アフィリエイト広告を利用しています

広告

posted by fanblog

2024年06月20日

【短編小説】『転生の決闘場(デュエルアリーナ)』2

【MMD】Novel Duel Arena SamuneSmall1.png

【MMD】Novel Duel Arena CharacterSmall1.png

【第1話:底辺人生の延長戦】からの続き

<登場人物>
アレヴィア
 主人公
 街の組合から依頼を受ける冒険者

ヴァルネラ
 アレヴィアの夢に出てくる少女
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【第2話:逃避人生への終止符】



<ある夜、アレヴィアの夢の中>


『(クスクス)…。』
『こんばんは、今夜も良い月ね。』


アレヴィア
「…何度も人の夢に出入りして…!」
「名前くらい名乗ってもいいんじゃない?」



『それは失礼、私はヴァルネラ。』


アレヴィア
「よろしくヴァルネラ。ご出身は?」


ヴァルネラ
『あたしは前世のきみ自身だよ。』


アレヴィア
「そう、ご丁寧にどうも。」


ヴァルネラ
『淡泊だなぁ、驚かないの?』


アレヴィア
「転生なんてしちゃったし、今さらよ。」
「それに…。」


ヴァルネラ
『それに?』


アレヴィア
「眠いの!いい加減にしてよ!」
「あなたのせいで寝不足なの!」


ヴァルネラ
『あたしのせいなんて心外。』
『文句はきみ自身に言ってよ。』


アレヴィア
「私自身にって、どういうこと?」


ヴァルネラ
『きみの夢の中は居心地がいいんだよ。』
『大好物の”卑屈さ”と”劣等感”で溢れているから。』


アレヴィア
「そんなの…わかってる…!」
「わざわざ言わないでって言ってるの!」


【MMD】Novel Duel Arena Episode2 AreviaSmall1.png

ヴァルネラ
『へぇ…自分の性格を直視する勇気もないんだ。』


アレヴィア
「…うるさい…!」


ヴァルネラ
『あたしは知ってるよ?』
『前世での、きみの最期の気持ち。』


アレヴィア
「うッ…!」


ヴァルネラ
『逃げたでしょ?』
『きみはわざと目を開けなかった。』
『せっかくみんなが助けてくれたのに。』


アレヴィア
「…逃げて何が悪いの…?」
「生の押し付けは止めてよ!」
「”生きろ”って言葉は暴力にもなるの!」


ヴァルネラ
『生から逃げたことはどうでもいいよ。』
『問題はきみ自身の弱さから逃げたこと。』


アレヴィア
「(ズキッ)…私自身の弱さ…。」


ヴァルネラ
『まさか転生するなんて思ってなかった?』
『ウソだね。』


アレヴィア
「?!…そんなこと…!」


ヴァルネラ
『心のどこかにあったでしょ?』



『”サエない私のまま”無双できる世界へ逃げたいって願望が。』




ギクリ

ヴァルネラ
『きみは確かに前世で奮闘したよ。』
『それもちゃんと知ってる。』


アレヴィア
「…当然よ。」
「強くなりたくて剣や魔法の修練を…。」


ヴァルネラ
『”どうせ私なんて何をやってもムダ”』


アレヴィア
「?!」


ヴァルネラ
『あったでしょ?この言い訳。』
『体よく諦めたフリをして、どこか手抜きして。』


アレヴィア
「うぅ…。」


ヴァルネラ
『だからあたしが教えに来たの。』
『シンデレラコンプレックスまみれのきみに。』

『人生リセット願望?それとも逃避願望?』
『異世界転生すれば何もしなくても成功できると思った?』
『素敵な王子様が現れるとでも思った?』

『何度リセットしてもサエない人生を繰り返すだけよ。』
『本気で変わろうとする姿勢と行動がない限り。』




その瞬間、
私の中で頑なに守っていた何かが、
あっさりと崩れた気がした。

これ以上ない「図星」

もし同じ言葉を他人から言われていたら、
どんなに親しい人でも拒絶しただろう。

なのに、なぜか
私自身から言われたような気がした。

ヴァルネラは、
『あたしは前世のきみ自身』と名乗った。

そんなのデタラメ?いいえ。
それが事実としか考えられないほど、
彼女の言葉は説得力に満ちていた…。



アレヴィア
「…また会える?」


ヴァルネラ
『あたしに?夢の中なら何度でも。』


アレヴィア
「…どうやって私の夢に入ってくるの?」


ヴァルネラ
『素通り。』
『きみの夢の扉はガラ空きだもん。』


アレヴィア
「…どうすれば消えてくれる?」


ヴァルネラ
『きみ自身から逃げるのを止めるか。』
『夢の中であたしを倒すか。』


アレヴィア
「…わかった、1ヶ月待ってくれる?」


ヴァルネラ
『いいけど、何するの?』


チャキッ

アレヴィア
「夢の中で、あなたにデートを申し込むだけよ。」


ヴァルネラ
『…剣を構えといて”デート”かぁ(苦笑)』
『わかったよ、せいぜい鍛えなよ。』


アレヴィア
「…おやすみなさい。」


ヴァルネラ
『…何かの覚悟が決まったのかな?』
『楽しみにしてるよ。』




【第3話:前世との決戦】へ続く

この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/12588519

※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック
検索
プロフィール
理琉(ワタル)さんの画像
理琉(ワタル)
自閉傾向の強い広汎性発達障害。鬱病から再起後、低収入セミリタイア生活をしながら好きなスポーツと創作活動に没頭中。バスケ・草野球・ブログ/小説執筆・MMD動画制作・Vroidstudioオリキャラデザインに熱中。左利き。 →YouTubeチャンネル
プロフィール
最新記事
カテゴリーアーカイブ
×

この広告は30日以上新しい記事の更新がないブログに表示されております。