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2024年04月19日

【短編小説】『鳥カゴを打ち破って』3

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【第2話:1番ヘタでかっこいい人】からの続き

<登場人物>
山口 光夢(やまぐち みむ)
 ♀主人公、大学1年生
 親の意向で地元の大学へ進学していた

宮野 明輝(みやの あき)
 ♀光夢の幼馴染

終夜 彩雪(しゅうや あゆき)
 ♂大学1年生
 地元の北国を離れ、遠い西方の大学へ進学してきた
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【第3話:私自身の意志で】



終夜くんは、
見知らぬ土地での新生活を選んだ。

彼は慣れない気候と環境で
実力差を見せつけられても、
折れずに立ち上がってきた。

「自らの意志」で。

私の家族はとても仲がいいって
ずっと思っていた。

本当は、私は両親の「鳥カゴ」に
閉じ込められていただけ。


私には、
自分の意志で決めてきたものが
ほとんどなかった。

将来の目標も、交友関係も、進学先も。
私はまるで「親のお人形」だ…。



私は終夜くんと
もっと仲良くなりたいと思った。

どうすればいい?

門限は19時。

バスケ部の練習を終えたら、
すぐに大学を出発しないと間に合わない。

日中は?
終夜くんと私は学部が違うけど、
昼休みなら会えるかな?



そんなことを考えていたある日、

明輝
『女バス1年生で宅飲みするよ!』
『光夢もおいで!』


私は初めて宅飲みに誘われた。

みんな私の門限を知っていたから、
気を使って誘わないようにしていた。

光夢
「私が行ってもいいの?時間は?」


明輝
『20時から(汗)』
『何とか親に許可取ってくれない?』
『私も説得に行くから。』


明輝と私は家族ぐるみの付き合いで、
私の両親のことをよく知っていた。

明輝はそれを承知で私を誘ってくれた上、
私の親の説得まで買って出た。

光夢
(20時…お父さんとお母さん怒るよね…。)
(いいえ、明輝がここまでしてくれたから…。)


明輝
『みんな知ってるよ。』
『光夢が終夜くんのこと気になってるって。』


光夢
「みんなも?!///(照)」
「なんでバレて…。」


明輝
『光夢を見てればわかるよ。』
『あんなに彼に釘付けなんだから。』


光夢
「〜///(照)」


明輝
『あんたらをくっつける作戦会議を行います!』
『それも兼ねての宅飲み!』


光夢
「明輝…ありがと…(涙)」
「私、親の説得がんばる!」


明輝
『よく言った!』


光夢
「それでね…1つお願いがあるの。」


明輝
『何?』


私は勇気を出して、
幼馴染に無茶を言ってみた。

光夢
「その宅飲みに終夜くんを呼んでもらえる…?」


すると、明輝はまるで
私がそう言うのを待っていたかのように、

明輝
『任せとき!!』
『いい感じに2人きりにさせるから。』
『あとは上手くやりなよ!』


バシッ!

明輝は私の背中を思いきり叩いた。


ーー


私は必死で親に頼み込んで、
宅飲みの日の外泊許可を取った。

1人でやるって言ったのに、
明輝も説得に加わってくれた。

『まさか男と遊ぶのか?』と疑われた。
何度も女バスで宅飲みと説明した。

半分ウソな気がして、罪悪感を覚えた。

それでも、今回ばかりは
引き下がるわけにはいかなかった。

これは私の「大学デビュー」だから。



何のデビュー?

親のいいなりから脱すること。
好きな人への私の気持ちに正直になること。

初めて「私の意志で」何かをすること。

私は今こそ、
家族という鳥カゴを打ち破るんだ!




【第4話(最終話):鳥カゴを打ち破って】へ続く

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理琉(ワタル)
自閉傾向の強い広汎性発達障害。鬱病から再起後、低収入セミリタイア生活をしながら好きなスポーツと創作活動に没頭中。バスケ・草野球・ブログ/小説執筆・MMD動画制作・Vroidstudioオリキャラデザインに熱中。左利き。 →YouTubeチャンネル
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