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2015年01月06日

盗賊の極意

多くの盗賊達を纏めた、主に各国の汚い仕事等をしている、大きな組織があった。組織の幹部には左目と呼ばれる男がいた。諜報活動を得意とし、一線ではなく、さまざまな裏工作で組織に貢献していた。

左目には直接本人が戦うことをせぬ故、抜かれぬ剣があった。持つだけで富をうむという魔法の剣であった。実際左目は裕福であった。組織を監視し、裏工作や情報収集を行う彼には多くの報酬が支払われていた。

しかしある時、組織の若い盗賊達は左目を取り囲んだ。言い分は最前線で命を懸けている自分達よりも取り分が多いのが不満だということだったが、狙いは左目の富であった。左目は躊躇うことなく剣を抜いた。

かつて盗賊達を纏め上げた頃の、左目の姿がそこにあった。若い盗賊達は、一瞬の地獄の後、屍の山となっていた。左目はうんざりした様子で組織を抜けると言うと、古参の盗賊達の静止も聞かず、稼いだ富とともに荒野に旅立ったという。
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