2016年10月05日

パウリ行列で因数分解(2つの行列の積で表します)

 近頃、物理学の世界では量子テレポーテーションが話題になっていますね。
 というわけで、量子力学で用いられるパウリ行列を題材に選んでみました。

 複素数の範囲で考えると 2 つの平方数の和を

a2 + b2 = (a + bi) (a − bi)

というように簡単に因数分解することができますね。しかし 3 つの平方数の和

a2 + b2 + c2

については、たとえ複素数を使っても積の形に分解することはできません。そこで ......

問題45 パウリ行列で因数分解 [大学2★★☆☆☆]

 次のようなパウリ行列を定義します。


 定義から明らかなように

σx2 = σy2 = σz2 = E

が成り立っています。 ただし E は単位行列です。3 つの平方数の和

(a2 + b2 + c2) E

を 2 つの行列の積で表してください。

[ヒント] ある形の行列の 2 乗となります。
 

解答45(パウリ行列の性質を用います)

 問題文で与えられたパウリ行列の性質がヒントになっています。
 P = (a2 + b2 + c2) E とおくと、

 P = a2 σx2 + b2 σy2 + c2 σz2
   = (a σx + b σy + c σz)2
   − a b (σxσy + σyσx) − b c (σyσz + σzσy) − a c (σxσz + σzσx)

 ここで、パウリ行列を計算すると

 σxσy + σyσx = σyσz + σzσy = σxσz + σzσx = O

となることがわかるので(O は零行列)、

 P = a2 σx2 + b2 σy2 + c2 σz2 = (a σx + b σy + c σz)2

と分解できることがわかりました。実際の成分で表すと、

パウリ行列による3平方数の因数分解

となります。
 
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