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2024年06月10日

【短編小説】『訣別の雪辱戦(グラジマッチ)』4

【MMD】Novel Grudge Match SamuneSmall2.png

【MMD】Novel Grudge Match CharacterSmall1.png

【第3話:消滅した心】からの続き

<登場人物>
アシュクリス(主人公)

リヴィーズ(アシュクリスの妹)

トリステス(姉妹の父、軍事大国No.1の戦士)

イレーズ(姉妹の母、軍事大国No.1の魔法使い)
 
ゼレシア(魔族軍トップ)
 
メイレ(魔族軍幹部、ゼレシアの側近)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【第4話:哀獣との決戦】



イレーズの火球魔法が落ちた場所には、
巨大なクレーターができていました。

アシュクリスにはもう
立ち上がる気力が残っていませんでした。

イレーズは
頬の傷から滲んだ血を手で拭い、
娘に冷たい視線を向けました。

イレーズ
『…傷なんて、いつ以来?』
『…魔族軍の幹部との戦闘以来…。』


トリステスは、
イレーズの魔力の高まりに気づいて
彼女を止めました。

イレーズ
『まだ生きてる…とどめを。』


トリステス
『まぁ待て、オレの出番がなくなるだろう?』


夫は妻を小さく威圧しました。

イレーズ
『…(ギリッ!)…!』


トリステス
『アイツに回復魔法を。』


イレーズはトリステスを睨みつけながら、
アシュクリスに最大回復魔法をかけました。


パァァ

アシュクリス
「…同情か…?!」


トリステス
『手負いの相手を倒しても自慢にならん。』


アシュクリスは
もはや元・父親に失望すらしませんでした。

目の前の男は、どこまでも
自身の支配欲と名誉欲にしか興味のない、
哀しきモンスターに見えました。


アシュクリス
(これで最後…。)
(いえ、”最期”になってもいい…!)
(私の中でくすぶる”親から愛されたい”を断ち切る!!)




チャキッ

アシュクリスとトリステスは
剣を構えて睨み合いました。

トリステス
『最初の一撃はくれてやる、来い。』


アシュクリス
「やあぁぁ!」


ギィン!

トリステスは片手持ちの剣で受け止めました。

トリステス
『ほう…4年間で少しは力を付けたか。』
『…?!!』


バチバチッ

トリステス
『くッ!!』


アシュクリスの魔法剣・雷の2連撃。

トリステスは
とっさに剣を両手持ちにして受けました。

【MMD】Novel Grudge Match VSTristesseSmall1.png

トリステス
『イレーズに使えなかった”とっておき”だな。』
『いいのか?最初から手の内を晒して。』


アシュクリス
「ハァ…全力でやらないと勝てないから…!」


トリステス
『(ニヤリ)…次はこっちから行くぞ。』
『魔法剣は解除するなよ?』


ビュッ

ガギッ!

アシュクリス
「うッ!…剣が折れそう…!」


魔法剣で強化したはずの刀身から
鈍い音が響きました。

トリステスはおそらく力の2割程度なのに、
一振りの速さも重さも段違いでした。


トリステス
『少しは楽しめそうだ。』
『いつまで受け切れるかな?』


アシュクリス
「…まいったな…朝日、拝めないかも(苦笑)」




アシュクリスは、
トリステスの一閃一閃を
辛うじて受け続けました。

少しの魔法剣の乱れや、
数センチの剣筋の読み違えが命取りでした。

彼女の手がしびれ、
剣の刃こぼれが目立ってきた頃、
トリステスはわずかに攻撃の手を緩め始めました。


アシュクリス
「油断…?けれど…。」
「こっちは魔法剣の維持で精一杯。」
「いいえ、”あの手”なら通じるかも…。」


アシュクリスは、
トリステスの攻撃が止んだ直後に
斬りかかりました。

ガギィン!

トリステス
『力のない一撃…もう体力切れか?』


アシュクリス
(今だ!)


アシュクリスはすかさず
刀身に込めた魔力を地面へ移動させました。

瞬間的に魔法剣を解除し、
足元からの冷気魔法に変換して
奇襲をかけたのです。


ビキビキ!

トリステスの足元から
巨大な氷柱が生成されました。

アシュクリス
(お願い…当たって!)


トリステスは不意を突かれて
氷漬けにされた…はずでした。



トリステス
『だろうと思ったよ。』




ゴスッ

アシュクリス
「がはッ!!」


トリステスの強烈な蹴りで、
アシュクリスは後方へ吹き飛ばされました。

氷柱に閉じ込められたのは
互いの剣だけでした。

トリステス
『こんな初歩的な誘いに引っかかるとは…。』
『やはり一族の汚点は消すしかないな。』


トリステスは火炎魔法で氷柱を溶かし、
自らの剣を取り出しました。

アシュクリスの剣はボロボロで、
地面に落ちた衝撃で折れてしまいました。

トリステスが、アシュクリスに
とどめの一撃を繰り出そうとした瞬間、



リヴィーズ
『お父さん!もうやめて!』




妹のリヴィーズは、
倒れた姉を庇うように立ちはだかりました。

アシュクリス
「リ…ヴィーズ…!」




【第5話:ただ1人の家族】へ続く

⇒この小説のPV

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理琉(ワタル)
自閉傾向の強い広汎性発達障害。鬱病から再起後、低収入セミリタイア生活をしながら好きなスポーツと創作活動に没頭中。バスケ・草野球・ブログ/小説執筆・MMD動画制作・Vroidstudioオリキャラデザインに熱中。左利き。 →YouTubeチャンネル
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