2020年06月27日
移動平均線の使い方
「チャートの分析方法」最終回の今回は「移動平均線の使い方」についてご説明します。
今までのFXコラムでご説明したローソク足のチャート、トレンドライン、レジスタンスライン、サポートラインなどと合わせて使用すると相場動向の予想が当たりやすくなるので、是非習得してもらえればと思います
移動平均線の作り方
移動平均線とは、過去の一定期間中の終値の平均値をつないでいった線になります。
例えば、2020/5/7〜5/15の日経平均は以下のような値動きでした。
この時、日足チャートの5日移動平均線を引こうと思った場合、5/13の値は5/13を含む過去5営業日の終値の平均、すなわち赤枠で囲った数字の平均が5日移動平均線の値となります。
同様に5/14の値は、青枠で囲った数字の平均、5/15の値は緑枠で囲った数字の平均のように、最新のデータまで同様の処理を続けていき、それらの値を一本の線でつないだものが5日移動平均線となります。
(これが25日移動平均線の場合は、25日前までの終値まで遡り、25日分の終値の平均値をとって同様の線を引いていくことになります。)
このようにして作成した移動平均線は、傾きの方向(右肩下がりか右肩上がりか)、傾きの急さでトレンドの方向性や強さを測ることが出来ます
(例えば、急な右肩上がりの線が出来上がった場合は、強い上昇トレンドを示しています。)
しかし、この移動平均線は、一本だけでなく短期と長期の移動平均線の2本、または短期・中期・長期の移動平均線の3本で用いられることが多いです。
ちなみに一般的に良く用いられる移動平均線の期間としては、日足チャートの場合、5日、25日、75日、200日、週足チャートの場合、13週、26週、50週などになります。
(多くの人が、これらの期間の移動平均線を用いてトレードしているため、後述するトレンドの流れや値が反発するタイミングなどを見極める際もこれらの期間を用いた方がよいです。)
以後の説明では、日足チャートの5日、25日、75日の移動平均線を用いて話を進める事とし、5日移動平均線を短期移動平均線、25日移動平均線を中期移動平均線、75日移動平均線を長期移動平均線と呼ぶことにします。
(基本的には、週足や時間足の場合でも同様の考え方が適用できますのでご安心ください)
移動平均線とローソク足の位置関係から見るトレンド
移動平均線とローソク足の位置関係でトレンドの方向性を推定することが出来ます
具体的には、移動平均線よりローソク足が上側にある時は上昇トレンド、下側にある時は下落トレンドとなります。
(この時基準にする移動平均線は、短期移動平均線が望ましいと考えます。)
また、この際に短期移動平均線よりは上側に、長期移動平均線よりは下側にローソク足が位置していた場合は、『短期的には上昇トレンド、長期的には下落トレンド』という見方をします。
ローソク足と移動平均線の位置関係からみられるその他の特徴としては、ローソク足と移動平均線が大きく離れるほど移動平均線に戻るような値動きをしやすくなること、そして、移動平均線に近づいたら再び反発上昇、下落をする可能性が高い、ということが挙げられます。
(この時基準にする移動平均線は、中期・長期移動平均線が望ましいと考えます。)
以上のことを実際のチャートを見て検証してみましょう。
チャートの中で、短期移動平均線は緑線、中期移動平均線は赤色、長期移動平均線は青色で示しています。
ここでローソク足が短期移動平均線の下側にある場合は下落トレンド、上側にある場合は上昇トレンドになっていることが分かると思います
この性質を活用することで、ローソク足が短期移動平均線を上抜けたときは買注文、下抜けたときは売注文を入れると成功しやすくなることが分かると思います。
また、性質の2つ目について、下落トレンドの中で移動平均線から大きく下方向に離れたローソク足は、その後移動平均線に戻るように上方向に戻っていることが分かると思います。
そして、中・長期移動平均線に近づいた青丸で囲った箇所で再び下落し、移動平均線から離れていっていることが分かると思います。
これは、上昇トレンドに対しても同じことが言え、移動平均線から大きく上方向に離れたローソク足は移動平均線に戻るような動きをし、近づいた赤丸付近のところで再び上方向に離れていっていることが分かるかと思います。
このようにローソク足と移動平均線の位置関係から、今後のトレンドの方向性や、チャートが反発するポイントなどを予測することが出来ます
短期・中期・長期の移動平均線の位置関係から見るトレンド
移動平均線は、短期・中期・長期の3本の線の位置関係を見る事でも、トレンドの流れを把握することが出来ます
具体的には、上から順に短期・中期・長期の右肩上がりの移動平均線になっている場合は強い上昇トレンド、逆に上から順に長期・中期・短期の右肩下がりの移動平均線になっている場合は強い下落トレンドになっていると言えます。
また、より短期の移動平均線がより長期の移動平均線を上回ると、その後は上昇トレンドになりやすく、逆に、より短期の移動平均線がより長期の移動平均線を下回ると、その後は下落トレンドになりやすくなります。
(前者の上昇トレンドへの転換を示す移動平均線の交点をゴールデンクロス、後者の下落トレンドへの転換を示す移動平均線の交点をデッドクロスといいます。)
こちらも実際のチャートを見て検証してみましょう。
図中の青丸で囲った部分がデッドクロス、赤丸で囲った部分がゴールデンクロスになります。
この図を見て頂ければ、デッドクロスが発生した後から下落トレンドになり、ゴールデンクロスが発生した後から上昇トレンドになっていることがお分かりいただけると思います
また、図を見て頂くことで、上昇トレンドから下落トレンドに転換する場合は、
@短期移動平均線が中期移動平均線を下回る
A短期移動平均線が長期移動平均線を下回る
B中期移動平均線が長期移動平均線を下回る
逆に下落トレンドから上昇トレンドに転換する場合は、
@短期移動平均線が中期移動平均線を上回る
A短期移動平均線が長期移動平均線を上回る
B中期移動平均線が長期移動平均線を上回る
の順で、発生していることもお気づきになられたかと思います
この性質を利用することで、@が起きた時点でトレンドの転換を疑い、Bでトレンドの転換を確信することが出来るため、売買注文を入れるポイントの参考にすることが出来ます
まとめ
これまで3回のFXコラムで様々なチャートの分析方法について解説してきました。
チャートの分析方法は、これら以外にもたくさんありますが、とりあえず初めのうちは、今回ご紹介したものだけ覚えておいていただければ大概は対処できるようになると思います
短期売買では必須、長期売買でも長期間のトレンドを読んだり、様々な目的で非常に有用なこれらのチャート分析方法を、是非これから活用してみてください
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