究や哲学を軽視する日本の学問の限界なのかも知れませんが、いわゆる余裕の無い環境にあるのです。そういう環境から果たして斬新な思想や画期的思考がうまれでしょうか?

 我が国は、成熟した先進国の中でもその底辺を彷徨(さまよ)って居るのですが、国内では、アベノミクスの成功だとか、株価が高い、失業者が少ないと誇り、人手不足だと嘆いています。その実際は、低い労働原価に人が集まら無いのであり、高い労働原価を出せ無い生産性の低い企業が多数を占めているのが原因です。
 それに、労働原価を抑える必要から契約社員や派遣労働に頼り、将来的な人間の育成を怠っています。使い勝手の良い労働環境を狙い、企業が解雇し易い様にとの法改正を探っています。こんなことで、将来的な人間育成に問題ないのでしょうか?



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2019年02月22日

地球温暖化の「からくり」とは?



  



 

  異常気象の原因は地球温暖化・・・が、叫ばれて久しいが、この問題について少し触れてみよう・・・


 




 【紙面の片隅から】某宗教新聞 2019年2月22日 5版より引用

      

  気候変動の”からくり”   


 東京大学大気海洋研究所 教授 横山 祐典(ひろのり)


 地球が誕生してから46億年。これまで地球の気候はダイナミックに変動して来ました。恐竜が闊歩(かっぽ)していた白亜紀(はくあき)の様に二酸化炭素が現在の4倍以上もあり温暖だったグリーンハウス期、地球全体が凍結(とうけつ)したスノーボール期、現在の地球の様に北極や南極に氷床(ひょうしょう)があるアイスハウス期。何れも数百万〜数千万年以上継続しています。

 この様な長期にわたる気候を決めているのは、太陽からのエネルギー変化と火山等で供給される二酸化炭素を初めとする温室効果ガスの影響です。二酸化炭素量を初めとする”からくり”によって、気候の暴走に歯止めが掛かっているのです。
 例えば、二酸化炭素が減少して行くと寒冷化が進行し、地表の多くが雪や氷に覆(おお)われます。すると、太陽光が反射され地球に届くエネルギーが少なくなり、益々冷えて行く様になります。このサイクルに歯止めが掛から無くなると、地球全体が氷に覆われるスノーボールアイスに為ると考えられます。只、火山活動によって二酸化炭素が増えて行くと、温暖化が進行し氷を解かして行く為、逆に温暖化へと向かい始めます。こうして長いスパンで安定した気候が保たれて居る訳です。

 これに対して数百年から数千年と云う短い時間スケールでは、大気と海の間での二酸化炭素と植物に含まれる二酸化炭素の量は同じ程度で、土壌の二酸化炭素の量は2.5倍になります。処が海に含まれる量は45倍以上。特に貯蔵量が多いのは海洋中深層です。多くの炭素が深海に貯蔵されているのです。単純に大気中の二酸化炭素が海水に溶け込むだけで無く、植物プランクトンによる有機物の生成やサンゴや有孔虫(ゆうこうちゅう)等による炭酸塩の生成など、生物も大きな役割を担(にな)っています。



  




 表層(ひょうそう)での炭素循環がカギ 
    

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 行き過ぎた増減をコントロール

 気候がどの様な変化を経て来たのか。それが詳しく分かって来たのは20世紀後半以降のことです。それまでは、どちらかと云うと記載的(きさいてき)な研究でしかありませんでした。例えば、地層の重なりや特定の化石の存在から、こちらの方が古いと判断したり、この生物が絶滅したから環境変動が起きている筈だと云う具合。直接的に何年前に何があったと判断出来ず、相対的に考えるしか無かった訳です。
 それが、放射性元素や化学的な手法が使える様になって、何億年前、何千万年前と云う様に数字で表せるように為ったのです。更に、加速器質量分析法によって、最近に近い年代であれば10年単位で特定出来る様に為っています。

 年代決定に役立つのは炭素の同位体。自然界には1兆分の1個の割合で炭素14が存在しています。生物に取り込まれた炭素14は、その生物が死ぬと新たに取り込まれること無く、半減期に従って減り続けます。詰まり炭素14の量を調べることでその生物が生存していた年代が分かるのです。又、酸素の同位体比から当時の気温が、硫黄の同位体を調べることで酸素が増えてオゾン層が出来た時代等が分かります。
 生命が何時発生したのか等についても、これまでは化石が見つから無ければ分から無かったものが、岩石の中に生命の痕跡を探すことで、約40億年前には居ただろうと云うことが分かっています。過去の気候を調べることは、これからの地球の気候を予測することに繋(つな)がります。産業革命以降の温暖化の進展によって、これからどうなって行くのか。この問いに答える為にも、より正確な仕組みの理解が必要なのです。


 以上


  




 処が、この地球温暖化議論には、世界各国から疑義の声も上がって居ます。詰まり、この議論が余りにも学術部門からの提言が少なく、政治的・経済的な面が誇張され過ぎているとの批判です。どう云うことか・・・先ずは数ある学者からの疑問の声を参照します。/span>



 地球温暖化 気候変動の原因は本当にCO2?定説に疑問を投げる懐疑論者たち


 Luigi Jorio このコンテンツは2014/10/31 11:00に配信されました 2014-10-31 11:00


  




 産業化が始まる以前に比べ、現在の空気中の㏇2濃度は142%上昇した


 「気候変動の原因は人間である」国連の専門家等の主張に対し、疑問の声を上げる人達がいる。彼等は俗に気候変動懐疑論者と呼ばれ、気候変動も地球温暖化も自然現象と考える。彼等の論理とは?そしてそれに対する学術界の反応は?

 「我々が世界の気候に持続的な影響を与えられると思うなど、途轍(とてつ)も無くごう慢だ」

 登山ガイドであり世界的に著名な雪崩(なだれ)専門家であるヴェルナー・ムンターさんは言う。73歳でベルン出身の彼は気候研究者ではないが、このテーマに関しては研究者さながらに取り組んで来た。この3年間で、気候変動に関する本20冊に研究論文100本を読み漁(あさ)ったが「自然の原理に反してまで、二酸化炭素(CO2)が温暖化の原因に為り得るという記述は見つからなかった」
 ムンターさんは「気候変動の原因は人間」と云う理論に公然と異議を唱えるスイスで数少ない人の一人だ。彼の使う言葉は力強い。気候研究者の多くや、国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)他のサイトへは、人の活動が気候変動を引き起こしたと主張しているが、彼に言わせればそれは「人を馬鹿にしている」「IPCCの主張に反対する研究論文は数百本もあり(気候変動の)原因に関しての共通認識は無い」

 連邦雪・雪崩(なだれ)研究所(所在地ダボス)元職員の彼は、気候変動自体を疑っている訳では無い。ただ、気候変動や温暖化の原因は人間だとする主張に首をかしげているのだ。    


  ヴェルナー・ムンターさんは、気候変動は自然現象だと考える


  




 ㏇2と気温上昇は無関係?

 ムンターさんは自身の理論の裏付けとして、過去の出来事を引き合いに出す。「今から約1万年前、地質時代の完新世には、現代と同じ位かそれ以上に気温の高い時代があった」古気候学の研究では、過去数百万年の間、空気中の㏇2と温暖化に相関性は観られ無いと云う。
 彼の理論を裏付ける次のポイントは、㏇2だ「㏇2は有害物質では無く極めて重要なガスだ。これが無くては地球上に生物はいないだろう」更に、ムンターさんによれば空気中の㏇2濃度は極めて少なく(0.04%)、その内の足った5%が人間の活動によるものだと云う。フリブール大学生誕125周年記念行事で行った公演で、彼は疑問を投げつけた。「この量で気候変動の原因になり得るだろうか?」


 ムンターさんは㏇2に温室効果があるとも考えていない。根拠として、米物理学者ロバート・W・ウッドの研究を挙げる。「100年以上前から、温室効果は無いことが分かっている。(地球と)ビニールハウスを比べるのは物理的に間違っている」

 ㏇2を気候変動の原因とする有名な理論によると、地球が放出する熱(赤外線)の一部は㏇2の分子に吸収されると同時に、あらゆる方向に再び分散される。その内半分は宇宙に放出され冷却効果を発揮する一方、もう半分は地球に跳ね返され太陽光と共に地球を温める。しかしムンターさんは「これは熱力学の法則、詰まり熱は常に温かいところから冷たいところへと流れると云う法則に反している」と反論する。
 では気候変動や温暖化の原因は何だろうか?「地球を温める唯一のエネルギー源が太陽だ。地球が長期的に温かかったり冷たかったりする原因は、太陽以外に無い。ここで関係して来るのは太陽光だけで無く、太陽の地場もそうだ」 



 国連からの警笛

 国連の気候研究者が集う専門家会議は「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」と呼ばれる。IPCC総会は10月27日から31日までデンマークのコペンハーゲンで開催され、第5次評価報告書他のサイトへがまとめられる。同報告書は11月2日の記者会見で発表される見通し。
 評価報告書にはIPCCの作業部会が導いた重要な結論が記されている。作業部会が扱うテーマは、気候変動に関する基本的な学術的見地、気候変動による自然と人間への影響、気候変動の進行を食い止める方法など。
 第5次評価報告書の内容は、ニューヨークタイムズ紙他のサイトへなど一部の日刊紙で既に報じられている。それによると、世界の気温は既にある一定のラインに達しており、グリーンランドの氷河の融解は最早止めることが出来ず、海面水位は今後約7メートル上昇する見込み。IPCCの報告書は温暖化、気候変動、温室効果に関する政治的議論の基となる。


 気候変動懐疑論者は何人位いる? 

 地球温暖化の定説に批判的なのはムンターさんだけでは無い。「米国人の2〜3割は気候変動懐疑論者だ。彼等は地球温暖化そのものに対しても、又その原因が人間にあることや、温暖化による今後の影響等に対しても、疑いの眼差しを向けている」と、チューリヒ大学のマイク・シェーファー教授(情報学)は話す。
 共著者を務めた研究論文では、ドイツにおける気候変動懐疑論者の割合は米国人に比べて少ない13〜14%と云うことが明らかに為った。「スイスを対象にした研究は無いが、恐らくドイツと似た様な状況だろう。だが幾つかの例外を除けば、気候変動懐疑論者と同じ意見を共有するメディアは実際には無い」(シェーファー教授)


 スイス懐疑論者協会他のサイトへのマルコ・コヴィッチ会長によると、気候研究そのものを疑っている人はわずかしかおらず「こう云う人達は大抵、米国のウェブサイトやブログを読んだ人達だ」という。


  




 学術界の共通認識

 欧州の研究者の間では、気候変動とその原因についての共通認識が広がっている。また、ジュネーブ大学のマルティン・ベニストン教授(気候学)は「一般市民の多くが、人間の活動が気候に悪影響を及ぼすという説を信じている」と話し、次のように続ける。
 「しかし、米国やオーストラリアと云ったアングルサクソン系諸国では気候変動懐疑論者が多い。こうした人達の大半は石油、石炭、自動車関連のロビー団体と何らかの関係がある」

 一方、前出のムンターさんはこう話す。「研究者は完璧では無いし、(定説を利用した)政治や金銭目的の悪巧みも増えている」
 政治と云えば、アル・ゴア元米副大統領は2006年のドキュメンタリー映画「不都合な真実」で主演を演じている。映画では㏇2が世界的な気候変動の原因とされたが、果たして今の国際社会は、㏇2が実は気候変動の原因では無いかも知れ無いと云う新しい「不都合な真実」に向き合うことに為るのだろうか?


 太陽は不十分

 スイスインフォの取材に応じたIPCC専門家委員会のトマス・シュトッカー共同会長は、彼等の批判を全てはねつけた。こうした批判は学術界では既によく知られており、気候研究者達はIPCCの2013年の報告書でも、懐疑論者達の疑問に詳細に答えていると云う。
 又、気候変動に関するスイスの研究団体「プロクリム(ProClim他のサイトへ)」は、気候変動懐疑論者の主張には矛盾があると指摘する。「地球の温度は全く上昇していないと云う人も居れば、地球温暖化の原因は太陽だと云う人も居る」と、ウルス・ノイ会長は語る。

 更に、気候変動懐疑論者はいつも気候システムの中の個々の要素、例えば、太陽や宇宙線ばかりを取り上げ、地球全体を考慮に入れていないと云う。「(気候システムに関する)全てのプロセスを包含し、論理が一貫している理論は只一つしか無い。今の気候研究者の大半が共有しているのがそれだ」
 ジュネーブ大学のベニストン教授は、火山の噴火など自然現象も気候に影響していると指摘する。「だが、数学的モデルに基づいて火山の噴火だけを気候変動の原因に入れて計算してみると、地球の温度は現在観測されている温度よりも下がらなくてはならない」



 




 懐疑的なことに価値がある

 「世の流れに逆らって進むことは容易では無い」ムンターさんは、自分は現実に即して物事を考える人だと思っているという。「他人とは違う意見を持つ人はすぐに抑圧されてしまう」

 だが、少なくともキチンとした裏付けのある説ならば、懐疑的な主張は科学に貢献することもあると、ベニストン教授は述べる。「懐疑論者のお蔭で、研究者達は自身の理論を改善し、彼等の批判に太刀打ち出来るよう更に研究を進めることが出来る。こうして批判する人達がいなかったら、気候研究はここまで急速に発展し無かっただろう」

 温暖化は停滞

 地球の平均気温は1998年以来、殆ど変わっていないと云う新しい見識が気候研究で出ている。連邦工科大学チューリヒ校(ETHZ)のレト・クヌッティ教授(気候物理学)によると、温暖化が止まっている原因は二つある。一つは、予測が難しい自然現象(エルニーニョ現象、ラニーニャ現象)。もう一つは、太陽光が予想よりも弱かったことが挙げられる。

(独語からの翻訳・編集 鹿島田芙美) swissinfo.ch


  




 地球温暖化論に対するナチュラルな対処思考とは?



 「ヒトは滅びるのか? 地球温暖化を考える」



 地球温暖化問題とは何か?


 東京大学大気海洋研究所 気候システム研究 住 明正日生気誌 38:9-12,2001.


 
地球温暖化問題に関しては、理解も感じ方も個人差が大きい。この様に見解が異なっていると、国民的な合意を形成することが困難になって来る。そこで、地球温暖化間題とは何かを、
 (1)温暖化は事実か?
 (2) 温暖化は人間活動が原因か?
 (3)温暖化して何が悪いか?
と云う3点を軸に、地球温暖化問題とは何か、我々は何を為すべきかについて考えてみよう。


  




 1.はじめに

 20世紀の最後になって、COP6での合意形成が 行われなかったことが、何かしら地球温暖化問 題の将来を示唆して居る様な気がする。
 その理由は、地球温暖化問題そのものに対する理解が、 個人によって国によって異なる処にある。 人によっては、21世紀には人類は絶滅するかのごとく危機を説く人もいる。一方「天気予報も完全に当たら無いのに100年先の気候が当たる訳は無い」と最近までの気象学を中心とする学問の進展を全く認め無い人もいる。これ等の極端な意見の間に立って普通の人は「本当はどうなの?」と疑問に思うことであろう。
 そこで ここでは、
 (1)地球が温暖化しているのが本当に観測出来ているのか?都市化やヒートアイランドなどの局地的な温暖化を混同しているのではないか?
 (2)温暖化しているとしても、それが、人為的原因か?例えば,少なくとも太陽活動による気候変動を無視しているのではないか?
 (3)人為的原因により温暖化して、何が悪いのか?

 と云った疑問点に答えることによって「地球温暖化問題とは何か」を考えてみよう。


 2.地球の温暖化が観測出来ているか?

 この疑問の中心にある事実は、地球の温暖化を科学的に証拠づける観測データがあるのかと言う点である。さらに、観測点はヨーロッパ大陸や アメリカ大陸などの陸上・先進国を中心に偏っている。地球の7割を占める海洋の表面のデータなどは非常に少ないのに、グローバルな気温の変動など議論できるのかと云う疑問が付け加わる。
 確かに、都市気候の影響は存在する。従来は、 郊外で人家の影響の少ないところに置かれた測候所が時代の変化の中で住宅地の真中やバイパスの傍になった例も多くあることであろう。又、 海洋上のデータが少ないのは事実である。

 しかしながら、データが少ないからと云って何も推定出来ないと言う態度は科学的では無い。現在のとこ ろ、これらの不充分なデータを最大限利用して、都市化の影響やデータの偏りなども考えて全地球平均の気温の推定が行われている。
 更に強い証拠は、1980年代以降の気温のデータである。この頃になると、全地球上は極軌道衛星で観測され、少なくともデータの不足と云う事は少なくなった。又、天気予報に用いる数値モデルは、昔に比べて格段に良くなったと断言出来る。(最近の1日予報は好く当たる様にな った)これらの数値モデルと様々なデータを用いた4次元解析システムが整備され、これによって提供される地表面の温度のデータは相当に信頼できると考えられる。これらの1980年代以降の データを見てみても、急速に温度が高くなって来ている。ここは確実に信頼出来る。

 一番科学的に真っ当な批判は、極軌道衛星に搭載されたマイクロ波センサーによる大気下層温度の観測との不一致である。これ等の衛星データによれば、1980年以降対流圏下層の温度は昇温していないと言う結果が得られて居たのである。(先ほど述べた様に,衛星に搭載された赤外放射計から得られた温度のデータは、4次元解析システムに用いられており、この様なことは示 されていない)
 この不一致については、多くの人はマイクロ波のデータが間違っているのだろうと考えていたが、最近の研究の結果では、太陽活動に伴う大気の抵抗による軌道の変化によって見かけ上の気温低下が見られる、と云うことになった。少なくとも、冷却化を示唆するデータは無いと考えて良い。

 以上の結果をまとめてみると、地球の温暖化、特に1980年以降の温度上昇は事実であり間違いの無いものと思われる。


 3.温暖化は人為的影響か?

 前節に述べた温暖化の事実は、多くの人が合意するとしても、原因の推定については異論の多い処である。温暖化の理由の推定に関しては、結局、気候モデルによる推定に依拠(いきょ)せざるを得無いからである。要約すれば、現在の気候モデルを用いる限り温室効果気体の増加以外の要因では, 0.5度/100年と云う温度上昇は実現出来ない。従って,温室効果気体の増加の影響を考えざるを得無い、というものである。

 そこで重要になるのは、気候モデルの性能とその予測精度である。更に、気候システムの予測には、予測可能性の限界がある。これらのことを総合して判断を行う必要があろう。

 気候モデルの能力については、一部の人に感情的な不信感がある。すなわち「来年も予測できないのに、100年先も予測できるのか?」「フラ ックス調節を用いている今の気候モデルの能力は信用出来ない」という反論(或は反感)である。
 しかしながら、現在の気候モデルは不確実な部分があるとしても、全体は確固たる物理学的基礎に基づいている。少なくとも、天気予報に用いられている数値予報モデルと気候モデルに用いられている大気大循環モデルとは、同じ物理学的基礎を持っており、その有用性は日々の気象観測に伴うデータで検証されている。
 又、大気と海洋結合モデルでは、エルニーニョの予測などを通して開発・検証されている。温暖化の予測に関しても,産業革命以降の温度変化等を再現することや、古気候状態を再現すること等を通して検証の努力をなされている。

 現在の気候モデルの予測は、簡単な放射対流平衡モデルの結果とも整合的である。少なくともどんなモデルを用いても、温室効果気体を2倍にす れば、全球平均気温は3度程度は上昇するのである。少なくとも、どんなモデルを用いても寒冷 化することは無いし、100度も気温が上がる訳でも無い。精々数度程度上がると言う結果が得られるのだから、これを精度の良い推定として受け入れるべきであろう。
 もうひとつの強い反論は、太陽活動の影響である。黒点活動などの太陽活動の変化に伴う気候変動については、太陽エネルギー全体の変化としてみれば1パーセント以下であり、放射の直接の結 果として気温を変化させることは出来ない、と云うのが従来の常識であった。しかしながら、紫外線部分は50パーセント程度変化するとか、太陽活動によって雲量が変化するとか、色々な反論が提案されている。

 そこで、太陽活動の変動を考慮 した数値実験も行われている。その結果、太陽活動の変動も地表気温の変動に寄与し得るが、温室効果気体の増加を考えずして最近の温度上昇は説明出来ない、というものである。又、太陽活動の影響を主張する人でも、1980年以降の昇温は、太陽以外の原因を認めている人もいる。
 従来の科学的立場からすれば「地球温暖化が人間活動に起因する」と云う命題が証明されているとは云えない。しかしながら「そうでは無い」 と云うことも証明されている訳では無い。しかし,起因する」ということは強く示唆されている。一方,「全く問題は無い」という命題を支持する根拠は「未だ全てが分かっていない」という感情のように思われる。

 温暖化対策にしても、何も人々に犠牲を強いる形で行われる訳では無い。どのみち、省エネル ギー対策や循環型社会などは作って行かなければならないのだから、安逸に過ごす道は無いのだと諦めて、新しい社会のあり方を考えた方が建設的であろう。


  




 4.温暖化して何が悪いか?

 そこで、根源的な質問「温暖化して何が悪いか?」について考えてみよう。

 普通、地球温暖化問題を説明する時には、地球が温暖化し高温の為老人は熱射病で倒れ、熱帯性のマラリアなどの疫病が中緯度にも広まる。悲惨なことが起きる。だから、今辛抱しなければ、と云う「脅しの戦術」 を取ることが多い。しかし,都合の悪いことが起きる、つまり、経済的な損得で温暖化間題を説得するのは賢明なことではない。
 もし「損得」で 温暖化問題を考えるのなら、得をするのなら温暖化を進めれば良い、と云うことになってしまう。少なくとも、犠牲が他人(国)にかかり自分(国) に及ば無ければ問題は無い、と云うことに為ってしまう。

 「地球温暖化問題」とは「人間活動によって地球が暖まっているか,否か」を知ると云う科学的な問題では無い。むしろ、人間活動が地球シス テムのエネルギー循環・水循環・物質循環などに影響を与える程に大きくなった現在、特定の人々を切り捨てずに今後地球上で人類が生存して行くには、どの様な社会システムを作れば良い か。どのような行動原理を立てれば良いか。と云う政治・経済・社会的な問題である。ただその 時に、科学技術的な知見が不可欠に為ると言う訳である。
 科学的知見が不充分であるから行動出来ない、 と言う人がいる。しかしながら、前節までに述べ たように,多くの事実とIPCCなどの結果によって大体の結果は出ていると思われる。「安逸な道は無い」と覚悟するか、あるいは,「どうでもよ い」と不貞腐れることであろう。

 一言付け加えておくと「不確実だから行動できない」というのは嘘である。日常生活でも全ての出来事が確実な訳では無い。しかし多くの人は、当然のこととして毎日生活をしている。こ れは「不確実であっても自分の生活に大きな差異は無いから大丈夫」と思っているからである。
 地球温暖化を認めたく無い人は、人間による地球 温暖化と云う命題が不確実だから反対しているのでは無く、地球温暖化に関する行動をしたくないので不確実性を理由として反対していると思われる。従って「地球温暖化問題とは何か」ということを冷静に判断しなければならない。

 地球の歴史から眺めてみると、現在の二酸化炭素分圧は最小に近い。従って,地球の歴史の中には現在の二酸化炭素の分圧の数倍程度の時代は存在した。又、地球の気温の歴史を復元してみ ると、気温の変化もずっと極端であった。一そして、この環境の変化に応じて生物は適応して進 化して来たのである。
 一方、現在の我々は、自然のシステムの上に住 んでいると言うよりは、直接には、社会政治経済環境や2次的自然に住んでいるのである。現在予 想されている程度の温暖化は、水とエネルギーが保証されている限り(そして,収入が充分で物資がお金で購入出来る限り)さして問題は無い。影響を受けるのは、クーラーも買えない健康状態の悪い貧困層(国)である。従って、温暖化による不具合を社会的に弱い層に押し付け生き残る 「強者の論理」は成立し得る。後は、各個人の人間的完成・倫理性の問題である。
 只,地球温暖化などの自然環境の変化が生じれば、現状の社会政治経済環境に、大きな擾乱が生じる可能性がある。それこそが重要な問題なのである。

 歴史を眺めてみれば、気候の変動が旱魃や飢饉を生み、その結果として民族の移動や革命などの政治体制の変革が行われた。同様に、人間活動の進展による地球温暖化が、水資源の枯渇と食料問題を生み、発展途上国の政治・経済的体制を不安定にさせ、波及的に、世界的な秩序の不安定化をもたらすことは容易に想像出来る。そのよう な事態に対して、払わなければならないコストは膨大なものであろう.


 5. 21世紀を目指して

 ここで、冷静に戦後の歴史を振り返ってみよう。戦争に負けた中で、日本は、軽武装・経済重視の国造りを行って来た。それを支えた世界の経済体制は、全世界から物資を購入出来るし、全世界に物資を売り込むことが出きることにおいて、日本にとって非常に有利な体制であったと言う事ができよう。
 食料の自給率が異常に低くとも,何事も無く過ごしていられるのも、お金を出せば食糧や資源を買うことが出きると云う安心感からである。しかしこの体制は、神から与えられたものでも無く、未来永劫続くものでもない。多くの人がこの体制を認め無い限り、これを維持することは困難である。日本としては、現在の政治・経済体制から利益を得ているのであり、基本的には,これを維持・発展させて行く必要があろう。

 その為には、日本としても21世紀を通して、地球上の全人類が生活して行ける様な枠組を提案して行く必要があろう。地球環境問題を議論する時には、しばしば悲劇的な論調をとることが多い。そうで無くとも、悲惨さを強調して世論を纏めようとし勝ちである。
 しかし,実際に重要なことは,確実に未来を開いて行く具体的なプランである。「新しい社会を作り上げる時に、そんなに悲惨な生活をする必要は無い。今、不必要に使っているエネルギーや物質を少し辛抱すれば良いのだから」と言ったような具体的なプランを示す必要がある。そして、そのようなプランが有効なのは、地球温暖化の影響が皆の目にも明らかに為らない今なのである。まだユトリのある時であるからこそ、ユックリと対応策を練ることができる。
 将来は、必ず省エネルギーの社会・環境と調和した社会で無ければならないし、自己の欲望を制御できるような枠組を作るしか無いであろう。その為には、科学技術の発展を基礎に、新しい文化的・思想的な背景を作り上げる必要があろう。

 以上



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 【管理人のひとこと】


 どうも、東大の先生の難しい話が続いてしまいました。地球温暖化問題で、一時は「炭素コスト」の話が沸騰した時期がありました。協定通りに削減出来ないのであれば、削減した国に金を払ってしかるべきだ。又は、削減対象になら無い低開発国には、今まで二酸化炭素を排出し続けた先進国がペナルティーを支払うべきだ・・・二酸化炭素の排出に金銭が絡む異常と云える議論に為ってしまったのです。この行き過ぎに世界から大きな不信感が出されたのです。
 この集めたコストをCO2削減政策の為に使いたいのは理解出来るのですが、商取引の"金儲けの道具"として扱うような遣り方に、世界中から「NO!」と突き上げられたのです。だから、温暖化の問題さえ疑問視されたのです。この問題を、政治的・経済的に上手く利用しようとする一部の政治家や学者が居たのは確かなことでした。

 「地球温暖化問題」とは「人間活動によって地球が暖まって居るか否か」を知ると云う科学的な問題では無い。むしろ、人間活動が地球シス テムのエネルギー循環・水循環・物質循環等に影響を与える程に大きくなった現在、特定の人々を切り捨てずに今後地球上で人類が生存して行くには、どの様な社会システムを作れば良い か。どの様な行動原理を建てれば良いか・・・と云う政治・経済・社会的な問題である。只、その 時に、科学技術的な知見が不可欠に為ると言う訳である。

 人間は、何か上手い情報に飛び着き「一儲けしよう!」と企むのが好きな動物です。又は「00の危機!」「地球の破滅!」等と脅かされると「ワァーツ!」と騒ぎ何処かに救いを求めるのが好きな動物でもあります。この様な騒ぎを引き起こすのが途轍も無く上手な人が居るもので「話が大袈裟で大きい方が騙し易い」とほざくのがペテン師詐欺師の常套です。上記に述べられている様に対処するのが、大人としての正しい考えだろうと思います。


 

政府は確りした「成長戦略」を練り、世界に新たな飛躍を目指せ!

 

 我が国が、政治面の低調だけで無く、実は産業や経済的な面でも、世界から立ち遅れて居るのではないか?との疑問が持たれている。そこで、現状の我が国の立ち位置を確認してみよう・・・


  




 日本の経済状況


 人口・経済・地域社会をめぐる現状と課題 内閣府広報


   





 経済をめぐる現状と課題


 Q15 世界の中の日本経済の位置づけはどのように為っていますか?

 ●世界でのプレゼンス

 世界経済における日本のプレゼンスは弱まりつつある。世界のGDPに占める日本の割合の推移をみると、1980年に9.8%だったものが、1995年には17.6%まで高まった後、2010年には8.5%になりホボ30年前の位置付けに戻っている。現在のまま推移した場合には、国際機関の予測によれば、2020年には5.3%、2040年には3.8%、2060年には3.2%まで低下する。こうした「現状のまま推移した場合」の予測を変えて行く努力が求められる。  

 なお、約10年前の経済財政諮問会議の専門調査会報告によれば、矢張り長期的に世界のGDPに占める日本の割合は低下して行くと予測していたが、当時の報告よりも現時点での見通しは更に厳しく為っていると云える。
 報告は、1995年から2004年の実質GDP成長率等のトレンドが今後も継続すると云う仮定を置き計算した場合、世界経済に占める日本のシェアは、2030年には2004年の4分の1程度に大幅に低下すると試算した。経済規模では、2014年頃に中国に追い抜かれ2030年頃にインドにほぼ肩を並べられ、2030年には、米国・中国・ユーロ圏に次いで世界で4番目と為っていると見込まれていた。

 構造改革が進ま無い場合、2030年には一人当たりGDPでみても、米国やユーロ圏を大きく下回り、韓国が日本を上回っていると見込んで居た。実際には、中国に名目GDPでは2010年に抜かれており、当時の予測よりも早いペースで日本経済の立ち位置が弱く為って来ていると云える。



   




 ●日本のブランド力

 グローバル化が進み、ヒト・モノ・カネ・ジョウホウの往来が自由に為って来ると、単に価格が安いことだけでは競争力を持た無く為って来る。品質や特徴的な価値が改めて見直される様になると、日本の良さが再認識される可能性がある。
 日本独自の自然や歴史・文化を背景とした個性、日本発のビジネスの仕組みを発展させた新たなビジネスモデル、ロボット等の先進的な技術等の組み合わせによって、改めて競争力を強めて行く余地は十分にあろう。


 ●世界への貢献

 少子化、高齢化、低成長は何れの先進諸国でも直面している課題である。日本の少子化や高齢化は特に深刻であるが、これ等に起因する諸課題への解決の処方箋が得られれば、それは他の先進諸国に先駆けたモデルを提示するものとなる。
 世界でのプレゼンスを維持し、政治、経済、金融などの領域で確りと地位を占めて積極的な役割を果たすと共に、新たなフロンティアにおいて独自の貢献をして行くことが期待される。



   




 Q16 国内に目を転じ、地域別の人口動向にはどのような特徴がありますか?

 ●地域毎の高齢化率・出生率

 現在の日本の人口動向の特徴としては、高齢化が進行しており、平均寿命の更なる延伸が続いていること、少子化の流れが止まらず子供の数の減少が続いていること、両方の要因から生産年齢人口が減少して居ること等が挙げられる。

 2014年の人口推計によると、全国の高齢化率は26.0%、合計特殊出生率は1.42である。都道府県単位でみると、高齢化率が高い地域は秋田県32.6%、高知県32.2%、島根県31.8%、山口県31.3%、和歌山県30.5%等であり、低い地域は沖縄県19.0%、東京都22.5%、愛知県23.2%、神奈川県23.2%、滋賀県23.4%と為っている。
 又、合計特殊出生率の高い地域は沖縄県1.86、宮崎県1.69、島根県・長崎県1.66、熊本県1.63等であり、低い地域は東京都1.15、京都府1.24、北海道・奈良県1.28、宮城県1.30などである。この様に、高齢化や少子化の状況には地域によって、大きな違いがある。


 ●自然増減・社会増減でみた特徴

 地域における人口動向の変動要因は、出生・死亡による自然増減と転入・転出による社会増減があり、増減傾向や増減幅等は地域により違いがある。自然増減・社会増減を毎年見ることが出来る都道府県データについて、高齢化率と出生率が高い又は低い都道府県を組み合わせ、特徴的な処について自然増減・社会増減の推移を見てみると以下の様になる。

 例えば、秋田県は2014年に全国一高齢化率が高く、出生率は全国で10番目に低い。秋田県では1970年代以降1990年代末まで毎年数千人単位で社会減が続いた。これに伴って、自然増も減らし、1990年代半ばには自然増が無くなり自然減に転じた。
 1990年代末以降は社会減が縮小して居るが、自然減は収まらず、直近では約8,000人程度の自然減が生じている。その結果、1980年代前半から人口減少が始まり、2005年以降は年間10,000人以上減少している。

 島根県は2014年に全国で3番目に高齢化率が高いが、出生率は全国で3番目に高い。島根県では秋田県程では無いが小幅な社会減が1970年代から続いている。又、秋田県より遅れて1990年代前半には自然増が無くなり自然減に転じている。
 その結果1980年代前半から人口減少が始まっているが、2000年代半ば以降は5,000人程度の人口減少が続いている。


   




 東京都は、2014年の高齢化率が全国で2番目に低いが、出生率は全国一低い。東京都の場合、1970年代は100,000人以上の自然増であったが年々その数は減少し、2012年からは自然減に転じている。
 逆に社会増減は1970年代には100,000人以上の減少しており、1985年に一度社会増に転じたものの、1986年以降は再度社会減と為ったが、1996年から2014年までは継続して増加して居る。その結果、1990年代半ばまでは人口増減を繰り返したが、それ以降は人口が増加しており、1990年代末以降は約50,000人から100,000人程度の人口増加が続いている。

 沖縄県は2014年の高齢化率は全国一低く、出生率は全国一高い。沖縄県では、1970年代は15,000人以上の自然増であり、その数は減少して居るものの、2013年でも5,000人の自然増をしている。
 社会増減は1990年代前半までは減少の傾向だが、それ以降は小幅ながら社会増の傾向が見られる。高齢化率が低く出生率が高い沖縄県では、伝統的な相互扶助の文化が根付いており、親密な人間関係に基づいた地域の子育て力が確保されている他、保育施設が充実し、特に認可外保育施設の入所割合が高い等、働く女性の育児支援が整っていると云う特徴がある。


 ●市区町村毎の高齢化率・出生率 

 市区町村毎の高齢化率及び出生率を市区町村単位で見てみる。高齢化率で最上位10位までの町村では50%を超えている。高齢化が進行している市区町村と、前章で見た普通出生率が低位の市区町村はほぼ一致する。又、2010年で人口が1,000人を下回っている市区町村数は26であり、沖縄県が5長野県が4東京都・奈良県が3などと為っている。
 2010年で合計特殊出生率が1を下回っている市区町村数は12であり、東京都が9埼玉県が2大阪府が1となっている。



  




 Q17 少子化の動向や取組は地域別に見るとどのようなことが言えますか?

 ●出生率の地域差

 2014年の全国各地域の合計特殊出生率をみると、東海・北陸、中国・四国、九州・沖縄地域の都道府県は全国平均(1.42)より高い水準で推移している。中でも沖縄県は目立って高い水準を維持している。
 一方で北海道・東北、関東、近畿地域の都道府県は、全国平均よりも低い水準で推移しているところが多い。合計特殊出生率が全国平均より低いのは11県(北海道・宮城・秋田・埼玉・千葉・東京・神奈川・京都・大阪・兵庫・奈良)である。

 合計特殊出生率上位5県(沖縄・宮崎・島根・長崎・熊本)の人口は日本の総人口の僅か5.05%を占める一方、下位5県(東京・京都・北海道・奈良・宮城)は19.75%を占める状況である。
大都市部(政令市等)の合計特殊出生率をみると、所在する都道府県の出生率より概ね低い傾向を示している。特に札幌市・仙台市・京都市・大阪市・神戸市・福岡市等が著しく低い。只、浜松市・岡山市・広島市・北九州市・熊本市の様に、全国平均よりも出生率が高い例も観られる。出生率の地域差は、都道府県間だけで無く、都道府県内の都市部と周辺地域における人口構成の違い等により生じることが確認出来る。

 出生率に地域差が生じる理由については判明していないことが多い。東京圏や政令市等の大都市部では、平均初婚年齢や第一子出生年齢について都市が所在する都道府県や全国平均のそれらより高い状況である。こうしたことは、出生率の地域差の要因の一つと考えられる。
一方で九州・沖縄地域は出生率が高く、出生率の低い北海道・東北地域は出生率が低いことについては、その理由は明確で無い。親との同居・近居、出産・子育てに対する価値観、地域の伝統、雇用状況、東京圏との遠近等の影響が指摘されている。


 ●少子化対策の実施状況

 これまで行われて来た少子化対策は、主に待機児童対策と云った保育サービスの充実が中心であり、地域で似通った内容であった。しかし少子化の要因は、地域毎に大きく異なると考えられることから、多様な少子化対策のメニューを地域の実情に応じて柔軟に組み合わせ、実施して行くことが求められる。少子化対策に注力している地域では、出生率に相応に効果が発現していることが確認出来る。

 内閣府が実施したアンケート調査「地方公共団体における少子化対策等の現況調査について」(回答団体:1,535団体/1,788団体)によると、
 @ 総合的な政策立案・推進等を担当する部署の設置
 A 関係部署間での業務連携
 B 少子化対策関連予算の増額
 C 少子化対策に従事する人員の増員
 の4点に取り組んでいる団体と取り組んでいない団体とでは、積極的に取り組んでいる(=合計点数が高い)団体の方が過去10年間で合計特殊出生率に改善傾向が認められた。

 更に、重点的に取組んでいる施策には、現状で待機児童の解消や子育て支援のメニュー拡張を挙げる団体が多い。次に、今後強化が必要と考える施策には、結婚に関する支援体制の整備、子育て支援のメニュー拡張、保育サービスの充実が挙げる団体が多く、少子化対策のメニューの多様化と質の向上に対するニーズが多いと云える。
 そして、今後他団体や国との連携が必要と考える施策には、それらに加え、安心・安全な周産期医療体制の充実へのニーズが多い。広域的な取組みを要する課題については、基礎的自治体単独では困難が伴う為、連携協力が重要になっていると云える。



  




 Q18 地域別の経済動向にはどの様な特徴がありますか?

 ●地域別経済動向の統計データの概要

 地域経済の状況を示す統計データは、都道府県別と市区町村別があり、経済の活動主体や所得、生産・支出等に関するデータがあるが、主要なものとしては以下の表の様なデータが挙げられる。
 都道府県別には、一定期間に域内で生み出された付加価値の合計金額を示すGDP(Gross Domestic Product)も推計されている他、利用可能なデータは比較的多い。一方、市区町村には、GDPのような域内の経済活動の指標を一本化した経済指標は存在せず、利用可能なデータ数も少なく、地域の経済の動向を観る為には限られたデータをうまく組み合わせながら、バランス好く時系列、地域間の比較をする視点が重要となる。



 ●農業統計・工業統計・商業統計でみた市区町村の過去・現在の状況


 -1農業産出額

 農業産出額については、1980年時は全国的に1975年に比べ増加傾向にあったが、2006年時は全国的に1975年に比べ減少傾向にあり、約30年の間で1975年比75%未満の地域が大半と為っている。他方、北海道、南九州、東京近郊の一部の市町村では大きく増加している。
 農業産出額の全国に占める割合の高い市区町村を観ると、1980年と2006年では大きく入れ替わりが生じている。過つては米所が多数を占めたが、最近は野菜果物等で特徴を出している産地が上位に為って来ている。夏秋トマト生産量全国一位(平成24年)の茨城県鉾田市、甘藷(かんしょ)生産量全国二位(平成18年)の鹿児島県鹿屋市、生乳生産量全国一位(平成18年)の北海道別海町及び甘藷生産量全国一位(平成18年)の鹿児島県南九州市等が2006年時の上位に位置付けている。

 又、1980年に比べ2006年においては上位10市区町村の農業産出額が全国に占める割合が増加しており、農業を頑張っている地域とそうで無い地域との差が大きく為って来ているものとみられる。


 -2製造品出荷額等

 製造品出荷額等については、1980年時は1975年に比べ全国的に増加傾向にあったが、2010年時は1975年に比べ50%以上減少している地域が北海道・東北日本海側・北陸・山陰・四国等多数見受けられる。一方、東北太平洋側・名古屋圏・九州等は大きく伸ばしている。

 2010年時の上位市区町村を観ると、1980年時に比べ上位10市区町村は全て入れ替わっており、県内最大の工業団地を有し、医薬品・半導体・自動車組み立て工場を含む自動車関連企業等が立地し飛躍的な発展を見せて居る岩手県金ヶ崎町(かねがさきちょう)や、自動車産業やIC産業等の企業立地の実現により工業都市として発展して居る福岡県宮若市(みやわかし)や、半導体・家電製品製造の拠点工場が立地し先端技術産業を中心に発展して居る大分県国東市(くにさきし)や、新潟東港が建設された為港湾部に金属加工業・食品製造産業などの企業が集積し工業地帯を形成し発展を続けている新潟県聖籠(せいろう)町や、電子機器メーカーを誘致したことで発展を続けている山梨県忍野村等が挙げられる。


 ●小売業年間商品販売額

 小売業年間商品販売額は、全般的に増加を続けているが、ベッドタウン化が進んでいる地域を中心として大きく伸ばしている。上位の市区町村を1979年と2007年とで比較すると大半は入れ替わっているが、市内に限らず周辺市町や県外からも多くの人々が訪れる大型商業施設を有する岐阜県本巣市(もとすし)は両時点において上位に位置付けている。
 一方で、2007年の上位の市区町村を観ると、高速道路からのアクセスの良い場所に大型商業施設を有し周辺市町や県外から人々が集まる鳥取県日吉津村(ひえづそん)、大型商業施設を有し熊本市通勤通学圏の住宅地として発展している熊本県菊陽町(きくようまち)、仙台市通勤通学圏の住宅団地を中心に人口が増加している宮城県利府町(りふちょう)等がある。


 以上


  



   






 【管理人のひとこと】


 ノッケからどうも元気の無いレポートを参照して申し訳ありません。しかし、政府の広報としては誇張も無く正確・正直なレポートだと感じます。ここには、誰かさんへの忖度(そんたく)や思惑も感じられ無い、役人の作った味気無い無機質なレポートではありますが。
 レポートにある様に・・・矢張り長期的に世界のGDPに占める日本の割合は低下して行くと予測していたが、当時の報告よりも現時点での見通しは更に厳しく為っていると云える。1995年から2004年の実質GDP成長率等のトレンドが今後も継続すると云う仮定を置き計算した場合、世界経済に占める日本のシェアは、2030年には2004年の4分の1程度に大幅に低下すると試算した。
 経済規模では、2014年頃に中国に追い抜かれ2030年頃にインドにほぼ肩を並べられ、2030年には、米国・中国・、ユーロ圏に次いで世界で4番目と為っていると見込まれていた・・・
と警鐘を鳴らしている。

 誰かが「アベノミクスの成功!」等とホザいていると、何時の間にか世界から取り残されてしまうぞ!と云うことなのです。政府は果たしてこの現実を理解して、所得も上げられず消費税の増税や公共料金や社会保障費の料金値上げに突き進むのでしょうか?
 「民主党の酷さ」を扱き下ろす時間があるのなら、一向に上向か無い日本の経済を「何とか」して欲しいものです。少子高齢化で労働人口が減少したから失業数が減少したのであり、株価は一部の人のおこずかい稼ぎしか為らず、14兆円もの年金資産をドブに捨てたのです。値上がりした諸経費以上に所得が上向いた人達はどれほど居るのでしょうか?


   




 先ず目先の経済状況を正確に捉える様な努力をして居るのか?統計を誤魔化して好い数字を出そうとしているのでは無いのか?騒がれている問題の本質は、実質的な国民生活状況の把握にあるのです。国民の所得は?労働時間は?どの様な家庭構成でどの様な生活実態をしているのか?
 その実態を調べ、何をどの様に為すべきかを論ずるべきであり、これは、一刻の猶予も無い喫緊(きつきん)の政策として投ずるべきなのです。少子高齢化は、地方自治体の人口減対策として投げ出す出すのでは無く
、政府自ら本腰を挙げて取り組む課題です。
 少子高齢化子育て政策ある程度の目標人口それに見合った社会インフラの維持政策決定・実行なのです。

 今年の7月に参院選があります。今の野党には「新たに期待する何か」が決定的に不足しています。党利党略に拘(こだわ)り過ぎ・手前勝手な保守転向(革新やリベラルでは国民の支持を得られないから)・他を非難するだけの揚げ足取りが目立ち過ぎるのです。
 ここに、何か清新な政策・・・科学に裏付けられた社会政策と強い信念を持った行動力を掲げた政党・組織が生まれると、国民の中に大きな渦となって拡がるのではないでしょうか?それには、全野党が一旦解党して忌憚(きたん)なく政策議論を続け「新生日本」の指針を国民に訴えるしかないのです。

 例えば、目標を絞り野党が大同団結するのですが、

 @原発廃止(経済上のデメリット・廃炉政策を進化)
 A経済格差是正(下層を引き上げて中間層への育成・増加。上層への適正増税)
 B現状を発展させる為の憲法改正論議の奨励(イデオロギーを排除し、期限を踏ま無い憲法論議の活発化)
 C選挙制度の見直し(小選挙区制から投票者の死票を減らす為の比例制の強化?)

 でまとまれないだろうかと思います。勿論。その中身や手法は政治家夫々で異なって好いのです。究極的な目標を一つにして打って出るのです。無論、この目標は大いに議論すべきで、例え新党が過半数を取らなくとも、国会や政治・行政に与野党の緊張感が生まれます。ひとつひとつを実行し、より好い、よりマシな政治が誕生することを願ってやみません。



 



  




2019年02月21日

人口減少と日本経済の未来(視点・論点)



 人口減少と日本経済の未来(視点・論点)

 2017年07月18日 (火) 立正大学 教授 吉川 洋

  
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  立正大学 教授 吉川 洋氏 

 
  




 人口が減少して行く・・・このことは皆さんもご存じでしょうが、正確な数字はどうでしょうか。今年4月10日に国立社会保障・人口問題研究所が公表した新しい将来人口推計では、1人の女性が生涯に産む子どもの数「出生率」が1.45と5年前の推計時に比べて少し回復した為、人口減少のペースはやや緩慢になりました。とは云え、新しい推計でも、2065年に日本の人口は8.800万人、100年後2115年には5.055万人まで減少することになっています。

 日本の人口はこれから100年で半分以下まで減少する訳です。この間に高齢化も進むことは好く知られている通りです。現在、65歳以上の高齢者が総人口に占める比率は28パーセントですが、40年後には・・・と、考えるだけで寂しくなります。人口減少は日本経済、ひいては私たちの暮らしにどのような影響を与えるでしょうか?


 人口減少と高齢化は、既に深刻な問題を生み出しています。年金にしても医療にしても、社会保障は現役世代が高齢者を支える制度ですから、少子化で現役世代が減る一方、高齢者が増えれば制度の維持は当然苦しくなります。
 現状、保険料では社会保障の給付総額118兆円のうち6割しか賄えていません。残りの4割は国や地方が出すお金、つまり公費、公のお金ですが、国も地方も税収は十分ではありません。これが財政赤字の問題なのです。
 この他人口減少と高齢化は、地域の経済社会にも様々な問題を生み出しています。「地方消滅」という言葉を聞かれた方も多いでしょう。


  




 このように少子高齢化、人口減少が生み出す問題は深刻であり、21世紀の日本にとって最大の問題といっても好いのですが、しかしその一方で、私は、人口減少が必要以上にペシミスティック・悲観的に捉(とら)えられている面もあると思います。
 人口、とりわけ現役世代が減って行くのだから、日本経済は好くてゼロ成長、素直に考えればマイナス成長しか望め無い。そう感じている人が多いようです。「右肩下がりの経済」というフレーズも好く目にします。こうした考えをもっている人は、1人ひとりがシャベルを1本ずつ持って仕事をして居る様なイメージを頭の中に描いているのではないでしょうか。100人でやっていたのに人口が減って80人になれば、出来る仕事の量、即ち作り出すモノやサービスの量は減らざるをえ無い。これは理の当然ではないかと云うわけです。

 しかしこれは、先進国の経済成長のイメージとして誤ったものです。1人1本ずつシャベルを持ってやっていた処にブルドーザーやクレーンが登場する。その結果、生産性が向上し「1人当たりの所得」が上昇する。先進国の経済成長では、この1人当たりの所得の上昇が主役なのです。

 例えば1964年、東京でオリンピックが開催された高度成長の時代、15年間ほど日本は年平均10パーセント成長しました。このことは好く知られています。この記事をご覧になっている方の中には、その時代に青春時代を過ごした方も多いでしょう。
 確かに、この時代はまだ人口が増加していました。と云っても伸び率は年平均1パーセント、働いている人、つまり労働力人口の伸び率で観ても年1.3パーセントだったのです。それに対して、この時代は経済成長が10パーセント、その結果、1人当たりの所得が年々、10パーセントと1パーセントの差、詰まり9パーセントずつ伸びていた訳です。

 こうした労働生産性の上昇をもたらすものは、何時の時代もイノベーションなのです。イノベーションと云うのは、技術進歩よりもはるかに広い概念です。ハードだけでは無くソフトも含めて、ともかく何か新しいことを始める・・・それがイノベーションだと言えるでしょう。
 もっとも「先進国の経済成長は人口よりもイノベーションで」と云っても、現実に人口が減る中で「人手不足」が日本経済にとって大問題に為っています。


  




 人手不足については、目の前の問題と中長期的な影響をハッキリ区別する必要があります。個々の職種についてみれば、人手不足は確かに現実のものだと言えるでしょう。例えば、建設業の有効求人倍率は3.6倍、飲食などのサービスも3倍です。こうした分野では確かに人が足りない。
 しかし少し長い目でみれば、人手不足は必ず省力投資を促進するものです。30年前には、東京駅や大阪駅でも改札は人がやっていました。今は小さな駅まで自動改札機が普及しています。資本主義経済200年の歴史は、人余りから人手不足経済への転換の歴史だったと云うことすら出来るのです。

 省力化の動きは既に始まっています。大手コンビニエンスストア5社は2025年までに、顧客が自分でカゴ毎一瞬に会計を済ます「セルフレジ」を全店舗に導入する計画です。こうした様々な形の省力投資は、人手不足の問題を解決するだけで無く、1人当たりの所得の上昇をもたらすのです。
 一口に人手不足と云っても、実はそれは「現在の賃金の下での人手不足」に過ぎない、と云うことにも注意する必要があります。と云うのも、賃金を十分に上げれば人は集まるものだからです。何故賃金を上げ無いかと云えば、作り出したモノやサービスの価格を上げられ無いからだ、と企業は答えるに違い無い。そこにも問題があるのです。

 大手宅配業者による当日配達サービスからの撤退が話題に為っていますが、当日配達という特別なサービスに何故相応の価格を付けられ無かったのでしょうか。優れたモノ・サービスを生み出す一方で、それに見合った価格を付けることも立派な生産性向上です。
 1人当たりの所得を向上させる源泉はイノベーションと云っても、主たる担い手は矢張り現役世代でしょう。その現役世代が減って行くのだから、矢張り日本は苦しい。この点を危惧する人も多いようです。


  




 日本の生産年齢人口・15〜64歳の人口は、現在7700万人ですが、半世紀後の2065年には4500万人まで減ることが見込まれています。確かにこれは大問題ですが、4500万人と云う数は、現在のドイツよりは少ないとは言え、イギリス・フランスよりは多いのです。
 もし半世紀後、日本の生産年齢人口は減り過ぎているからイノベーションは最早出来ないと云うなら、イギリスやフランスは現時点で既に出来ないと云うことになります。しかし、こうした国々はイノベーションを諦めている訳ではありません。

 人口減少と少子高齢化は大きな問題であることは改めて云うまでもありません。我々は、将来を見据え財政・社会保障の改革に正面から取り組む必要があります。その一方で、日本経済につき過度の悲観論に陥ることは避けたいものです。

 今、日本では、社会の閉塞感が高まる中で、若い人の中には現在の高齢者より生活水準が下がるのではないかと考えている人も居る様です。そんなことはありません。格差の問題は真剣に考える必要がありますが、平均的に見れば、現在の若い人の生活水準は高齢者をはるかに上回る筈です。それが、人口減少の下でも可能な経済成長がもたらす果実に他なりません。


 以上


  



  






 【管理人のひとこと】


 人口、それも生産年齢(18歳から64歳)の人口が多ければ、人口の少ない処よりそれだけ生産性が高いと云う訳では無い。詰まり、一人一人の生産性がより高ければ、少ない人口でも大きな生産性を挙げられる・・・と言うことなのです。それには、イノベーションを高めることだ。
 イノベーションと云うのは、技術進歩・革新よりも遥かに広い概念で、単にハードだけでは無くソフトも含めたもので何か新しいことを始める・・・それがイノベーションだと言えるでしょう。

 と云うことの様です。確かにイギリス・フランスにドイツ等は、日本と同じかそれよりも少ない人口で日本以上のGDPを挙げています。



 参照 2017年の世界の一人当たりの名目GDP(USドル)ランキング

  更新日:2018年10月17日(一人当たりのGDP = GDP ÷ 人口 当年の為替レートにより、USドルに換算)

    
 1位 ルクセンブルク  105,863.23  ヨーロッパ
 2位 スイス  80,637.38  ヨーロッパ
 3位 マカオ  77,111.00  アジア
 4位 ノルウェ  75,389.46  ヨーロッパ
 5位 アイスランド  70,248.27  ヨーロッパ
 6位 アイルランド  68,710.82  ヨーロッパ
 7位 カタール  61,024.77  中東
 8位 アメリカ  59,792.01  北米
 9位 シンガポール  57,713.34  アジア
 10位 デンマーク  56,630.60  ヨーロッパ

 11位 オーストラリア  55,692.73  オセアニア
 12位 スウェーデン  52,925.13  ヨーロッパ
 13位 オランダ  48,555.35  ヨーロッパ
 14位 サンマリノ  47,595.07  ヨーロッパ
 15位 オーストリア  47,347.44  ヨーロッパ
 16位 香港  46,080.48  アジア
 17位 フィンランド  45,927.49  ヨーロッパ
 18位 カナダ  45,094.61  北米
 19位 ドイツ  44,769.22  ヨーロッパ
 20位 ベルギー  43,488.49  ヨーロッパ

 21位 ニュージーランド 41,572.22  オセアニア
 22位 イスラエル     40,272.97 中東
  23位 フランス 39,932.69 ヨーロッパ
 24位 ギリス       39,800.27 ヨーロッパ イ
 25位 日本 38,448.57 アジア
 26位 アラブ首長国連邦 37,732.66 中東
 27位 バハマ 32,660.57 中南米
 28位 タリア 31,996.98 ヨーロッパ イ
 29位 韓国 29,938.45 アジア
 30位 ペイン 28,358.81 ヨーロッパ



 




 ルクセンブルグ、マカオ、カタール等が上位にいます。面白いもので名前も場所も知らない国が日本以上の生産性を挙げています。ですから、我が国も世界三位等と何時までも自惚(うぬぼ)れてないで、謙虚になりモットもっと他国の政策を学ぶべきです。中国は統計資料を公開していないのか載っていません。
 これを知ると俄然元気が出てきました。私たち老年を含め、壮年・青年と続く人々にはマダマダ大きな目標が残っているのです。それは、単に金銭的に豊かな社会ではなく、格差のない精神的に豊かで平和・・・詰まり幸福感や満足感に満ちた未来社会の創造なのです。これは、未来永劫人類の目標でもあるのです。



  





 






2019年02月20日

“チャイナ・ショック” は起きるのか?  〜米中貿易摩擦の裏側で〜



 「チャイナ・ショック」・・・私には余り聞きなれ無い言葉なのですが、確かに中国経済の減速を報ずる話を耳にすることもあります。それによると、中国の急激な経済発展で雇用が増加し人件費が高騰しました。今まで、中国の人件費の安さで培って来たのが世界の工場足る立場でした。
 が、人件費の高騰でその立場が危うくなり、製造業が中国国内から国外へとシフトしているとか。または、米中貿易摩擦で対米輸出が減少する・・・と云った様なものです。今回は、この中国の経済減速が現実の日本の製造業・経済にどの様な影響を与えているか?又は将来的にどの様な影響が考えられるのかを考えてみます。



  





  「中国のGDPが前年比で減少・・・」

 果たして、中国経済の減速は日本にどの様な影響を及ぼすのだろう?今回も、広範囲で深層的に取材するNHK取材班による特番から参照します。




 “チャイナ・ショック” は起きるのか?


 〜米中貿易摩擦の裏側で〜


 「尋常で無い変化が起きている!」

 先月、日本電産・永守会長は、中国市場の需要急落への“危機感”を表明した。今月に入り、他のメーカーでも業績の下方修正が相次いでいる。私達の年金基金の運用や不動産価格に大きく影響する中国経済の行方。危機は何処まで深刻なのか?米中貿易摩擦による影響は?番組では、中国製造業の最前線を緊急取材。専門家を交えて懸念が拡がる中国経済の現状を読み解く。

 
 出演者 麻木久仁子さん(タレント)細川昌彦さん(中部大学特任教授)武田真一・鎌倉千秋(キャスター)


 企業 消費 年金・・・広がる日本への影響


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 中国経済の減速の波が日本に。企業の業績や消費、私達の年金の運用にまで?最前線を取材すると、表からは見え難い変調の兆しが表れていました。今週始まった中国の旧正月春節の大型連休。東京・銀座を訪れる中国人観光客にある異変が…。

 鎌倉:以前とは違いますか?
 中国人観光客「以前は景気が好かったので、何も考えず買っていましたが、今は財布のひもを締めなければいけないと感じます」

 更に詳しく尋ねると、意外な理由から物を買わ無くなって居ると言います。

 鎌倉:買い物をする際、どんな事を気にしていますか?
 中国人観光客「手当たり次第に買うのでは無く、自分に必要なものだけを選んでいます」「売っているものは、もう持っているものばかりです」
 鎌倉:全部揃っていると云う事?
 「その通りです」

 中国の人達に物が行き渡り、日本での買い物に以前よりも慎重に為って居ると云うのです。デパート業界では先月(1月)大手5社全てで、外国人旅行者への売り上げが前の年を下回り危機感を強めています。 

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 松屋 顧客戦略部 服部延弘部長「(中国人相手なら)黙っていて、ものが売れると云う時代はもう無い。昨年同様の売り上げを確保することは非常に大変、難しいことだと理解している」

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 中国経済の先行き懸念もあり、去年(2018年)秋から世界中の株価が下落。日本の年金基金による運用の赤字幅は14兆8,000億円の過去最大と為りました。更に、日本を代表する経営者は、中国市場の落ち込みを受けて強い警戒感を示しました。

 日本電産 永守重信会長「私は46年間経営している。リーマンショックの時は全体的に一気に半分に為ったが、月単位でこれだけドンドンと落ちたのは恐らく経営して居て初めて。初めて経験することは矢張り注意しないと。甘く見てはいけない」


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 今週本格化している決算発表では、売り上げの予想を下方修正する企業が相次いでいます。 
    
 パナソニック 梅田博和CFO「米中貿易摩擦の影響を受け、中国の設備投資需要が減速し、モーターを中心にメカトロニクスが大きく減収減益と為った」


  




 思わぬ受注キャンセル 見えて来た深刻さ


 今、中国経済に何が起きているのか?中国で自動車メーカー向けに機械部品を作る企業です。先週金曜日、中国工場の幹部と緊急の会議が行われて 居ました。    

 南武 野村伯英社長「そちら(中国)の受注状況はいかがですか?」
 南武 営業部 吉富英明部長「購入まで進められ無いと云う話がありました」
 鎌倉:今の現状は、どの様に分析されているのか、どう云う風に見ていますか?
 吉富営業部長「お客さんを回ると『不景気だ』とおっしゃる。中国人営業マンの報告でも同じ様な報告を受けています」
 野村社長「今まで以上に難しい舵取りが必要。営業戦略を変えて行かないといけないと思っている」

 中国でものが行き渡って来た影響が、この企業の中国工場にも・・・工場を訪ねてみると、行き場を失った部品がそのままに為って居ました。

 吉富営業部長「急きょ出荷を止めて欲しいと。最終エンドの自動車メーカーが販売不振なので、今の所金型が必要無く為った。だから1回、プロジェクトを凍結したいと。今までは、殆ど無かったことだ」

 大型の受注が突然キャンセルされたのです。

 吉富営業部長「お客さんの言葉で印象的なのは『リーマンショック以上に仕事が無い』『本当に不景気で困っている』と云う言葉を、皆さんおっしゃるので、それだけ深刻なんだなと」

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 今や世界最大の自動車市場と為った中国。処が去年、中国国内の販売台数は28年振りに減少に転じました。自動車メーカーの中には、急きょ開発の為の設備投資を中止する所が現れ、その影響が日本の部品メーカーにも及び始めていると云うのです。

 鎌倉:こちらが御社のもので、前年同月に比べると89%、1割減。
 野村社長「1割減ですね」

 去年は過去最高の売り上げを記録しましたが、中国工場の1月の売り上げは、前の年と比べて1割減少していました。テコ入れの為、本社から営業部長を中国へ長期派遣。顧客の課題解決や製品のメンテナンス等、サービスにも力を入れ売り上げの落ち込みを挽回しようとしています。/span>

 鎌倉:消費がこれから伸びて行かない中でその戦略は?
 野村社長「今までのやり方じゃ拙いぞと。右肩上がりの時代の経営感覚では、こう云う時代に今まで通りやって居たら絶対に上手く行かない。お客さんが『無くては為ら無い』と思って貰える様なサービス製品を提供出来る会社に為ら無いといけない」


 


    

 私達の暮らしへの影響は? 異変のシグナル


 ゲスト 麻木久仁子さん(タレント)

 武田:企業も大変だネと、麻木さん思ったかも知れませんが、実はそうじゃ無いんです。私達の暮らしに直結した話なんですね。企業の業績が伸びて行けば給料が増えますよね。すると消費が増えて、そして企業が更に成長すると。今の日本経済はこう云う事を目指して居る訳ですね。その為に欠かせ無いのが何かと言いますと「中国経済・中国市場」なんですね。
 麻木さん:VTRを拝見していましたら「リーマンショック以上」のとか「リーマンショック以来のとか」って。もう「リーマンショック」って聞いただけで「エー!」って為っちゃうんですよ。未だ私達の国は立ち直ったとも言え無いのに、もうひと波が来ちゃうの?と思うと、身近な生活にどれ程の影響が出るんですか?

 武田:リーマンショック以来日本経済の好循環を回して行く為には、中国市場の成長は不可分だった訳ですけれども、実は、中国の去年1年間のGDPの伸び率6.6%。これは日本の成長からすると高い様に思えますけれども、実はこれ、28年振りの低水準だったんです。
 麻木さん:私達の国の方の循環自体未だ上手く回り始めたとは言え無いじゃないですか。実質賃金だって上がっていないと云う話をしている時に。でもそう言いながら、6.6%もあるんだから、未だそんなにリーマンショック以来って心配し過ぎなんじゃないの?と云う気もしますし、どれ位の危機感を抱いて好いのか、未だ一寸好く分から無いんですよ。漠然とした不安が、今、湧き上がって来ました。
 武田:VTRで見た自動車だけでは無くて、もう一つ私達に身近な製品の売れ行きが頭打ちに為って居るんですね。それがこちらの中国国内のスマートフォンの売上高。去年は前の年に比べて15%も少なくなりました。これがどう云う事か分かりますか?   
 麻木さん:私が思い着くのは「皆がスマートフォンを持っている」位しか思いつか無いです。
 武田:勿論様々な見方があるんですけれど、大分中国市場の中でも「モノが行き渡っている」と云う事もある様なんですね。

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 鎌倉:これは今、中国で売られている中国製のスマートフォンなんですけれども、実はこう言ったスマートフォンが売れ無く為って来た事で、日本企業に取っても困ったことに為って居るんですよ。その理由は、このスマートフォンの中身を見れば分かります。


 




 中国の人がモノを買わ無くなると・・・日本への影響は?


 通信機器の部品を調査している柏尾南壮さんです。柏尾さんによりますと、中国製のスマホには日本製の部品が多く使われているといいます。

 フォーマルハウト・テクノ・ソリューションズ 柏尾南壮さん「これは液晶ディスプレイ。これを作って居るのはジャパンディスプレイと云う日本のメーカー。これはCMOSイメージセンサー。カメラで云うとフィルムの様な役割を果たす。これを作って居るのはソニー。やや小振りな部品、この辺りは村田製作所やTDKに太陽誘電」
      
 1,400程ある部品の内、およそ900が日本製だと云うんです。

 柏尾さん「大事な品質は先ず小さいこと。そしてバッテリーの容量に限りがあるので、電気を余り食わ無い事がスマホの高い品質。その分野で日本はダントツに優れている」

 麻木さん:成程ね。最近、某アメリカ企業のスマホの中身は殆ど中国製だみたいなことを聞いたことがあったんですけれど、逆に中国のスマホは、実はメイド・イン・ジャパンと言っても好い位、日本の優秀な技術が取り入れられているんですね?
 武田:こちらのデータもご覧頂きたいんですけれども、日本の輸出品目の内、自動車に次いで多いのがスマートフォン等に使われる半導体等電子部品なんです。その最大の相手国が中国。およそ4分の1を占めているんです。
 今回、決算で業績予想を下方修正した企業がこれだけあるんですけれども、こう言った企業の中でも、スマホなどの電気・機械関連ですとか、自動車関連のメーカーが目立っていると云う事なんですね。

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 今回、企業を取材した鎌倉さんはどんなこと感じましたか?
    
 鎌倉:私は主に消費の現場を取材して来たんですけれども、そこで感じたのは、現場の人達が何かしらの「異変のシグナル」を感じ取って居るのではないかと云う事なんですね。 例えば銀座のデパートの方なんですけれども、去年の秋以降、過つての様に1個何百万もする様な高級時計だとかワインだとか、それをバンバン買う様な中国人の姿は余り見かけ無くなっただとか、先程の自動車の油圧シリンダーを作っている会社は、新車の販売が去年初めて28年振りに下回りましたけれども、中古市場の成熟と云う処に注目して居たんですよ。
 詰まり新しいものをドンドン旺盛に買う様な消費スタイルから、段々と日本人の様な、好いものをジックリ買う様な消費行動に変わって来ている。そう言った「異変のシグナル」を感じたのではないかと。

 麻木さん:早いですね。バカバカ買う処から落ち着いてとか。最近も日本に来る観光客の方も、買い物よりも日本の好い所を見て回ったり体験型に変わったなんて云う事を聞いたことがありますけれど、或る種、洗練されたんでしょうけれど、お金の使い方の変化が大分早いなっていうか、もう終わり?っていう感じですね。

  




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 ゲスト 細川昌彦さん(中部大学特任教授)

 武田それが何を意味するかと云う事なんですが、中国に進出している日本企業のアドバイスもされている細川さん、どう云う風にご覧になっていますか?
 細川さん:経済で見る時「生産」と「消費」がありますよね。今、お話にあったのは「消費」の方ですよね。この「消費」を見る時は確かにデパートでアンマリものが売れ無くなったとかがありますけれども、同時に電子商取引と云うので、国境を越えてネットでドンドン買っていますし、そうするとトータルとしたら消費はそんなにも落ちていない
 それから観光客の行動パターンも、今、麻木さんがおっしゃった様に、爆買いからリピーターが増えて来たと、大分行動パターンが変わって来ますよね。だから、余り一面だけ捉えて、消費がガクっと落ちて来たと思う必要も無いので、複眼的に物事を見て行く必要があるなと思います。消費の面はそうだと思いますね。


 武田:只、中国経済が減速していると言われていますよね?
 麻木さん:今出て来たのはどちらかと云うと、ものづくりの方で減速って言っていますけれど、ヤッパリ中国って人が凄く一杯居るから、私のイメージからすると、確かに爆買いしていた人は今しなくなったかも知れけど、その次の段階の人達、後から又追いついて経済状況が好くなった人達は、そこそこ買わ無いのかなって、その辺が不思議で。中間層みたいな処が未だ居そうな気がします。
 細川さん>:「消費」の話と、もう一つ最初の「生産」の現場の話がありましたでしょ。寧ろ、そっちの方が深刻なんですよね。
 中国は今、人件費がドンドン上がっている。そうすると、中国で作るよりも外で作って行く方が、生産拠点を外にと。日本企業だけじゃ無くて中国企業だって外に行こうかとか、そう云う事もありますから全体として生産が落ちている。そうするとリストラが起こったり、それから倒産があったり。

 麻木さん:でも、未だ6%以上も成長して居るのに?
 細川さんそうなんですが、そう云う輸出企業の所は、今、ドンドン変調を来していると云う事で、寧ろそっちの方が深刻でしょうね。


  




 米中対立が深刻化すると・・・先行きへの不安


 武田:日本経済の好循環が、中国経済の減速で滞るかも知れないと云う話なんですけれども、もう一つ心配なこと、最近好くお聞きに為りませんか?米中の対立です。
 麻木さん:今、対立が深まっているとか貿易摩擦とかって、最近急に言う様に為りましたよね?
 武田:貿易摩擦から始まって、アメリカは中国が知的財産を盗んでいるんじゃないかと云う風に主張して圧力を強めています。それを象徴するのが、中国の巨大通信機器メーカーのファーウェイを巡る問題です。去年12月、アメリカの要請でファーウェイの副会長がカナダで逮捕されて、今、中国は反発を強めています。この対立が世界経済の行方を左右しかねないと見られているんです。

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 ファーウェイにカメラが・・・米中対立で何が



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 先月、中国・広東省にあるファーウェイの研究開発拠点にカメラが入りました。移動で利用するのは、何と社員専用の電車です。

 馬場健夫支局長(広州支局):こちら、西洋風の列車。実は、ファーウェイの新たな拠点を一周する乗り物なんです。全従業員18万人のうち、半分近い8万人が研究開発に従事するファーウェイ。敷地は広大で移動には電車が欠かせません。面積は東京ディズニーランドの、実に2.5倍です。
 ファーウェイはスマホだけで無く、セキュリティー技術の開発にも力を入れています。展示スペースにあったのは現在開発が進む顔認識技術。通行人の中から犯罪者など個人を特定する事が可能になります。ファーウェイは170か国以上で事業を展開して急成長。スマホ市場では世界第3位のシェアを誇ります。
  

 ファーウェイを創業した、任正非CEO。詐欺等の罪で起訴されている、孟晩舟副会長の父親です。 
    
 ファーウェイ 任正非CEO「我々は違法なことはしません。例え政府から求められたとしても従いません。世界中でファーウェイに勝てる企業は無いのです。弊社の製品を使わない国は遅れをとりますよ」

  




 米中対立が深刻化すると・・・先行きへの不安


 一方のアメリカ、トランプ大統領。日本時間の今日(6日)行われた一般教書演説で中国を改めて批判しました。

 トランプ大統領「中国はこれまで何年にも渉って、アメリカの産業を標的にし、知的財産を盗んで我々の職と富を奪って来た。こうしたことは終わりにすると、中国に対して宣言する」     

 アメリカは、孟副会長個人だけで無く、法人としてのファーウェイも詐欺などの罪で起訴。更に、関連会社がアメリカ企業の機密を盗み出したとしています。

 FBI高官「ファーウェイの様な企業の顧客情報は、中国政府によってどうにでも利用される畏れがある」

 ファーウェイは否定しているものの、アメリカは安全保障上のリスクがあるとして各国に製品を使わ無い様要請し排除に向けた動きが広がっています。ファーウェイと取り引きして来た日本企業にも影響が及んでいます。

 ソフトバンク 宮川潤一副社長「技術力が高く製品も好く本当に価格も安い。そんなファーウェイさんとお付き合いして行きたい気持ちは山々ですが、最終的には日本政府の方針には従って行きたい」

 アメリカは、来月(3月)1日までに中国が十分な対策を示さ無ければ、追加の制裁に踏み切るとして居ます。米中の対立が長期化すれば、成長が続いて来た世界経済に悪影響が広がるのではないか。先月、世界の政治家や経営者が集まるダボス会議では懸念の声が相次ぎました。

 シーメンス ジョー・ケーザーCEO「貿易戦争ですよ。グローバル化した世界にとって好い事ではありません」
 米 投資会社 代表「欧米や中国の実体経済は、更に減速するでしょう」
 サントリーホールディングス 新浪剛史社長「ダボスに来て皆が言うのは、米中の冷戦に為って居ると。日本が置かれた立場は大変ですねと、どっちを選ぶんですか。最終的には大変厳しいことが起こる可能性がある」

 



 麻木さん:どうなんですかね。私は好く分から無いんですけれど、経済戦争・貿易戦争に本当の勝者なんて居るの?と云う気がするんです。どなたかも「グローバル化した社会に取って好いことは無い」って言っていましたね。私もそんな「どっちを取る」って言われたって「どっちも大事です」としか言い様が無いし、どちらがコケても日本は無傷じゃ無いんじゃないのかなって気がするんですけれど。でも、政治的な問題に為っちゃうとダメなのかなって。
 細川さんグローバル化した経済は、お互いが組み込まれていますから、ナカナカ仕分けするのは難しいんですが、矢張り安全保障上の懸念と云うのが物凄く大事で、情報が抜き取られるとか、そう云う事をアメリカが懸念している訳ですよね。

 武田:米中が争っているのはAIですとか、或いは次世代の通信規格「5G」などの「ハイテク覇権」と呼ばれている処なんです。こうしたハイテク分野で世界をリードすることが出来れば、自動運転ですとかロボットなど、こう言った産業面に留まらず、今おっしゃった様に、安全保障、軍事技術で優位に立てるんじゃないか。だから米中の対立は只の貿易摩擦ではないと。
 細川さん特にファーウェイの場合は、国家主導で遣って居る経済システムの中核のプレーヤーだと。国家と一体に為って居ると云う処がポイントですよね。

 麻木さん:でもこれ、何処まで行くんですか?
 細川さんこれは長引くと思います。オバマ政権の時から目を着けている話で、根深い問題ですから。
 武田:この先は3月1日までに交渉で合意し無ければ、中国に更に高い関税を掛けると云う風になって居ますけれども。

 細川さんこれは、こう云う関税合戦とは、私達は全く切り離して考えなきゃいけないので、根深い構造問題ですから、トランプ大統領が取り引きしようがこの問題は延々続くと。
 それからもう一つ大事なのは、我々は経済だけでずっと今まで見て来てましたけれども、安全保障と云うのがこれからとっても大事な要素に為って来るので、新浪さんがおっしゃった、アメリカを取るか中国を取るかでは無くて、むしろ経営者自身も安全保障を考えて今後経営して行かなければ行けない時代に為って来たと云う事だと思いますね。

 麻木さん:でも一方で、夫々の国の経済が不安定化すれば、よりその国同士の対立が強まって、又安全保障上もギスギスするとかって。何だろう、何か何処かでちょっと落ち着いて、あくまでも経済的な合理性を忘れないようにした方が好いんじゃないのかなと云う気がするんですけれども、何となく今の空気だとね。

 武田:安全保障まで言ってしまうと、何でもかんでも貿易はダメに為ってしまうんじゃないかという気もします。
 細川さん中国は国家が主導してやっていると云う処が、我々が戦後の70年間で作って来た経済システムと異質だと云う処が根本的に違うんですね。
 麻木さん:でもその国が今、物凄い影響力を世界の経済で持っていると云う事は無視も出来ないし。日本はどうしたら好いんですか?
 細川さんだから、取り引きは取り引きで遣る処はあるんですが、同時に安全保障も考えながら経営して行く。微妙なバランスがこれから難しく為って来る。リスクを考えて、経営者も遣らなきゃ移けないと云う事ですね。 
 武田:大きな状況を考えながら、やっぱり見てかなければいけない。難しい時代ですね。

 以上


 






 【管理人のひとこと】


 アメリカの経済がクシャミをすると日本は風邪をひく・・・と言われていたのだが、今やそれが、中国経済の状況が直接日本へと影響を及ぼすように成ったのです・・・確かに、訪日中国人の曝買いでデパートの高級品売り場や化粧品売り場、そして、日本の良質の日用品が大量に売れている、日本全国の観光地を中国人の団体が謳歌している・・・とは、聞いていました。が「そーか?」程度に聞き流していたのが正直な処でした。
 処が、中国経済の減速で、自動車や携帯部品の中国への輸出が減少する・・・そして、私達の生活にも直接大きな影響を及ぼし始めている様なのです。

 世界2位の経済大国の中国は、アッと云う間に日本を抜き去り、今や日本の2倍の国民総生産を稼いでいるのです。日本経済は、単に株価上昇と失業率減少を誇るだけで、年々経済的力を弱めている様です。アベノミクスでマイナス金利政策を続けて強引に所得の引き上げを図っていますが、多くの企業は将来の国際経済状況を憂慮し利益を抱え込んでいます。
 GDPの60パーセント以上を占める国内消費がじり貧では、物価上昇の目標の2%は容易ではありません。まして、10月からの消費税アップは多くの消費者の購買意欲を引き下げています。・・・どうも、暗い話に始終してしまいました。

 それにしても、ハーウェイって世界三位のスマホメーカーであり、最先端のAIを集中開発する国際的戦略的企業なのですね。東京ディズニーランドの2.5倍の敷地に点在する会社を一周する専用電車・・・規模がアメリカにも勝るとも劣らないようです。次回は、日本経済の実力とは?を考えてみようと思います。



 




2019年02月17日

東京一極集中から地方へ! 道州制を含む地方分権に向けた提言を紹介する

 

 都市の在り方を考える上で、矢張り「東京一極集中から地方へ」を考えずには要られません。そこで、少子高齢化や過疎化対策を含めた新たな国土計画の為に、専門の官庁である「地方庁」設置を提言するレポートを取り上げます。かなり専門的で難解の為、内容を抜粋してありますのであしからず・・・



 道州制を含む地方分権に向けた国土形成計画の新たな役割と「地方庁」構想

 「日経ビジネスオンライン」2017年8月30日掲載(抜粋)



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          主任研究員 小黒 一正氏  2017.09.11 


 人口減少や少子高齢化が進み、政治の役割は「負の分配」に転換した。道州制を含む地方分権が政治的な調整コストの分散化や改革の原動力と為る。ここで、経済のグローバル化や人口減少・少子高齢化が進む中で、日本が直面している課題を簡潔に整理してみよう。日本が抱える大きな課題は3つある。


 1 人口減少と地方消滅と財政問題

 ❶急速に進む「人口減少」は「静かな有事」と言っても過言では無い。国立社会保障人口問題研究所の「将来人口推計」(平成29年版)によると、人口減少のスピードは今後勢いを増して行く。 
 2017年の人口減少率は年率0.24%に過ぎないが、2025年は0.50%、2040年は0.79%、2060年には1%と為る。この「減少率」で見ると大きな減少に見えないが「減少数」で把握すると印象が異なる。
 2025年の人口減少数は62万人、2040年は88万人、2060年は94万人と予云う測になって居る。62万人と云う減少数は現在の東京都江戸川区の人口に近く、94万人は現在の千葉県千葉市の人口・約96万人や東京都世田谷区・約90万人に近い。更に、時間の経過に伴い人口減少や労働人口減少の影響は大きく為る一方だ。第3次ベビー・ブームは結局起こら無かったと云う現実を直視する必要がある。

 ❷第2は、空間的な側面での「地方消滅」。国土交通省が2014年7月に公表した「国土のグランドデザイン2050〜対流促進型国土の形成〜」は、2050年の人口が2010年と比較して半分以下と為る地点が、現在の居住地域の約6割を占めること(内約2割が誰も住ま無い地域と為る可能性がある)を明らかにした。(図表1)

 これを「市区町村の人口規模別」に見ると、人口規模が小さい地域程人口減少率が大きく為り、現在の人口が1万人未満の市区町村は人口が約半分に減少する。だから、人口規模が小さい地方程財政基盤が危機に直面する可能性が高くなる。
 この関係では、日本創成会議(増田寛也元総務相が座長を務める)の人口減少問題検討分科会が、地方から都市への人口移動が継続する場合、市区町村の49.8%が「消滅する可能性がある」との試算を公表している。

 ❸第3は「財政問題」だ。高齢化の進展で社会保障費は膨張し日本の財政赤字は拡大する。2003 年度の社会保障給付費は約84 兆円だったが、高齢化の進展により2013 年度は約110 兆円と為った。これはGDPの約2 割に相当する。
 2016年度の社会保障給付費(予算ベース)は約118兆円であるものの、2003年度からの10年間に、年平均の社会保障給付費は2.6 兆円程度のスピードで膨張して来ている。
 団塊の世代が全て75 歳以上と為る2025 年に向けて、社会保障費増の圧力が一層強まる可能性が高い。増税を含む財政再建や社会保障の抜本改革を行う必要があるが、その政治的な調整コストが大きく、ナカナカ改革は進ま無い。


 図表1

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 (出所)国土交通省(2014)「国土のグランドデザイン2050」から抜粋



 2 政治・行政は「効率性」が不得意
 
 従来型の政治の役割は、格差に配慮しつつ成長と分配の狭間でその「重心」を探すことにあった。人口が増加し高成長の時代には、政治は、成長で増えた富の配分を担うことで大きな力を発揮した。人口減少で低成長の時代に突入して以降、政治の役割は「正の分配から負の分配」に急速に変わりつつあるのだが、それに対応出来ず機能不全に陥りつつある。
 この理由は何か。先ず、経済の中核を担う市場が「効率性」を得意な領域とするが、政治や行政は「公平性」を得意な領域とする違いからだ。

 例えば、人口増の経済では、都市が過密と為ってスプロール化しても、新たに発生した課題や利害調整を地域経済の果実で局所的に対応する事が出来る。が、人口減の経済では、低成長の為分配する原資も枯渇している。だから、その様な局所的に対応することは困難になる。
 又、人口が増加し高成長の時代は、効率性の視点から、国民所得倍増計画等で産業の適正配置を促進出来た。そして成長で増えた富の一部を分配の原資とし、公平性の視点から全国総合開発計画で後進地域に対する投資を重視する政治的な姿勢を示すことも出来た。こうした措置も人口が減少し低成長の現状では困難となる。

 「公平性vs効率性」から見ると、人口が増加する経済為らば、政治や行政は「公平性」を優先した政策や解決策を模索出来る。処が、人口が減少する経済では、部分最適を図るのが難しい為、全体最適のアプローチで柔軟な発想とスピード感を持ち選択と集中を行いながら「効率性」に重点を置いた政策や解決策が要求される。

 「公平性」は政治や行政が得意な領域だが「効率性」は不得意な領域だ。人口減の経済はそのリスクを真面に被るだけに改革が足踏みする。政治や行政が中長期的な視野で、効率性を追求出来る仕組みが求められる。
 しかも、人口増で高成長の時代為らば、視野が短期的なものに留まる等の原因でミスが起こっても、資源配分の失敗を取り戻す余力があるが、人口減で低成長の時代では政策決定のミスが致命的と為る。その代表が現下の厳しい財政である。社会保障費の急増や恒常化する財政赤字により、200%超にも及ぶ公的債務残高(対GDP)は今後も膨張する見込みである。



 3 地方分権と国土形成計画の新たな役割

 では、我々はどう対処すれば好いのか。選択と集中を行う為の枠組みを構築すること。道州制を含む地方分権を一段と強化するしか無い。

 急速な人口減少や少子高齢化が進む中、集権化と分権化の選別を行い、中央省庁が担う政治的な調整コストの一部を分散化し、地方分権を実現することが残された大きなテーマに為るだろう。にも関わらず、地方分権は常に「総論賛成・各論反対」で中途半端なものに終わってしまう。その理由は、体力の弱い自治体を含め、地方分権の受け皿と為る移行スキームや移行組織が存在し無いからだ。
 筆者は、そのカギを握るのが「国土形成計画」「広域地方計画」や「地方庁」(仮称)などではないかと考えている。以下、順番に説明しよう。

 先ず、(広域地方計画を含む)国土形成計画である。例えば「コンパクトシティ」「ネットワーク」と云う試みが存在する。この試みは、国土交通省「国土のグランドデザイン2050」に既に盛り込まれている。「地方都市においては、地域の活力を維持すると共に、医療・福祉・商業等の生活機能を確保し、高齢者が安心して暮らせる様、地域公共交通と連携してコンパクトな街づくりを進めることが重要」だと記載されている。「コンパクトシティ+ネットワーク」構想である。

 最も、この構想は集約エリアを指定するプロセスが不透明で、他の施策との整合性を欠いているとの指摘も多い。この為、政府は、各省庁の縦割りを排除すべく「まち・ひと・しごと創生本部」(本部長・安倍総理、全閣僚参加)を2014年9月に立ち上げた。
 又、国土交通省は2014年、厚生労働省が進める地域包括ケアを視野に、都市計画で「立地適正化計画」を導入している。只、人口集約施策の総合調整を強化するには選択と集中を図る選別基準が不可欠だ。国土形成計画法を改正し「広域地方計画」(複数の都府県にまたがる広域ブロック毎に国と都府県等が相互に連携・協力して策定するもの)において、集約エリアを指定したり、選択と集中の数値目標を定めたりすることも重要だ。

 過つての国土政策は「国土の均衡ある発展」をスローガンとし、都市から地方への再分配を様々な形で実施して来た。その後、地域開発を主導するこれ等の法律はその役割を終了した。国土総合開発法は2005年、国土形成計画法に改正され、現在は国土形成計画が定める「全国計画」(2015年閣議決定)や「広域地方計画」により、数値目標が無い形で国土政策(2015〜25年までの計画)が進められている。

 急速に人口減少・超高齢化が進む今こそ、空間選択や時間軸の重要性が増しており、縮減時代の国土政策のあり方が問われている。即ち、人口集約施策の総合調整を強化し、集約エリアの指定や選択と集中の数値目標を定める為「国土形成計画」や「広域地方計画」を利用する試みが重要と為って来る。
 尚、人口が減少し消滅の危機に直面する自治体が多い状況では、全国の隅々までインフラを整備・維持しフルセットの行政サービスを提供すると云う発想は捨て無くては為ら無い。「基礎的自治体」(国の行政区画の最小単位である市町村)のスリム化を図ることが必要だ。
 又、今の自治体を念頭に置いた地方分権一辺倒で無く、道州制への移行も視野に置き、政策によっては中核都市・広域自治体や国に権限を集中させる試みも重要と為って来る。即ち、分権化と集権化の「重心」を探す必要がある。
 

 4 道州制移行の受け皿としての地方庁
 
 集約エリアの指定や選択と集中の数値目標をどの様に定めるのか。その決定や道州制移行の受け皿と為る機関が「地方庁」(仮称)。筆者の提案では、地方庁は、各エリアの地方自治体の他、各省庁の地方支分部局も束ねる機関で、企業で云うならば「持ち株会社」の様な存在として設置する。道州制への移行も視野として、不要な政治的混乱を回避する為の組織だ。
 地方庁はむしろ、今の「広域地方計画協議会」を拡充・機能強化するもので、各省庁の利害が対立するのを回避する為の基準も必要だ。
 

      図表2

     2-17-2.jpg  
              (出所)筆者作成

 地方庁は、道州制に移行する迄の暫定的な措置であり、最終的には地方の機関とする。一時的に指揮命令系統が二重と為る問題は地方庁の性質上ほぼ不可避的に発生する。但し、この問題は地方庁のみに発生する特別な問題では無い。
 現在の財務局は、財務省と金融庁の両者から指揮されている。よって、この問題の解決には、内閣府に各地方庁を指揮する特命担当大臣を設置する事も考えられる。先ずは各地方庁を内閣府の外局として位置づけることで対応可能と思われる。
 この問題は、広域連合で対処出来ないかとの指摘には、広域連合はその市町村などの構成団体から財政的に独立して居ないし責任の所在も不明確で、急速に進む人口減少や少子高齢化を乗り切る為に必要となる「選択と集中」を行う為の総合的な政策を打ち出すだけの権限も持って居ない。この問題を克服するには、地方庁を設置して各エリアにおける意思決定や政策の一元化を図る必要がある。


 5 地方交付税の分配権を地方庁に

 地方庁は、国の予算編成や規制改革等と連携しつつ、各エリアの規制改革や予算編成も同時に方向付けるものとし、その為、以下の政策についても推進する。

 先ず一つは、「地方交付税の分権化」を進める

 現在、地方交付税の配分基準は総務省が定めている。が、人口減少・少子高齢化のスピードは各エリアで異なり一律の基準で配分することには限界がある。又、2050年の人口が2010年と比較して半分以下と為る地点が現在の居住地域の約6割を占める状況では、明治維新後に廃藩置県で定めた「都道府県」と云う枠組みでも、中長期的に地域経済の活力を維持するのは期待し難い。

 この為、地方交付税の一定割合(例:30%)を人口比例等で地方庁に移譲し、各地方庁が独自の配分基準を作成し、各エリア版の地方交付税や広域地方計画に沿った一括交付金等として、各々のエリア内の地方自治体に配分する仕組みに改める。その際、地方交付税が交付され無い東京都の人口は、この配分基準から除くのが妥当であると思われる。

 なお、地方交付税の全てを地方庁に移譲し無い限り、制度上、総務省自治財政局が地方交付税を配分する一方、各地方庁も地方交付税相当を配分することに為る。その場合、例えば近畿地方庁がメリハリのある配分を行っても、総務省自治財政局が(特別交付税などを利用し)その効果を相殺する戦略を実行する可能性もある。その様な戦略を回避する為には、地方交付税の全てを移譲する必要があるかも知れない。
 

 もう一つは、「規制改革の分権化」も進める

 現在、国家戦略特区を初め、規制改革に伴う法改正等は中央省庁が主導している。各エリア内にしか法的効果が及ば無い形式のものについては、地方庁にも規制改革の法改正案を作成・提案する権限を付与し、当該法案は内閣府が地方庁の代理で法令協議を行った上で国会に提出出来る仕組みに改める。
 この様な分権化は、例えば社会保障の領域の内現物給付である医療保険の分野などで必要性が高まって居る。急速な人口減少や少子高齢化に対応する為、国保の都道府県単位化など、保険者機能の強化が2018年度から徐々に進む。

 こうした中で、リスク構造調整を進めつつ、各地域や各職域の保険者機能を一段と強化し、医療・介護等の資源の効果的かつ効率的な利用を促す観点から、診療報酬や介護報酬等の体系の一部について分権化を検討して行く事が望まれる。この時、オランダやドイツの管理競争が参考に為るだろう。
 診療・介護行為を全国一律に誘導するのでは無く、地域や保険者単位で報酬体系の決定プロセスや財源に関する責任を負える方向を目指す必要がある。具体的には、保険収載の対象範囲(=公的保険の適用範囲)、基礎的な医療と先進的なものとの役割分担、効率的かつ質の高い医療・介護サービスの供給やコスト節約などが、分権化の対象に為るだろう。

 処で、この様な取り組みと同時に、権限と財源の都道府県への委譲や移譲を検討する為、過つての地方分権改革推進委員会の様な組織を新たに設置する必要があるかも知れない。それが無い状況で、この様な改革を進めても、中央省庁間の代理戦争を地方庁が行う格好に為って上手く機能しない懸念が残るからだ。
 中央省庁を再編する際に内閣府などの機能を強化したものの、内閣府や内閣官房が十分な調整機能を発揮出来ず「ホチキス留め」の役割に留まる。又、過つての北海道庁と北海道開発局による二重行政の様なものが、より広範な地域で発生してしまう問題も回避し無ければならない。
 この為、地方庁が上手く機能する様環境を整備する観点から、自治体への権限と財源の委譲や移譲についても十分に検討を進める必要がある。


 6 マクロ的な資源配分を地方庁主導に改める

 地方庁が担う固有な機能は、各エリア内(都道府県を超えた空間的な単位)で、どの都市圏を存置させるのか、存置させる都市圏をどの程度の規模に誘導するのか、各都市圏をどの様なネットワークで結ぶのか等を決定し、その計画によって地方自治体や地方支分部局が担う公共財の供給を拘束することにある。
 つまり「国土形成計画⇒広域地方計画」の流れを逆転させ、広域地方計画の位置付けを強化し、これまで中央省庁主導であったマクロ的な資源配分を地方庁主導の形に改め、各エリア内において「選択と集中」の政治的な意思決定を行うことが最も大きな目的である。

 その際、中央省庁が主導する予算や政策立案の仕組みも一部改め、地方庁主導で各エリアの予算や政策を立案し、それを内閣府が取りまとめ、財務省や国土交通省を含む中央省庁と調整する仕組みを実験的に導入する試みも重要であろう(注:財務省の予算査定や各省庁との法令協議は行う)。
 予算措置や法改正等が必要なものについては、最終的に国会に提出出来る仕組みも必要だ。内閣府が地方庁に係る予算を取りまとめる際には、沖縄振興予算や北海道の開発関係予算、復興庁予算が採用する一括計上の仕組みが参考になる可能性がある。

 何れにせよ、各地方庁は、上記の分権化された地方交付税や規制改革を利用しながら、それと整合的な形と為る様、選択と集中を図る選別基準を含む「広域地方計画」を策定し、それに集約エリアの指定や選択と集中の数値目標を盛り込む。

 これが政治的に最も難しい。だが国が直接決定するよりも各エリアの地方庁が決定する方が政治的なコストは少なく出来る筈だ。政治の役割が「正の分配から負の分配」に転換し、例えば政治が100の「負の分配」を行う必要がある時、国が直接▲100の分配を行うよりも、10の地域(エリア)が▲10の分配を行う方が政治的な調整コストは少ない。又、特定のエリアで数値目標が盛り込め無いならば、そのエリアが他のエリアとの競争に敗れるだけである。


 7 試される日本の叡智

 選択と集中を行う際に、例えば公共投資を行う場合、2050年の人口が2010年と比較して半分以下と為る地点が現在の居住地域の6割以上と為る状況では、あらゆる空間に投資するのは非効率でリスクが高い。例えば、公共投資を効率的に行う為には、40年後の2050年も、12万人以上の人口規模を有する地域に投資するのが望ましい。

 「国土のグランドデザイン2050」参考資料によると、対家計サービスの内ショッピング・センターが立地する確率が80%以上と為る自治体の人口規模は約10万人以上だ。医療・福祉サービスの内一般病院が立地する確率が80%以上と為る自治体の人口規模は約3万人であるが、有料老人ホームが立地する確率が80%以上となる自治体の人口規模は約12万人である。

 更に、時間的な視野を考慮する場合、公共インフラ等の最適な供給量は一般的に人口増減率によって異なって来る。
 議論を単純化する為、人口1単位当たりの最適な供給量を1とし、人口が50年間で100から160まで増加するケースと、人口が50年間で100から40まで減少するケースを考えよう。この時、人口100の時点で100を供給しても、人口増加ケースでは、人口160の時点で160の供給が必要なことから、100の供給は無駄に為ら無い。しかし人口減少ケースでは、人口40の時点では40の供給しか必要で無い為、60の供給が無駄に為ってしまう。

 公共インフラなどの供給にあたっては、建物のライフサイクルコストも深く考慮する必要がある。例えば、建物(鉄筋コンクリート造)の法定耐用年数が60年としても、建物に付随する設備類の耐用年数は15〜30年程度と短く、建物の一生に最低2〜3回程度の設備更新が必要となる。
 この様な費用を含め、建物のライフサイクルコストを推計すると、一般的に設計・建設費は当該コストの20%に過ぎず、維持管理費が77%、解体などの廃棄費が3%を占めると考えられる。こうした人口減少のスピードや建物のライフサイクルコストと言った時間軸も含め、公共投資を選択することが望ましい。

 従来の様な地方交付税の仕組みでは、結局薄く広く財源を全国に配分し、立ち行か無い自治体の延命にしか為らない可能性が高い。急速な人口減少が見込まれる地域において必要と為るのは、いわばダウンサイジングを図る為の「撤退作戦」であり、その為の政策手段や合意形成の手法が求められている。
 何れにせよ、急速な人口減少・超高齢化がもたらす影響が顕在化し本格化するのはこれからが本番であり、その現実を直視し、果敢に選択と集中をしない限り日本に未来は無い。

 そのカギを握るのが国土形成計画(広域地方計画を含む)や地方庁(仮称)の創設だ。例えば2035年頃を目標に、道州制への移行を政治的にコミットメントする。地方庁はその行政府、コミッティーは内閣に相当するものに位置付け、新たに道州議会を設置するシナリオや工程表も同時に定めてはどうか。今日本の叡智が試されている。


 以上




 【管理人のひとこと】


 確かに省庁の縦割りや二重行政に対処するには大きな権限を持たせた「地方庁」の様な新たな組織が必要かも知れない。しかし、内閣府の管轄下の「庁」で好いのか、「省」にしてもっと大きな力が必要ではないかとの議論もあるだろう。
 東日本大震災後に出来た「復興庁」の様に、何となく単なる「調整庁」として終始することもママあるだろうから。震災やその後の災害に際して、原発被害以外の問題は全て解決したのかと云うと、そうでは無いだろう。仮設住居から未だに抜け出せない人達もいるのでは無いだろうか?これも統計の問題に為るだろうが、何処かでこの数字(災害復興に対する広域的なアンケート)を取って居るのだろうか?

 現在ある行政の最小単位である市・町・村自体にも、更に統合や選択・廃止の英断が必要な所もあるだろうし、明治以来の道・府・県の問題もである。例えば、東北の6つの県を東北州として、仙台に州都が置かれたとする。恐らく仙台は今以上に人と金が集まり繁栄するが、果たしてその他の都市はどうなるか?青森・盛岡・秋田・福島に山形は?過疎地の面積の広い少数の人口の単位の集落まで、行政のサービスが行き届くかはの問題の回答は「NO」だ。地方にはその様な原資は無い。

 現在人気のあるテレビ番組に「ポツンと一軒家」的なものがあり好く視聴する。日本中にこの様な条件の住まいが散在している。祖先が必死に開拓して何代かの家族が生活した大変に価値のあるものだが、この様な所に、電気や電話・上下水道・ガスなどを全て行政は面倒みられ無いのが現状だろう。
 住まいする人は何等かの目的があり、普段は街の中で暮らしそこへは通うことに為る。又は、冬は街で暮らし夏だけポツンと建つ一軒家へ住まいするのだろう。残念だが、人口減少と地方消滅とはこのことを指している。日本が少しずつ痩せ衰えて行き一極(東京)へと集中し、やがて東京自体も痩(や)せ衰える訳だ。

 この様なことに為らぬよう、政治家や学者は色々な提言を出しているし専門研究機関も多数ある。色々な提言の中で落ち着くのが「東京から地方へ・・・」人と金の流れを移すこと以外に考えられ無いだろう。
 レポートの中で指摘された、

 "「国土のグランドデザイン2050」参考資料によると、対家計サービスの内ショッピング・センターが立地する確率が80%以上と為る自治体の人口規模は約10万人以上だ。医療・福祉サービスの内一般病院が立地する確率が80%以上と為る自治体の人口規模は約3万人であるが、有料老人ホームが立地する確率が80%以上となる自治体の人口規模は約12万人である"

 との数字が斬新だ。10万人居ないとショッピングセンターは成り立たないし、病院は3万人が必要で有料老人ホームは12万人・・・果たして、12万人以上の行政単位は日本の何割位存在するのだろうか?
 矢張り、毛沢東では無いが「強制的に人員を都市から農村へ!」対策しか無いのかも知れない。日本では、先ずは中央省庁や国会・裁判所・学校・・・首都機能の移転で、諸々の大規模な公共組織や大企業等の組織の東京離れだろう。その組織が日本各地に散在しその地を潤すことに為れば好いのだが・・・これは、現在が最後の機会かも知れない。通信インフラが飛躍的な進歩した今、これは絵に描いた餅では無く現実に可能なことだろう。
 企業の製造現場以外の間接人員は、必ずしも会社に居なくとも仕事が出来るのであれば、在宅勤務を取り入れても好いだろうし、その時間的ロスも生産性を挙げられる。遠く離れた北海道や沖縄に住み、デザインしたり設計したり、生産計画を建てたり生産指示を出したり資材を発注したり・・・営業も、各地に存在する自宅を本拠として活動出来る。得意先への自宅からの直行直帰だ。

 道州制にコンパクトにまとめた行政組織は、各地域に在宅型のサービス機関(支部・支所・事業所・自宅)を持ち都度現場で活動する。もめ事も全て上部に報告し即決する意思の疎通の速さが住民の好評を得るだろう。地域の全ての情報は常時そのまま上部へと繋がって居るからだ。市町村の議会も全てオンラインで結ばれ、情報は行き渡って居るし議論も可能だし採決も早くなる。議長も市長も村長も在宅で仕事を熟せる。
 首長や議員の選挙活動もネットで半ばは可能と為り、選挙もネット投票でアッと言う間に済んでしまう。後は、不法なものはないか中味の精査だけだで済む。

 とマア、AIの進歩で問題点を洗い出し、その解決策の方法まで指摘され、行動基準や細かな施策まで提示されるかも知れない。この様な人達にこの様な設題でアンケートを取り、その回答によってこの様な政策を提言し・・・と細かく指示される。後は、それをどの様に実行するかの意思を決定するだけだ。都度、組織全員に賛否を問い承認を得れば実行される。
 結果は、個々の住民と決定した責任者のもので、全員で責任を取るしか無い。全員参加による直接民主制に近いものとなろう。出来ればね?



 
 




2019年02月15日

【紙面の片隅から】これからの都市の在り方を考える



 【紙面の片隅から】 聖教新聞 2019年2月15日 文化5版より引用


 





    2-15-9.jpg 長野県立大学教授 田村茂氏



 これからの都市の在り方


 国策に左右され 栄枯盛衰(えいこせいすい)



 都市の豊かさはどの様なものなのか・・・様々な都市が栄え、そして衰退して来た歴史を振り返りながら、日本全体の人口が減る中で、今後、都市はどうあるべきかについて「地方都市の持続可能性」(ちくま新書)を上梓(じょうし)しました。
 これまで「地方の時代」「地方分権」などが叫ばれて来ましたが、人工データーを見ても経済力を見ても東京一人勝ちの状況は加速する一方です。特に千代田区・港区・中央区の都心3区への人、もの、そしてお金の集積は著(いちじる)しく、2045年になっても都心への人口増は止まらない見込みです。その一方で出生率の低さから、東京に人が集まるほど少子化を加速させてしまいかねないとの指摘もあります。

 これまでも、平成の大合併などが進められて来ましたが、地方の衰退(すいたい)には歯止めがかかって居ません。又、道州制や首都機能移転の議論も止まったままです。都市の栄枯盛衰は国策と表裏一体の関係にあります。
 江戸時代は北前船(きたまえぶね)などの影響で日本海側の都市は栄華(えいが)を極めました。金沢は江戸、大阪、京に次ぐ日本第4の都市で、明治の初期まで日本海側は発展しましたが、富国強兵(ふこくきょうへい)と殖産興業(しょくさんこうぎょう)の中で、東京への出稼ぎと北海道への移住などによって衰退(すいたい)して来ました。
 特に北海道では、夕張市や三笠市などの炭鉱(たんこう)都市や、小樽市や函館市などの港湾(こうわん)都市が戦前までは繁栄を続けていましたが、エネルギー革命などによって大幅な人口減に苦しんでいます。



  




  身の丈に合った形に転換


 企業城下町(きぎょうじょうかまち)とも呼ばれる様な都市は、まさに企業と一蓮托生(いちれんたくしょう)の様な存在です。日立市(茨城)や豊田市(愛知)の様な超優良(ちょうゆうりょう)企業(きぎょう)のお膝元は比較的安泰(あんたい)ですが、釜石市(岩手)や室蘭市(北海道)などのように企業の縮小・撤退などに伴って、都市の活力が大きく損なわれてしまったところもあります。企業誘致は必ずしも地域活性化の万能策では無いのです。
 都市間競争の時代の中で、ライバル都市の存在はこれまでどちらかと云えば、切磋琢磨(せっさたくま)する中で相互の都市の成長に、結果として繋がって来たと思います。その代表例が現在は合併して「さいたま市」になった旧浦和市と旧大宮市、高松市と松山市などが挙げられます。

 本書では、具体的なデーターや歴史的な変遷(へんせん)等を踏(ふ)まえ、都市の栄枯盛衰を人口・産業・競争関係などから俯瞰(ふかん)した上で、人口減少時代に生き残る都市の条件について、私見を交えて考察(こうさつ)を加えています。



 




 人口増以外の指標を 地域の活力維持が第一


 これまで殆どの都市では、人工が増える事を目標に様々な取り組みを行って来ました。しかし、日本全体が人口減少局面に転じた中で、もはや単純な人口増を目指すのでは無く、夫々(それぞれ)の都市に合った形での目標を定め、身の丈に合った地域経営にに転換して行くのが望ましいと考えます。
 その際、大都市などとの交流人口やふるさと納税の額など、他の地域との繋がりの強さを示す指標も有効です。要は人口が減っても地域の活力が一定程度維持されていれば、その都市は繁栄していると言っても好いでしょう。



  




 地元資源を生かし再利用


 では、これからの都市はどうあるべきでしょうか?
 少なくとも、開発してダメに為ったらまた別のところに移ると言った”焼き畑まちづくり”を改め、街中を上手に元気にする取り組みをすべきです。
 例えば、長野市の善光寺門前では、古い木造建築を改修して若者がお店を営む、と言ったリノベーションの取り組みが活発です。これは、民間主導で街の活力に繋がって居ます。両者に共通するのは地域の資源を生かしてそれを再利用すると云う視点です。

 一方、高崎市の様な典型的な車社会の都市でも、駅周辺にコンベンションや芸術ホール、体育館などを集中投資して、まさに北関東の《首都》を目論(もくろ)む様な動きもあります。更に地方では島根や高知などのように、高校の魅力をづくりを通じて15歳に選択される都市づくりで地域の生き残りを図るところも増えています。
 これに対して、ベッドタウンとして人口増を続けている都市や東京の方が今後急速に高齢化が進み、また、地震などの災害に対する脆弱性(ぜいじゃくせい)から課題も少なくありません。むしろ、東京をスリム化することが、東京にとっても地方にとっても持続可能性を高めることにつながって行くでしょう。



 長野県立大学教授 田村茂(たむらしげる)氏

 1962年北海道生まれ。自治省、地方自治体職員から東京大学客員助教授に。新潟大嶽法学部長を経て、現在長野県立大学教授。専門は行政学、地方自治、公共政策、著書に「地方都市の持続可能性」「ご当地ものと日本人」など多数。


 



  


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 参考レポート 企業城下町の記事 2017.02.14


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 企業城下町とは、具体的な都市を例に挙げその歴史を紐解いてみましょう。例えば、茨城県日立市は元々日立鉱山のある鉱業都市でした。昭和に入り鉱業から分離独立した日立製作所が大きく業績を伸ばしたことに影響を受け、日立製作所で働く労働者が増加し、関連会社や下請けの部品メーカーも次々と日立市に設立され、街の労働者の大半が日立製作所関連企業で従事することと為ります。
 日立製作所が本社を東京に移してからも、生産拠点としての工場は日立市に残り操業。現在でも、市内には多くの日立関連工場が存在しています。しかし、不況に伴う企業再編の波を受け、幾つかの工場は閉鎖や移転してしまい、日立市の人口も1985年の20万6,074人をピークに減り続け、2015年には18万5,054人に減少しています。 (引用元日立市ホームページより)


  




 企業城下町での働き方や、その問題点 出典:Free stock photos ・ Pexels

 企業城下町の場合、多くの住民がその企業や下請け企業で働くことと為ります。企業城下町を形成する企業の多くは、重厚長大産業が多く大規模な工場や施設などを保有している為、多くの働き手を必要とし、企業の盛衰がその自治体の税収や住民の生活に直結することと為ります。
 万が一、その企業が業績不振などの事態に陥った場合、リストラや工場の海外移転などによって住民の多くが職を失うことと為り街が急速に衰退します。企業城下町の場合、美術館や病院等もその企業の資本で運営されている施設も多く、又住民もその企業に依存した働き方をしている為、生活を維持して行く為には街を出るしか方法が無いと云った事態に陥ることもあります。詰まり、企業城下町では、企業の危機が街の存続を左右してしまうことに為るのです。

 その様な状況を打開しようと、近年、茨城県日立市の下請け企業の間では、自立を模索する動きが活発だそうです。日立市内には、日立製作所と直接・間接に取引がある企業は数百社程ありますが、例えば、エレベーターのモーターなどを日立製作所に納めて来た茨城製作所は、非常用電源等に使える高効率な小型水力発電機を初の自社製品として2013年12月に発売しました。
 又、自立を目指すのは企業ばかりでは無く、日立市は、地域再生コミュニティビジネス推進協会(東京都新宿区)と組んで、住民等が事業を通じて地域課題を解決するコミュニティビジネスの起業支援を2012年度から開始し、事業計画を選考し、優秀なものは支援金や専門家の助言で支えて居るそうです。



 編集部チーム PARAFT編集部

  このように、企業城下町は安定と脆(あやう)さの両方を兼ね備えた自治体であると言えます。近年、産業の空洞化と共に企業と命運を供にする様な都市の衰退が各地で見られ、企業城下町から脱却する方法を各自治体が必至に模索しています。
 これからの自治体には、一企業だけに頼ら無い自立や、例えばドローン特区と為るなど最先端技術の誘致や移住者受け入れの強化など、多角的な施策が求められているのではないでしょうか。



  





 参考レポート その2 

【企業と共に発展した都市】日本の「企業城下町」5選まとめ



 日本には「企業城下町」と言われる、ある大企業を中心に、地域の経済が発展・成長した都市が数多くあります。今回は、その中で有名な5都市「豊田市・飛鳥村・山中湖村・小松市・夕張市」について、成り立ち、その企業と地方自治体の関係や、企業の盛衰が与える、その地域への影響などについて解説します。 2018年11月21日更新



 【企業と共に発展した都市】日本の「企業城下町」5選まとめ


 企業と地方自治体には密接な関係があります。戦国時代や江戸時代に大名が城を構えたことにより、城と共に発展した町を城下町と呼ぶ事がありますが、その企業版である「企業城下町」について本記事で紹介します。

 地方が衰退する事の原因として、若年層が域外に流出する事と地域に雇用が無い事が挙げられます。この2つの問題は、卵が先か鶏が先かと云う関係性にあり、一度、どちらかが発生すると片方も発生して、更に問題は悪化すると云う負のスパイラルが発生してしまいます。
 この問題に関して、取り組み易いのは後者に関する対策です。地域に魅力的な雇用さえあれば労働人口を維持出来る可能性があるからです。その時に重要なのが地域で起業を促す、或いは誘致すると云う事で、このような地域創生は観光振興よりも長期的な効果が期待出来ます。

 本記事ではその様な、企業がある事によって自治体が潤っている企業城下町を5つ紹介します。




  



 
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 企業城下町その1 豊田市 誰もが知る有名企業城下町



 先ず、企業城下町と言われて、多くの人が一番初めに思いつくであろう自治体が愛知県の豊田市です。豊田市は、世界でもトップクラスの自動車メーカーであるトヨタ自動車がある愛知県の市です。愛知県では、名古屋市に次いで二番目に人口が多い都市で、元々は挙母市と云う名前でしたが、1959年に豊田市と名前を変えて現在に至ります。
 「豊田」というのは、トヨタグループの創業者である豊田佐吉を初め、創業者一族の豊田の姓に由来してこの名前と為りました。豊田市に本社があるトヨタグループの企業としては、トヨタ自動車がありますが、他にも豊田自動織機は刈谷市、アイシンAWは安城市と云う様に、近隣の市町村にもグループ企業が分散しています。豊田市も安城市も刈谷市も、日本でトップクラスの財政力指数を誇る市町村だと言えます。



    2-15-3.jpg 臨海工業地帯



 




 企業城下町その2:飛鳥村 日本一の裕福な自治体

 豊田市と同じく愛知県にはもう1つ、日本で一番裕福な自治体と呼ばれている飛鳥村があります。飛鳥村は、愛知県西部にある人口約4,500人、面積は約22平方キロメートルしか無い小さな村で、元々は他の市町村との合併も拒否される位貧しい村でしたが、今では日本で一番裕福な自治体だと言われています。
 市町村の財政的な豊かさを示すランキングとして、財政力指数と云う指標がありますが、長年飛鳥村は断トツの1位と為って居ます。

 何故、このように財政的に豊かなのか、その理由は狭い村ですが、村の南部に臨海工業地帯を整備している事にあります。特定の企業と共に、村が成長して来たと云う訳ではありませんが、臨界工業地帯には中部電力の火力発電所や三菱重工の工場などがあり、これ等の工場から村に支払われる税金によって、飛鳥村は財政的に豊かになっているのです。




 




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 企業城下町その3:山中湖村 隠れた企業城下町

 同じく、市町村の財政力指数で毎年トップクラスに入っている市町村として挙げられるのが、山梨県の山中湖村です。山中湖村には、ファナックと云う企業が本社を構えています。
 ファナックと云う企業を知っている人は少ないかも知れませんが、実は工場で使われているロボットなどの製造・販売で世界的にシェアを獲得しているメーカーで、約6,000億円の売上で約2,000億円の利益を上げている隠れた優良企業です。この様なファナックからの税収と自衛隊の富士演習所への助成金によって、町の財政は潤っています。



  




    2-15-7.jpg 小松駅


 企業城下町その4:小松市 北陸の企業城下町

 上に挙げた3つの例は、何れも太平洋ベルト上に位置する自治体でしたが、日本海側にも企業城下町は存在します。その代表として挙げられるのが、小松製作所が本社を構える石川県の小松市です。
 因みに、小松市の場合は豊田市の場合と異なり、小松市と云う名前から小松製作所と云う会社の名前がつけられました。因みに、小松製作所の本社は東京都港区に移転して居て、創業地の小松工場は既に閉鎖されてしまって居るのですが、今でも小松市に生産拠点を持っており、小松市内で雇用を発生させています。




  




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    夕張市の街


 企業城下町その5:夕張市 北海道の財政難都市

 最後に紹介するのは北海道の夕張市です。正確に言えば、元企業城下町と為りますが、夕張市の発展と破綻には企業と自治体の関係性が大きく影響しています。元々夕張市は炭鉱の町として栄えた市でした。
 この様に、炭鉱とそれを開発する企業によって支えられていた町でしたが、エネルギーの主役が石炭から石油に代わる中、夕張市の炭鉱開発から企業がドンドン撤退をして行き、1990年の三菱南大夕張炭鉱が閉山された事を最後に夕張市の主力であった炭鉱事業は無くなりました。

 炭鉱を閉山して、企業が撤退するのに合わせて、今まで企業が行っていた住宅の維持管理や上下水道の整備等を夕張市が負担する事により、財政的にも赤字を抱えて今に至ります。炭鉱の閉山後、市に新たな産業を作る為に観光事業に注力したのですが、結局自治体の新たな財源と為り得る産業は育成出来ずに、2007年に財政再建団体になり事実上破たんしてしまいます



 





 地方創生と企業の関係性について

 この様に、日本の企業城下町について5つの例を挙げながら解説して来ました。自治体を存続させるのに税収は不可欠ですが、個人からの税収だけでは自治体を運営するのに十分な税収を確保する事は困難です。企業からの税収をどの様に獲得するのかと云う事が重要と為って来ます。
 但し、気をつけるべきなのが企業からの税収を確保して金満な自治体に為れば、人口も自然と増加数と云う訳では無い事です。例えば、上で紹介した日本一裕福な自治体である飛鳥村は、人口が著しく減少する事は無いものの、毎年4,500人位で停滞しています。しかも、名古屋市へのアクセスも良く、豊富な資金を活かして住民サービスを手厚くして居るのにも関わらずです。

 何故この様に人口が増え無いかと言うと、飛鳥村の北部は干拓によって造成された農地で、南部は埋め立てで作られた工業地帯と云う事です。人が住める区域は約9平方キロメートルしか無く、新しい移住者が住宅を確保する事が困難だからです。
 この様な例からも判る通り、地域創生において企業を誘致したり育成したりする事も重要ですが、どの様に地域への移住を促進するのかと云う事も、地方創生にあたっては検討しなければならない課題だと言えます。



  




 まとめ

 以上のように企業城下町について紹介して来ました。世界で一番経済力のある地方自治体は、アメリカのカリフォルニア州だと言われています。カリフォルニア州のGDPは、アメリカの州でトップなのは勿論の事、世界的に見てもフランスやイギリスが1国で創出するGDPと同等のGDPをカリフォルニア州で創出しています。
 このように、カリフォルニアが巨大な経済力を保有しているのは、シリコンバレーの企業群がある事に大きな影響を受けています。この様な例からも判る通り、税収の源に為るGDPを増加させる為には企業の成長が不可欠だと言えます。

 今回紹介した5つの自治体は、企業と共に成長・衰退した自治体です。確かに夕張市の様に企業の撤退によって大きな痛手をこうむる例もありますが、逆に夕張市が炭鉱を開発する企業に大きく依存していた事の証でもあります。
 地方創生と云うテーマにおいて、観光産業はヒットすれば即効性がありますしメディアにも取り上げられ易いので色々な自治体が挑戦していますが、長期的に自治体を反映させる為には、観光産業を振興するだけでは無く、企業を誘致し育成して安定した税収基盤を獲得する事が重要だと考えられます。
 但し、地方の人口を増加させる為には、企業を誘致して安定した税収を確保するだけでは無く、人が移住し易い様に、住宅や助成制度を整える必要があると言えます。


 以上


 



 






 【管理人のひとこと】



 果たして、東京一極集中が、日本全体の少子高齢化や地方衰退を早める一因とも為って居るのだろうか?この辺りの因果関係は、私には理解出来ないのだが、深く考えてみると、当たらずとも遠からずなのかとも頷け無いでも無い。

 先ずは、地方に住む若い青年を想像するとします。彼は、高校まで地元で育ち大学は東京と決めている。何せ東京には数多くの学校があり、大学で無くとも専門学校もありより取り見取りなのですから。そして、卒業しても地元での就職は窓口が狭く非常に困難なのは先輩達の話で分かって居るのです。ですから、学校を卒業すると東京近辺に就職し生活する・・・恐らく地元には帰らず東京か、その周辺で結婚し家庭を持ち・・・と為るのが今までの青年の普通の通り道なのでした。学校・就職先・・・と考えると、地方に住む青年は東京志向へと傾いてしまう訳です。学校も多く企業も多いからです。

 社会に出ると暫くは、アパートかワンルームで暮らし、結婚し子供が出来ると少し広い部屋へ住みたい・・・と、周辺のベッドタウンへ引っ越しするでしょう。
 しかし、昔と違い今や一部上場の超大手企業に就職しても、一生安泰とは限ら無いのはご存知の通りです。世界の流れや産業構造の変化に乗り遅れ、どの様な企業でも何時リストラがあっても可笑しく無いのですから。それを考えると、リストラされたからとおいそれと東京近辺から離れられ無いのです。地元に戻りたくても、仕事が少なくやけに窓口が狭いのです。次の仕事を求めるとすると、圧倒的に東京近辺に企業が集まっているから、そこから離れられ無いのが現実です。結局、どうしても東京近辺に生活する度合いは薄まりません。

 この様に、伸び伸びとした地元で沢山の子供を作り育てたい、と考えても現状では無理なのです。東京は交通が発達して車などは不要ですが、田舎に帰ると車無しでは、働くことも買い物も出来ません。公共交通機関が不足しているので車が無ければ身動きが出来ないのです。奥さんは、子供の保育所に送り迎えやパートや買い物に、旦那は会社へ・・・最低2台の車が必要と為り、子供が成人すると3台目4代目と・・・なります。
 これが現実ですから、生きて行く為には東京近辺に生活するのが有利に為り、人々は何時までも東京を目指し東京への移入人口が増え続け、社会インフラもそれに合わせて次々と発展するのです。その分、毎年地方から人が消え過疎化が進む歯止めは利きません。

 世の中は、この循環したサイクルの中で動いているのですが、ここで人為的な政策を打つしか手はありません。東京一極集中の廃止です。中央官庁や大手企業の本社機構の地方移転だったり、首都機能の分散・国会の地方移転・大学の地方移転・・・と掛け声だけで終わってしまいましたが、何度も何度もこの議論を続けなければ少しも進歩も変化も起こりません。根気強くこの政策を進めるしか方法は見当たらないと考えます。
 例えば、昔は晴海で行われた車・ファッションショー・展示会・見本市等は、現在多くは幕張メッセで行われています。最初は、遠くて不便だと不満を漏らしながらでしたが、現在大きな催し物は殆ど何の不満も無く開催されています。

 この様に、最初は嫌々ながらでも実績を作り政策を続けることで定着します。国土交通省は茨城県へ文部科学省は長野県・財務省は宮城県・・・と、先ずは、政府管轄の官庁の移転を強制的に行うのです。現在は、顔と顔を合わせて話をする会議は時間ばかり消費され不経済だと、テレビ・ネットを通じての会議に切り替わって居ます。多様な情報インフラの整備で、中央官庁が霞が関に集中する必要は薄れています。
 極端なことを云えば、国会の予算委員会もネットで遣っても可笑しく無い。参考人の都合で呼べ無くとも、参考人の自宅からネットを通じて質問しても好いのです。都度情報を交換し合い、不足の部分をネット電話で顔を見ながら話し合えば好いのです。

 これだけで東京近辺から100万〜1000万の人口が移動します。関連する業界も含めるとその何倍もの人が移動するでしょう。そして、移転した先に新たな事業や雇用が生まれる・・・一度真剣にやるべきです。集中し過ぎた首都から衰退する地方へ・・・人の強制的移動は、大きな消費を産み産業の活力に為ります。首都圏で空いた住居や学校もそれ為りに有効活用することも忘れずに。
 ・・・そうですね、奈良から京都に京都から東京に・・・東京から000第三回目の遷都ですね。名古屋でも長野でも宮城でも何処でも好いのです。これを機に、過疎化された地区をコンパクトに集中する政策を重点的に行います。果たして夢の話でしょうか?