2016年08月25日
他者をマウンティングしたい心理的欲望は、当事者たちの似たような傾向性(同属嫌悪)から生ずる! 鹿島茂 『ドーダの人、小林秀雄』!\(^0^)/
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「ドーダ」とは「自己愛に源を発するすべての表現行為」である。
作家はそれぞれ「ドーダ」を表現欲として書き続けてきた。
コレは、フランス文学者・鹿島茂氏の「ドーダ理論」です。
「ドーダ」とは、日本語の「どうだ!」をそのまま片仮名にしたもので、それを自慢したい心理・衝動の事ですね。
で、ちなみに、この「ドーダ」には、陽ドーダと陰ドーダと云うのがあり、コレも鹿島茂先生の愛読者なら、彼の著作の中でチラホラ目にしている筈です(^^)
私はこれから、上記のバナーで、鹿島先生のこの本を購入しようと思っているので、わざわざ紹介したのですが、
最近、テレビの「なんでも鑑定団」をかけていたら、漫画家・コラムニストの犬山紙子さんの紹介があって、何となく気になったので、ネットで調べてみたら、実は彼女、こんな気になる記事を書いていました。
「『熱海いいな〜うちは今年ハワイに行ったよ〜』なんてマウンティングを受けたりしてね」
コレは、高級セレブの女友達が多い彼女がフェイスブックなどのSNSで実際に受けたマウンティングのようです(^^)
此処で云う「マウンティング」って、他者に対抗意識を持った「ドーダ」、明らかに他者を食おうとしている「ドーダ」の事ですよね。
漫画家でコラムニストの犬山紙子さんは、こうしたドーダ欲求を抱えた女性たちを「マウンティング女子」と命名して、その専門家を自認しているんだとか。
確かにネットやSNSが普及した昨今では、パソコンやスマホの画面さえ見ていれば、「マウンティング」という行為はごく日常的に起こっています。
私自身、SNSが普及する以前から、マウンティングを受けた事はありますし、私自身、他者に対して、マウンティングをした事があります。
但、この「マウンティング」と云う行為も、当事者たちの関心事とは埒外にある行為や自慢は、全く、意味を為さないのです。
それがマウンティングか否かを決定する要因も、あくまで、当事者たちと対象との関係性だったり、そのコミュニティ内での意味付け(関わり合い)だったりするのです。
例えば、上の画像記事で犬山紙子さんが挙げている「熱海いいなぁ、うちは今年ハワイに行ったよ」という、どこのSNSでも散見されるマウンティングは、
熱海=南国 → ハワイ=それよりも南国 → 熱海<ハワイ
という図式が成り立つから、マウンティングになるのであり、それはどちらも南国と云う同じ傾向性の自慢話だからですね。
コレが北国の北海道・アイヌ(蝦夷)、アラスカ、ロシアだったら、ハワイを自慢しようが、熱海に行こうが、SNSの利用者たちには全く関係なかった筈です。
SNSで散見されるマウンティング行為ですら、それは当事者たちが同じ欲求、同じ傾向性の下で生活・行動しているからこそ、それはマウンティングとしての意味を為すのです。
つまり、他者をマウンティングしたい心理的欲望は、当事者たちの似たような傾向性(同属嫌悪)から生じるのです!
この事は今後、SNSを利用する上で最も注意しなければいけない事です。