2020年05月21日
米国企業に流れる新たな風潮
今回は、昨日の日経新聞の記事『JPモルガンに株主圧力、「気候変動対策を」賛成5割迫る』について思うことを書いてみようと思います
米国の有名な投資銀行JPモルガンや商業銀行としてのJPモルガン・チェース銀行などの持株会社であるJPモルガン・チェースに対して、今回株主から「パリ協定」に基づいた気候変動対策に関する行動について、現状以上に重視した計画を求められ、約半数近い株主からの賛成が得られたというのが今回の記事の主旨になります。
このことから大きく二つのことが言えるのではないかと考えます。
一つ目は、米国企業の「株主第一主義思想」からの転換の可能性です。
米国企業は他国企業と比べ成長著しく、その要因は様々なものがあると思いますが、そのうちの一つは米国の「株主第一主義」があると思います。
米国においては「会社は株主のためにあるもの」との思想が強く、株価上昇のための努力や配当金の分配への力の入れようは日本のそれとは比にならないです
(一部企業などでは借金してまでも配当にコミットすることもあるようです)
その「株主第一主義」の米国企業界において、株主側からの提案や経営者団体の方針に基づき株主に直接利益が生まれるか不透明なESG重点施策(環境、社会、ガバナンスへの対応を重視した施策)への注力姿勢を見せ始めているというのは大きな転換であると考えます。
これが吉と出るのか凶と出るのかは、はっきりとはわかりませんが少なくとも今までの米国の思想からは一線を画する思想であり、株価についても徐々に従来とは異なった挙動を見せ始めるのではないかと思います
(ただし、米国企業の良さが失われる方向に進んだとしてもGDP世界一の米国を投資対象から外す必要は今のところないと思います)
そして2つ目は、ESG重視の観点が今後はスタンダードになってくる可能性があるかもしれないということです。
ESG重視の傾向は最近徐々に浸透してきているようではありましたが、米国の今回の大転換を見て、今後のグローバルスタンダードになっていくのではないかと感じました。
その中で今後は日本企業においても財務、経営状況だけでなくESG対応の観点を重視した投資というのが大事になってくるのかもしれません
このブログを応援していただける方は、下の「金融・投資人気ブログランキング」バナーをクリックしてもらえると嬉しいです
金融・投資ランキング
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/9864330
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
この記事へのトラックバック