2015年03月10日
聖石の杖
この杖に嵌められている石は稀代の魔術の才能を持っていた少年の魂を宿している。彼は平穏に人間として生きていくことに満足せず、より高みを目指し全魔力をもって自ら石化し、その存在を永遠のものとした。
ある時彼は自分を手にした元老が美しい女性であることを知った。彼は彼女をたいそう気に入った。だが、月日は流れ彼女は老い、死んでいった。彼の気に入っていた街並みも家も好んだ木々の色彩も年が重ねられる毎にその姿を変えていき、やがて不毛の時代が訪れ、彼は悲しみに包まれた。
彼は人々の幸せを見守ることができるのと同じくその幸せがもろくも崩れ去ることも、そしてその繰り返される悲しみもずっと見続けなければならないのだ。そして、すでに石と化した彼にはそれに手を差し伸べることもできず一人、泣き続けなければならない。
永久を求めた結果の苦しみからいつ、少年は解放されるのか。永久の中で永遠に刻まれていく時間は、彼を癒してくれるのだろうか。あるいは、あなたが彼を眩しい光へと導いてくれるなら。
ある時彼は自分を手にした元老が美しい女性であることを知った。彼は彼女をたいそう気に入った。だが、月日は流れ彼女は老い、死んでいった。彼の気に入っていた街並みも家も好んだ木々の色彩も年が重ねられる毎にその姿を変えていき、やがて不毛の時代が訪れ、彼は悲しみに包まれた。
彼は人々の幸せを見守ることができるのと同じくその幸せがもろくも崩れ去ることも、そしてその繰り返される悲しみもずっと見続けなければならないのだ。そして、すでに石と化した彼にはそれに手を差し伸べることもできず一人、泣き続けなければならない。
永久を求めた結果の苦しみからいつ、少年は解放されるのか。永久の中で永遠に刻まれていく時間は、彼を癒してくれるのだろうか。あるいは、あなたが彼を眩しい光へと導いてくれるなら。
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