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2016年08月26日
外傷時のフィブリノゲンと凝固障害、その対応について
フィブリノゲンは血栓の成分となるフィブリンの唯一の材料であるため、その低下はイコール出血のリスクを意味します。フィブリノゲンが欠乏すると、他に止血を代償してくれるものはなく、止血に不可欠なタンパク質です。
フィブリノゲンは通常血漿中に150〜450mg/dL存在します。これが100を切ってくると、かなり大量出血のリスクが上がり、50を切るとかなり致死的な状況になるといわれています。外傷に限らず、大量出血のリスクを伴う手術の全身管理でもフィブリノゲンが100を下回らないようにするというのが一般的な考え方のようです。また、余談ですが血小板値がやや低め(10万以下)程度の患者さんに出血のリスクを伴う手術が必要となった場合、フィブリノゲンが200を下回らないように管理をすると出血量が少なくて済む印象があると麻酔科医に効いたことがあります。凝固カスケードの終着点(二次止血)のみならず、血小板同士の糊(一次止血)としてもフィブリノゲンが働いていることを考えると妥当なのかもしれません。
どれだけ凝固因子が充分に存在していても、そのカスケードの終着点であるフィブリノゲン自体が欠乏していては止血することはできません。
(重症)外傷ではフィブリノゲンの低下がその後の大量出血や生命予後の悪化と強く関係しています。(重症)外傷におけるフィブリノゲン低下の機序として、
・凝固活性化に伴う消費
・線溶亢進に伴う分解
・輸液/輸血療法による希釈
が考えられています。
外傷症例におけるフィブリノゲン低下に対して、
・早期の抗線溶薬(トラネキサム酸)の投与が生命予後を改善することが大規模な無作為化比較対象試験で示されています。 Lancet 376: 23-32, 2010.
・すでに低下してしまった、もしくは低下しつつあるフィブリノゲンに対する補充療法として、積極的な新鮮凍結血漿の投与が生命予後を改善したという無作為化比較対象試験が報告されています。 JAMA 313: 471-482, 2015
・フィブリノゲン濃縮製剤の投与効果の検証も現在進行中です。 J Trauma Acute Care Surg 78: S76-82, 2015.
フィブリノゲンは通常血漿中に150〜450mg/dL存在します。これが100を切ってくると、かなり大量出血のリスクが上がり、50を切るとかなり致死的な状況になるといわれています。外傷に限らず、大量出血のリスクを伴う手術の全身管理でもフィブリノゲンが100を下回らないようにするというのが一般的な考え方のようです。また、余談ですが血小板値がやや低め(10万以下)程度の患者さんに出血のリスクを伴う手術が必要となった場合、フィブリノゲンが200を下回らないように管理をすると出血量が少なくて済む印象があると麻酔科医に効いたことがあります。凝固カスケードの終着点(二次止血)のみならず、血小板同士の糊(一次止血)としてもフィブリノゲンが働いていることを考えると妥当なのかもしれません。
どれだけ凝固因子が充分に存在していても、そのカスケードの終着点であるフィブリノゲン自体が欠乏していては止血することはできません。
(重症)外傷ではフィブリノゲンの低下がその後の大量出血や生命予後の悪化と強く関係しています。(重症)外傷におけるフィブリノゲン低下の機序として、
・凝固活性化に伴う消費
・線溶亢進に伴う分解
・輸液/輸血療法による希釈
が考えられています。
外傷症例におけるフィブリノゲン低下に対して、
・早期の抗線溶薬(トラネキサム酸)の投与が生命予後を改善することが大規模な無作為化比較対象試験で示されています。 Lancet 376: 23-32, 2010.
・すでに低下してしまった、もしくは低下しつつあるフィブリノゲンに対する補充療法として、積極的な新鮮凍結血漿の投与が生命予後を改善したという無作為化比較対象試験が報告されています。 JAMA 313: 471-482, 2015
・フィブリノゲン濃縮製剤の投与効果の検証も現在進行中です。 J Trauma Acute Care Surg 78: S76-82, 2015.
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高カルシウム血症の対処法
高カルシウム血症は最も頻度の高い腫瘍随伴症候群。緊急性、重症度は高い。
病歴としては食欲低下、倦怠感、悪心・嘔吐、口渇、多飲。多尿、便秘、傾眠傾向など様々な症状を呈する。
病態生理から考えていくと、カルシウムは細胞の興奮を抑制する。これは生理学で習った膜電位、細胞膜チャネルの関係でそうなります。
すると、脳神経の興奮が抑制されることで、錯乱、昏迷、昏睡、意識障害などが現れます。
また、筋肉(骨格筋も平滑筋も)の興奮抑制により、食欲不振、悪心・嘔吐、便秘、腹部膨満が現れます。
刺激伝導系の興奮抑制により、徐脈、房室ブロック、またこれは別の機序になりますがQT短縮も認めます。ただしカリウムと違って、カルシウムの高値ではあまり致死的な不整脈に至る例は少ないようです。
また、ホルモン分泌の亢進により、消化性潰瘍や急性膵炎も引き起こします。
高カルシウム血症の原因検索を進めるにあたり、フローチャートがありますが、そこに記載されている必要な検査項目は、カルシウム、その値を是正する必要があるかもしれないためアルブミン、尿中Ca排泄、血中PTH、血中PTHrP、インタクトPTH、血中1,25-(OH)2-Dは絶対に必要です。また、首にさっとエコーをあてて腫大した副甲状腺が見つかれば儲けものです。
その他、血算、腎機能、電解質ももちろん必要です。
治療としては12未満で症状が軽度の場合は必ずしも治療を必要としません。
12〜14できゅせいの場合は治療を要するが、慢性的変化であれば必ずしも治療を必要としません。
14以上では症状の有無にかかわらず治療を必要とします。
(急激な)高カルシウム血症を認めた場合はまず上記の必要な検査項目を提出し、原因検索と並行して治療を開始します。
・補液:高カルシウム血症では多尿となり脱水となること、カルシウム排泄を増やすためにも心機能を見ながら、またこれはエビデンスがないですがラシックスを使いながら200〜300ml/hrで生食を投与します。
・ビスホスホネート(ゾメタ):腎機能障害時には投与量の調節が必要です。4mg+生食100mlを15分で点滴。原則歯科的な問題がある場合はゾメタは使えませんが高カルシウム血症の場合は例外的です。歯科治療はゾメタをやめたあと2〜3か月後から可能になります。
また高カルシウム血症の治療と歯科治療を並行してしなければならない場合、体内蓄積量の少ない、ゾメタを使い始めてすぐの時期に歯科治療を行った方がいいようです。
elcatonin(エルシトニン(R))40単位 12時間毎 筋注、または生理食塩水などに溶解したうえで1〜2時間かけて、点滴静注します。
また、サイアザイド系の利尿薬が使われている場合は高カルシウム血症を誘発するため、中止するのが無難です。
病歴としては食欲低下、倦怠感、悪心・嘔吐、口渇、多飲。多尿、便秘、傾眠傾向など様々な症状を呈する。
病態生理から考えていくと、カルシウムは細胞の興奮を抑制する。これは生理学で習った膜電位、細胞膜チャネルの関係でそうなります。
すると、脳神経の興奮が抑制されることで、錯乱、昏迷、昏睡、意識障害などが現れます。
また、筋肉(骨格筋も平滑筋も)の興奮抑制により、食欲不振、悪心・嘔吐、便秘、腹部膨満が現れます。
刺激伝導系の興奮抑制により、徐脈、房室ブロック、またこれは別の機序になりますがQT短縮も認めます。ただしカリウムと違って、カルシウムの高値ではあまり致死的な不整脈に至る例は少ないようです。
また、ホルモン分泌の亢進により、消化性潰瘍や急性膵炎も引き起こします。
高カルシウム血症の原因検索を進めるにあたり、フローチャートがありますが、そこに記載されている必要な検査項目は、カルシウム、その値を是正する必要があるかもしれないためアルブミン、尿中Ca排泄、血中PTH、血中PTHrP、インタクトPTH、血中1,25-(OH)2-Dは絶対に必要です。また、首にさっとエコーをあてて腫大した副甲状腺が見つかれば儲けものです。
その他、血算、腎機能、電解質ももちろん必要です。
治療としては12未満で症状が軽度の場合は必ずしも治療を必要としません。
12〜14できゅせいの場合は治療を要するが、慢性的変化であれば必ずしも治療を必要としません。
14以上では症状の有無にかかわらず治療を必要とします。
(急激な)高カルシウム血症を認めた場合はまず上記の必要な検査項目を提出し、原因検索と並行して治療を開始します。
・補液:高カルシウム血症では多尿となり脱水となること、カルシウム排泄を増やすためにも心機能を見ながら、またこれはエビデンスがないですがラシックスを使いながら200〜300ml/hrで生食を投与します。
・ビスホスホネート(ゾメタ):腎機能障害時には投与量の調節が必要です。4mg+生食100mlを15分で点滴。原則歯科的な問題がある場合はゾメタは使えませんが高カルシウム血症の場合は例外的です。歯科治療はゾメタをやめたあと2〜3か月後から可能になります。
また高カルシウム血症の治療と歯科治療を並行してしなければならない場合、体内蓄積量の少ない、ゾメタを使い始めてすぐの時期に歯科治療を行った方がいいようです。
elcatonin(エルシトニン(R))40単位 12時間毎 筋注、または生理食塩水などに溶解したうえで1〜2時間かけて、点滴静注します。
また、サイアザイド系の利尿薬が使われている場合は高カルシウム血症を誘発するため、中止するのが無難です。
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2016年08月17日
外傷患者の大量出血における適切な輸液・輸血とは
外傷における死亡の半分近くが受傷後早期の大量出血に伴う失血死である。
防ぎ得た外傷死(preventavle trauma death; PTD)を未然に防ぎ、外傷症例の救命率向上を目的としたdamage control resuscitation(DCR)という初期蘇生の概念が提唱されている。
その中の一つに「外傷性凝固・線溶障害の予防と是正」が掲げられている。
日本では外傷患者の血小板輸血会医師に関する明確な基準は現時点で存在しない。
欧州では重症外傷患者を対象とした出血・凝固異常管理に関するガイドラインが存在する。
Crit Care 17: R76, 2013
それを基にした総説があったので、さらにそれを簡単にまとめてみた。
外傷患者に対する初期輸液は細胞外液を1000-2000mL程度にとどめ、その後速やかに赤血球濃厚液を投与する。しかし、赤血球10単位を急速輸血した場合、凝固因子は40%以下に低下し、血小板数も5万以下に低下してしまう。このため、新鮮凍結血漿や濃厚血小板製剤も同時に投与することが望まれる。血小板輸血の開始は血小板数10万で考慮し、5万以上をキープするように、また、赤血球と血小板の投与比率を少なくとも2:1、可能であれば1:1を目標とすることが望ましい。
また赤血球、新鮮凍結血漿、血小板の比率に関して1:1:1と2:1:1を比較した試験があり、PT-INR、血小板数はそれぞれ1:1:1の群で1.31、12.9万、2:1:1の群で1.55、9.5万であった。INRが1.5以上で止血氏のリスクが上昇するとの報告もあり、1:1:1の投与が理想的ではないかと考えられる。
J Trauma Acute Care Surg 77: 818-827, 2014
J Trauma Acute Care Surg 78: 516-523, 2015
Crit Care Med 43: 1429-1438, 2015.
防ぎ得た外傷死(preventavle trauma death; PTD)を未然に防ぎ、外傷症例の救命率向上を目的としたdamage control resuscitation(DCR)という初期蘇生の概念が提唱されている。
その中の一つに「外傷性凝固・線溶障害の予防と是正」が掲げられている。
日本では外傷患者の血小板輸血会医師に関する明確な基準は現時点で存在しない。
欧州では重症外傷患者を対象とした出血・凝固異常管理に関するガイドラインが存在する。
Crit Care 17: R76, 2013
それを基にした総説があったので、さらにそれを簡単にまとめてみた。
外傷患者に対する初期輸液は細胞外液を1000-2000mL程度にとどめ、その後速やかに赤血球濃厚液を投与する。しかし、赤血球10単位を急速輸血した場合、凝固因子は40%以下に低下し、血小板数も5万以下に低下してしまう。このため、新鮮凍結血漿や濃厚血小板製剤も同時に投与することが望まれる。血小板輸血の開始は血小板数10万で考慮し、5万以上をキープするように、また、赤血球と血小板の投与比率を少なくとも2:1、可能であれば1:1を目標とすることが望ましい。
また赤血球、新鮮凍結血漿、血小板の比率に関して1:1:1と2:1:1を比較した試験があり、PT-INR、血小板数はそれぞれ1:1:1の群で1.31、12.9万、2:1:1の群で1.55、9.5万であった。INRが1.5以上で止血氏のリスクが上昇するとの報告もあり、1:1:1の投与が理想的ではないかと考えられる。
J Trauma Acute Care Surg 77: 818-827, 2014
J Trauma Acute Care Surg 78: 516-523, 2015
Crit Care Med 43: 1429-1438, 2015.
2016年08月06日
めまい診療のポイント
救急当直をしているとめまいの患者は必ず一晩に複数きます。
ここではポイントをいくつか挙げていきたいと思います。
・まず、自分の働いている現場ではどのようなめまいが多いのかをチェックする
例えば、夜間の救急ではほとんどがBPPVです。一方、日中に紹介で来るめまいにBPPVはほとんどおらず、診断に苦慮する場合が多いとの統計があります。
・教科書的には眼振で中枢性と末梢性を見分けるが、実際は簡単にはいかない。フレンチェル眼鏡を使ってもほとんどわかりません。
・小脳失調を見る指鼻試験や注視眼振の有無は手技により偽陰性、偽陽性が多くなる。
・・・指鼻試験をやるときは指を鼻から30cmぐらい離しましょう。15cmくらいでは小脳に病変があっても意外にうまく指を動かせます。
・・・注視眼振を見る際は正中から左右15度くらいまでにしましょう。それ以上動かすと、正常な人でも眼振が出ます。しかも左右で逆方向に出るので偽陽性につながります。
・めまいプラスアルファの症状を大切にする。
・・・感冒症状、頭痛、耳鳴りなど
・病院のシステムにもよりますが、可能であればMRIまでいっても問題ないと思います。
BPPVで翌日耳鼻科に紹介する際も、中枢性の否定にMRIをとるため事前にとってあった方が助かると耳鼻科医に言われました。これはあくまでも当院の話ですが。
・BPPVを強く疑うならEpley法がかなりおすすめです。Number Needed to Treatは「2」とかなり有意義な手技ですし、治れば患者さんから神様のように接してもらえます。
・Epley法が無理そうな場合は患者さんにとって楽な姿勢で休んでもらいましょう。実はこれにもなんとか法と名前が付いていて有効な手法らしいです。
詳しくは↓の本を参照ください。この本は何気なく本屋で見つけて買ってみたのですが、めまいを見るのが楽しくなります。またこの本を読んでから、耳鼻科医や脳外科医から、しっかりとめまいの患者さんを診れているねとお褒めをいただけるようになりました。
ここではポイントをいくつか挙げていきたいと思います。
・まず、自分の働いている現場ではどのようなめまいが多いのかをチェックする
例えば、夜間の救急ではほとんどがBPPVです。一方、日中に紹介で来るめまいにBPPVはほとんどおらず、診断に苦慮する場合が多いとの統計があります。
・教科書的には眼振で中枢性と末梢性を見分けるが、実際は簡単にはいかない。フレンチェル眼鏡を使ってもほとんどわかりません。
・小脳失調を見る指鼻試験や注視眼振の有無は手技により偽陰性、偽陽性が多くなる。
・・・指鼻試験をやるときは指を鼻から30cmぐらい離しましょう。15cmくらいでは小脳に病変があっても意外にうまく指を動かせます。
・・・注視眼振を見る際は正中から左右15度くらいまでにしましょう。それ以上動かすと、正常な人でも眼振が出ます。しかも左右で逆方向に出るので偽陽性につながります。
・めまいプラスアルファの症状を大切にする。
・・・感冒症状、頭痛、耳鳴りなど
・病院のシステムにもよりますが、可能であればMRIまでいっても問題ないと思います。
BPPVで翌日耳鼻科に紹介する際も、中枢性の否定にMRIをとるため事前にとってあった方が助かると耳鼻科医に言われました。これはあくまでも当院の話ですが。
・BPPVを強く疑うならEpley法がかなりおすすめです。Number Needed to Treatは「2」とかなり有意義な手技ですし、治れば患者さんから神様のように接してもらえます。
・Epley法が無理そうな場合は患者さんにとって楽な姿勢で休んでもらいましょう。実はこれにもなんとか法と名前が付いていて有効な手法らしいです。
詳しくは↓の本を参照ください。この本は何気なく本屋で見つけて買ってみたのですが、めまいを見るのが楽しくなります。またこの本を読んでから、耳鼻科医や脳外科医から、しっかりとめまいの患者さんを診れているねとお褒めをいただけるようになりました。
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レジデントノート 2016年3月号 Vol.17 No.18 めまい診療に自信がもてる! 〜脳血管障害を見逃さない診察と的確なコンサルト、今日からできる処置のコツ 新品価格 |
頭痛診療のポイント
救急、頭痛といえば、SAHが真っ先に頭に浮かぶと思います。
経験も踏まえて実際の診療のポイントを記載したいと思います。
・頭痛ではSAHと髄膜炎から考える。
・必ず以下の2つの質問をする
「すごく突然、痛み出したのですか?」「こんなに酷い頭痛は初めてですか?」
・頭痛が主訴でなくても頭蓋内病変を考えるべき事態がある
例、状況・原因が不自然な事故、事故時の記憶がないなど。
筆者はくも膜下出血や脳出血による交通事故を何件も見てきました。
・頭部CTでSAHを疑う所見はない→100%安心してはいけない
鞍上槽、大脳鎌など見逃しやすいSAHもあります。経過観察入院させて翌日読影医により判明したSAHの経験があります。
・SAHが判明したらとにかく「降圧」
当院の脳外科医は110未満に下げろと言います。書籍によってはニカルジピン3A+生食70mlで降圧をと書いているものもありますが、当院ではハーフハーフで混ぜることや、場合によっては原液で流すこともあります。血管痛より命を優先しろとのことでした。
・片頭痛を疑った場合はPOUND
P:拍動性
O:4〜72時間持続
U:片側性
N:吐き気
D:日常生活に支障
陽性尤度比は4項目で該当で24、3項目該当で3.5と極めて有用です。ロキソニンやトリプタンをもたせて帰宅とすることが多いですが、これらの項目を必ずカルテに記載しておきましょう。
経験も踏まえて実際の診療のポイントを記載したいと思います。
・頭痛ではSAHと髄膜炎から考える。
・必ず以下の2つの質問をする
「すごく突然、痛み出したのですか?」「こんなに酷い頭痛は初めてですか?」
・頭痛が主訴でなくても頭蓋内病変を考えるべき事態がある
例、状況・原因が不自然な事故、事故時の記憶がないなど。
筆者はくも膜下出血や脳出血による交通事故を何件も見てきました。
・頭部CTでSAHを疑う所見はない→100%安心してはいけない
鞍上槽、大脳鎌など見逃しやすいSAHもあります。経過観察入院させて翌日読影医により判明したSAHの経験があります。
・SAHが判明したらとにかく「降圧」
当院の脳外科医は110未満に下げろと言います。書籍によってはニカルジピン3A+生食70mlで降圧をと書いているものもありますが、当院ではハーフハーフで混ぜることや、場合によっては原液で流すこともあります。血管痛より命を優先しろとのことでした。
・片頭痛を疑った場合はPOUND
P:拍動性
O:4〜72時間持続
U:片側性
N:吐き気
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陽性尤度比は4項目で該当で24、3項目該当で3.5と極めて有用です。ロキソニンやトリプタンをもたせて帰宅とすることが多いですが、これらの項目を必ずカルテに記載しておきましょう。
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意識障害
意識障害鑑別診断の記憶法としてAIUEOTIPSという頭文字は学生でも常識です。
しかし実際に救急の現場で意識障害の患者を目にすると、その使えなさに気づきます。
例えば「T」はtrauma,temperature,tumorの3つの頭文字を兼ねています。
オススメは、手帳やiPadなどに自分なりにまとめを作って入れておくことです。これで抜けが減らせます。
以下、AIUEOTIPSを記載します。
A:脳卒中、アルコール・/ビタミンB1欠乏、代謝性アシドーシス
I:インスリン(低血糖、糖尿病性ケトアシドーシス、非ケトン性高浸透圧性昏睡)
U:尿毒症
E:肝性脳症、粘液水腫、甲状腺クリーゼ、副腎不全による二次性の脳症、高血圧性脳症、電解質異常
O:低酸素血症、高二酸化炭素血症、麻薬・薬物過量摂取
T:頭部外傷、体温異常、脳腫瘍
I:感染症(髄膜炎、脳炎、敗血症)
P:薬剤性、精神疾患、ポルフィリア
S:欠伸、痙攣、各種ショック、脳出血
各頭文字に対応する疾患については書籍によりかなりばらつきがあります。
また、ここに記載されていない疾患もあります。
自分の経験では、血管内リンパ腫(CTでもMRIでも所見がなく、ランダム皮膚生検で確定診断)による意識障害がありました。
対応ですが、まずバイタル、デキスタ
気道・呼吸の確保、循環の安定化と低血糖の有無の確認が最優先です。
低血糖が分かれば、ブドウ糖とビタミンB1(アリナミン)を同時に投与します。
臭いから、アルコール性、DKA、有機リン中毒などがわかることもあります。
また、バイタル測定の際にわかりますが、搬送されてきてすぐ体を触れば高・低体温はわかります。
(筆者は低体温31度、高体温43度を見た経験があります)
その他対応を急ぐ疾患として、細菌性髄膜炎を疑ったら、来院後1時間以内に
・Ceftriaxon
・Vancomycin
±
・Ampicillin, Acyclovir
の投与を行います。
抗菌薬投与前または同時にデキサメタゾン 10 mg ivも行いますが、紫斑がある場合は禁忌になります。
しかし実際に救急の現場で意識障害の患者を目にすると、その使えなさに気づきます。
例えば「T」はtrauma,temperature,tumorの3つの頭文字を兼ねています。
オススメは、手帳やiPadなどに自分なりにまとめを作って入れておくことです。これで抜けが減らせます。
以下、AIUEOTIPSを記載します。
A:脳卒中、アルコール・/ビタミンB1欠乏、代謝性アシドーシス
I:インスリン(低血糖、糖尿病性ケトアシドーシス、非ケトン性高浸透圧性昏睡)
U:尿毒症
E:肝性脳症、粘液水腫、甲状腺クリーゼ、副腎不全による二次性の脳症、高血圧性脳症、電解質異常
O:低酸素血症、高二酸化炭素血症、麻薬・薬物過量摂取
T:頭部外傷、体温異常、脳腫瘍
I:感染症(髄膜炎、脳炎、敗血症)
P:薬剤性、精神疾患、ポルフィリア
S:欠伸、痙攣、各種ショック、脳出血
各頭文字に対応する疾患については書籍によりかなりばらつきがあります。
また、ここに記載されていない疾患もあります。
自分の経験では、血管内リンパ腫(CTでもMRIでも所見がなく、ランダム皮膚生検で確定診断)による意識障害がありました。
対応ですが、まずバイタル、デキスタ
気道・呼吸の確保、循環の安定化と低血糖の有無の確認が最優先です。
低血糖が分かれば、ブドウ糖とビタミンB1(アリナミン)を同時に投与します。
臭いから、アルコール性、DKA、有機リン中毒などがわかることもあります。
また、バイタル測定の際にわかりますが、搬送されてきてすぐ体を触れば高・低体温はわかります。
(筆者は低体温31度、高体温43度を見た経験があります)
その他対応を急ぐ疾患として、細菌性髄膜炎を疑ったら、来院後1時間以内に
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±
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2016年07月09日
意識障害患者への診察
これまでは丁寧な問診、診察の仕方について記載してきました。
実際救急や病院当直で困るのは意識障害の患者さんです。
病歴も取れない、所見も取りにくい。家族に話を聞いても、まともな情報は入ってこない。
そんなとき神経診察が役に立ちます
○眼位:共同偏視
・病側をにらむ共同偏視:テント上の障害
・患側をにらむ共同偏視:脳幹の障害
・上下への垂直共同偏視:視床・中脳の障害
○瞳孔径
・縮瞳:橋、オポオイド、コリン作動薬
・散瞳:中脳、抗コリン薬、三環系抗うつ薬、アンフェタミン
○瞳孔径の左右差
0.5mm以上で器質的な脳障害を示唆、1.0mm以上で強く示唆
○対光反射
障害時は器質的な脳障害を示唆
○うっ血乳頭
頭蓋内圧更新
○振りかざし試験
目の前に素早く手を持っていって瞬きがないのは異常。また視野の確認もできる
○角膜反射・睫毛反射
消失は脳幹の障害を示唆
○頭位変換眼球反射
消失は脳幹の障害を示唆
○催吐反射
消失は下部脳幹の障害を示唆
○肢位
・除皮質硬直:広範な大脳障害
・除脳硬直:脳幹の障害
○四肢トーヌス
・筋強剛(固縮):錐体外路の障害を示唆
・痙性:上位運動ニューロン障害
・弛緩性麻痺:下位運動ニューロン障害
○上肢落下試験・膝立試験・疼痛への顔面表情筋の動きや四肢の逃避
落下速度が速い側・反応が鈍い側の麻痺
○腱反射
・亢進:上位運動ニューロン障害を示唆
・低下:下位運動ニューロン障害を示唆
○病的反射(Babinski、Chaddock)
上位運動ニューロン障害を示唆
○項部硬直・Kernig徴候
髄膜の炎症を示唆
個人的にはこれらの神経診察は知識はもちろんのこと、いかに正確に素早く繰り出されるかの勝負だと思っています。
また、学生時代神経内科の教授に「どうすれば神経診察が上手くなるか」をお聞きしたとこがあります。
若いうちは出来うる限りの所見を取る→検査などで答え合わせ→今度は検査から診察所見の陽性・陰性を考え直して再度神経診察所見を取る。これを繰り返しなさいとのことでした。その教授も神経診察が大好きで自分の患者にはかなり丁寧に行っていましたし、毎年毎年自分の手技が上手くなっていくのがわかるとのことでした。
まずはどのような診察手技があるのか、その中でも特に重要な所見は、いかにもれなく素早く取るかなどを考えながら勉強、実践すると神経診察が楽しくなってきます。
実際救急や病院当直で困るのは意識障害の患者さんです。
病歴も取れない、所見も取りにくい。家族に話を聞いても、まともな情報は入ってこない。
そんなとき神経診察が役に立ちます
○眼位:共同偏視
・病側をにらむ共同偏視:テント上の障害
・患側をにらむ共同偏視:脳幹の障害
・上下への垂直共同偏視:視床・中脳の障害
○瞳孔径
・縮瞳:橋、オポオイド、コリン作動薬
・散瞳:中脳、抗コリン薬、三環系抗うつ薬、アンフェタミン
○瞳孔径の左右差
0.5mm以上で器質的な脳障害を示唆、1.0mm以上で強く示唆
○対光反射
障害時は器質的な脳障害を示唆
○うっ血乳頭
頭蓋内圧更新
○振りかざし試験
目の前に素早く手を持っていって瞬きがないのは異常。また視野の確認もできる
○角膜反射・睫毛反射
消失は脳幹の障害を示唆
○頭位変換眼球反射
消失は脳幹の障害を示唆
○催吐反射
消失は下部脳幹の障害を示唆
○肢位
・除皮質硬直:広範な大脳障害
・除脳硬直:脳幹の障害
○四肢トーヌス
・筋強剛(固縮):錐体外路の障害を示唆
・痙性:上位運動ニューロン障害
・弛緩性麻痺:下位運動ニューロン障害
○上肢落下試験・膝立試験・疼痛への顔面表情筋の動きや四肢の逃避
落下速度が速い側・反応が鈍い側の麻痺
○腱反射
・亢進:上位運動ニューロン障害を示唆
・低下:下位運動ニューロン障害を示唆
○病的反射(Babinski、Chaddock)
上位運動ニューロン障害を示唆
○項部硬直・Kernig徴候
髄膜の炎症を示唆
個人的にはこれらの神経診察は知識はもちろんのこと、いかに正確に素早く繰り出されるかの勝負だと思っています。
また、学生時代神経内科の教授に「どうすれば神経診察が上手くなるか」をお聞きしたとこがあります。
若いうちは出来うる限りの所見を取る→検査などで答え合わせ→今度は検査から診察所見の陽性・陰性を考え直して再度神経診察所見を取る。これを繰り返しなさいとのことでした。その教授も神経診察が大好きで自分の患者にはかなり丁寧に行っていましたし、毎年毎年自分の手技が上手くなっていくのがわかるとのことでした。
まずはどのような診察手技があるのか、その中でも特に重要な所見は、いかにもれなく素早く取るかなどを考えながら勉強、実践すると神経診察が楽しくなってきます。
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頸静脈の診察
頸静脈の診察と言われると普段はカルテに頸静脈怒張あり/なししか書いていませんでした。
そんなカルテを1年間量産してきたと考えると恥ずかしい。
外頸静脈、内頸静脈の両方を見るように心がけましょう。
○外頸静脈・・・かなり見つかりやすいです。しかし、腕頭静脈→鎖骨下静脈→外頸静脈と2回直角に曲がっておるため右房と直線的につながっておらず、中心静脈圧の正確な評価はしにくいです。
○内頸静脈・・・探すのが難しい。胸鎖乳突筋を介して皮膚の微動で確認します。右房と直線的につながっており中心静脈圧の評価がしやすいです。
○45度坐位で右内頸静脈拍動が胸骨角から4.5cm以上のとき中心静脈圧の上昇
ペンライトを当てると皮膚の微動がわかりやすい。その際下から見上げるとなお見やすい。
頸静脈をしっかり見つことで、循環血液量の過不足がわかることがあり、是非とも診察法を身に付けたい。
そんなカルテを1年間量産してきたと考えると恥ずかしい。
外頸静脈、内頸静脈の両方を見るように心がけましょう。
○外頸静脈・・・かなり見つかりやすいです。しかし、腕頭静脈→鎖骨下静脈→外頸静脈と2回直角に曲がっておるため右房と直線的につながっておらず、中心静脈圧の正確な評価はしにくいです。
○内頸静脈・・・探すのが難しい。胸鎖乳突筋を介して皮膚の微動で確認します。右房と直線的につながっており中心静脈圧の評価がしやすいです。
○45度坐位で右内頸静脈拍動が胸骨角から4.5cm以上のとき中心静脈圧の上昇
ペンライトを当てると皮膚の微動がわかりやすい。その際下から見上げるとなお見やすい。
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ショック
日本救急医学会はショックを
「生体に対する侵襲、あるいは侵襲に対する生体反応の結果、重要臓器の血流が維持できなくなり、細胞の代謝障害や臓器障害が起こり、生命の危機に至る急性の症候群」
と定義している。
ショックインデックス SI = 脈拍 / 収縮期血圧
SI = 1 で1リットル程度の出血、2で2リットル程度の出血と想定される。
一般的に1を超えるとショックバイタルと考えられるが、カットオフ値を0.8にした方がいいとの意見もある。
Am J Emerg Med, 31 : 1260-1263, 2013
ショックでも必ず血圧が下がる訳ではない
・・・ショックになるとカテコラミン放出が増える。
α1作用により末梢血管が収縮する
β1作用により新収縮力や心拍数が上昇する
血圧が下がった頃にはかなりの量の出血が・・・ということはよくある
○ショックの分類
・循環血液量減少性ショックhypovolemic shck・・・出血、脱水、腹膜炎、熱傷など
・血液分布異常性ショックdistributive shock・・・アナフィラキシー、脊髄損傷、敗血症など
・心原性ショックcardiogenic shock・・・心筋梗塞、弁膜症、重症不整脈、心筋症、心筋炎など
・心外閉塞・拘束性ショックobstructive shock・・・肺塞栓、心タンポナーデ、緊張性気胸など
○ショックの身体所見
バイタルサインでショックと判断するより、身体所見にショックの兆候が現れる方が早い
・末梢血管の収縮により、末梢の皮膚は冷たく白くなる
・汗腺が収縮し、汗が皮膚ににじみ出て冷汗となる
・毛細血管充満時間(爪床を5秒間圧迫、2秒以内に戻るかcapillary refilling time)CRTが2秒を超える
○ショックを見抜くために
・患者さんの顔色、気道、呼吸状態を観察
・患者さんの皮膚を見て色の変化を観察
・患者さんの足を触り、末梢の冷汗、湿潤、足背動脈を触知できるかを確認
・・・とにかく、いち早くショックを見抜くには患者さんをよく見てよく触れることが重要
「生体に対する侵襲、あるいは侵襲に対する生体反応の結果、重要臓器の血流が維持できなくなり、細胞の代謝障害や臓器障害が起こり、生命の危機に至る急性の症候群」
と定義している。
ショックインデックス SI = 脈拍 / 収縮期血圧
SI = 1 で1リットル程度の出血、2で2リットル程度の出血と想定される。
一般的に1を超えるとショックバイタルと考えられるが、カットオフ値を0.8にした方がいいとの意見もある。
Am J Emerg Med, 31 : 1260-1263, 2013
ショックでも必ず血圧が下がる訳ではない
・・・ショックになるとカテコラミン放出が増える。
α1作用により末梢血管が収縮する
β1作用により新収縮力や心拍数が上昇する
血圧が下がった頃にはかなりの量の出血が・・・ということはよくある
○ショックの分類
・循環血液量減少性ショックhypovolemic shck・・・出血、脱水、腹膜炎、熱傷など
・血液分布異常性ショックdistributive shock・・・アナフィラキシー、脊髄損傷、敗血症など
・心原性ショックcardiogenic shock・・・心筋梗塞、弁膜症、重症不整脈、心筋症、心筋炎など
・心外閉塞・拘束性ショックobstructive shock・・・肺塞栓、心タンポナーデ、緊張性気胸など
○ショックの身体所見
バイタルサインでショックと判断するより、身体所見にショックの兆候が現れる方が早い
・末梢血管の収縮により、末梢の皮膚は冷たく白くなる
・汗腺が収縮し、汗が皮膚ににじみ出て冷汗となる
・毛細血管充満時間(爪床を5秒間圧迫、2秒以内に戻るかcapillary refilling time)CRTが2秒を超える
○ショックを見抜くために
・患者さんの顔色、気道、呼吸状態を観察
・患者さんの皮膚を見て色の変化を観察
・患者さんの足を触り、末梢の冷汗、湿潤、足背動脈を触知できるかを確認
・・・とにかく、いち早くショックを見抜くには患者さんをよく見てよく触れることが重要
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バイタルサインの話
土曜、日曜とあまりやることがないのでもう一回初心にかえって、様々なことを勉強し直しています。
学生時代何気なく通りすぎていたこと、一年目に訳も分からずやっていたことも、今になると意義がわかってきたりもします。勉強したことをメモ程度に書きなぐっていきます。
バイタルサイン・・・体温、血圧、脈拍、呼吸数
ただしSpO2、尿量、意識状態も重要である。
○高齢者の発熱の定義として
「平熱から1.1度以上の体温上昇」も含められる。
Clinical Infectious Disease, 48: 149-171, 2009
ですから36度台でも発熱と考えられることも十分あります。
悪寒
@悪寒戦慄(shaking chill):敗血症を示唆・・・布団をかぶってもブルブル震える
A中等度悪寒(moderate chill):呼吸数30回以上で敗血症を示唆・・・重ね着してもブルブル震える
B軽度悪寒(mild chill):心拍数120回未満なら敗血症は否定的・・・重ね技でブルブル震えない
○血圧測定
腕が太いと高めに、細いと低めに出ることも聴診間隙に注意。最近は機械式が主流だが機械で計りつつ橈骨動脈に触れるなどの工夫も大事
○脈拍
とにかく脈を触れよう。心房細動がわかることもある
体温0.5度上昇で心拍数10回/分増加する。
体温が1度上昇で心拍数20回/分以上増加する場合には細菌感染の可能性が高い
比較的徐脈をきたす疾患
非定型肺炎(マイコプラズマ、レジオネラ、クラミジア)、腸チフス、パラチフス、サルモネラ、リケッチア(ツツガムシ病、Q熱)、マラリア、デング熱
薬剤熱、中枢神経病変による発熱、詐熱
○呼吸数
案外、測られていないことが多いイメージ。SpO2が簡単に測れるからだと思うが、呼吸数は重要。
相手に意識されないようにしれっと測るには経験が必要
以上、メモでした。
学生時代何気なく通りすぎていたこと、一年目に訳も分からずやっていたことも、今になると意義がわかってきたりもします。勉強したことをメモ程度に書きなぐっていきます。
バイタルサイン・・・体温、血圧、脈拍、呼吸数
ただしSpO2、尿量、意識状態も重要である。
○高齢者の発熱の定義として
「平熱から1.1度以上の体温上昇」も含められる。
Clinical Infectious Disease, 48: 149-171, 2009
ですから36度台でも発熱と考えられることも十分あります。
悪寒
@悪寒戦慄(shaking chill):敗血症を示唆・・・布団をかぶってもブルブル震える
A中等度悪寒(moderate chill):呼吸数30回以上で敗血症を示唆・・・重ね着してもブルブル震える
B軽度悪寒(mild chill):心拍数120回未満なら敗血症は否定的・・・重ね技でブルブル震えない
○血圧測定
腕が太いと高めに、細いと低めに出ることも聴診間隙に注意。最近は機械式が主流だが機械で計りつつ橈骨動脈に触れるなどの工夫も大事
○脈拍
とにかく脈を触れよう。心房細動がわかることもある
体温0.5度上昇で心拍数10回/分増加する。
体温が1度上昇で心拍数20回/分以上増加する場合には細菌感染の可能性が高い
比較的徐脈をきたす疾患
非定型肺炎(マイコプラズマ、レジオネラ、クラミジア)、腸チフス、パラチフス、サルモネラ、リケッチア(ツツガムシ病、Q熱)、マラリア、デング熱
薬剤熱、中枢神経病変による発熱、詐熱
○呼吸数
案外、測られていないことが多いイメージ。SpO2が簡単に測れるからだと思うが、呼吸数は重要。
相手に意識されないようにしれっと測るには経験が必要
以上、メモでした。
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