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2024年02月22日

【短編小説】『500年後の邂逅』2

【MMD】Novel 500 Years SamuneSmall2.png
【MMD】Novel 500 Years CharacterSmall2.png

【第1話:時を超えるヒガンバナ】からの続き

<登場人物>
リディアナ
 ♀主人公、20歳
 母親エレから魔法の資質を受け継ぐ

エレ
 ♀リディアナの母親
 街で1番の大魔法使い

ヴィンラック
 ♂40歳、とある村の守り人を務める
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー



【第2話:娘に贈るペンダント】



リディアナがヴィンラックに助けられてから
半年が経ちました。

すっかり村に馴染んだ彼女は、
ヴィンラックとともに守り人の一員になりました。

今も、母親との別れの傷が痛みます。

それでも彼女が前を向けたのは、
ヴィンラックや村の人たちの
あたたかい支えのおかげでした。

彼女は命ある今に感謝するとともに、
20歳も年上のヴィンラックに
特別な感情を抱き始めていました。




ある日のお昼頃、
ヴィンラックが日課の見回りをしていると、

リディアナ
「ヴィンラック、おつとめご苦労さま!」
「はい、お弁当!」


ヴィンラック
『いつもありがとう。』
『一段落ついたから、お昼にしようか。』


2人は草原を横切り、
お気に入りの場所に腰掛けました。

そこは小高い丘になっていて、
遠くの空や森まで見渡せる絶景スポットでした。

リディアナ
「ねぇヴィンラック、1つ聞いてもいい?」


ヴィンラック
『どうぞ。改まって何だい?』


リディアナ
「ヴィンラックはどうして村の守り人になったの?」
「それに、こんなに魔法を使えるなんて、どこで習ったの?」
「あッ、答えたくなかったらごめんね!」


ヴィンラック
『いいよいいよ。』
『もう…大切な人を失わないために鍛えたんだ。』


リディアナ
「大切な人…村のみんな?」


ヴィンラック
『もちろんそうだけど、もう2人いる。』
『いや、”もういない”…か。』


リディアナ
「いるけどいない?どういうこと?」




ヴィンラックは、
かつて従軍した防衛戦を語りました。
その戦禍の中で、妻と娘を亡くしたことも。

ヴィンラック
『あの時の僕は今以上に非力だった。』
『そして取り返しのつかない過ちを犯した…。』


リディアナ
「そんな…。」


ヴィンラックは腰の道具袋から、
小箱に入ったペンダントを取り出しました。


ヴィンラック
『これ、娘の誕生日に渡すつもりだったんだ。』
『もう渡せなくなっちゃったけどね。』


リディアナ
「かわいいペンダントね…。」
「きっと喜んでるよ…。」


ヴィンラック
『娘が気に入ってくれたら嬉しいな。』


リディアナ
「お父さんのプレゼントだもん!」
「ずっと大切にするよ!」


ヴィンラック
『ははは、そっか。』


リディアナ
「ヴィンラックの強さの秘密がわかった…。」
「そんなに大切な思いを背負ってたんだね。」


ヴィンラック
『うん、だからもっと力も魔法も磨きたいんだ。』
『もう誰も失わないために。』


リディアナ
「…ごめんなさい…。」
「イヤなことを思い出させてしまって…。」


ヴィンラック
『大丈夫だよ、乗り越えた。』


リディアナ
「本当に…?強がってない?」


ヴィンラック
『強がってないよ。』
『今の僕には村のみんなと…。』
『リディアナがいるから。』




ドキッ



リディアナ
「…え…?それって…。」
(もしかして私のこと…。)


ヴィンラック
『娘が生きていたら今年で20歳。』
『ちょうどリディアナと同い年だなって。』


リディアナ
「もう!私は娘扱いなの?!」
(…期待させるようなこと言わないでよ…。)


リディアナは頬を膨らませて、
すねる素振りを見せました。

ヴィンラック
『ごめんごめん、娘扱いしたわけじゃないよ。』
『20歳も年上の僕に言われたらそう思うよね(汗)』


ヴィンラックは
”やらかした”とばかりに苦笑いしました。

リディアナ
「まったくもう…。」
「そこは決めるところでしょー?」

(いいところだったのに…。)
(けど、こういう間が悪いところも憎めないなぁ…。)


ヴィンラック
『さ、さぁ午後の見回りに行こうか(汗)』
『戻ったら訓練の続き。』


リディアナ
「むぅー……わかった。」




午後1番の風が吹き抜け、
2人は日常へ戻っていきました。

リディアナ
(私、ヴィンラックのこと…。)
(お父さんだなんて思ってないからね!)
(ヴィンラックも、私を1人の女性として…。)


”亡くなった人には敵わない”
リディアナはそれくらいわかっていました。

それでも、彼女はヴィンラックにとって
同じくらい大切な人になりたいと願いました。

2人の関係はなかなか進展せず、もどかしい日々。
彼女はそんな幸せがずっと続けばいいなと思いました。



【第3話:もしも生まれ変わったら】へ続く

⇒この小説のPV

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理琉(ワタル)
自閉傾向の強い広汎性発達障害。鬱病から再起後、低収入セミリタイア生活をしながら好きなスポーツと創作活動に没頭中。バスケ・草野球・ブログ/小説執筆・MMD動画制作・Vroidstudioオリキャラデザインに熱中。左利き。 →YouTubeチャンネル
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