2023年06月29日
【短編小説】『元気でね、孤独遺伝子さん。』1
【第1話:なぜ”1人好き”は生き残れたの?】
人間は、程度の差はあれ、
「孤独=寂しい」と感じる生き物です。
それは太古の昔、弱い人間は集団でいることで
猛獣から身を守ってきたからだと言われます。
人間の遺伝子には、
「集団でいると安心」
「1人でいると危険=寂しい」
と書き込まれているのかもしれません。
にもかかわらず、現代にも
「1人が好き」「孤独が苦じゃない」
という人は一定数います。
実に不思議ではありませんか?
集団でないと生き残れない世界では、
「集団でいなくてもいい」という人間は、
途絶えてもおかしくないはずです。
なぜ「1人が好き」な人間が、
現代まで生き残っているのでしょう?
ーーーーー
<とあるバス停・待合室>
A君
『あー、ヒマだなー…。』
『早く次のバス来ないかな。』
B君
「……。」
A君
『ねぇ。』
B君
「何?」
A君
『きみはいつも1人で待ってるよね。』
B君
「うん。」
A君
『ウチのグループに入らない?』
B君
「遠慮しとく。僕は1人が好きなんだ。」
A君
「みんなと一緒にいなくて”寂しい”と思わないの?」
B君
「思わない。」
A君
『またまたー!強がっちゃって!』
B君
「強がってないよ。1人でいる方が気楽だから。」
A君
『へぇ。きみ、変わってるって言われない?』
B君
『よく言われる。』
A君は、B君を『変なヤツ』と思いつつも、
興味を引かれました。
確かに1人は気楽だけど、それ以上に寂しい。
1人でいるなんて耐えられない。
それが苦じゃないなんて、
どういう考えをしているんだろう?と。
ーー
A君
『ねぇ。』
B君
「何?」
A君
『きみに仲間はいるの?』
B君
「いるよ。けど、みんな1人が好き。」
「だから別々のバス停に行ったんじゃない?」
A君
『バス停まで1人旅?』
B君
「うん。」
A君
『”寂しい”とか”孤独”とか、ないの?』
B君
「特にないかな。自由でいいなー、くらい。」
A君
『…ほんと、きみは変わってるね。』
B君
「言われ慣れてる。」
「僕からすれば、みんなと一緒は息が詰まる。」
「ずっと誰かといると、”自分のエネルギーが枯渇していく感じ”がする。」
A君
『みんなといると疲れる?』
B君
「うん。たまにならいいけど、ずっと一緒は無理。」
A君
『そんなヤツに初めて出逢ったな…。』
『僕はみんなといると”エネルギーが充電される感じ”がするけどなぁ。』
B君
「へぇ、そういうもんかね。」
A君
『まぁ、それは個人差ってことで。』
『やっぱり、みんなといるのはいいもんだよ。』
『寂しくないからね。』
B君
「そういうヤツもいるんだ…。」
B君は、A君を『変なヤツ』と思いつつも、
興味を引かれました。
確かにみんなでいると心強いけど、それ以上に疲れる。
ずっと誰かと一緒にいるなんて耐えられない。
それが苦じゃないなんて、
どういう考えをしているんだろう?と。
ーー
B君
「僕からも聞いていい?」
A君
『どうぞ。』
B君
「きみの仲間って、みんなと一緒にいたい人ばかり?」
A君
『うーん、まぁ、そうかな?』
『全員に聞いたわけじゃないけど、たぶん。』
B君
「じゃあ、いつも全員でバス停で待ってるの?」
A君
『そうだよ。』
B君
「疫病とか、バスジャックに遭ったときとかどうしてるの?」
A君
『僕たちは幸い、そういう経験はないなー。』
B君
「他のグループは?」
A君
『噂では全滅したグループもあるらしい…。』
B君
「そっか…。」
A君
『悲しいけど、珍しくはないよ。』
『あ、そういえば…。』
B君
「何かあった?」
A君
『これも噂だけどさ。』
『そういうグループが、別の場所で復活することがあるらしい。』
B君
「復活?どうやって?」
A君
『復活したグループには、いつも”1人でいるヤツ”がいてさ。』
『そいつが脱出して、別の場所で新しいグループを作るらしいよ。』
B君
「へぇ。」
A君
『皮肉だよな、1人でいたヤツがグループを救うなんて。』
『”ぼっち”とか”陰キャ”とか、バカにされてたヤツもいるだろうに。』
B君
「確かに…。」
「けど、そいつは1人が好きなんでしょ?」
「どうやって新しいグループを作るんだろ?」
A君
『そこは色々あったんじゃない?』
『道中で気が合うヤツに出逢ったり、子孫を残すヤツもいたり。』
B君
「そっか…。」
(だから、僕の先祖は1人が好きなのに、生き残ったのか。)
とあるバス停の待合室で出逢った2人。
みんなと一緒にいたいA君と、1人が好きなB君。
バスはまだ来ないようです。
2人の不思議な会話が続きます。
⇒【第2話:なぜ”1人好き”でも非モテは苦しいの?】へ続く
人間は、程度の差はあれ、
「孤独=寂しい」と感じる生き物です。
それは太古の昔、弱い人間は集団でいることで
猛獣から身を守ってきたからだと言われます。
人間の遺伝子には、
「集団でいると安心」
「1人でいると危険=寂しい」
と書き込まれているのかもしれません。
にもかかわらず、現代にも
「1人が好き」「孤独が苦じゃない」
という人は一定数います。
実に不思議ではありませんか?
集団でないと生き残れない世界では、
「集団でいなくてもいい」という人間は、
途絶えてもおかしくないはずです。
なぜ「1人が好き」な人間が、
現代まで生き残っているのでしょう?
ーーーーー
<とあるバス停・待合室>
A君
『あー、ヒマだなー…。』
『早く次のバス来ないかな。』
B君
「……。」
A君
『ねぇ。』
B君
「何?」
A君
『きみはいつも1人で待ってるよね。』
B君
「うん。」
A君
『ウチのグループに入らない?』
B君
「遠慮しとく。僕は1人が好きなんだ。」
A君
「みんなと一緒にいなくて”寂しい”と思わないの?」
B君
「思わない。」
A君
『またまたー!強がっちゃって!』
B君
「強がってないよ。1人でいる方が気楽だから。」
A君
『へぇ。きみ、変わってるって言われない?』
B君
『よく言われる。』
A君は、B君を『変なヤツ』と思いつつも、
興味を引かれました。
確かに1人は気楽だけど、それ以上に寂しい。
1人でいるなんて耐えられない。
それが苦じゃないなんて、
どういう考えをしているんだろう?と。
ーー
A君
『ねぇ。』
B君
「何?」
A君
『きみに仲間はいるの?』
B君
「いるよ。けど、みんな1人が好き。」
「だから別々のバス停に行ったんじゃない?」
A君
『バス停まで1人旅?』
B君
「うん。」
A君
『”寂しい”とか”孤独”とか、ないの?』
B君
「特にないかな。自由でいいなー、くらい。」
A君
『…ほんと、きみは変わってるね。』
B君
「言われ慣れてる。」
「僕からすれば、みんなと一緒は息が詰まる。」
「ずっと誰かといると、”自分のエネルギーが枯渇していく感じ”がする。」
A君
『みんなといると疲れる?』
B君
「うん。たまにならいいけど、ずっと一緒は無理。」
A君
『そんなヤツに初めて出逢ったな…。』
『僕はみんなといると”エネルギーが充電される感じ”がするけどなぁ。』
B君
「へぇ、そういうもんかね。」
A君
『まぁ、それは個人差ってことで。』
『やっぱり、みんなといるのはいいもんだよ。』
『寂しくないからね。』
B君
「そういうヤツもいるんだ…。」
B君は、A君を『変なヤツ』と思いつつも、
興味を引かれました。
確かにみんなでいると心強いけど、それ以上に疲れる。
ずっと誰かと一緒にいるなんて耐えられない。
それが苦じゃないなんて、
どういう考えをしているんだろう?と。
ーー
B君
「僕からも聞いていい?」
A君
『どうぞ。』
B君
「きみの仲間って、みんなと一緒にいたい人ばかり?」
A君
『うーん、まぁ、そうかな?』
『全員に聞いたわけじゃないけど、たぶん。』
B君
「じゃあ、いつも全員でバス停で待ってるの?」
A君
『そうだよ。』
B君
「疫病とか、バスジャックに遭ったときとかどうしてるの?」
A君
『僕たちは幸い、そういう経験はないなー。』
B君
「他のグループは?」
A君
『噂では全滅したグループもあるらしい…。』
B君
「そっか…。」
A君
『悲しいけど、珍しくはないよ。』
『あ、そういえば…。』
B君
「何かあった?」
A君
『これも噂だけどさ。』
『そういうグループが、別の場所で復活することがあるらしい。』
B君
「復活?どうやって?」
A君
『復活したグループには、いつも”1人でいるヤツ”がいてさ。』
『そいつが脱出して、別の場所で新しいグループを作るらしいよ。』
B君
「へぇ。」
A君
『皮肉だよな、1人でいたヤツがグループを救うなんて。』
『”ぼっち”とか”陰キャ”とか、バカにされてたヤツもいるだろうに。』
B君
「確かに…。」
「けど、そいつは1人が好きなんでしょ?」
「どうやって新しいグループを作るんだろ?」
A君
『そこは色々あったんじゃない?』
『道中で気が合うヤツに出逢ったり、子孫を残すヤツもいたり。』
B君
「そっか…。」
(だから、僕の先祖は1人が好きなのに、生き残ったのか。)
とあるバス停の待合室で出逢った2人。
みんなと一緒にいたいA君と、1人が好きなB君。
バスはまだ来ないようです。
2人の不思議な会話が続きます。
⇒【第2話:なぜ”1人好き”でも非モテは苦しいの?】へ続く
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