2015年05月02日
ザンポの斧
小さな農村のはずれの小屋に、一匹のネズミと暮らす男がいた。男は醜い容姿の持ち主で、その不気味さから、村中で疎まれていたが、心根のやさしい男だった。時として村の子供から石を投げられることがあっても、常に笑顔を絶やすことはなかった。
どうにかして不気味な男を追い出そうとした村人達は、男の飼っているネズミが穀物を荒らしたと因縁をつけ、男のネズミを捕まえ、首を切り落として殺してしまった。
ただ一人の友人を亡くした男は正気を失った。人とも思えぬ雄叫びをあげながら、手にした斧で、老人から子供まで村人全員の首を刎ねてまわり、首の山を築き上げた。そして最後に首を一つ足すように、そこで自らの首を刎ねて絶命した。
首の山から発見された凶器の斧は、村人の血を吸った金属の部分が真っ赤に染まっていた。後にこの斧の持ち主となる封印騎士団のザンポは、この斧で獲物を切り裂く瞬間の感触に、自分の失った味覚の幻影を見ていたのだろうか。
どうにかして不気味な男を追い出そうとした村人達は、男の飼っているネズミが穀物を荒らしたと因縁をつけ、男のネズミを捕まえ、首を切り落として殺してしまった。
ただ一人の友人を亡くした男は正気を失った。人とも思えぬ雄叫びをあげながら、手にした斧で、老人から子供まで村人全員の首を刎ねてまわり、首の山を築き上げた。そして最後に首を一つ足すように、そこで自らの首を刎ねて絶命した。
首の山から発見された凶器の斧は、村人の血を吸った金属の部分が真っ赤に染まっていた。後にこの斧の持ち主となる封印騎士団のザンポは、この斧で獲物を切り裂く瞬間の感触に、自分の失った味覚の幻影を見ていたのだろうか。
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