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2024年06月17日

【短編小説】『転生の決闘場(デュエルアリーナ)』1

【MMD】Novel Duel Arena SamuneSmall1.png

【MMD】Novel Duel Arena CharacterSmall1.png

<登場人物>
アレヴィア
 主人公
 街の組合から依頼を受ける冒険者

ヴァルネラ
 アレヴィアの夢に出てくる少女
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【第1話:底辺人生の延長戦】



<夜、とある民家>


『…逃げた…また逃げたな…?!』


アレヴィア
「やめて!もう出てこないで!」



『第2の人生?異世界転生?』
『何度リセットしようと、きみは…。』


アレヴィア
「やめてってば!消えてよ!」



『あたしから逃げられても…。』
『きみ自身からは決して逃げられないよ!』


アレヴィア
「あぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


ガバッ!!

アレヴィア
「ハァ…ハァ…!」
「また…あの夢…!」




今、悪夢で飛び起きた私はアレヴィア

街の組合から依頼を受ける冒険者として
生計を立てている。

幼い頃に両親に捨てられた私は
孤児院で育った。

大人のみんなは優しかったけど、
同年代に私をいじめてくるやつらがいた。

そいつらは強くて、
私はケンカにことごとく負けた。

私はそれが悔しくて、
剣術道場や魔法教室に通って修練を積んだ。

結局やつらには勝てなかったけど、
冒険者の組合に入れるくらいの腕前になった。

孤児院を出たら、
冒険者として強くなって
見返してやろうと息巻いた。



けれど、現実は甘くなかった。
剣術も魔法も上には上がいた。

私の冒険者としての実力は、
組合員の中で下から数えた方が早かった…。


高レベルの依頼は受けられず、
主な仕事は薬草の採取や飼い犬探し、
最低レベルのモンスターの退治だった。

わりと安全な街道で、
行商人の護衛ができれば御の字。

当然、報酬が少ないので、
毎日ギリギリの生活をしていた。



私の人生は負け続きだ。

親から愛されず、
いじめてきたやつらにケンカで勝てず、
冒険者としても底辺。

私の感情は、
卑屈さと劣等感に支配されてしまった。

そんな心持ちで
依頼を満足にこなせるはずもなく、
たびたび失敗する悪循環に陥った。

そしてついに、
私は低レベルモンスターの討伐依頼中に
深手を負い、街の病院に運びこまれた。


この世界の発達した治癒魔法のおかげで、
私はたぶん身体的には助かっていた。

あとは私が目覚めるだけ…。



なのに、私は目を開けなかった。
生きようとしないまま殉職を選んだ。


私は最期の瞬間、
心からの安堵に包まれた。

ああ、やっと終わった。
この苦しい人生が。

劣等感にまみれ、
自分の存在自体を呪う日々から解放された、と。

私は今までで1番「心地良い夢」を見ている気分で
旅立った…はずなのに。


ーー


ふと気づいたら、
私は今までとは違う世界にいて、
第2の人生がスタートしていた。


私は絶望した。
もう生きることを望んでいないのに、
どうして?

どこの全知全能ヤローか知らないけど、
惨めな人生をやり直させようとしないで!

そんなマネができるなら、
前世で私が生きるはずだった寿命を、
もっと生きたかった人に分けなさいよ!

私は第2の人生に感謝することもなく、
ふてくされて生きていた。

冒険者としての生き方しか知らないから、
街の組合で依頼を受けることにした。

けれど、実力はやっぱり中の下で、
高レベルの依頼は受けられなかった。

結局、私は
前世と同じような依頼をこなして、
細々と生きるしかなかった。

ふいに異世界転生して無双?成功?
とんでもない。

そこにあったのは、
ただ屈辱的な前世の延長戦。


アレヴィア
「もうイヤ…2回も生きるなんて苦行…!」
「いっそのこと、またモンスターにやられて…。」


私の中から、
再び破滅の願望が持ち上がってきた。



私はその頃から毎晩、
悪夢に悩まされるようになった。

いつも夢に出てくるのは、
私と同じくらいの背格好の女の子。
年齢もたぶん私と近い。


そして、
夢の中で私を責める言葉は決まって、

『逃げたな?きみ自身から』

という意味のもの。

【MMD】Novel Duel Arena Episode1 AreviaSmall1.png

私は寝不足に悩まされ、
組合へ依頼を受けに行っても、

受付
『おはようございま…。』
『アレヴィアさん?!』


アレヴィア
「おはようござ…いま…ス…。」


受付
『大丈夫ですか?!』
『最近目のクマがひどいですよ?』
『夜寝れてます?』


アレヴィア
「だい…じょうぶです…(フラフラ)」


受付
『そんな状態で依頼なんて無理ですよ!』
『今日は帰って休んでください!』


アレヴィア
「ご…めんなさい…。」


私はまともに依頼を受けられなくなり、
生活がどんどん苦しくなった。

アレヴィア
「このままじゃ仕事がなくなる…。」


追いつめられた私は、
夢の中で彼女への抗議を決意した。


アレヴィア
「私、2度目の人生も負け続きだけど…。」
「自分の夢にすら負けるなんてイヤ!」




【第2話:逃避人生への終止符】へ続く

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理琉(ワタル)
自閉傾向の強い広汎性発達障害。鬱病から再起後、低収入セミリタイア生活をしながら好きなスポーツと創作活動に没頭中。バスケ・草野球・ブログ/小説執筆・MMD動画制作・Vroidstudioオリキャラデザインに熱中。左利き。 →YouTubeチャンネル
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