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2021年11月05日

ずれるプリンターでずれない印刷を実現

富士フィルム 複合機.jpg
●レーザー複合機

いろいろな企業でいろいろなプリンティングが実行されていると思います。
ネットオンリーの企業では・・・プリンティングがほとんどないかもしれません。
でも、ゼロではないと思います。

当社を含むグループ企業では、毎日何千枚もの印刷を行っています。
●カット紙カセット供給

何を印刷しているかというと・・・報告書です。

ご存じでないかもしれませんが、何十年も前から印刷業務は廃れていません。
昔は、大きな大きな印刷装置で、連続帳票に印刷をしていました。
連続帳票にはあらかじめ印刷業者で印刷された報告書に、ラインプリンターで結果のみを印刷する
方式でした。

それが、レーザー複合機での印刷に変更となりました。
なぜなら、印字品質が高いからです。

ラインプリンターはドットプリンターです。
ドットプリンターって言葉をご存じない方もおられるでしょうね

ラインプリンターは、レーザー複合機の印字品質には到底敵いません
ただ、有利な点が一つだけあります。

それは、連続帳票で、帳票の両脇にトラクターで位置決めできる耳(正式な名称は知りません)があり、このため、印字位置がずれることはほとんどありません。
恐らく、0.15 mm 程度です。
髪の毛の太さの2倍程度です
●印刷位置保証

ところが、印字品質の抜群に良いレーザー複合機に唯一の欠点があります。
いや、欠点と言うと語弊があるかもしれませんので、誤解なさらないでくださいね。

それは、印刷位置の精度です。
ご存じの通り、レーザー複合機では、
A4用紙とかB5,A3用紙などの1枚1枚が分かれているカット紙を使用します。

レーザー複合機にセットされた用紙はローラーによって吸入され、複合機内部で用紙を移動させながらドラム上に静電塗布されたトナー粒子を熱圧着させる方式です。

ローラーが高精度に用紙を吸入するとしても
・ローラーの摩耗により、ローラーの円周長が変化する
・湿度により、用紙の収縮・伸長が起こる
ことから、物理的な印刷位置決めの精度に限界があることは自ずから明らかです。

それゆえ、複合機メーカーが保証する印刷位置精度は 1.5 mmなんです。

先ほど、述べた報告書
大抵はラインプリンター当時の設計と、できるだけ多くの情報を印刷する必要があることから
1 行は 1/6 inch で設計されています。
1 inch は 25.6 mm なので、 1 行は、 25.4 mm / 6 = 4.23 mm です。

こちらをご覧ください。 報告書のごく一部です。
ずれない印刷方式-0.jpg
いかがですか? きれいに行の中に文字が印刷されているでしょう?
●ずれるプリンターでずれない印刷を実現

これには、秘密があるのです。

もし、何もしなければ・・・
最大 1.5 mm ずれたら、報告書がどうなるか?
ずれない印刷方式-1.jpg
1.5 mm って、こーんな大きさになります。
これだけずれたらえらいことになりますよね。

仮にずれたとしたらどうなるか?
ずれずれ見本を作ってみました。
ずれない印刷方式.jpg
右側に、行間の線にかぶった結果値が見えますよね。
1.5 mm ずれると、超ぶっさいくぅ!
こーんな報告書をもらっても、すぐにゴミ箱行きでしょうね

しかし、今構築中の統合システムでは、ずれる可能性のある方式を採用しようとしています。
それは、目先の利益を考えているからです。

トータルで考えると、その目先の利益なんて吹き飛んでしまうぐらいのデメリットがあるんですけどね。
我が上司がそれに気づいてくれることを祈るばかりです。
神様.jpg




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IBM AS/400で稼働するシステムの開発・追加を担当して30年以上になります。使えば使うほどこの AS/400 が好きになりました。 こんなSEがいろいろな視点から様々な業務などについて語ります。
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