2024年04月29日
【短編小説】『転入届は2度出される』(リメイク)1
<登場人物>
・折原 清玲亜(おりはら せれあ)
あまりの美しさから”女神”と噂される
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【第1話:転入する女神】
<某市、北区役所>
とある大都市に公務員の兄弟がいました。
兄は北区役所に、
弟は南区役所に勤めていました。
ある日、
兄がいつも通り仕事をしていると、
清玲亜
「転入の手続きをお願いします。」
兄
『かしこまりまし………?!!』
兄は、目の前に現れた女性の
あまりの美しさに言葉を失いました。
彼女は身長170センチ超、
モデル顔負けのスタイルなだけでなく、
全身から気品と清涼感があふれていました。
まるで女神が
地上へ降り立ったかのようでした。
彼女はその後も
たびたび北区役所を訪れました。
職員たちの間では、
女神の噂でもちきりになりました。
『あんなきれいな人、本当にいるんだ…。』
『同性でも見とれてしまうわ…。』
兄は南区役所に勤める弟に
女神の話をしました。
兄
『この前、戸籍住民課に女神が降臨したんだよ!』
普段の兄は、
あまり異性の話をしませんでした。
弟は、
そんな兄がこれだけ熱弁するのだから、
絶世の美女なのだろうと思いました。
ーー
<数ヶ月後、南区役所>
弟がいつも通り仕事をしていると、
清玲亜
「転入の手続きをお願いします。」
弟
『かしこまりまし………?!!』
弟は、目の前に現れた女性の
あまりの美しさに言葉を失いました。
弟は北区役所に勤める兄に
そのことを話しました。
弟
『兄さん!この前…。』
『戸籍住民課に女神が降臨したんだよ!』
兄は、
奥手な弟がこれだけ熱弁するのだから、
絶世の美女なのだろうと思いました。
北区役所も南区役所も、
女神の噂でもちきりになりました。
『彼女は何者?』
『どんな仕事?』
『モデル?アイドル?』
『高貴な家のご令嬢?』
ーー
<1週間後、北区役所>
清玲亜
「転入の手続きをお願いします。」
兄
『かしこまりまし………?!!』
数ヶ月前、
北区への転入届を出した女神が
ふたたび転入届を出してきました。
市内の引っ越しの場合、
転出届は不要でした。
そのため北区役所の職員は
女神の引っ越しに気づきませんでした。
兄
(たった数ヶ月で引っ越して、また戻ってきた?)
(そういう仕事もある…のかな?)
ーー
<翌週、南区役所>
清玲亜
「転入の手続きをお願いします。」
弟
『かしこまりまし………?!!』
先週、
北区役所へ転入届を出した女神が、
今度は南区役所へ転入届を出してきました。
弟は女神の姿を拝めたことを喜びつつ、
疑問に思いました。
弟
(週単位で引っ越して、また戻ってきた?)
(そういう仕事もある…のかな?)
⇒【第2話(最終話):依存する女神】へ続く
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