2020年12月26日
「一般信用取引」と「制度信用取引」の違い
過去2回のコラム記事『少ない元手で大儲けを目指す「信用取引」の魅力』、『要注意!信用取引のデメリット』でご紹介した『信用取引』ですが、同じ信用取引でも、実は『一般信用取引』と『制度信用取引』という二種類に分けることが出来ます
今回は、『一般信用取引』と『制度信用取引』のそれぞれの内容と特徴について解説していきたいと思います
一般信用取引と制度信用取引の違い
『少ない元手で大儲けを目指す「信用取引」の魅力』の記事でもお伝えしたように、信用取引とは、株式や資金を借りて行う取引のことですが、借りる先が自分が口座を開く証券会社で完結する場合の取引を一般信用取引と言います
それに対して、証券会社が更に、証券金融会社という株式や資金の融通を行う会社から株式や資金の借り入れを行って行う取引を制度信用取引と言います
取引のルールについて、一般信用取引は、各証券会社毎にルールがそれぞれ定められていますが、制度信用取引においては、概ねどの証券会社でも同じルールが採用されています。
これからは、様々な観点において一般信用取引と制度信用取引の違いについてご説明していきます
取引可能銘柄の違い
制度信用取引は、取引所が選定した銘柄を扱っておりとなり、各証券会社が取引可能銘柄を選定する一般信用取引に比べると一般的に取り扱い銘柄数少ない傾向があります
特に、制度信用取引において売建(空売り)が出来る「貸借銘柄」と呼ばれるものについては、かなり基準が厳しく、厳選されたもののみとなるため、取引可能銘柄数が少なくなっています
(制度信用取引で買建が出来る銘柄のうち、売建もできる貸借銘柄は60%程度しかありません。)
従って、銘柄によっては、制度信用取引を選択できず、一般信用取引しか選択の余地がないものも出てきます
返済期限の違い
信用取引は資金や株式を借りて取引を行いますが、借りた資金や株式の返済期限については、一般信用取引の場合、原則無期限であることが多い中、制度信用取引の場合は、売建、買建共に6か月が返済期限となっています
従って、制度信用取引の場合は、建玉を保有してから6か月が経過すると、強制的にその時点の損益が確定してしまうことに注意しなければなりません
金利・貸株料の違い
資金を借りた際に支払う金利や、株式を借りた際に支払う貸株料については、一般的に制度信用取引を行った時の方が一般信用取引よりも低コストで済むことが多いです
従って、数か月単位の長期で保有することを想定している場合は、制度信用取引で取引を行った方が良いと言えるでしょう
(ただし、証券会社によっては、一般信用取引とコストが同等、もしくはそれ以下であるケースもたまにありますので、ご利用の証券会社の条件をご確認ください。)
まとめ
今回は、信用取引の大きな分類である「制度信用取引」と「一般信用取引」の違いを取引可能銘柄、返済期限、金利・貸株料の観点でご説明しました
実際に取引されるときの条件(どんな銘柄を取引したいか、どれくらいの期間保有する予定か)によってうまく使い分けをしていきたいところですね
ところで、今回はご紹介しなかったのですが、制度信用取引と一般信用取引の違いの一つとして「逆日歩」というものがあります
これは、結構重要なポイントなので、次回の株式コラムでは「逆日歩」についてご説明しようと思います
<注意>
『要注意!信用取引のデメリット』の記事でもお伝えした通り、信用取引は金利等のランニングコストがかかるだけでなく、株式の値動きの感覚がないまま信用取引をすると自分の許容リスク範囲以上に取引をしてしまう可能性があり、非常に危険であるため、現物取引をある程度(3〜5年くらい)行った上で取り組まれることをおススメします
(投資初心者向けのブログを標榜しておきながら申し訳ないですが、投資初心者の方は現物取引の経験がないうちに信用取引を行うことはお勧めしません。)
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