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2019年04月29日

最低賃金の引き上げが「世界の常識」な理由




 





 最低賃金の引き上げが「世界の常識」な理由


 「韓国の失敗、イギリスの成功」から学ぶこと




 デービッド・アトキンソン氏 2019/02/01 09:00  東洋経済オンラインより引用します


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           デービッド・アトキンソン氏


 日本の最低賃金引き上げは「世界標準に照らすとマダマダ不十分だ」と言います。オックスフォード大学で日本学を専攻、ゴールドマン・サックスで日本経済の「伝説のアナリスト」として名を馳せたデービッド・アトキンソン氏。
 退職後も日本経済の研究を続け『新・観光立国論』『新・生産性立国論』等、日本を救う数々の提言を行って来た彼が、遂に辿り着いた日本の生存戦略をまとめた『日本人の勝算』が刊行された。人口減少と高齢化と云う未曾有の危機を前に、日本人はどう戦えば好いのか。本連載では、アトキンソン氏の分析を紹介して行く。


 




 世界中の学者が「最低賃金」と「生産性」に注目

 
 過去の最低賃金の上昇は、生産性向上の結果だった

 今、アメリカ以外の先進国では、生産性を高める為の政策が最も重要視されて居ます。中でも、最低賃金の引き上げによる効果が注目されて居ます。そして、その理由が大変に興味深いのです。生産性と最低賃金との間には強い相関関係があります。これは周知の事実です。
 この相関が強く為って居るのは、これ迄、生産性が高く為れば所得水準が上がり最低賃金も引き上げられて来たからです。最低賃金の上昇は生産性向上の結果だった。

 この様に、最低賃金が事後的に決まると考えるのは、最低賃金を労働政策、強いて言えば貧困対策と捉える考え方です。しかし、今は全く逆の発想、詰まり最低賃金を「経済政策」と位置付ける傾向が強く為って居ます。「生産性と最低賃金に強い相関関係があるので有れば、最低賃金を引き上げたら生産性も向上させられるのではないか」と考え始めたからです。
 このアイデアを説明する前に、何故生産性向上の為の手段が注目されて居るのか、その背景を説明して置きましょう。


 




 人口減少に為れば、国が主導し生産性を高める為の政策を打つ必要がある

 コンサルティング会社のマッキンゼーの分析によると、過去50年間、世界の経済成長率は年平均3.6%だったそうです。経済成長率は人口増加要因と生産性向上要因に分けて見ることが出来ます。過去50年の3.6%と云う成長率は、人口増加要因と生産性向上要因の夫々によるものが1.8%ずつでした。
 しかし、これからの50年間は、人口増加要因による成長が0.3%まで下がります。生産性向上要因による成長率が今迄と同じ1.8%で推移すると仮定すると、世界経済の成長率は2.1%まで下がります。その結果、生産性向上要因への経済成長の依存度が、これ迄の50%から86%まで急上昇するのです。

 要するに、人口が増加すると何もし無くても経済は勝手に成長し政府の税収も伸びます。政府は、人口増加と云う数の力によって、高齢化により増加する社会保障の負担を捻出する事も可能です。この様な状況下であれば、政府は賃金等民間企業の経営に口を出す必要はありません。しかし、人口増加要因による経済成長率が低下すると、政府は生産性向上に注目し始めます。
 一方、日本の様に人口が減少すると、人口増加要因は経済成長率にマイナスに作用します。経済成長率が下がれば、当然、国は苦境に立たされることに為ります。社会保障費を初め、高齢化によって増え続ける各種の負担分を捻出する為には、どの国よりも生産性を向上させ無ければ為りません。
 国が何もし無くても自然と生産性が上がるのなら好いのですが、人口増加による経済成長と違い、生産性にはその様な都合の好い事は起きません。ですので、国が主導し、生産性を高める為の政策を打つ必要があります。最低賃金と生産性の相関関係の強さに注目が集まる様に為ったのは、生産性向上に有効な方法を探した結果なのです。


 




 「誰」が「何故」、生産性を高めるのか


 先程も書いた様に、人口増加要因と違い生産性は自然に上がるものではありません。誰かが意図的に何かをしないと、向上するものでは無いのです。生産性向上には設備投資や企業内の働き方の変化が必要ですので、意思決定と実行能力を要します。
 研究者達の研究で、生産性を上げる具体的な方法については解明されて居ますが、どう云う動機を持って、誰が生産性の向上を決め、実行するかに付いては未だ解明されて居ません。生産性向上は競争の結果だと云う研究者も居ますが、同じ国(経済)の中や同じ業種の中でも、企業間で生産性の激しいバラツキが存在することも確認されて居ますので、競争だけでは説明出来ません。

 唯一言えるのは、同じ国の同じ業種で企業間で、生産性の大きな違いが生じて居ると云う事は、明らかに経営者の質の善し悪しが生産性の高低を左右して居ると云う事です。生産性向上は経営者の質に懸かって居ることは、研究によって明らかにされて居ます。
 なので、国全体の生産性を高め経済を成長させる為には、生産性の低い企業の経営者をどう動かし、生産性の向上に当たらせるかが1つの重要なポイントとして浮かび上がるのです。


 

 


 生産性向上の手段として 最低賃金の引き上げが重要

 国が政策として、企業経営者に生産性を上げる様誘導する、その手段として最低賃金の引き上げが重要なポイントに為ります。何故なら最低賃金の変動は全企業がその影響を免れ無いからです。最低賃金が上がることによって人件費が増えると、経営者は対応せざるを得無く為ります。
 会社のビジネスモデルを変えて、生産性を高め無ければ為りません。インフレと同じ原理です。最低賃金で働く人を多く抱える生産性の低い企業程大きな影響を受けますので、経済の「底上げ政策」と言えます。
 この政策は幾つかの国で実施され、期待通り生産性は向上しました。最低賃金の変動がその国の経済にどの様な影響を与えるか、その事例として最も研究が進んでいるのがイギリスの例です。


 最低賃金引き上げの成功例・・・イギリス


 イギリスは1999年に最低賃金を導入しました。実は、1993年からの6年間はイギリスには最低賃金が存在して居ませんでした。詰まり、1999年の導入は「新規」導入と云うことに為るので、最低賃金導入による経済効果を研究する為には格好の、雑音の無いデータが手に入ると云う好条件が揃って居ました。その為、多くの研究者がイギリスの事例をコゾッて研究テーマに選んだので数多くの分析がされたのです。
 又、この事例の研究が進んだのには、当時のイギリスの政治事情と云うもう1つ別の理由がありました。イギリスの最低賃金の導入は、労働党のブレア政権の下で実現しました。元々ブレア首相は最低賃金の導入と引き上げを公約に掲げて選挙を戦い、政権を奪取したと云う経緯がありました。

 最低賃金導入に反対だった保守党は、ブレア政権を攻撃する材料として、最低賃金導入のアラを探すべく、多くの研究者に分析を依頼しました。その結果、イギリスの事例は徹底的に研究されることに為ったのです。反対派の期待も空しく、イギリスでは最低賃金の導入により予想以上に大きな成果が生まれました。
 イギリスでは1999年から2018年まで、毎年平均4.17%も最低賃金が引き上げられ続けました。この間、最低賃金は実に2.2倍に為ったにも関わらず、インフレには大きな悪影響も無く生産性も上昇して居ます。2018年6月の失業率は4.0%で1975年以降の最低水準です。1971年から2018年迄の平均である7.04%を大きく下回っています。

 最低賃金の引き上げに対して、日本で必ず沸き上がる反対意見を紹介し、それ等の間違いを指摘して置きたいと思います。


 




 最低賃金を引き上げても失業者が増えるとは限ら無い


 最も典型的かつ、沢山上がる反対意見は「最低賃金を引き上げると失業者が増える」と云うものです。この意見は新古典派経済学の説に基づいています。
 新古典派経済学では、市場経済の下、労働市場は価格形成が効率的に行われて居ると云う前提が置かれて居ます。その為、最低賃金を引き上げると失業者が増えると云う理屈が成立します。確かに昔の教科書には、その様に載って居ました。
 しかし、この仮説は既に幾つかの国での実験によって否定されて居ます。イギリスを含めて、各国のデータを分析すると、最低賃金を上手く引き上げれば失業率は下がる事例が多く上がる例は比較的少数派です。

 詰まり、実験によって新古典派経済学のこの仮説は完全に否定されたのです。では新古典派経済学の仮説は何が間違って居たのでしょうか。答えは、実際の労働市場における労働価格が、教科書の様に効率的には形成されて居無い事にあります。
 仕事や雇用に関する情報は完全ではありませんし、転職には障壁もあります。又労働者層によって労使間の交渉力が違うので、完全に効率的な価格形成はされ無いのです。

 日本での最低賃金引上げに反対の声を上げる人達の中には、2018年の韓国の失敗例を持ち出す人も居ます。この人達の意見を否定するのは簡単です。先程も説明した様に、最低賃金を引き上げると必ず失業者が増えると云う単純な事実は存在しません。最低賃金は引き上げ方次第で効果が変わるのです。


 




 計画的・段階的に最低賃金を上げる 

 最近好く言われる様に為ったのは、最低賃金を賢く引き上げ、経営者がパニックには為らず、ショックを与える程度に引き上げるのが効果的だと云う説です。
 アメリカの或る分析によると、12%以上の引き上げは危険な水準であるとされて居ます。韓国政府も事前にこの分析を読んで居れば、2018年の様に最低賃金を一気に16.4%も引き上げると云う、混乱を招く政策を実施することも無かったのでは無いでしょうか。
 韓国の失敗は、一気に引き上げ過ぎたと云う引き上げ方の問題でした。経営者がパニックに陥り、経済に悪影響が出たと解釈するべきです。

 2018年、安倍政権は最低賃金を3%引き上げましたのは正しい判断です。しかし、この時、経営者から悲鳴の様な抗議の声は上がりませんでした。と云う事は、この程度の最低賃金の引き上げは彼等にとってショックですら無かったと判断出来ます。この程度の引き上げ幅ではマダマダ不十分だったのでしょう。
 2019年は消費税の引き上げも予定されて居るので、最低賃金は少なくとも5%の引き上げが必要なのではないでしょうか。


 




 人件費削減は愚かな「自殺行為」だ


 本連載の第1回「『永遠の賃上げ』が最強の経済政策である理由」では、日本経済を成長させる為には、賃上げによって個人所得を増加させるしか無いと提言しました。永遠の賃上げを実現し、国民の所得を増加させる為には、最低賃金の継続的な引き上げが極めて重要です。
 今の日本の経営者の多くは、人件費をコストと捉えて、下げることばかり考えて居ます。人口が増加して居るのであれば、その考え方に強く反対はしませんが、人口が減少して居る時に人件費を下げるのはご法度です。人口が減る中で人件費が下がれば、個人消費総額が減り、廻り回って結局は経営者自身の首を絞めることにも為るのです。将に自殺行為です。

 経営者が遣ら無いのであれば、政府が無理やり賃金を上げさせれば好い

 私が常々強調して居る様に、日本経済は人口増加のパラダイムから、既に人口減少パラダイムへとシフトしました。そのパラダイムシフトに合わせて企業の経営も変える必要があるのは言うまでもありません。しかし、嘆かわしいことに日本の経営者の多くは未だ対応出来て居ません。
 しかし、経営者がこの事を理解せず、従業員の給料を増やす気に為ら無くても、政府は彼等を変えることが出来るのです。経営者が自主的に賃金を上げ無いのなら、最低賃金を引き上げて無理やり賃金を上げさせれば好いのです。

 継続的に、かつ、上手に最低賃金を上げて行けば、経営者は人の配置と資本金の使途、商品自体や商品の単価を工夫し無くては為ら無く為ります。人口減少で働き手が減るので、失業率が上がることを恐れる理由も必要もありません。
 計算の上では、人口減少による悪影響が最も大きい2040年まで、毎年約5%ずつ最低賃金を上げて行けば、経済は1%ずつ成長する事に為ります。


 




 「最低賃金を引き上げて、生産性を高めても、それは只のお金至上主義ではないか。生産性が上がれば、国民生活が豊かに為るのか。そうでは無い筈」と云う様なことも時々言われますが完全に間違っています。
 経済が成長しても、必ずしも国民の生活水準の向上には繋がりません。何故ならば、単純に人口が増加すれば経済は成長するからです。しかし、生産性は国民の生活水準そのものです。私が主張したいのは、人口が減少する日本ではナカナカ総生産額は伸び無い。しかし、生産性を高め個人所得を増やして行けば、個々人の生活水準が上がって、今後益々厳しく為る高齢化による負担増も乗り越えられると云う事です。


 社会保障を維持するには生産性向上しか無い

 「生産性を上げても税金で取られるだけですよ」と言う人も居ます。確かに生産性を上げても、全ての恩恵が労働者に還元される訳ではありません。税負担は増えます。しかし、社会保障の負担は生産性を上げても上げ無くても、何れにせよ重く為ります。
 生産性を上げて行かないと、労働者の可処分所得は減る一方です。最早生産性を上げるしか選択肢は無いのです。勿論、税負担の増加以上に生産性が向上する事が望ましいのは言うまでもありません。


                 以上



 





 【管理人のひとこと】



 前ページの反論と為る様なレポートですが、韓国の失敗は一時に急激に賃上げしたからだ、とデービッド・アトキンソン氏は言います。そして、努力の結果企業の生産性が上がり収益が向上しても、そのまま賃金が上がるとも限ら無いことも指摘されました。
 利益の配分は、個々の企業の裁量の中にありますから、政府は賃上げを要望するしか無く強制出来ません。しかし、最低賃金を幾ら以上との法律は可能なのです。国民の人間らしい生活を送れる様にするのが政府の第一義の義務です。

 安倍氏が今まで言って居た・・・企業の業績が上がれば必然的に働く人の環境も向上する・・・のが完全に間違って居た事が既に証明されて居ます。残念ですが。企業は企業としての生き残りを賭けて内部留保に励んで居るのですから。
 此処は、先ずは国民の所得を挙げ国民の購買力を高め企業の収益を向上させるより以外の手は無さそうです。黙って居ても企業は所得を上げる勇気は出て来ないのですから。それ程、先は読めないのです・・・


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