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2016年08月02日

Excel で鮫の歯のようなグラフを描きます

≫ [Amazon数学書籍] モーデル‐ファルティングスの定理

Excel で鮫の歯のようなグラフを描きます

  何となく Excel をいじっていたらこんな面白いグラフを発見しました。

 @x=θ.gif

 鋭い歯のような形 が並んでいますね。
 この方程式をベースに色々と試してみると次から次へと変なグラフが出現しました。
 
 Ax=θsinθ.gif

 分子に sinθ と cos θ を掛けています。
 歪んだ菱形が連なったような形ですね。
 
 Bx=0.1θsinθ.gif

 y の分母から θ を取り去って、横スケールを調整するために x を 1/10 に縮めています。
 
 Cx=θsin2θ.gif

 開いた貝殻のような形? 上手く表現できませんね。
 
 Dx=θsin3θ.gif

 とても複雑な軌跡ですが、対称性は保たれていて美しいですね。
 sin の中の θ を少し変えるだけでグラフの形はどんどん変わります。
 皆さんもあれこれと試してみてください。
 ⇒理系英単語 15  

2016年02月29日

方形らせん(方形が拡大されていきます)

 少し前にアルキメデスの螺旋(らせん)を扱いましたね:

r = θ

というもっとも基本的な螺旋です。(x, y) は

x = θ cosθ, y = θ sinθ

と表せました。

方形らせん(方形が拡大されていきます)


 今回はアルキメデス螺旋を少し変形して

x = θ cos2θ, y = θ sin2θ   [1]

という関数を考えてみます。さっそくグラフを確認してみましょう:

 01アルキメデス螺旋^2.gif

奇妙なグラフが現れましたね。このグラフを見ると [1] から媒介変数 θ を消去することはできそうにありません(x と y だけでこのような複雑なグラフを表現することは不可能だと思います)。しかし [1] から x と y は

x + y = θ

という関係にあることだけはわかります。
つまり θ を 0 から動かし始めた場合、

x + y = 0
x + y = 0.1
x + y = 0.2
x + y = 0.3
・・・・・・
x + y = 1.0
x + y = 1.2
・・・・・・

というように、(x, y) は少しずつ切片の変化する直線上を動き続けるわけです。結果として x 軸と y 軸で折り返す波のようなグラフができあがりますが、実はこの曲線は螺旋を第1象限の中に閉じ込めた形なのです。これを普通の螺旋に表示し直すには前回定義した、

x = cosθ |cosθ| p - 1
y = sinθ |sinθ| p - 1

という形を基礎にした方程式が必要となります。
今回は p = 2 として x, y にそれぞれ θ をかけた方程式:

x = θ cosθ |cosθ|
y = θ sinθ |sinθ|
によって実数全域に拡大できます:

 02方形螺旋.gif

 方形を拡大していくような螺旋が現れましたね!
 「方形螺旋」と名づけておきましょう。

 アステロイドに対しても同じような変形を加えてみます。
 アステロイドの方程式は

x = cos3θ, y = sin3θ

ですね。三角関数の指数が奇数の場合は絶対値記号を使わなくても、そのまま螺旋形へ拡大できます:

x = θ cos3θ, y = θ sin3θ

としてグラフを描いてみますと……

 03アステロイド螺旋.gif

 はい。アステロイド螺旋のできあがり!
 それにしても数学のグラフって、少し手を加えるだけで無数のバリエーションが生じるので本当に面白いですよね。それではまた次回お会いしましょう!
 ⇒ なんとなくの数学日記(私の好きな漫画ベスト3)  

2016年02月23日

円と四角形の狭間にある図形

円と四角形の狭間にある図形


 皆さんもよくご存知のように、

x = cosθ, y = sinθ

は媒介変数θで表された円の方程式ですね。では

x = cos 2 θ, y = sin 2 θ

はどんな図形を表す方程式でしょうか?
「こんな方程式見たことない!」
と驚く人もいるかもしれませんが、落ち着いてください。

x + y = cos 2 θ + sin 2 θ = 1

ですから、ただの直線です(正確にいうと x, y ≧0 定義される半直線)。
 わざわざ媒介変数表示する人なんていません。
 しかしたとえば、指数が 1 と 2 の中間点にあるような場合:

x = cos 1.5 θ, y = sin 1.5 θ

 これはどういう図形を表しますか?
 数学に強い人なら即座に「定義できない!」と答えるでしょう。
 そうですね。三角関数は負の値をとる場合がありますから、

x = (-1) 1.5

というような計算を実数の範囲で定義することはできません。
 もちろん複素関数を用いれば定義できますが、このブログではなるべく高校生にも理解できるように話を展開したいので、今の段階ではまだ複素関数を扱いません(こばとちゃんの基礎講座の進み具合を見ながら考えます)。

さて、全ての実数 p に対して

x = cos p θ, y = sin p θ

というような方程式を定義したい場合はどうしたらいいのでしょう?
もちろん単純に sinθ や cosθ の絶対値をとるというわけにはいきません。
そんなことをすると (x, y) は第1象限に限定されてしまい、円を描くことさえできません。あくまで円を含むような形で、きちんと閉曲線になるように定義し直したいのです。そこで各象限ごとの三角関数 sinθ, cosθ の符号を改めて下図で確認してみましょう:

 三角関数符号遷移図.gif

 このような符号の移り変わりを保ったままで、新しい方程式の定義を考えたいのです。そこで三角関数をそれ自身の大きさで割ってみることにします:

a(θ) = cosθ/|cosθ|, b(θ) = sinθ/|sinθ|

 a(θ) も b(θ) も確かに θ の関数ではありますが、1 か -1 の値しかとりません。象限が変わる毎に 1 と -1 の間を遷移するだけです。象限毎の符号は元の三角関数と同じです。そこでこの関数を用いて、

x = a(θ) |cosθ| p = cosθ |cosθ| p - 1
y = b(θ) |sinθ| p = sinθ |sinθ| p - 1

という関数を作れば本質的な意味で

x = cos p θ, y = sin p θ

を定義したと考えることができます。
ここで p ≧ 1 と決めておくと、この方程式は途切れなく続く閉曲線になります。

 それでは p = 1.0 〜 2.0 まで変化させながら、
 新しい方程式の描く図形を見ていきましょう:

 01新曲線p=1-2.gif
 真円から少しずつ変化して正方形に変化していく様子が見てとれますね。
 p = 1.4 や p = 1.6 は正方形と円の中間にあるような形容しがたい図形です。

 さらにパラメータを動かして図形の変化を追います:

 02新曲線p=2-3.gif

 今度は正方形の各辺が少しずつたわんで最終的にはアステロイド(p = 3.0)に変化しました! つまり、この方程式は円、正方形、アステロイドを全て含むことになります。

 さらに p を増やしていくとアステロイドはどんどん潰れていきます。
 たとえば p = 10 の図形を描くと・・・・・・

 03新曲線p=10.gif

 閉曲線内の面積はもはや見えないほど小さくなっていますね。
 p → ∞ の極限で2本の線分が交差するような図形になりますが、それでも「閉曲線である」という事実には変わらないのです。
 ⇒ なんとなくの数学日記  

2016年02月19日

トラクトリックス(追跡線/牽引線)

 今回は tractrix (追跡線) を扱います。

トラクトリックス(追跡線/牽引線)


 牽引線とか犬曲線と呼ばれたりもします。
 「え? 犬曲線?」と驚かれるかもしれませんが、下図を見てご理解ください。

 トラクトリックス犬.png

 ポチ(P)は飼い主さんに伸び縮みしない紐でつながれています。
 で、図にあるように飼い主さんは水平移動していくのです。
 ポチは嬉しそうに尻尾を振って飼い主さんの後を追うわけですが、そのときポチの動く軌跡がトラクトリックスです。でも「犬曲線」なんてあんまりですよね。なので、もっと飼い主さんの愛情が伝わりそうな名前をつけておきました。名づけて……

わんこのお散歩曲線

です! どうですか? ダメ? それなら……

ポチと楽しくお散歩曲線

これもダメですか? まあ皆さんのお好きな名前で呼んでくださいな。

トラクトリックスは次のような微分方程式の解になっています:

(a 2 - y 2) y′2 = y 2

 思わず「う!」と唸りたくなるような強面の式ですが、見かけ通りけっこう手強い方程式です。微分方程式の扱いに自信のある方は解いてみてください。「どうしても解き方を知りたい!」というコメントがあれば解法を載せますが、できればそのコメントは勘弁してほしいです(たくさんの数式をブログに載せるのは本当に手間がかかるのです)。ネットか大学の図書館で探せばたぶん見つかります。

 解は対数を含んだ陰関数(implicit function)で表されます:

トラクトリックスの解

 定数が煩わしいので a = 1 としておきましょう:

トラクトリックスの解定数a=1

 媒介変数 t を用いると、

x = t - tanh(t), y = sech(t)   [2]

のように簡単な形に書けますが、今回は [1] のままで話を進めます。

 01追跡線.gif

 x = 0 で尖がった形のグラフです。
 この尖がりは √… の項に原因があります。
 それを確かめるために、この項を取っ払ってみましょう:

 02追跡線変形@.gif

 尖がりがなくなって滑らかに連結していますね。
 では再び項を元に戻して、log(…) の項に cos(y) をかけてみます:

 03追跡線変形A.gif

 原点付近でぐるりと1周する関数です。
 cos(y) の代わりに exp(y) をかけると・・・・・・

 04追跡線変形B.gif

 丸みを帯びた帽子のような形になりました。
 最後に欲張って cos(y) と exp(y) の両方をかけてみると・・・・・・

 05追跡線変形C.gif

 三角帽子の出来上がり。今回はこれでおしまい。
 ⇒ なんとなくの数学日記(生もみじ饅頭をいただきました)  

2016年02月17日

Excel でレムニスケート(連珠形)を描きます

 今回はヤコブ・ベルヌーイのレムニスケートです。
 漢字で書くと連珠形。英語で書くと lemniscate.
 好きな名前で憶えてください。

レムニスケート(連珠形)


 直交座標形式は x と y の4次式です:

(x 2 + y 2) 2 = 2a 2(x 2+y 2)

 極方程式で表すと:

r 2 = 2a 2cos2θ

 2a 2 の項を消すために a = 1/√2 と決めておきましょう。
 このとき (x, y) を媒介変数で表示すると:

レムニスケート

となります。それではグラフを描いてみます。

 01連珠形.gif

 見事な曲線です。名前のとおり珠が2つ連なっていますね。
 英語名の lemniscate はラテン語の lemniscus(リボン)に由来します。
 リボンの結び目(今の場合は原点)のことを結節点と呼びます。

 正直言うとこれ以上美しいグラフは望むべくもないのですが、このまま終わると記事が短すぎるので、いつものように色々と変形してみます:

 02連珠形変形@.gif
 形は色々と変わりますが、同じ図形が左右対称に連なっている点では共通しています。
 この中では3枚目のグラフが一番気に入っています。y の分子にある cosθ の指数をさらに大きくすると2つの珠はどんどん離れていきます。気になる人は試してみてください。

 もう少し見てみましょう。 x に θ をかけるだけで驚くようなグラフが出現します:

 03連珠形変形A.gif
 3次元画像を眺めるつもりで、グラフを見つめてみてください。
 少しずつ角度を変えた円がたくさん連なっているように見えませんか?
 全ての円は結節点で接しています。これは連珠ならぬ連環ですね。

 y にも θ をかけてみましょう:

 04連珠形変形B.gif

 左右に円が連なっていますね。よくみると非対称です。
 最後にもう1つ。x の分子にある cosθ の絶対値の平方根をとります:

 05連珠形変形C.gif

 x は必ず正の値をとるのでグラフは右側だけに存在します。
 水滴のような形をした閉曲線ですね。
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