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2024年06月07日

【短編小説】『訣別の雪辱戦(グラジマッチ)』3

【MMD】Novel Grudge Match SamuneSmall2.png

【MMD】Novel Grudge Match CharacterSmall1.png

【第2話:居候のケジメ】からの続き

<登場人物>
アシュクリス(主人公)

リヴィーズ(アシュクリスの妹)

トリステス(姉妹の父、軍事大国No.1の戦士)

イレーズ(姉妹の母、軍事大国No.1の魔法使い)
 
ゼレシア(魔族軍トップ)
 
メイレ(魔族軍幹部、ゼレシアの側近)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【第3話:消滅した心】



<1週間後、決闘の日>

トリステス
『まずはイレーズと1対1で戦え。』
『その後、生きていたらオレが戦ってやる。』
『イレーズ、それでいいな?』


イレーズ
『…(コクリ)…。』


トリステス
『…フン…。』


アシュクリス
「2人がかりで私を倒せばいいだろう?」


トリステス
『一瞬で終わってはつまらん。』
『弱い者イジメは性に合わんしな。』


アシュクリス
「…後悔させてやる…!」




ザッ



アシュクリスは
自身の魔法の師である母親と対峙しました。

母親の虚ろな眼は、娘ではなく
自らの興味関心だけに向けられていました。

アシュクリス
(お母さんは詠唱なしで魔法を撃ってくる。)
(訓練では1度も勝てなかった…。)


アシュクリスの頭に、母親の連撃で
なぶられた悪夢がよみがえりました。

アシュクリス
(けど、撃つ瞬間のクセは知ってる!)
(それさえ見逃さなければ…!)




ヒュン



?!!

ガン!

アシュクリスの目の前で、
一瞬何かが光りました。

次の瞬間、
彼女は全身への強い衝撃とともに、
仰向けに倒れていました。

アシュクリス
「…痛…高速の魔弾…?」
「…しかもノーモーション…?!」


以前はわずかにあったイレーズのクセが
なくなっていました。


アシュクリス
(魔法防御をまとっていて助かった…。)
(なかったら今の一撃で終わったかも…。)




ヒュン
ヒュン
ヒュン

さっき直撃した魔弾が
連続で飛んできました。

アシュクリスはとっさに横っ飛び。
地面を転がりながら紙一重で避けました。

魔法使いとの戦闘では、
接近戦に持ち込むのが定石ですが、

アシュクリス
(避けるので精一杯…。)
(魔法を放つ準備もできない。)
(ここは一旦、距離を取って…!)


アシュクリスとの間合いが離れても、
イレーズは無表情で魔弾を撃ち続けました。

アシュクリス
(この距離なら魔弾を避けられる。)
(その間に魔力を練り上げて…。)


グニャリ

視界の歪みと、
足元へ吸い込まれる感覚の直後、



ドォォォォン!!



アシュクリス
「あぁッ!!」


アシュクリスは爆発をまともに受け、
数十メートル後方へ吹き飛ばされました。

正体はイレーズの重力魔法でした。

彼女は魔弾を連発しながら、
重力を歪ませる離れ業をやってのけたのです。

アシュクリス
「うぅ…(ガクガク)…。」


辛うじて立ち上がったアシュクリスは、
イレーズの拘束魔法で締め上げられました。

アシュクリス
「…お母…さん…どうして…?」


イレーズ
『…邪魔なの。』


アシュクリス
「…え…?」


イレーズ
『アンタさえいなければ…。』
『私はもっと魔法の研究に没頭できたのに…!』


アシュクリス
「…邪…魔…?!」


イレーズ
『夫さえいなければ…!』
『アイツにあんなことをされなければ…!』
『アンタが生まれることもなかった…!』


アシュクリスは、無表情な母親が
激昂する姿を初めて見ました。

イレーズ
『私の人生にはアンタたちが邪魔なの!』
『だからここで消す。』




プツン



アシュクリスの心を支配してきた
”親への執着の糸”が切れました。

アシュクリス
「お母さん…1つ忘れてるよ…?」


イレーズ
『?』


アシュクリス
「私はお母さんから魔法を習ったんだよ?」


イレーズ
『それが何…?!』


ヒュン

チッ!

さっきまで
アシュクリスを襲った魔弾が、
今度はイレーズの頬をかすめました。

【MMD】Novel Grudge Match VSEraseSmall1.png

イレーズ
『ノーモーションで魔法を放つ…。』
『あの一瞬で盗んだのね。』
『私の拘束魔法を解除しながら。』


アシュクリス
「えへへ…お母さんのおかげだよ…?」
「もっと褒めて?」


イレーズ
『…さすがね、忌々しい”実の娘”!』




激しい魔法の撃ち合いが始まりました。

イレーズの強固な魔法防御の前に、
アシュクリスの魔法はすべて弾かれました。

アシュクリスは
母親の連撃を必死で避けながら、
「魔法剣」での逆転を狙っていました。


刀身に魔法を宿らせ、
斬撃が届く間合いから
一気にカタを付ける算段でした。

そして彼女の剣に
十分な魔力が乗った頃、

アシュクリス
「…?!…足元に不自然な重さ…!」


バッ

アシュクリスは
とっさに後ろへ飛びのきました。

ドォォォン!!

さっきはまともに受けた
重力魔法の爆発でした。

イレーズ
『…さすがに学習したか。』


アシュクリス
『危なかった…。』
『不意打ちに気をつければ戦える…!』


アシュクリスがそう確信した瞬間、
彼女の頭上から巨大な火球が落ちてきました。


アシュクリス
「……え……?!」


イレーズ
『同時に撃てる魔法は2つまで…。』
『なんて1度も言ってないわ。』


………!!

……。



【第4話:哀獣との決戦】へ続く


⇒この小説のPV

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理琉(ワタル)
自閉傾向の強い広汎性発達障害。鬱病から再起後、低収入セミリタイア生活をしながら好きなスポーツと創作活動に没頭中。バスケ・草野球・ブログ/小説執筆・MMD動画制作・Vroidstudioオリキャラデザインに熱中。左利き。 →YouTubeチャンネル
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