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2022年05月01日

とある街の合奏団が、コロナにより1年半の時を経てビルの屋上で演奏した曲は、あの有名ファミコンゲームの序曲だった! 宇宙人ジョーンズ「オーケストラ」篇

とある惑星からやってきた宇宙人ジョーンズが、大物ハリウッド俳優トミー・リー・ジョーンズそっくりの地球人になりすまし、さまざまな職業を転々としながら、未知なる惑星・地球を調査する「宇宙人ジョーンズの地球調査シリーズ」。

サントリーさんの捉え方では、今回の記事の対象となったCM「オーケストラ」篇で第80弾となるそうです。

ジョーンズが今回、調査対象として選んだ場所は、とある街の合奏団です。

団長役の役所広司さんが指揮者を務めるその合奏団で、シンバルを担当するジョーンズは、コロナ禍のため公民館での演奏会が中止となり、個人練習を余儀なくされたチェロ奏者の杉咲花さん、チューバ奏者の神木隆之介さんら団員たちと、1年半の時を経て再会し、久しぶりに全体練習を行います。

開放的なビルの屋上で、喜びに満ちた団員たちが心を込めて演奏する曲は、有名なファミコンゲームの序曲。

みんなを指揮しながら、思わず感極まる役所さんを中心に、一人ひとりの音色やキャラクター、多彩な楽器が重ね合わさって、ひとつの曲が生まれる様子を目の当たりにしたジョーンズとともに、働く人の相棒「BOSS」ブランドからすべての働く人たちにエールを送るという内容となっていました。

ところで、サントリーさんの公式YouTubeチャンネルによる「オーケストラ」篇の公開については、昨年の12月上旬にオンエアされていたことや、すでに続篇のCMがスタートしていることから終了していました。

けれど、他のユーザーさんがアップしてくださっていましたので、削除されるまでは以下にご紹介いたします。

宇宙人ジョーンズ「オーケストラ」篇 60秒


では、いつものように「オーケストラ」篇のCMを私なりに振り返ってみることにしましょう。


【宇宙人ジョーンズ「オーケストラ」篇 60秒バージョン】


とある公民館のホールにて。

「この惑星では、最近人々が集まりにくい」

という宇宙人ジョーンズ(以下、ジョーンズ)が調査報告をする中、掲示板から演奏会のポスターをはがし、

「中止かぁ…」

と嘆いていた合奏団の団長(役所広司)。

ポスターには、「ファリーネ合奏団定期演奏会」の文字があった。

団長が肩を落として出ていく部屋には誰もおらず、いくつもの譜面台とイスだけが並べられていた。

その一方では、

Kamiki(神木隆ノ介)「いつ練習再開できるんですか?」

Hana(杉咲花)「誰にもわからないですよ」

と、Zoomの会議システムを使って画面を分割して表示されていたメンバーのうち、KamikiとHanaの2人が画面上で揉めていたが、

「いまは個人練習がんばるしかないだろ」

と、画面越しに励ます団長だった。

そこで、いつか練習が再開する日に向けて、チューバ担当のKamikiはカラオケボックスを利用。

河原のガード下では、1人の女性(戸田恵子)が譜面台を置いてバイオリンの練習をすることに。

パスドラム担当のある男性団員(前田吟)は、干していた布団を楽器の代わりにして、

「イチニイサンシ…ニニサンシ…」

とカウントしながら布団叩きを使って練習。

シンバル担当のジョーンズに至っては、シンバルの代わりなのか、両手でダンベルを持ち、

「ハッ! ハッ!」

と言いながらダンベルを頭上に上げて練習をしていた。

団長も、自宅の台所で、タクトの代わりに菜箸を使っての練習を行なっていた。

このように、団長を始め、担当する楽器の個人練習に励んでいた団員たち。

しかし、自宅でチェロを練習中のHanaは、楽団仲間との電話で、

「一人でやっても楽しくないんだよね」

と寂しそうに話していたのだった。


−1年半後−


ある日、団長から届いた「練習再開!!!」のタイトルのメールを見て、

「練習やるの!?」

と、自分の部屋でパソコンを見ながら笑みをこぼしたKamiki。

練習の本番当日、新型コロナウイルスの感染拡大防止のためなのか、室内ではなく、とあるビル屋上の練習会場に続々とやって来た団員たち。

「やっと集まれたね」

「ご無沙汰しています」

と、久々の再会を喜び合っていた。

そして、団員が各々の楽器を手にすると、指揮台の団長が、

「では、いくぞ!」

とタクトを振り上げると、演奏がスタート。

曲は、ファミコンゲームで有名なドラゴンクエストシリーズの「序曲」だった。

「序曲」が奏でる美しいメロディーが青空に響き渡るその音は、ビルの地上からも聞こえていたらしく、タクシーの運転手はタクシーを止めて。

歩いていたOLも、しばし足を止め聞き入っていたようだった。

楽しそうに弾くオーケストラを指揮しながら、

"やっぱり音が合わさるっていいなぁ"

と感極まる団長。

そんな彼の姿を見て涙を浮かべるHanaのカットに続き、頭上でシンバルを叩いたジョーンズが、

「ただ、この惑星のシンバルは、派手にやらないと目立たない」

と調査報告をすることに。

最後は、練習を終えた後、夕焼けの屋上で「BOSS」でひと息つくジョーンズに、「力入りすぎてたぞ」と声を掛けた役所さんが、「クラフトボス」を飲むカットでENDとなっていた。

Na:BOSS


◆「オーケストラ」篇のCMの撮影エピソードと私の一言コメント

ではここからは、「オーケストラ」篇のCMの撮影エピソードをご紹介しつつ、私の一言コメントを交えながら書いてみたいと思います。

半年ぶりの再会で会話が弾む役所さん&杉咲さん&神木さん
宇宙人ジョーンズ「会議室」篇の撮影以来、およそ半年ぶりに顔を合わせた役所さんと杉咲さんと神木さん。
演奏シーンの本番前、共演歴が多く、普段から愛称で呼び合う杉咲さんと神木さんがあいさつを交わしていると、そこへ役所さんも加わり、それぞれがオーケストラで担う役どころの話になりました。
「チューバは初めて」「私も弾いたことないです」「俺も」と、お互いに初めての経験であることを伝え合うと、ひと足先に指揮のリハーサルを終えていた役所さんが、「指揮者は難しい。演奏している人を見ていると途中でわからなくなるから、さっきもずーっと目をつぶってました(笑)」とコメント。
すると、杉咲さんと神木さんからもリラックスした笑みがこぼれ、現場は和気あいあいとした空気に包まれました。


「会議室」篇のCMから、もう半年が経っていたんですね。

CMでの共演がきっかけで、今後オーケストラをテーマにしたドラマか映画に出演するかどうかはわからないとしても、もし役所さんは指揮者、杉咲さんはチェロ、神木さんがチューバを演奏する役のオファーが来て演じたとしたら、見事に演じることができそうですね。

指揮者役に初挑戦の役所さんがダイナミックな指揮で現場を魅了!
長い役者人生で初めての指揮者役に臨んだ役所さん。
指導の先生曰く「テンポと表現を伝えるのが指揮者の主な役割」とのことで、まずは四拍子の振り方を教わり、「イチ、ニッ、サン、シ〜」という合図に合わせて、テンポと動きを体に覚え込ませました。
控室に戻る時や別のシーンのわずかな合間も、役所さんは「ジャンジャジャンジャンジャンジャンジャンジャ〜ン♪」とメロディーを口ずさみながら、ギリギリまで個人練習に励むと、先生も「かっこいい」「バッチリです」と目をみはるほどに上達。
本番では、情熱的かつしなやかにタクトを振って、オーケストラを導きました。
撮影後、手応えを感じた様子の役所さんが「どうでしたか?」と尋ねると、先生は「演奏するみんなの喜びを全身で受けているようなダイナミックですばらしい指揮でした!」と興奮気味に回答。
監督からも「OK」が出ると、役所さんは安堵の笑みを浮かべ、先生とともに喜びを分かち合っていました。


タクトを振って演奏者を導くだけでなく音楽のイメージを演奏者に伝え、様々な指示や指導を行なうなど、演劇における演出家とも言われる指揮者。

でも役所さんは「オーケストラ」篇で、初めてとは思えない指揮者と団長役を演じていましたね。

演奏と演技を両立させた杉咲さんのパーフェクトなお芝居
中学時代、トランペットを吹いたことがあるという杉咲さん。
今回は弓を使って弾く弦楽器の演奏ということで、経験のある金管楽器とは勝手が異なり、撮影前はとても緊張していたのだとか。
それでも指導の先生からチェロ奏者っぽく見える構えや動き、弾き方をひと通り教わると、本番ではリズムに合わせて弦を弾きながら、感極まる役所さんにもらい泣きするという、演奏と演技を両立した難易度の高いアクションを完璧にこなしていました。
撮影後、杉咲さんは「みんなと一緒に演奏していると、気分が高揚していく感覚があって、音楽の力ってすごいなと感じました」とコメント。
その言葉通り、人の心を動かす音楽の力は、現場で見守るスタッフの皆さんにもしっかり届いた様子で、カットが掛かった瞬間、会場中に大きな拍手と歓声が響き渡りました。


杉咲さんが中学時代トランペットを吹いたことがあるエピソードは、初めて知ったかもしれません。

今回は勝手が違うチョロという弦楽器でしたが、感極まる役所さんがもらい泣きするとあったので、よほど演奏と演技をパーフェクトにこなしていたんでしょうね。

チューバ指導の先生も驚く音楽センスを披露した神木さん
撮影前、初挑戦のチューバに触れながら、「どんな音がするのかまったく想像がつかない」と語っていた神木さんですが、過去にラッパの演奏歴があるらしく、指導の先生から「同じです。大きいラッパだと思ってください」とのアドバイスを受け、さっそく練習に臨みました。
「唇の間にできる空気の通り道を活用して」と吹き方のコツを教わった神木さんは、抜群の音楽センスを発揮し、一発目からバッチリ音を出しただけでなく、「♪ドレミ〜」の音階を変える複雑な指使い、息遣いもあっという間に習得。
「それぐらいの音が出せるまで普通は1週間ぐらいかかります」と、神木さんの上達の速さは先生も驚くほどで、「すばらしい!」「私の代わりに次の演奏会に出てください」と絶賛し、その場でまさかの出演オファーを出すひと幕がありました。


神木さんは過去にラッパの演奏歴があるだけあって、同じ管楽器のチューバもあっという間に取得したんでしょうね。

オーケストラ演奏に花を添える個性豊かなゲスト陣
「撮影現場は2年ぶりかな」と、旧知の出演者たちと懐かしそうに話していた前田吟さん。
物干し竿にぶら下げた布団をバスドラムに見立てて叩くシーンでは「いち、に、さん、し…」とリズムを取る際、無意識に「よっ!」と合いの手を入れてしまい、「これじゃあ、祭り太鼓の練習だよ。交響曲だもんね(笑)」と周囲を和ませていました。
また、テスト映像を見ながら、「なんだかとっても感動しますね」と、撮影前からCMの世界観に魅了されていた戸田恵子さん。
当初「弦楽器は苦手なんです」と不安を漏らしていましたが、「何でも器用にこなす戸田さんなら大丈夫ですよ」という監督の期待に応え、本番ではスタッフの皆さんも聴き惚れるほど見事なバイオリン演奏を披露していました。
そして、もともとスカバンドが大好きという、もう中学生さんが演奏する楽器はトロンボーン。
練習中から指導の先生に「上手い!」と褒められていて、本番も「希望が持てるような前向きな感じで」という監督のイメージを的確に表現し、現場を大いに沸かせていました。


いくらコロナ渦があったとはいえ、前田吟さんのようなベテラン俳優が、撮影現場は2年ぶりというのは驚きです。

CMについても、あまり出演している印象がないため、おそらく「オーケストラ」篇が久しぶりのCMだったのかもしれませんね。

戸田恵子さんは、「弦楽器は苦手なんです」とおっしゃっていたということは、もしかすると過去に他の楽器の演奏者役を演じたことがあったのかも?

もう中学生さんは、キリン氷結のCMでサックスの演奏を披露していたことから、トロンボーンもすぐに要領をマスターして演奏できると思っていましたね。


今度の続きの記事では、「オーケストラ」篇に出演の前田吟さん、戸田恵子さんのプロフィールを始め、視聴後の感想、CMソングを含めた関連記事を更新の予定です。
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