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2015年11月29日
東京・上野、東京都美術館「マルモッタン・モネ美術館所蔵 モネ展」
2015年9月19日(土)より、東京・上野、東京都美術館で、「マルモッタン・モネ美術館所蔵 モネ展『印象、日の出』から『睡蓮』まで」が開催されています。
マルモッタン・モネ美術館には、印象派を代表する画家クロード・モネ(1840-1926)の、86歳で亡くなるまで手元に残したコレクションが所蔵されています。この展覧会は、息子ミシェルから同美術館に遺贈されたこのモネ・コレクションを中心に、約90点で構成されています。子供たちの成長を記録した作品や友人ルノワールによるモネ夫妻の肖像画、旅先の風景画、白内障を患いながらも描き続けた晩年の作品など、モネの変遷をたどる展覧会といえそうです。
晩年のモネは、光の変化に伴って移り変わる水面を見つめつづけました。ジヴェルニーの庭を描きながらも、睡蓮や太鼓橋の形態は次第に抽象化されていき、色彩溢れる画面が生み出されていきます。ときに荒々しい筆触をみせる最晩年の作品群は、モネの新しい面を見せてくれました。
今回は全てマルモッタンのコレクション。モネ自体の作品は70点ほどです。先ほかにモネの収集した作家の小品ドラクロワやブータンの水彩画などが加わります。
10代後半で描いたカリカチュア(風刺画)や30代から40代の風景画、モネの代名詞ともいえる「睡蓮」の連作、さらに晩年に白内障を患ってからも精力的に描き続けた「日本の橋」など、モネの画業を辿ることができます。
展覧会の構成は以下の通りです。
家族の肖像
モティーフの狩人 I
収集家としてのモネ
若き日のモネ
ジョルジュ・ド・ベリオ・コレクションの傑作─マルモッタン美術館の印象派コレクションの誕生
モティーフの狩人 II( ノルマンディーの風景)
睡蓮と花─ジヴェルニーの庭
最晩年の作品
晩年の「睡蓮」は、とても荒々しく白内障を患った影響なのかもしれませんが、画風が明らかに違います。最晩年の作品の「しだれ柳」に日本の橋」、「バラの橋」の連作もありましたが、線は波打ってはのたうち回り、色は燃え上がるようで激しく錯綜しています。まるで前衛アートのような・・・。
モネのファンでも、この時期の作品の評価は分かれるかもしれません。
ただモネの軌跡を辿ることで、画風の変遷だけでなく、モネが生涯にわたって抱き続けた創作への情熱を感じることができました。
クロード・モネ 《雪の効果、日没》 1875年
クロード・モネ 《クルーズ川の渓谷、夕暮れの効果》 1889年
クロード・モネ 《霧のヴェトゥイユ》
クロード・モネ《ヨーロッパ橋、サン=ラザール駅》1877年
クロード・モネ《睡蓮》1903年
クロード・モネ 《プールヴィルの海岸、日没》 1882年
これまでのモネ展と比較しても一番混んでいました。
館内の状況については公式サイトで随時更新、またツイッターアカウント(@monet2015_ntv)も発信しています。毎週金曜の夜間開館なども狙い目となりそうです。
同展は東京都美術館での展示を終えた後、福岡市美術館、京都市美術館、そして新潟県立近代美術館を巡回する予定です。
開催期間/2015年9月19日(土)〜12月13日(日)
開催場所/東京都美術館 企画展示室 台東区上野公園8-36
開室時間/9:30〜17:30(金、10月31日〜11月2日は〜20:00)
・《印象、日の出》展示期間(9月19日〜10月18日)の金土、並びに9月20日〜22日、10月11日は〜21:00
・入室は閉室30分前まで
休室日/月、10月13日(火)、11月24日(火)
・9月21日、10月12日、11月2日、11月23日は開室
入場料/一般1,600円、学生1,300円、高校生800円、65歳以上1,000円
問い合わせ先/03-5777-8600(ハローダイヤル)
http://www.ntv.co.jp/monet/
マルモッタン・モネ美術館には、印象派を代表する画家クロード・モネ(1840-1926)の、86歳で亡くなるまで手元に残したコレクションが所蔵されています。この展覧会は、息子ミシェルから同美術館に遺贈されたこのモネ・コレクションを中心に、約90点で構成されています。子供たちの成長を記録した作品や友人ルノワールによるモネ夫妻の肖像画、旅先の風景画、白内障を患いながらも描き続けた晩年の作品など、モネの変遷をたどる展覧会といえそうです。
晩年のモネは、光の変化に伴って移り変わる水面を見つめつづけました。ジヴェルニーの庭を描きながらも、睡蓮や太鼓橋の形態は次第に抽象化されていき、色彩溢れる画面が生み出されていきます。ときに荒々しい筆触をみせる最晩年の作品群は、モネの新しい面を見せてくれました。
今回は全てマルモッタンのコレクション。モネ自体の作品は70点ほどです。先ほかにモネの収集した作家の小品ドラクロワやブータンの水彩画などが加わります。
10代後半で描いたカリカチュア(風刺画)や30代から40代の風景画、モネの代名詞ともいえる「睡蓮」の連作、さらに晩年に白内障を患ってからも精力的に描き続けた「日本の橋」など、モネの画業を辿ることができます。
展覧会の構成は以下の通りです。
家族の肖像
モティーフの狩人 I
収集家としてのモネ
若き日のモネ
ジョルジュ・ド・ベリオ・コレクションの傑作─マルモッタン美術館の印象派コレクションの誕生
モティーフの狩人 II( ノルマンディーの風景)
睡蓮と花─ジヴェルニーの庭
最晩年の作品
晩年の「睡蓮」は、とても荒々しく白内障を患った影響なのかもしれませんが、画風が明らかに違います。最晩年の作品の「しだれ柳」に日本の橋」、「バラの橋」の連作もありましたが、線は波打ってはのたうち回り、色は燃え上がるようで激しく錯綜しています。まるで前衛アートのような・・・。
モネのファンでも、この時期の作品の評価は分かれるかもしれません。
ただモネの軌跡を辿ることで、画風の変遷だけでなく、モネが生涯にわたって抱き続けた創作への情熱を感じることができました。
クロード・モネ 《雪の効果、日没》 1875年
クロード・モネ 《クルーズ川の渓谷、夕暮れの効果》 1889年
クロード・モネ 《霧のヴェトゥイユ》
クロード・モネ《ヨーロッパ橋、サン=ラザール駅》1877年
クロード・モネ《睡蓮》1903年
クロード・モネ 《プールヴィルの海岸、日没》 1882年
これまでのモネ展と比較しても一番混んでいました。
館内の状況については公式サイトで随時更新、またツイッターアカウント(@monet2015_ntv)も発信しています。毎週金曜の夜間開館なども狙い目となりそうです。
同展は東京都美術館での展示を終えた後、福岡市美術館、京都市美術館、そして新潟県立近代美術館を巡回する予定です。
開催期間/2015年9月19日(土)〜12月13日(日)
開催場所/東京都美術館 企画展示室 台東区上野公園8-36
開室時間/9:30〜17:30(金、10月31日〜11月2日は〜20:00)
・《印象、日の出》展示期間(9月19日〜10月18日)の金土、並びに9月20日〜22日、10月11日は〜21:00
・入室は閉室30分前まで
休室日/月、10月13日(火)、11月24日(火)
・9月21日、10月12日、11月2日、11月23日は開室
入場料/一般1,600円、学生1,300円、高校生800円、65歳以上1,000円
問い合わせ先/03-5777-8600(ハローダイヤル)
http://www.ntv.co.jp/monet/
サントリー美術館「逆境の絵師 久隅守景 親しきものへのまなざし」2回目
サントリー美術館で開催中の「逆境の絵師 久隅守景」2回目に行ってきました。
江戸時代初期の狩野派の絵師、久隅守景。農民の姿を描いた耕作図で知られています。探幽の弟子で探幽の姪と結婚。早い段階から狩野派内部で重用されました。知恩院や聖衆来迎寺に尚信と描いた襖絵は今でも残っています。
守景は農民風俗を詩情豊かに描き出し、独自の世界を確立します。とくに、穏やかな自然の風景をはじめ、子供や動物など、身近なものに注がれる温かいまなざしは、守景作品の大きな魅力の一つとなっています。生前より画名が高く、作品も少なからず現存している守景ですが、意外なことに、彼の生涯については詳しいことはわかっていません。今回出品は約90点。一部、周辺の絵師の作品も含みます。
展示構成は、「第一章 狩野派からの出発」「第二章 四季耕作図の世界」「第三章 晩年期の佐作品 ―加賀から京都へ」「第四章 守景の機知 ―人物・動物・植物」「第五章 守景の子供たち ―雪信・彦十郎」となっています。
個人的には前半の水墨画作品が秀逸だったと思います。また四季耕作図や鷹狩図屏風は今回詳細な解説が展示されていたので、併せて見るとより楽しめました。
いくつか作品を紹介します。
瀟湘八景図屏風(しょうしょうはっけいずびょうぶ) 久隅守景筆 六曲一双 サントリー美術館
瀟湘八景図 久隅守景筆 一幅 江戸時代 17世紀 兵庫・頴川美術館
近江八景図屏風 滋賀県立近代美術館
農作業を描く耕作図は、中国では為政者の鑑戒画(かんかいが)とされていたもので、15世紀末頃にその画題が日本へ伝わると、多くの流派によって描かれました。狩野派も例外ではなく、探幽やその甥・常信(つねのぶ)などもこの主題を手掛けています。将軍や大名たちは、耕作図に描かれた農作物を生産する人々の姿に領民たちを重ね合わせ、自らの戒めとしました。
元々が中国由来の画題であったため、通常は中国風俗で表現されましたが、守景は中国の風景だけでなく、日本の風景や風俗に取材した耕作図も残しています。また、多くの場合、耕作図は四季の推移にそって表されますが、守景画ではほぼすべての作例で、四季の配置が通常の方向とは逆転しています。古典的な画題に取材しつつも独自の変容を加えることで、守景にしか描けない耕作図を創り上げました。
重要美術品 四季耕作図屏風 旧小坂家本 久隅守景筆 六曲一双
喜鵲図(きじゃくず) 久隅守景筆 一幅 江戸時代 17世紀 大阪市立美術館
舞楽図屏風 久隅守景筆 六曲一双 江戸時代 17世紀 東京・根津美術館 右隻は唐 の太宗の武勲をたたえた曲、秦王破陣楽、左隻「納曾利」と「蘭陵王」の番舞(つがいまい)の関係にある舞曲が描かれています。
守景の娘・清原雪信は、父の師でもある探幽に学んだ狩野派随一の女性絵師です。雪信は、探幽様式を忠実に受け継ぎつつ、女性らしい繊細な筆線と丁寧な彩色を駆使した優美な作風で人気となりました。井原西鶴著『好色一代男』に名前が登場するなど、当時その評判が広く知れ渡っていたようです。
女性画家という枠を超えて、その力量を改めて認識させられました。
花鳥図屏風 清原雪信筆 六曲一双 江戸時代 17世紀 板橋区立美術館
久隅守景というあまり知られていないが実力のある画家を取り上げた好企画でした。
「逆境の絵師 久隅守景」
【会場】
サントリー美術館(ガレリア3F)
【開催日時】
2015年10月10日(土)〜11月29日(日)
10:00〜18:00
※金・土、10月11日(日)、11月2日(月)、11月22日(日)は20:00まで開館
※いずれも入館は閉館の30分前まで
【休館日】
火曜日、11月4日(水)
※11月3日(火・祝)は開館
【入場料】
(当日)一般¥1,300、大学・高校生¥1,000、中学生以下無料
江戸時代初期の狩野派の絵師、久隅守景。農民の姿を描いた耕作図で知られています。探幽の弟子で探幽の姪と結婚。早い段階から狩野派内部で重用されました。知恩院や聖衆来迎寺に尚信と描いた襖絵は今でも残っています。
守景は農民風俗を詩情豊かに描き出し、独自の世界を確立します。とくに、穏やかな自然の風景をはじめ、子供や動物など、身近なものに注がれる温かいまなざしは、守景作品の大きな魅力の一つとなっています。生前より画名が高く、作品も少なからず現存している守景ですが、意外なことに、彼の生涯については詳しいことはわかっていません。今回出品は約90点。一部、周辺の絵師の作品も含みます。
展示構成は、「第一章 狩野派からの出発」「第二章 四季耕作図の世界」「第三章 晩年期の佐作品 ―加賀から京都へ」「第四章 守景の機知 ―人物・動物・植物」「第五章 守景の子供たち ―雪信・彦十郎」となっています。
個人的には前半の水墨画作品が秀逸だったと思います。また四季耕作図や鷹狩図屏風は今回詳細な解説が展示されていたので、併せて見るとより楽しめました。
いくつか作品を紹介します。
瀟湘八景図屏風(しょうしょうはっけいずびょうぶ) 久隅守景筆 六曲一双 サントリー美術館
瀟湘八景図 久隅守景筆 一幅 江戸時代 17世紀 兵庫・頴川美術館
近江八景図屏風 滋賀県立近代美術館
農作業を描く耕作図は、中国では為政者の鑑戒画(かんかいが)とされていたもので、15世紀末頃にその画題が日本へ伝わると、多くの流派によって描かれました。狩野派も例外ではなく、探幽やその甥・常信(つねのぶ)などもこの主題を手掛けています。将軍や大名たちは、耕作図に描かれた農作物を生産する人々の姿に領民たちを重ね合わせ、自らの戒めとしました。
元々が中国由来の画題であったため、通常は中国風俗で表現されましたが、守景は中国の風景だけでなく、日本の風景や風俗に取材した耕作図も残しています。また、多くの場合、耕作図は四季の推移にそって表されますが、守景画ではほぼすべての作例で、四季の配置が通常の方向とは逆転しています。古典的な画題に取材しつつも独自の変容を加えることで、守景にしか描けない耕作図を創り上げました。
重要美術品 四季耕作図屏風 旧小坂家本 久隅守景筆 六曲一双
喜鵲図(きじゃくず) 久隅守景筆 一幅 江戸時代 17世紀 大阪市立美術館
舞楽図屏風 久隅守景筆 六曲一双 江戸時代 17世紀 東京・根津美術館 右隻は唐 の太宗の武勲をたたえた曲、秦王破陣楽、左隻「納曾利」と「蘭陵王」の番舞(つがいまい)の関係にある舞曲が描かれています。
守景の娘・清原雪信は、父の師でもある探幽に学んだ狩野派随一の女性絵師です。雪信は、探幽様式を忠実に受け継ぎつつ、女性らしい繊細な筆線と丁寧な彩色を駆使した優美な作風で人気となりました。井原西鶴著『好色一代男』に名前が登場するなど、当時その評判が広く知れ渡っていたようです。
女性画家という枠を超えて、その力量を改めて認識させられました。
花鳥図屏風 清原雪信筆 六曲一双 江戸時代 17世紀 板橋区立美術館
久隅守景というあまり知られていないが実力のある画家を取り上げた好企画でした。
「逆境の絵師 久隅守景」
【会場】
サントリー美術館(ガレリア3F)
【開催日時】
2015年10月10日(土)〜11月29日(日)
10:00〜18:00
※金・土、10月11日(日)、11月2日(月)、11月22日(日)は20:00まで開館
※いずれも入館は閉館の30分前まで
【休館日】
火曜日、11月4日(水)
※11月3日(火・祝)は開館
【入場料】
(当日)一般¥1,300、大学・高校生¥1,000、中学生以下無料
2015年11月25日
所蔵企画展 琳派の美 光悦・宗達から抱一まで
MOA美術館では「所蔵企画展 琳派の美 光悦・宗達から抱一まで」が開催されています。
美術館HPより〜本阿弥光悦、俵屋宗達を祖とする琳派は、尾形光琳によって大成された後、酒井抱一へと継承され、絵画のみならず陶器、蒔絵、染織など幅広い分野で装飾性豊かな作風を展開しました。本展では、(書)本阿弥光悦・(画)俵屋宗達筆「鹿下絵新古今集和歌巻」、俵屋宗達筆「西行物語絵巻断簡」、酒井抱一筆 重美「雪月花図」など、所蔵の琳派作品を展観し、その魅力に迫ります。
「国宝 紅白梅図屏風」は残念ながら複製展示ですが、光琳をはじめ乾山、宗達、抱一らの琳派の名品がたくさんありました。
個人的には乾山の焼き物が気に入りました。
色絵十二ヶ月歌絵皿 尾形乾山 江戸時代 元禄15年(1702)は、定家の和歌をモチーフにした十二点揃いの作品。十二ヶ月花鳥図の器バージョンです。
江戸時代琳派の繊細、瀟洒な作品が並びます。様式美が主となり、色彩の点でも「たらし込み」よりも色の平塗りによる華やかな効果を重視するようになります。
月に秋草図 酒井抱一
雪月花図 酒井抱一
雪月花は、わが国の季節感を端的に物語る画題。抱一は、三幅を並置したときの各幅相互の画面構成を考慮し、雪松は画面上部に、雲井の月は中央に、桜花は下部に描いて、三幅を通して対角線に構図をまとめています。晩年60歳の作品。
藤蓮楓図 酒井抱一 「倣空中斎之図」とあり、手本とした本阿弥光悦の孫、光甫の作品は、藤田美術館に現存しています。
展示室4では、光悦 、宗達がメイン。
樵夫蒔絵硯箱 伝 本阿弥光悦
鹿下絵新古今集和歌巻 本阿弥光悦 俵屋宗達下絵
花卉松山摺絵漢詩巻 伝 本阿弥光悦 絹本。料紙は紙屋宗二のもの。
伊勢物語 西の対図 伝 俵屋宗達
源氏龍虎図 俵屋宗達 物語 紅葉賀図 伝 俵屋宗達 龍は迫力がありましたが、虎はかわいい。
今回良かったのは、展示室6の彫刻と7以降の近代版画です。佐藤玄々は初めて知りましたが、素晴らしい作品でした。
特に猫 佐藤玄々(清蔵) 昭和19年(1944) 福徳無量 聖大黒天 佐藤玄々(清蔵) 昭和25年(1950) 神狗 佐藤玄々(清蔵)が気に入りました。
近代版画は古き良き日本の郷愁を感じる作品が多く、以前から好きなのですが、 おそらく初めて知った橋口五葉 、吉田 博の作品が気に入りました。特に吉田 博の瀬戸内の紀行連作は良かったです。川瀬巴水が好きな人はきっと気に入ると思います。
お気に入りの作品。
浅草夜見世 小林清親 明治10年(1877 )光線画
湯島の景 小倉柳村 明治13年(1880)
新吉原夜桜景 井上安治 明治13年(1880)
神戸の宵月 橋口五葉大正9年(1920)1月
鴨 橋口五葉 大正9年(1920)8月
風 静 吉田 博 昭和12年(1937)
二月堂 吉田 博 大正15年(1926)
文之助茶屋 吉田 博 昭和8年(1933)
ここで帰ってはいけません!お庭も見どころがたくさんあります。
樵亭
備前池田藩の筆頭家老、伊木忠澄(1818〜1886)は、晩年三猿斎と号し、茶の湯三昧の余生を送りました。本茶室は岡山の荒手屋敷に設けられた20余の茶室から「大爐の間」と呼ばれた茶席を移築したものです。「樵亭」の名称は、この茶室の襖絵に伝 本阿弥光悦作「樵夫蒔絵硯箱」(重文、MOA美術館所蔵)に見られる粗朶を背負い山路を下る樵夫の図様と酷似した図が描かれているのにちなんで名付けられました。
唐門 もと神奈川県大磯町の三井家別邸城山荘内にありました
片桐門 賤ケ嶽七本槍の一人片桐且元は、天正18年(1590)奈良、薬師寺の普請奉行をつとめました。この大門はその折の宿舎の正門です。
光琳屋敷 「光琳屋敷」は、尾形光琳が自ら書いた図面と、大工の仕様帖、茶室起し図(いずれも重要文化財)などに基づき、数寄屋建築研究の権威、堀口捨己博士の監修によって復元されたものです。
紅葉も美しかったです。行事などで庭に出れないときもありますので、ご注意くださいね。
「琳派の美 光悦・宗達から抱一まで 」
開催日
2015年11月20日〜2015年12月24日
会場 MOA美術館
住所 静岡県熱海市桃山町26‐2
アクセス JR熱海駅下車/バス8番のりばMOA美術館行8分、タクシー5分
入場料 一般: 1,600円 高校生・大学生 :800円シニア(満65歳以上)1,200円 中学生以下: 無料
※ シニアは満65歳以上
営業時間
9時30分〜16時30分まで(入館は閉館30分前まで)
休館日 毎週木曜日
イベントURLhttp://www.moaart.or.jp/
美術館HPより〜本阿弥光悦、俵屋宗達を祖とする琳派は、尾形光琳によって大成された後、酒井抱一へと継承され、絵画のみならず陶器、蒔絵、染織など幅広い分野で装飾性豊かな作風を展開しました。本展では、(書)本阿弥光悦・(画)俵屋宗達筆「鹿下絵新古今集和歌巻」、俵屋宗達筆「西行物語絵巻断簡」、酒井抱一筆 重美「雪月花図」など、所蔵の琳派作品を展観し、その魅力に迫ります。
「国宝 紅白梅図屏風」は残念ながら複製展示ですが、光琳をはじめ乾山、宗達、抱一らの琳派の名品がたくさんありました。
個人的には乾山の焼き物が気に入りました。
色絵十二ヶ月歌絵皿 尾形乾山 江戸時代 元禄15年(1702)は、定家の和歌をモチーフにした十二点揃いの作品。十二ヶ月花鳥図の器バージョンです。
江戸時代琳派の繊細、瀟洒な作品が並びます。様式美が主となり、色彩の点でも「たらし込み」よりも色の平塗りによる華やかな効果を重視するようになります。
月に秋草図 酒井抱一
雪月花図 酒井抱一
雪月花は、わが国の季節感を端的に物語る画題。抱一は、三幅を並置したときの各幅相互の画面構成を考慮し、雪松は画面上部に、雲井の月は中央に、桜花は下部に描いて、三幅を通して対角線に構図をまとめています。晩年60歳の作品。
藤蓮楓図 酒井抱一 「倣空中斎之図」とあり、手本とした本阿弥光悦の孫、光甫の作品は、藤田美術館に現存しています。
展示室4では、光悦 、宗達がメイン。
樵夫蒔絵硯箱 伝 本阿弥光悦
鹿下絵新古今集和歌巻 本阿弥光悦 俵屋宗達下絵
花卉松山摺絵漢詩巻 伝 本阿弥光悦 絹本。料紙は紙屋宗二のもの。
伊勢物語 西の対図 伝 俵屋宗達
源氏龍虎図 俵屋宗達 物語 紅葉賀図 伝 俵屋宗達 龍は迫力がありましたが、虎はかわいい。
今回良かったのは、展示室6の彫刻と7以降の近代版画です。佐藤玄々は初めて知りましたが、素晴らしい作品でした。
特に猫 佐藤玄々(清蔵) 昭和19年(1944) 福徳無量 聖大黒天 佐藤玄々(清蔵) 昭和25年(1950) 神狗 佐藤玄々(清蔵)が気に入りました。
近代版画は古き良き日本の郷愁を感じる作品が多く、以前から好きなのですが、 おそらく初めて知った橋口五葉 、吉田 博の作品が気に入りました。特に吉田 博の瀬戸内の紀行連作は良かったです。川瀬巴水が好きな人はきっと気に入ると思います。
お気に入りの作品。
浅草夜見世 小林清親 明治10年(1877 )光線画
湯島の景 小倉柳村 明治13年(1880)
新吉原夜桜景 井上安治 明治13年(1880)
神戸の宵月 橋口五葉大正9年(1920)1月
鴨 橋口五葉 大正9年(1920)8月
風 静 吉田 博 昭和12年(1937)
二月堂 吉田 博 大正15年(1926)
文之助茶屋 吉田 博 昭和8年(1933)
ここで帰ってはいけません!お庭も見どころがたくさんあります。
樵亭
備前池田藩の筆頭家老、伊木忠澄(1818〜1886)は、晩年三猿斎と号し、茶の湯三昧の余生を送りました。本茶室は岡山の荒手屋敷に設けられた20余の茶室から「大爐の間」と呼ばれた茶席を移築したものです。「樵亭」の名称は、この茶室の襖絵に伝 本阿弥光悦作「樵夫蒔絵硯箱」(重文、MOA美術館所蔵)に見られる粗朶を背負い山路を下る樵夫の図様と酷似した図が描かれているのにちなんで名付けられました。
唐門 もと神奈川県大磯町の三井家別邸城山荘内にありました
片桐門 賤ケ嶽七本槍の一人片桐且元は、天正18年(1590)奈良、薬師寺の普請奉行をつとめました。この大門はその折の宿舎の正門です。
光琳屋敷 「光琳屋敷」は、尾形光琳が自ら書いた図面と、大工の仕様帖、茶室起し図(いずれも重要文化財)などに基づき、数寄屋建築研究の権威、堀口捨己博士の監修によって復元されたものです。
紅葉も美しかったです。行事などで庭に出れないときもありますので、ご注意くださいね。
「琳派の美 光悦・宗達から抱一まで 」
開催日
2015年11月20日〜2015年12月24日
会場 MOA美術館
住所 静岡県熱海市桃山町26‐2
アクセス JR熱海駅下車/バス8番のりばMOA美術館行8分、タクシー5分
入場料 一般: 1,600円 高校生・大学生 :800円シニア(満65歳以上)1,200円 中学生以下: 無料
※ シニアは満65歳以上
営業時間
9時30分〜16時30分まで(入館は閉館30分前まで)
休館日 毎週木曜日
イベントURLhttp://www.moaart.or.jp/
2015年11月19日
東京国立博物館 本館
定期的に通っている東京国立博物館、今回のお気に入りをまとめてみました。
宮廷の美術―平安〜室町
今回は「『源氏物語』の美術」を特集し、室町時代に描かれた扇面の源氏絵と源氏物語の筆跡、物語を書写した古筆をご紹介されていました。
源氏物語図扇面(紅葉賀) 1面 室町時代・16世紀
源氏物語図扇面(少女) 1面 室町時代・16世紀
禅と水墨画―鎌倉〜室町
大好きなコーナーです。
重文 山水図 2幅 伝狩野元信筆 旧大仙院方丈障壁画 室町時代・16世紀
重文 山水図 2幅 伝狩野元信筆 旧大仙院方丈障壁画 室町時代・16世紀
重文 太公望・文王図 4幅 伝狩野元信筆 旧大仙院方丈障壁画
書画の展開―安土桃山〜江戸今回、絵画は、渡辺崋山や椿椿山が描く迫真的な肖像画の名品を中心に、西洋画法を学んだ崋山、岸派、文人画家らの作品が展示されていました。
芙蓉泛鴨図 1幅 渡辺崋山筆
馬図 1幅 岸駒筆、皆川淇園賛 江戸時代・寛政8年(1796) (中国絵画そのもの。うまいですね〜)
猪図 1幅 岸連山筆
郭子儀図 1幅 岸駒筆 江戸時代・寛政5年(1793)
熊野勝景図巻 1巻 祇園南海筆
浮世絵
東都名所・海案寺紅葉ノ図 1枚 歌川広重筆 江戸時代・19世紀
京都名所之内・通天橋紅楓 1枚 歌川広重筆 江戸時代・19世紀
宮廷の美術―平安〜室町
今回は「『源氏物語』の美術」を特集し、室町時代に描かれた扇面の源氏絵と源氏物語の筆跡、物語を書写した古筆をご紹介されていました。
源氏物語図扇面(紅葉賀) 1面 室町時代・16世紀
源氏物語図扇面(少女) 1面 室町時代・16世紀
禅と水墨画―鎌倉〜室町
大好きなコーナーです。
重文 山水図 2幅 伝狩野元信筆 旧大仙院方丈障壁画 室町時代・16世紀
重文 山水図 2幅 伝狩野元信筆 旧大仙院方丈障壁画 室町時代・16世紀
重文 太公望・文王図 4幅 伝狩野元信筆 旧大仙院方丈障壁画
書画の展開―安土桃山〜江戸今回、絵画は、渡辺崋山や椿椿山が描く迫真的な肖像画の名品を中心に、西洋画法を学んだ崋山、岸派、文人画家らの作品が展示されていました。
芙蓉泛鴨図 1幅 渡辺崋山筆
馬図 1幅 岸駒筆、皆川淇園賛 江戸時代・寛政8年(1796) (中国絵画そのもの。うまいですね〜)
猪図 1幅 岸連山筆
郭子儀図 1幅 岸駒筆 江戸時代・寛政5年(1793)
熊野勝景図巻 1巻 祇園南海筆
浮世絵
京都名所之内・通天橋紅楓 1枚 歌川広重筆 江戸時代・19世紀
東京国立博物館 東洋館
東京国立博物館では「中国書画精華―日本における受容と発展― 」が開催中です。
東博HPより〜わが国に古くから舶載された中国の書画は、日本美術にも大きな影響を与えてきました。特に、宋元時代の書画は、鎌倉時代以降の禅宗とともに数多く伝えられ、書院や茶室において、日本の趣味にもとづく新たな鑑賞法のもとに親しまれてきました。東山御物に代表される中国の書画の名品の中には、中国では伝わることがなく、今日、日本においてのみ伝世しているものも少なくありません。また、明治以降、新たに中国本来の文人趣味を理想とする優れた収集家によって、中国伝世の歴代書画の精品が、少なからず日本に伝えられました。それらは、中国の書画の神髄を示すものといえます。今回は中国の名品がいつごろ日本に伝えられ、どのような影響を与えてきたか、日本における受容と発展に視座を置きながら、名品の数々を紹介します。〜
猿図 1幅 伝毛松筆 中国 南宋時代・13世紀
栗鼠図 1幅 松田筆 中国 元時代・14世紀 徳川家旧蔵
漁夫図 1幅 張路筆 中国 明時代・16世紀
雪景山水図(模本) 1幅 狩野養信模写、原本=伝梁楷筆 原本=東京国立博物館蔵 江戸時代・19世紀、原本=南宋時代〜元時代・13〜14世紀
国宝 出山釈迦図 1幅 梁楷筆 中国 南宋時代・13世紀
国宝 雪景山水図 1幅 梁楷筆 中国 南宋時代・13世紀
東山御物の中でも第1級の名品。このような絵画が常設展示で見られるとは驚きです。
蒔蘭植竹図 1面 虚谷筆 中国 清時代・19世紀
撫宋元明諸家山水図冊 1帖 銭杜筆 中国 清時代・道光2年
花鳥図冊 1帖 朱偁筆 中国 清時代・19世紀
楷書玄妙観重脩三門記巻 1巻 趙孟頫筆 中国 元時代・14世紀
院額字「釈迦宝殿」 1幅 無準師範筆 中国 京都・東福寺伝来 南宋時代・13世紀
朝鮮時代の美術 東洋館 10室
郭子儀図屏風 10曲1隻 伝金得臣筆 朝鮮 朝鮮時代・19〜20世紀
象牙彫卣 1合 中国 清時代・18世紀 お酒を注ぐのに使うのかな?かわいいので撮影♪
中国絵画ファンの皆様、お見逃しなく。
東博HPより〜わが国に古くから舶載された中国の書画は、日本美術にも大きな影響を与えてきました。特に、宋元時代の書画は、鎌倉時代以降の禅宗とともに数多く伝えられ、書院や茶室において、日本の趣味にもとづく新たな鑑賞法のもとに親しまれてきました。東山御物に代表される中国の書画の名品の中には、中国では伝わることがなく、今日、日本においてのみ伝世しているものも少なくありません。また、明治以降、新たに中国本来の文人趣味を理想とする優れた収集家によって、中国伝世の歴代書画の精品が、少なからず日本に伝えられました。それらは、中国の書画の神髄を示すものといえます。今回は中国の名品がいつごろ日本に伝えられ、どのような影響を与えてきたか、日本における受容と発展に視座を置きながら、名品の数々を紹介します。〜
猿図 1幅 伝毛松筆 中国 南宋時代・13世紀
栗鼠図 1幅 松田筆 中国 元時代・14世紀 徳川家旧蔵
漁夫図 1幅 張路筆 中国 明時代・16世紀
雪景山水図(模本) 1幅 狩野養信模写、原本=伝梁楷筆 原本=東京国立博物館蔵 江戸時代・19世紀、原本=南宋時代〜元時代・13〜14世紀
国宝 出山釈迦図 1幅 梁楷筆 中国 南宋時代・13世紀
国宝 雪景山水図 1幅 梁楷筆 中国 南宋時代・13世紀
東山御物の中でも第1級の名品。このような絵画が常設展示で見られるとは驚きです。
蒔蘭植竹図 1面 虚谷筆 中国 清時代・19世紀
撫宋元明諸家山水図冊 1帖 銭杜筆 中国 清時代・道光2年
花鳥図冊 1帖 朱偁筆 中国 清時代・19世紀
楷書玄妙観重脩三門記巻 1巻 趙孟頫筆 中国 元時代・14世紀
院額字「釈迦宝殿」 1幅 無準師範筆 中国 京都・東福寺伝来 南宋時代・13世紀
朝鮮時代の美術 東洋館 10室
郭子儀図屏風 10曲1隻 伝金得臣筆 朝鮮 朝鮮時代・19〜20世紀
象牙彫卣 1合 中国 清時代・18世紀 お酒を注ぐのに使うのかな?かわいいので撮影♪
中国絵画ファンの皆様、お見逃しなく。