国語！

以前、
｢中学生の勉強法｣というタイトルで少し書きましたが、
今日はさらに詳しく、
やや保護者の方向けに(もちろん生徒が読んでも問題ないのですが)、
説明します。

国語といえば｢読解力｣、
それを身につけるには｢読書｣が必要だ、
なんて思っている人はいませんか。

｢うちの子、全然本を読まないけど、読ませた方がいいですよね｣
と面談で相談してくるお母さんたちも
結構いらっしゃいます。

ところが、ここで残念なお知らせが。

読書で読解力を身につけられるのは、
小学校低学年までなんです。

｢本好きな子は国語ができる→いやいやでも本を読めば読解力がつく｣
と思っている人がいますが、
実は逆です。
｢読解力があるから本を読むのが楽しい→本が好き｣
なんです。

乳幼児期に、
おうちの人や保育園・幼稚園で、
とにかくいっぱい読み聞かせをしてもらった子というのは、
自分で字が読めるようになると、
自然と本に興味を持ち、
自分からどんどん読むようになります。
そして、小さい子は本を読んでいて分からないことが出てくると、
すぐに｢なんで？どうして？｣と訊きますよね。
その時の対話で得た情報も大切です。
そうしているうちに、
自然と読解力は磨かれて、
ますます本が好きになる、という仕組みです。

けれども、この方法で読解力を身につけられるのは、
８歳くらいまで。

ある程度大きくなってしまうと、
読書感想文を書かされる時以外で
本を読んで感想や意見を言うことって、
なくなりますよね。
間違った読み方をしていても、
誰もそれを指摘してくれない。

しかも、ある程度大きくなってしまうと、
好みがはっきり決まってしまい、
物語文が好きな子は物語ばかり、
科学が好きな子は、科学の内容の本ばかり、
というように、趣味に偏った読書をするようになります。

すると、内容が多岐に渡る国語の問題文に対応できない。
好きな分野の文章が出題された時しか良い点が取れない、
ということになります。

では、小学校高学年以上の人が読解力をつける方法はないのか。

いえ、あります。

それは、｢市販の問題集をたくさんやる｣ということ。

国語の問題集には、
小説・論説・随筆など
いろいろな種類や内容の文章が、
たくさん掲載されています。

問題を読み、
設問に答え、
答え合わせをして解説を読む。

これを繰り返せば、読解力は必ずつきます！

ただし、国語の場合は｢同じ問題集を繰り返し解く｣ことに意味は無いので、
ご注意を。

公式を自由に使いこなせるまで訓練が必要な数学や、
覚えた情報量が得点に直結する理科・社会は、
１冊の問題集を丸暗記するほどやり込むことに
意味があります。

しかし、国語の場合は１度解くと答えを覚えてしまい、
２回もやれば読解力がなくても出来てしまう。

だから、どんどん新しい文章に触れる(新しい問題集に取り組む)必要があるのです。

そういう意味では、英語もそうですよね。
教科書準拠のワークを暗記するほど解いているのに、
英語の成績が悪い、というのは、
初めて見る文章を読むことに慣れていないから。
英語は暗記するならワークの答えではなく、
教科書に出てくる長文を暗唱できるまでやるべきなのです。

本屋さんの学習参考書のブースに行くと、
目移りするほどの数の問題集があります。

国語に関して言えば、
教科書準拠の問題集は１冊あれば十分。

受験対策用の問題集を探します。
表紙に｢超基礎｣とか｢ネコにも分かる(←こんなのないかww)｣とか書いてあっても、
内容が本当に基礎かどうかは中身を見ないとわかりません。
自分でパラパラっと見て、
｢半分くらいはすぐ答えがわかるけど、あとはちょっと...｣
くらいのが良いです。
瞬時にほとんど解けるようなのは簡単すぎて力が伸びませんし、
ほとんど解けないようなレベルのものを買うと挫折します。

入試の過去問について。

受験生じゃない人は、
｢あとどれくらいどの分野の勉強をすれば合格できるレベルになるのか｣
を知るために、まずは１年分チャレンジしてみましょう。

受験生は、
｢本番でどのような時間配分で戦えば良いか｣
を知るために、時間をきっちり計って本番さながらに最近の数年分を解きましょう。

過去問は、国語の長文に関して言えば、
同じ文章は二度と出ません。
やり込む必要は全くありません。
上記の目的で使ってください。

これは、中学生だけでなく、
中学受験する小学生、
大学受験する高校生、
すべてに共通する話です。

以上、国語の勉強法でした。

記号問題の解き方など、
テクニック的な細かい話は、
またいつか。